
お前に恋した時から、こうして愛でてやりたかった
たとえ、危険な恋だと言われても
~処女を捧げた相手は元マフィア~
著者:さくら茉帆
イラスト:蜂不二子
発売日:4月24日
定価:630円+税
日菜子はひょんなことから元マフィアの男・玲司を自分の部屋で匿うことになる。
二人で暮らす中で彼の優しさに触れ、いつしか想いを募らせる日菜子だったが、その別れは突然だった。
それから六年の年月を経て、再会する二人。
「……お前に恋をした時からずっと、こうして愛でてやりたかった」
離れていた時間を埋めるように、二人は淫靡な愛を日増しに深めていく。
けれどそんなとき、日菜子のもとにかつての玲司の仲間が現れて――!?
【人物紹介】
園崎日菜子(そのざきひなこ)
親の元を離れ、一人暮らしをしている女性。
大学二年生の時に玲司と出会う。
玲司がいなくなってから、いつかまた会えるのではないかと彼を六年間待ち続けていた。
小田切玲司(おだぎりれいじ)
イタリア系アメリカ人と日本人のクォーターの元マフィア。
六年前、組織との関係から彼女の元を去る。
現在は知り合いの運営する会社に勤務し、日菜子と再会する。
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【試し読み】
「玲司さんになら、何をされても怖くありません」
「ほう、言ったな」
次の瞬間、玲司の瞳に獰猛な光が宿る。
こんな風に欲望をあらわにした玲司を見るのは初めてだ。
何をされるのだろうとドキドキしていると、まだ柔らかい乳首を軽くつつかれた。
「あぁん」
日菜子は小さく身震いして切なげに喘ぐ。
触れられた部分から甘い刺激が生じ、下腹部の奥が熱くなるような感覚を覚える。
「初めてでも乳首は感じやすいのか」
玲司は立て続けに、乳頭を指の腹で押したり撫でたりして日菜子を翻弄する。
すると乳首はますますジンと疼き、それに伴って体に生じた淫靡な熱も増していった。
「あ、あぁッ……!」
日菜子は頬を上気させながら、感じ入った様子で何度も嬌声を上げた。
いたいけだった彼女の乳首は、玲司の巧みな指戯によって瞬く間に感度が上がり、次第に硬く尖り始めていった。
「気持ちいいか? それじゃあ、こんな風にされるのはどうだ?」
玲司は両方の乳首を摘むと、くいくいと引っ張っては指の腹で擦っていく。
「ひ、あ……あぁ……んッ!」
優しい触れ方ではあるものの、今の日菜子には強すぎる刺激である。しかしその一方で、初めて与えられる快感に悦びを覚える自分もいた。
また、乳首はピンと尖った状態で濃く色づき、触れられるたびに淫靡な姿形となっていくのが見て取れた。
(もっと……玲司さんの愛撫が欲しい……)
決して口には出さなかったものの、ずっと玲司に抱かれたいと願っていたのだと改めて実感する。
鋭敏になった胸の先端を弄りながら、玲司は口角をわずかに吊り上げる。
「乳首がだんだんと硬くなってきたな。こうやって触れられるのが好きなのか?」
「や……ッ」
弄うように乳首をツンツンとつつかれ、触れられた部分から腰の辺りにかけて一気に熱くなっていく。
「そ、そんなに何度も……しないで下さい……」
日菜子は顔を真っ赤にして涙声で訴えた。
そんな彼女のことを、玲司はからかいめいた面持ちで見つめるばかりである。
「日菜子は本当にかわいいな」
恥ずかしがる日菜子の耳元で、官能的な低い声音でそっとささやいたのち、玲司は硬くしこった乳首にチュッと口づけた。
「ひゃん!」
唇が触れただけでも感じてしまい、日菜子の体はビクンと大きく跳ね上がる。
(私の体、こんなにも……感じやすいの……?)
確かに玲司の愛撫は気持ちいいが、それでもここまで敏感に反応する自分に日菜子は戸惑いを隠せない。
恥じらいながらも快楽を得ている日菜子を見るなり、玲司は不敵な笑みを浮かべて舌なめずりする。
「なかなかいい反応だ」
玲司は満足げにつぶやくと、舌先でそっと乳輪を舐っていった。
「あ、は……あぁっ……!」
日菜子はあられもない声で鳴いて頭を仰け反らせる。
指とは違うねっとりとした感触が、何とも背徳的かつ官能的である。また、乳首を舐ってくる動きも気持ちよくてたまらない。
「あぁ、玲司……さん……」
「何て愛らしい顔なんだ。ますますそそられてしまう……」
艶めいた声音で名前を呼ばれて、欲望の熱が一気に上昇したのだろう。玲司は恍惚の笑みを浮かべると、すっかり熟れた先端を口に含んで軽く歯を立てた。
「あ……んっ!」
日菜子はたまらず小さな悲鳴を上げる。
柔らかく噛まれただけなので少しも痛くなかったが、代わりにゾクゾクするような愉悦を覚えるのだった。
「甘噛みされるのも気に入ったみたいだな」
「は……あぅ……ん……」
紅く色づいた乳首を何度も優しく食まれ、日菜子は鼻から抜けるよう甘い声音で鳴いた。
まだ羞恥心はいくらか残っていたが、愛する男に快感を与えられて官能の歓びを知る自分もいた。
「こんなにも愛らしくて感じやすい乳首、このまま食べてしまいたいぐらいだ……」
しばらく甘噛みを繰り返したのち、玲司はすっかり悦に入った様子で乳首を吸い上げていく。
「あ……あぁ……っ!」
得も言えぬ快楽が全身を迸り、下肢の中心から熱い疼きが生じる。
日菜子は酩酊したように頬を赤らめて、淫靡な熱を帯びたため息をついた。
つい先程まで無垢そのものだった心と体は、瞬く間に官能の深みへとはまっていった。
玲司は濡れた舌で乳首を優しく転がす傍ら、空いているもう片方の乳首を指先でなぶっていく。
「んっ、あぁ……ン……」
憚りのない声で喘ぐ日菜子は、すっかり蕩けきったような面持ちを浮かべていた。
二つの異なる感触が、この上なく気持ちよくてたまらない。理性を奪うような快感のうねりに、早くも絶頂に達してしまいそうになる。
下腹部の奥が熱く疼いており、足の間もすでに潤んでいるのがわかった。
「玲司さん……」
一刻も早く淫らな指戯で、閉ざされた花唇も感じさせてほしい――そんなふしだらな願望を秘めて、日菜子は今にも消え入りそうな声で呼びかける。
玲司にはその声音と表情だけで、彼女の言わんとしていることがわかったらしい。
「自分から淫らにねだるとは、なかなか大胆だな。そんなお前もかわいくて、ますますそそられてしまう」
彼は胸の谷間に口づけを落としたのち、日菜子の足を大きく開かせて秘部をあらわにさせる。
「あ……」
玲司の眼前に晒された途端、すでに濡れそぼった花唇はヒクヒクと蠢いた。まるで愛する男に見られて歓喜しているかのようだ。
しかしながら日菜子は、今までにないほどの強い羞恥心に襲われ、そのまま卒倒してしまいそうだった。
「日菜子はここも綺麗だな」
「そんな……やめて下さい……。こんな恥ずかしい所……綺麗なんかじゃありません……」
性器を凝視される恥ずかしさから、日菜子は足を閉じようとする。しかし、玲司がそれを許さなかった。
「謙遜するな。愛蜜にまみれているところなんかは、朝露に濡れた花そのものだ」
玲司は感極まった様子で賛美したのち、恥裂をそっとなぞりあげる。
「あぁ――ッ!」
快感が電流のように駆け巡り、日菜子は一際甲高い嬌声を上げた。それと同時に淫蜜がどっと溢れ出す。
「この濡れ具合から察するに、俺の愛撫を相当待ち侘びていたようだな。これはかわいがり甲斐がある」
玲司は嗜虐的な笑みを浮かべると、蜜口に長い指を入れてゆっくりと動かした。
「ひゃぁ……あぁんっ!」
下肢のみならず全身が淫らに疼き、理性までもが快楽に支配されそうになる。
指を抽送されるだけでも気持ちよく、日菜子の意思に関係なく花唇が歓喜に震えるのだった。
「ほんの少し指を動かしただけで、これほどまでの反応を見せてくれるとはな」
快感に喘ぐ日菜子の様子に、玲司は至極満足そうである。
「それじゃあ、こういう動きはどうだ?」
続いて彼は、抽送に似た動きで入り口付近を撹拌してくる。
自身の中で指がいやらしく蠢く感覚に、淫靡な情欲が増して全身がざわついた。
「あ……あぁ……ッ!」
媚肉の浅い部分をまさぐられているだけなのに、まるで最奥まで揺さぶられているようである。
今でさえ、下肢全体がこんなにも疼いている状態なのに、玲司の猛々しい巨根で貫かれたらどうなってしまうのだろうか。
想像した瞬間、子宮の奥が太いものを欲するように更に熱く疼く。
はしたない妄想をしたことにより、感度が一気に高まったようである。
それを察知したかのように、玲司の指の抽送は速度を増していった。
「あぁ、いや……! 玲司さん……駄目ッ……!」
「何が駄目なんだ? 俺にこうされるのを望んでいたんだろう?」
玲司は日菜子にわざと聞かせるように、クチュクチュと音を立てて中を掻き乱す。
卑猥な水音がやけに耳につき、羞恥心が増していくばかりだ。
「や……あ、あぁ……」
「こんなに濡らしておきながら嫌だと言うのか? 日菜子は嘘が下手だな」
玲司は意地悪くささやきながら、指を二本に増やして中をまさぐり続ける。
「はぁ……あぁっ……ん……!」
日菜子の体が仰け反るのと同時に、大きく開かれた足がガクガクと揺れた。
続いて雌唇も戦慄くように震えて、新たな官能の滴りを吹き出すのだった。
「いやらしい蜜をこんなに溢れさせるとは、今のがそんなに気持ち良かったか?」
指の挿入を繰り返しながら、玲司は丸く膨らんだ陰核にそっと触れた。
「はぁぁぁん!」
体を洗う時は少しくすぐったい程度だったのに、愉悦を与えられているせいかひどく感じてしまう。
日菜子が喜悦に満ちた声音で喘ぐのが、よほど嬉しかったのだろう。玲司の指戯は止むことなく続いては、淫芽をじっくりと刺激していく。
「あっ! や……ぁ……。は、あぁ……ッ!」
可憐な尖りを何度もくすぐられ、日菜子は甘い悲鳴を上げて身震いする。
灼けるような快感が雌芯に生じ、下肢が一気に熱く火照っていった。
「こうして弄ってやると、嬉しそうに脈動している。俺に会えなかった間、毎晩自分で慰めていたのか?」
指の腹で肉芽をグリグリと捏ね回しながら、玲司は意地悪く問いかけてくる。
「そ、そんなこと……してません!」
「してもいないのにここまで感じるというのか」
必死になって否定する日菜子を見て、彼は更に嗜虐心を掻き立てられたようで、鋭敏な突起を執拗になぶっていく。
「ひっ! や……あぁぁッ!」
今までで一番激しい快感に襲われ、日菜子は幾度となく腰を痙攣させる。
淫芽は更に膨らみを増して充血しており、花唇も淫らにヒクつきながら淫蜜を止め処なく溢れさせた。
「いやらしい体だ。もっと苛めてしまいたくなる」
優しい愛撫とは裏腹に、玲司は意地悪な言葉で責めてくる。
甘い顔の裏に隠されたサディスティックな一面にもそそられ、無意識のうちにもっと乱されたいと願ってしまう。
「はぁ……あぁぁんッ!」
リズミカルな撹拌に何度も絶頂へと導かれ、そのたびに日菜子は下肢を震わせて歓喜の声を上げるのだった。
その後も玲司の淫靡かつ巧妙な指戯は続き、更にもう一本追加して蜜腔を拡げてくる。
「あァァァ……ン……! 玲司さん……! そんなにたくさん……入れられたら、中……壊れちゃう……!」
三本の指を締めつけながら、日菜子は喘ぎ混じりの嗚咽を上げて涙を流す。
「大丈夫だ、この程度で壊れたりしない」
玲司はなだめるように告げると、淫芽も愛でるように撫で回していく。
するとまた、下肢の中心から微弱電流のような痺れが生じる。
「あ……んッ! そこ……そんなに、弄らないで……!」
日菜子はいやいやと頭を振るが、彼女の声音には喜悦の色が混じっている。その証拠に淫核がヒクヒクと震えていた。
「日菜子の体は正直だ。こうしてかわいがってやるたびに、いやらしい蜜が次から次へと溢れてくる」
「ふ……あぁ……!」
こうして肉芽を優しく転がされるだけで、下肢の疼きが増して太腿の痙攣が止まらなくなる。
指戯を繰り返している間、玲司は花蜜にまみれた秘処をじっと見つめていた。
それも相まってか、日菜子の中でいやらしい気分がどんどん増していき、快感も更に高まっていくのがわかった。
「ずっと触り続けていると、こんなにも勃起するとは。まるで小さなペニスといったところだな」
「いやらしいこと……言わないで下さい……!」
淫猥な言葉を告げられ、恥ずかしくていたたまれない気持ちになる。
今にも泣き出しそうな日菜子を見て、玲司は一段とそそられたらしい。双眸を獰猛にぎらつかせて、鋭敏な部分を苛烈になぶってくるのだった。
「あ、あ……ン! あァァ……ッ!」
陰核だけでなく蜜腔も擦り上げられ、日菜子は愉悦のあまり絶え間なく身悶えてしまう。
官能の滴りにまみれた花唇は、すっかり蕩けきって熟れていたが、玲司の指の動きは止まらない。
「あ、は……あぁ……。熱い……もう……イク……」
日菜子は艶めいた声音で淫らなことを口走ってしまう。
「もう少し待て。初めてだから、しっかりほぐしてやらないと」
急かす日菜子を優しくたしなめると、玲司は三本の指で器用に隘路を撹拌していく。
「ん……あ、ぁ……ん……」
焦らすような動きにもどかしさを覚えつつも、こうして中をまさぐられるほど劣情を掻き立てられ、もっと気持ちよくしてほしいと願ってしまいそうになる。
「……お前に恋をした時からずっと、こうして愛でてやりたかった」
日菜子の感じる部分をなぶりながら、玲司は優しい声色で唐突に告げてくる。
彼のその言葉を聞いた瞬間、子宮の奥がキュンと甘切なく疼き、胸の高鳴りもいっそう増していった。
「わ、私も……玲司さんに、こうしてもらいたいって……ずっと……思ってました……」
日菜子は上擦った声で言葉を返す。
憚りのないことを口にするのは恥ずかしかったが、抱かれている時だからこそこうして想いを伝えられたのだ。
日菜子の言葉で更に情欲に火がついたのか、玲司の瞳に宿る獰猛な光が鋭さを増した。
「お互い六年間、待った甲斐があったな」
「はぁ……あぁッ……」
玲司の劣情を具現化したような激しい愛撫に、性器全体が快感に喘ぐようにわなわなと震える。
「あ、あぁ……いい……! も……すごく……いい……の……」
押し寄せてくる快楽の波に溺れ、日菜子はすっかり呂律が回らなくなっていた。
花蜜を淫らに溢れさせながら、艶めいた表情で喘ぐ日菜子を見て、玲司は満足げに微笑む。
彼の笑顔は普段からとても魅力的だが、情交時に見ると男の色気がますます醸し出ているようだった。
「かわいいお前が、すっかり色気に溢れた大人の女になったな。そんなお前の姿を目の当たりにしたら、イカせてやりたくなったよ」
玲司は挿入していた指を軽く突き立て、雌核をクリクリと素早く転がしていった。
「あぁ……!」
日菜子は艶めかしく腰をくねらせて甘切なく喘いだ。
姫洞と淫芽を容赦なく責め苛まれ、全身を激しく揺さぶられるようなうねりが押し寄せてくる。
羞恥心などすでに完全に消え去っていた。
すっかり快楽に溺れていた日菜子は、上下に弾む乳房や蜜を滴らせた花唇を隠そうともせず、恍惚とした面持ちで体を震わせるのだった。
彼女のそんなあられもない痴態に、玲司はすっかり魅了されたらしく感極まったようにため息をつく。
「淫らに喘ぐお前も最高だ……」
「は……ぁん……」
陶然とした声色でささやかれ、背筋がゾクゾクと震え上がる。
今の日菜子にとって、艶を帯びた玲司の声は媚薬そのもので、こうして耳にするだけで酔ってしまうほどである。
「お前のかわいい花芯がまた膨らんだが、俺の声を聴いただけで感じたのか?」
「あっ……ああん……!」
可憐な尖りをいやらしく擦られ、気持ちよさのあまり腰の痙攣が止まらなくなる。
すると玲司はその端整な顔立ちに、わずかに微笑を浮かべた。
「お前の体がこんなにも、素直な反応を見せてくれるのが嬉しくてたまらない」
彼は優しくそう告げたのち、隘路に挿入したままの指を激しく律動させた。
淫芽に加えて蜜洞までなぶられ、堰を切ったように快感が突き上げてくる。
「やッ……あぁぁ……ン!」
この短時間でたっぷり快感を覚え込まされた日菜子は、体を弓なりに反らせて瞬く間に達してしまう。
花蜜を噴き出した後も、膣口や肉芽は依然として脈動していた。
絶頂が過ぎ去り官能の余韻に浸っていると、何の前触れもなく玲司に手首を掴まれた。そしてそのまま手に熱く硬いものを握らされる。
「きゃっ!」
それが彼のいきり勃った雄肉だと気付き、日菜子の羞恥心は一気に上昇していった。
(こんなに熱くて硬いなんて……!)
自分が男性器に触れているという状況に、動揺のあまり頭の中が真っ白になりそうだったが、それ以上に硬起したものの脈打つ感触に驚いてしまう。
狼狽する日菜子を見て、玲司は声を立てて笑い出した。
「笑わないで下さい。こっちは恥ずかしくて仕方がないんですから……」
日菜子は涙目で睨みながら非難する。
「お前の反応があまりにもかわいいから、ついからかいたくなってしまったんだ」
「もう、ひどいです」
頬を膨らませる日菜子をなだめるように、玲司は額にそっと口づけする。
「だが、いつまでも離さないところを見ると、満更でもないようだな」
「そ、それは――玲司さんが無理矢理……触らせるから……!」
玲司に再度からかわれ、日菜子はすぐさま手を引っ込めた。
ひとしきり笑ったのち、彼は唐突に真摯な眼差しを向けてくる。
「日菜子、お前を危険に巻き込みたくなかったとはいえ、冷たく突き放してしまって本当にすまない。そのせいで傷つけてしまったのではとずっと気にかけていたんだが、大丈夫だったか?」
「確かに玲司さんが去って行った時は、すごく悲しくて一日中泣きました。でも、今こうして愛を確かめ合うことができたので、それだけで充分です」
日菜子は玲司の頬を両手で包み込むと、慈しむような優しい微笑みを見せた。
「ありがとう、日菜子。もう二度と、お前の元を離れないと約束しよう」
「玲司さん……」
彼の言葉の端々から日菜子への強い想いが伝わってきて、堰を切ったように嬉し涙が溢れてくる。
「泣くなよ」
玲司はあやすような手つきで日菜子の頭を撫でてやる。
それから己の剛直にコンドームを装着し、濡れそぼった淫裂に押し当てた。
「あん……」
日菜子はあえかな声を上げて小さく身震いする。
全身がざわざわと粟立っていくと同時に、蜜口も玲司の猛りが当たって歓喜するように脈打っている。
男根もさっき日菜子が触れた時に比べて、一段と熱くなっているように感じられた。
いよいよこの体は、乙女から大人の女へと変わるのだ。緊張のあまり胸の鼓動が早鐘を打っている。
「怖がらなくていい。できるだけ痛くならないように挿入れてやるから」
「はい……」
玲司に優しく声をかけられただけで、日菜子の中に生じた不安は瞬く間に消えていく。あれほどまでに強張っていた体も、いつの間にかすっかり和らいでいた。
「それじゃあ、行くぞ」
「はい、玲司さん」
日菜子がうなずくのを確認したのち、玲司は隘路への侵入を開始した。
「ン……あぁッ――!」
巨いなるものが自身の中に入ってくる衝撃に、日菜子はたまらず悲鳴に近い声を上げる。
玲司がじっくりほぐしてくれたとはいえ、初めて雄肉を受け入れるのは一筋縄ではいかないようだ。
「痛いか?」
「いえ、大丈夫です……」
「本当に辛かったら我慢せずに言えよ?」
挿入を続けながら、玲司はどこまでも優しくいたわってくれる。
そんな彼の心遣いが、日菜子は何よりも嬉しかった。
しかし次の瞬間、鋭い痛みが下腹部に奔る。
「ん……うぅ……!」
まるで下肢全体を圧迫されているような感覚だ。
このまま引き裂かれるのではという恐怖から、体が強張り与えられていた快感が薄れていってしまう。
苦悶の表情を浮かべる日菜子を見て、玲司は一旦挿入を中止する。
「駄目……玲司さん……。やめないで……」
「いいのか? とても大丈夫そうには思えないが」
「お願い、どうか……このまま――」
息もすっかり絶え絶えになり、それ以上の言葉は続かなかった。
「わかった、お前がそこまで言うなら続ける。だが、絶対に無理するなよ。お前が痛がる姿を見るのは辛いからな」
「はい……」
不安げに返事をする日菜子に口づけしたのち、玲司は再び自らの半身を押し進めた。
「いい子だ」
日菜子の身を案じるように、彼は優しくささやきながら頭を撫でてくる。
「う……ぅん……!」
ゆっくり押し進めてくれているおかげか、痛みは幾分か軽減した気がする。
それでもやはり、無理矢理拡げられていることに変わりはなく、狭い膣壁は獰猛ないきり勃ちの侵入を拒もうとする。
「まだ痛いか?」
「いえ、大丈夫……です……」
痛みはないが下肢への圧迫感が強い。
玲司にもその感覚が伝わっているようで、心の底から申し訳なさそうな表情を浮かべていた。
「すまない。痛いのは最初だけだから、どうかもう少しだけ耐えてくれ」
玲司はいたわるように声をかけると、日菜子の様子を窺いながら挿入を続けていく。
その間、彼女の苦痛を少しでも和らげようと、そっと愛撫したりキスしたりを繰り返した。
(玲司さん、私のことを本当に大事に思ってくれているのね……)
改めて玲司の優しさに触れた日菜子は、彼の背中に腕を回して静かに涙を流す。
どのぐらい経った頃だろうか。長かったような気がするし、短かったような気もする。
「よく耐えたな。いい子だ」
玲司は日菜子の眦にたまった涙を指先で拭い、次々と口づけを落としていく。
それから彼はしばしの間、日菜子を抱きしめたまま身じろぎ一つせずにいた。
「お前の中はすごく気持ちいいな。このままずっと、こうしていたいぐらいだ……」
本当はすぐにでも動きたいのだろうが、決して独り善がりの行動に出ず日菜子の意思を優先してくれるのだった。
玲司の気遣いに感謝しながら、日菜子は埋め込まれている男根を感じていた。
自身の手首ほどの太さがある巨根が、狭い膣内に入るとは思わなかったので、正直まだ信じられない気分である。
だが、こうしてじっとしていると、淫襞の中で熱く息づいている感覚が伝わってくる。玲司の昂りが脈動している証拠だ。
(私、本当に玲司さんとつながっているのね……)
身も心も愛する男と一つになれた喜びに、日菜子の胸の中が満たされていく。同時に下腹部の奥が、玲司の熱をもっと感じたいと言わんばかりに、静かに胎動するのだった。