極上偽装婚約 ~たとえ契約から始まっても貴女と結婚したい~

書籍情報

極上偽装婚約 ~たとえ契約から始まっても貴女と結婚したい~


著者:臣桜
イラスト:心友
発売日:2021年 4月30日
定価:630円+税

製薬会社ではたらく皐月は、貧血で倒れたところを自社の社長、頼人に助けられる。
命の恩人にお礼をしたいと申し出た皐月に、頼人は「本当に結婚したいと思う人が現れるまで、偽装の婚約者として契約してほしい」と頼む。
頼人の必死な様子に思わず承諾してしまった皐月だが、彼女には頼人には言えない大きな悩みがあって……。
「俺は皐月の婚約者なんだから、もっと信じて甘えてほしい」
偽装婚約者として生活をするうちに、二人は本当の婚約者のように甘い距離感になっていく――!?

【人物紹介】

雨宮皐月(あまみや さつき)
神月製薬工業の総務課で働くOL。
持病の貧血に加え、元カレとの間に発生したトラブルに悩まされている。
気が弱いところがあるが、純粋で心優しい性格。


神月頼人(こうづき よりと)
神月製薬工業の若手のやり手社長。
皐月に偽装の婚約者として契約してほしいと提案する。
映画が好きで涙もろいという意外な一面も……。

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【試し読み】

……俺が君を〝役〟としてでなく、女性として意識していると言ったら、どう思う?」
 彼の言葉を聞き、密着している体、頼人の指に触れている唇が熱く燃え上がった気がした。
 性別として〝男〟と見ていた彼を、今は性的な意味での〝男〟と認識し直す。
「……よ、頼人さんなら……。いいです……」
「じゃあ……、キスしてもいいか?」
 頼人の手が皐月の顎を捉え、顔を上向かせる。そして整いすぎた顔が至近距離に迫った。
(睫毛……長い……)
 思わず息を止めて頼人の目を見つめていた皐月を見て、彼はクスッと笑った。
「目を開けたままじゃ、キスができない」
「あっ、……は、はい……」
 緊張しつつ目を閉じると、しばらく頼人は皐月の顔を見つめているようだった。
(うぅ……。は、早く……)
 キス待ち顔を見られるのは恥ずかしく、くい、と手で頼人の服を引っ張ると、彼は「ごめん」と笑う。そして頼人の気配が近付き、ふわっと唇に柔らかいものが重なった。
(あ……)
 頼人は引き締まった体型をしているため、「柔らかい」というイメージがない。
 押しつけられた唇のあまりの柔らかさに、皐月は思わず自身の唇でついばみ、その感触を確かめてしまった。
 皐月の反応に頼人はクスッと笑うと、舌でれろりと唇のあわいを舐め、さらに深く口づけてきた。
「ん……っ、ふ、……ん、ぅ」
(私、頼人さんとキス、……してる……っ)
 触れ合った唇は柔らかく、舐められた事により濡れてゆく。
 次第にチュプ……チュク……といやらしい水音が立ち、皐月の体温が上がってきた。
 気が付けば体は頼人に抱き締められたまま、ソファの背もたれに押しつけられる体勢になっている。
「……大丈夫か?」
 キスの合間に頼人が確認してきて、皐月はとろんとした顔のまま小さく頷く。
「良かった」
 頼人は嬉しそうに微笑むと、また顔の角度を変えてキスを続けた。
「ん……、ン、ふぁ……っ、ア、ぁ……ん」
 唇をついばまれ、舐められて、喘ぐように小さく開いた口に頼人の舌がヌルッと入る。
 柔らかく、温かくてぬめらかな舌を口内に感じ、皐月は体を緊張させると同時に下腹部に切ない疼きを覚えた。
(やだ……。キスされてるだけなのに……。こんな……)
 下腹は頼人の舌を鮮明に感じれば感じるほど、うずうずと皐月に女の本能を訴えてくる。
 抱き締めてくる力強い腕、皐月の乳房を押し潰す逞しい胸板。風呂上がりの高い体温。そして頼人から漂ってくるいい香り。
 そのすべてに呑まれ、皐月はメスとして彼を求めようとしていた。
(いけないのに……。契約相手なのに……)
 心の中でまだ微かに残っていた理性が、懸命に皐月を押しとどめようとする。だがヌルリ、ヌルリと彼の舌に翻弄されるたびに、その理性が溶かされていく。
 まるで頼人という熱に炙られ、芳醇なバターが小さくなっていくかのようだ。
「ぁ……っ、ふ、――――ん」
 抱き寄せられていた体をソファの上に押し倒され、頼人が覆い被さってくる。
 風呂上がりであとは寝るだけと思っていたので、ブラジャーはつけていない。モコモコしたルームウェアを着ているので、胸の突起は目立たないだろうと思っていたが、まさかこんな展開になると思っていなかった。ルームウェア越しに頼人の手が皐月の胸を掴み、たっぷりとした肉質を味わうかのように蠢く。
「……初めて会った時から思っていて、セクハラになるのが怖くて言えなかったけど、……大きいな」
 むっちりとした胸の果実は、重量感のあるサイズだ。
 佳奈に「胸が大きくていいな」と言われたことがあるが、下着は可愛い物がないし、下乳に汗を掻いて大変だ。食事をした時に胸の下が汚れているのに気づかなかったり、立ち上がろうとして胸でテーブルの上の物を倒してしまったりで、不便さを感じている。
 だがそれは女性ならではの事情で、男性から見ると違うのかもしれない。
 井之内と付き合っていた時も、彼は皐月の胸が大きい事をひどく喜んでいた。
「大きいの……、好き、ですか?」
「すごく好きだ」
 躊躇いなく答えられ、胸の奥に安堵感が広がってゆく。
「良かった……。ちょっと、コンプレックスだったので」
「どうしてだ? 胸が大きいと魅力的に見えないか? 同性にも羨ましがられたりしないんだろうか? ……突っ込んだ事を聞いてすまない」
「いいえ。どっちかというと、頼人さんが思っているほどいいものじゃないんです。男性にはすぐ性的に見られてしまうし、女性には胸で男性に媚びているって思われがちです。仲のいい同僚とかは、そんな事は言わないんですが」
「……俺は単純に皐月の胸が大きくて嬉しい。……なんか、ごめんな?」
 服の上から皐月の胸をさすりながら、頼人が謝ってくる。
 そんな誠実さが愛しくて、皐月はクスクス笑い出していた。
「気にしないでください。好きでもない相手に胸を気にされるのは嫌ですが、頼人さんには意識……してもらいたいです。私を好きになってくれる要素の一つになるなら、胸が大きくて良かったな……って思います」
 照れながら微笑む皐月を見て、頼人は一つ息をついたあと、堪らないというようにチュッと音を立ててキスをしてきた。
「……皐月は可愛い。ずるい」
「……よ、頼人さんだって格好良くてずるいです。私ばっかりいつもドキドキしていて……」
 こんな風に好意をダダ漏れにするつもりはなかったのに、キスをしてから気持ちに歯止めがつかなくなっている。
(こんなの、『好きです』って言ってるようなものじゃない……!)
 今さらながら恥ずかしくなり、カァーッと顔が熱くなった。
 泣き出しそうな表情を見たからか、頼人は皐月の手を取り、その甲にキスをする。
「皐月。俺はこれから、君に嫌われるかもしれない事を言う。嫌だったら嫌で、素直に言って欲しい。もし嫌だと言っても、俺は明日からの態度を変えるつもりはないし、君とギクシャクしたくない」
「は……はい……」
 頼人がこれから口にする〝何か〟に漠然と期待し、皐月は少し上ずった声で返事をする。
「皐月の心の中にある、男への嫌悪や恐怖を俺に拭わせてくれないか? ……優しくするから、君に触れさせてほしい。……抱かせてくれ」
 まっすぐに見つめ、頼人が訴えてくる。
 誠実な想いと、男としての性欲と純粋な好意を向けられ、皐月の胸の奥に喜びが駆け抜ける。
 いまだ、皐月はこんな風に男性に情熱的に求められた事はなかった。
 学生時代はまだ青く、〝愛〟ではなく〝恋〟だった。
 社会人になってから恋愛をしたいと思っても、好きな人はできず、挙げ句の果てに井之内のような男に引っ掛かってしまった。
 正直、頼人と出会うまでは、自分はもうまともな男性に出会えず、井之内に弄ばれたまま終わってしまうのではと思っていた。
 だからこそ、頼人の優しさやまっすぐな想いに胸が震えるほどの喜びを感じ、たどたどしいながらも「応えたい」と思ってしまう。
 ――頼人さんとの幸せな未来がほしいなんて言わない。
 ――けど、一度くらい思い出に残る幸せなセックスをしてみたい。
 迸る想いは皐月の目を潤ませ、瞳の奥に彼の寵愛を乞う雌の本能が宿った。
 コクッと小さく頷いた皐月を頼人はソファに押しつけ、彼女の下腹部に昂ぶりを押しつけた。
(硬い……の、当たってる)
 それが頼人の興奮の証だと思うと、堪らなく嬉しい。
「っ…………。……わ、……私で、いいなら……」
 どうしようもなく頼人の〝雄〟を感じ、恥ずかしくて消え入りそうな声で皐月は頷いた。それに頼人はフワッと微笑んで「良かった」と呟くと、体を起こし皐月を抱き上げた。
「っきゃあっ!? お、重たいですから!」
 生まれて初めてお姫様抱っこをされた皐月は、恥ずかしさと驚きで悲鳴を上げ、それでも暴れたら落ちてしまいそうなので頼人にしがみつく。
「そうやって抱きついてくれていれば、俺は楽に運べるよ」
 頼人がクスクスと笑うので、恥ずかしさのあまり皐月は思わず言い返す。
「頼人さんは抱き慣れているかもしれませんが、私は初めてで……」
「え? こんな事したの、初めてだけど」
「えっ?」
 気を取られている間に頼人の寝室についてしまい、キングサイズのベッドの上に優しく座らされる。
 頼人の寝室は、重厚なチョコレート色のベッドを基調に、落ち着いた色味で統一されてある。ベッド横にはウォールシェルフがあり、難しそうな経営に関する本や洋書、小説など多岐に渡る本が収められている。
 入口側の壁には小さな冷蔵庫がある隣に、一面ブルーレイディスクが収められている棚もある。ベッドの真向かいは白い壁が露出していて、ベッドの足元にあるプロジェクターで映画を映すのだろう。
 呆けている皐月の目の前で、頼人は躊躇いもなくTシャツを脱ぎ、鍛え上げた胸板や腹筋を露わにした。
(わ……っ! す、すごい……)
 服を着ている姿からは想像できないほど腹筋が割れていて、皐月は思わず彼の体を凝視する。
 圧倒的なオスの肉体を見せつけられたからか、それだけで体の深部にあるメスが反応した気がした。
 皐月が頼人の胸板や腹筋に見入っているあいだ、頼人は彼女のルームウェアに手を掛け、「脱がせるからばんざいして」と指示してくる。
 まだぼんやりしたままの皐月は、言われるがままに両手を挙げ、ルームウェアを脱がされてしまった。
 モコモコのパーカーの下はキャミソール一枚で、頼人からは先ほどのキスで感じた証――薄い布地をプツンと盛り上げている突起が見えている。
 それすらも自覚しないまま、皐月は頼人の魅力で頭を一杯にしたまま、コロンとベッドの上に仰向けにされていた。
「……そんなに男の裸が珍しいか?」
「だ、だって……こんな……」
 まだ驚いたような顔をしている皐月の手を握り、頼人は自分の胸板に導く。
「井之内さんとそういう関係になったんだろう? 彼は君の前で脱がなかった?」
 どこか拗ねた声に戸惑いつつも、皐月は小さく首を横に振る。
「……井之内さんは確かにスポーツマンタイプに見えますが、……その、脱いだら割とヒョロッとしていて。だから頼人さんの体を見て、『凄い』って思ってしまって……」
 好奇心のまま触れた頼人の胸板は、滑らかな肌の下にしなやかな筋肉があり、美しい肉食獣でも撫でている気持ちになる。
 胸板も腹筋も、がっしりとした肩や二の腕も、無防備な時は柔軟な肉をしているのに、彼がその気になれば皐月では決して敵わない力を見せるのが分かる。
「……その彼に、君も裸を見せたんだろう?」
 物言いたげな瞳で皐月を見つめ、頼人はキャミソール越しに胸を揉んできた。
「ぁ……っ」
 井之内と関係して以来、初めて男性に性的に触れられた。
 力強い手に乳房を捏ねられ、あっという間に彼の掌の中で乳首がしこり立つ。
「んっ、……ん、……っぁあ……」
 爪でカリカリと乳首を引っ掻かれ、皐月は弱々しい声を漏らしながら腰を揺らす。
「怖くないか? 今ならまだやめられる」
 なおも皐月に確認しつつも、頼人は両手で彼女の胸を揉み、手を止めたかと思うと爪で乳首をいじめてくる。
「んぁ、あ……っ、より、と……さん、なら……いいんです。……抱いてほしい……っ」
 むず痒い快楽を我慢しきれず、とうとう皐月の口から願望が迸った。
 それを聞いて頼人は言質を取った、というような顔をし、キャミソールの裾を押し上げて皐月の素肌を暴いてきた。
「ぁ……、恥ずかしい……」
 薄布で隠されていた質量が、何も押さえる物がなくなり、ユサッと解放される。
「……綺麗だ。下も脱がせるよ」
 そう言って頼人はルームウェアのズボンに手を掛け、スルリと脱がせてしまった。
(……恥ずかしい……)
 あとは寝るだけと思っていたので、ショーツもよそ行きの物ではない。
 思わず横を向いて腕で顔を隠した皐月の胸に、頼人はまた両手を宛がってきた。
 シュルリ……と掌で乳房を撫で、まるみに沿って手を下ろすと腹部に触れる。
 さほど鍛えてもいない柔らかいお腹に触られて恥ずかしく、皐月は思わず息を止めた。
「綺麗だな……」
 だが頼人は皐月の恥じらいを気にせず、両手で体を撫で回し、ウエストのくびれから臀部への曲線を辿ったあと、スッと太腿から膝に手を滑らせる。
「女性の体って、こんなに気持ち良かったっけ。肌がすべすべで、触っているだけでも勃つ」
 恥ずかしい事を言われ、皐月は小さな声で言い訳をした。
「……頼人さんが色々揃えてくれたから、です。脱毛も行かせてもらってるし、エステとか、ボディスクラブもしてますし……。あのいい匂いのするボディクリームとか、全部、頼人さんのお陰です」
 皐月が使っているボディクリームはジャスミンに柑橘類を混ぜた香りがし、嗅いでいると元気になる。香りから気分が上がるので気に入っているのだが、保湿効果も高く肌をすべすべにしてくれていた。
「じゃあ、この体は俺に抱かれるためにあると思っていいな」
 指の間からチラッと見た頼人は、それは嬉しそうな顔で微笑んでいる。
「はい……」
 皐月としても、頼人のお陰で今の生活があり、自分の体は彼のために磨かれていると思っている。だからそう言われても抵抗なく頷いていた。
 けれど頼人は一つ息をつく。
(え? 何か溜め息をつかれる事、言っちゃった……?)
 不安になった皐月が顔の前にあった手を離して頼人を見た時、彼は皐月の胸を両側から集め、その谷間に顔を埋めていた。
「ひぁ……っ」
 すりすりと乳房に頬ずりをされ、くすぐったさに悲鳴が漏れる。
 そしてじっとりとした頼人の目と目が合ったかと思うと、やはり不満げに言われた。
「君は無自覚に男を煽る天才だな?」
「え……、あっ」
 何か問おうとしたが、柔らかい乳首をれろりと舐められて声が跳ねる。
 そのまま頼人は美味しい物でも舐めるかのように、ぺろ、ぺろと何度も舌を這わせた。もう片方の乳房は大きな手で捏ねられ、彼の掌と五指の間で柔肉が形を変える。
「ん……っ、ん、……ぅ」
(頼人さんが……。私の胸に夢中になってる)
 美しい人が熱のこもった目で皐月の乳房を見て、大切そうに何度も乳首を舐めている。
 その光景に、皐月は女として素直な喜びを得た。
「すごく柔らかくて、すべすべしていて、触っていて気持ちいい。大きいから揉みがいがあるし。それに乳首もとっても綺麗な色だ。ほら、こうしたら濃い色になって勃ち上がるのが可愛い」
 そう言って頼人は舌先で乳首を弾き、もう片方の乳首を指でクリクリとこよる。
「んぁ……っ、あぁ……っ」
 口から甘ったるい声が漏れ、皐月は無意識に頼人の髪を両手で掻き混ぜた。
「こっちも触ってみるけど、嫌なら言ってくれ」
 頼人は片手を滑り下ろすと、ショーツの間から手を入れて皐月の和毛をショリショリと撫でる。
「っひ、ぅ……」
 恥ずかしい場所に触れられて、一瞬呼吸が止まった。
「大丈夫だから、ちゃんと息を吸って」
 言われて皐月はゆっくり息を吸い、頼人が下生えを指で梳く感触に呼気を震わせる。
「本当に嫌な時は『やめて』と言う事。いいね?」
「は、ぃ……」
 皐月が頷いたのを確認して、頼人は指先でトン、と肉芽に触れてきた。
 そのまま小さく円を描くようにコリコリとさやの中の真珠を揺さぶり、刺激を与えてくる。
「ん……っ、ン、ぁ……、あ」
 皐月も時々自慰をする事はあったが、頼人に触れられると倍以上の気持ちよさを得てしまう。
 井之内に抱かれた時は、彼の欲望のままに体を貪られ、こんな風に丁寧に愛撫された事はない。
(どうしてこんなに、優しくしてくれるんだろう)
 井之内にも手で愛撫はされたが、「感じるだろ?」と言いながら力任せに触られ、痛くて悲鳴を我慢するのに精一杯だった。
 頼人は皐月の反応を見ながらゆっくり少しずつ指を動かし、合間に乳房を愛するのも忘れていない。
「触るよ」
 また一言断り、頼人はヌルッと肉のスリットに指を這わせ、滲み出た蜜を纏わせる。そしてそのぬるつきを利用してまた肉芽を捏ねてきた。
「あっ、あ……、ぁ……」
 興奮した皐月のそこは少しずつ中身を膨らませ、さやから顔を出している。
 頼人はいまださや越しにコリュコリュと淫芽を捏ね、ときおり剥き出しの真珠に指をかすめさせては、またさやを愛撫する。
 愛欲の根幹とも言える場所に触れて欲しいのに、焦らされて皐月はいつのまにか自ら腰を浮かし、頼人の手に肉芽を押しつけていた。
「皐月。君に無理強いをしたくないから、してほしい事があったらちゃんと口に出して言ってみて」
「ぅう……」
 それは自ら恥ずかしい言葉を口にすると同義で、皐月は小さくうなって胸を揉んでいる頼人の手を握る。
 けれどこれが頼人の愛し方なのだと思うと、彼がやりやすいようにしたいという気持ちも芽生えた。
「もっと……、触って……ください。指、入れても……大丈夫ですから……。く、クリ……も、もっと……ちゃんと触って……ほし、……です」

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