政略結婚のはずですが不器用な獣王陛下に実は寵愛されていたようです!? ~真実の愛は閨の手ほどきから~

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政略結婚のはずですが不器用な獣王陛下に実は寵愛されていたようです!? ~真実の愛は閨の手ほどきから~


著者:まつりか
イラスト:よしざわ未菜子
発売日:2023年 1月12日
定価:620円+税

平民出身の王女であるラティーナは政略結婚として獣人国への嫁入りを他の姉妹たちから押し付けられていた。
王国に伝わる獣人の話は恐ろしいものばかりで、そこへ侍女すら連れず、身一つで獣人国へと捧げられるラティーナは正に生贄と言えるだろう。
そうして獣王陛下・ラヴルと初対面を果たすも、その時間はたった数分のこと。
彼の人となりをよく知らないまま、ラティーナは初夜を迎えることになるのだが、前戯の一つすらない淡白な行為だった――。
朝になると、ラヴルはラティーナに「この部屋からは一切出ないように」とだけ告げ、去ってしまう。
翌日以降、毎日のように彼の訪問を受け、執拗なほどに抱かれ続けているラティーナだったが、彼との行為には依然、愛情がないように感じていた。
ある日、痛み止めをもらうために、ラティーナは仕方なくほんの少しだけ部屋を出ることにした。
そんな彼女の前に、見知らぬ大きな獣が現れて……?
恐れをなした彼女は、ラヴルが自分を寵愛しているのは間違いなく、そのせいで下半身に痛みがあるのだと勢いのままに告げてしまったのだが、獣の正体はまさかのラヴル本人だった――!?
その夜、ラティーナの身体の状態を知ったラヴルは部屋を訪ね、閨についての知識がないことを告げる。
ラティーナは彼に閨の手順を教えることになるが――。
「……そなたの内側は甘いな」
これまでとは違い、切なくなるほどに丁寧な愛撫が始まってしまい――!?



【人物紹介】

ラティーナ
元平民の王女。
政略結婚として獣人国へ嫁入りすることになる。
獣王陛下のラヴルに閨の手順を伝えたところ――!?

ラヴル
獣王陛下。ラティーナの夫。
寡黙。振る舞いは高慢に見えるが、根はまっすぐで素直。
ラティーナへの愛情表現で誤解を与えていたのだが……?

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【試し読み】

 無言で羞恥に耐えていれば、隣からくすりと笑う気配がした。
 視線を上げれば、楽しそうな様子の相手がこちらを覗き込んでいる。
「愛を囁き合うのだろう? どうやるのか教えてほしい。そなたの知る愛の言葉を、私に教えてくれないか?」
 その様子を見るに、先程の会話はどうやらからかわれていたらしい。
 存外人間らしい彼の一面に、内心驚きながらも、愛の言葉について自分の記憶を辿った。
「経験がないので何とも言えませんが、とりあえず相手を褒める、とかですかね?」
「ほう、そなたなら私をどう褒める?」
 楽しそうに微笑む相手をじっと見つめ、褒めるべき点を考える。
「……お顔立ちが、とても美しいです」
 彼の内面は正直まだわからないが、とりあえず彼の容姿は素直に美しいと思う。
 涼やかな目元は凛々しいと思うし、眩い金髪は華やかな容姿を引き立てている。
 上背のある体格も、すらりと伸びた四肢も、その整った造形はまるで彫刻のようでもあった。
 初対面の日にも思ったが、祖国にいればさぞモテただろうと感じる容貌である。
「なるほど。そなたにとって、この顔は美しいのか」
 まるで自分の顔面に興味のないような返答に、つい首を傾げそうになる。
「言われたことがないのですか?」
「獣人は顔の造形を重視しないからな。大事なのは強さと繁殖力だ」
「繁殖力……」
 それは、言葉の通りの意味なのだろう。
「もしかして、陛下が一晩に何度も私を抱いていたのは」
「ああ、回数も繁殖力のアピールだな」
 彼の口から出た『アピール』という単語に目を見張る。
 まさか、彼からアピールを受けていたとは、予想だにしていなかった。
「……すみません、人同士になるとあまり繁殖力は重視されないかもしれません」
 苦痛に感じていた続けざまの行為が彼なりのアピールだったことに驚きつつも、ひとまず人同士の性行為についての訂正を入れれば、彼は不思議そうに首を傾げた。
「では人同士では回数は少ないほうが、魅力的に映るということか?」
「いえ、少ないほうがいいと言うわけでは――」
「ならば回数は減らす必要はないな」
 その言葉に、慌てて口を挟む。
「た、体力がっ! 獣人と人とは体力の違いもありますから!」
「ふむ、そなたがそう望むなら考慮することにしよう」
 腑に落ちない様子ながらも彼は納得してくれたようだった。
 二人の間に僅かな沈黙が落ちる。
 何度か逡巡しながらも、隣を見上げ、先程抱いた疑問を口にした。
「あの、繁殖力アピールをしてくださっていたということは、私に対して少なからず好意的な感情を持ってくださっていたということでしょうか」
「己の花嫁を疎む理由が見当たらないが」
 至極当然と言葉を返した相手を見て、思わず目を瞬かせる。
「その、お会いしても身体を繋げるだけで会話もままならなかったので、私に興味をお持ちではないのかと……」
「番にアピールするならば、無駄口を叩くよりも直接求めるほうが伝わりやすいだろう?」
「え、ええ……?」
 至極真面目な彼の様子に困惑しながらも、徐々にこれまでの状況が見えてくる。
 会話が成り立たなかったのは、身体を繋げることを優先していたから。
 背後から貫く行為は、獣同士のまぐわいを参考にしていたから。
 一晩に何度も続けられていたのは、繁殖力アピールをしていたから。
 つまりこれまでの行動は全て彼に疎まれていたわけではなく、ただ彼が絶望的に人同士の性行為を知らなかっただけの結果だったということらしい。
 痛みに耐えていたこの一ヶ月間はなんだったのかと遠い目をしたくなってしまう。
「あの、私は寝所での会話を無駄口とは思いませんし、言葉を交わせることは素晴らしいことだと思います」
「む……では無駄口と言ったことは撤回しよう。そなたが望むなら、これから毎晩会話の時間を設けることもやぶさかではない」
 あまりにも素直に受け入れてくれる彼を見て、呆気に取られてしまう。
 初めから嫌われていなかったのだとすれば、早めに痛みを訴えれば彼は考慮してくれたのだろう。
 まあそれは、今こうして誤解が解けたから言えることなのだが。
 脱力しながら深い溜め息を吐けば、膝に置いていた手に、彼の手が重ねられた。
「愛を語り合った先は、触れ合うんだったな」
 他意のない真っ直ぐな視線に覗き込まれる。
 どうやら彼は本気で、痛みのない性行為を目指してくれるらしい。
「具体的にはどこを触る?」
 無垢な相手に性知識を埋め込むようで、半ば罪悪感のようなものを感じながらも、ちゃんと教えなければ私の痛みは改善されない。
 子を孕むまでが政略結婚だ。
 しっかりお役目を果たすためにも、今の性行為事情は改善していきたい。
「……一般的には唇を重ね合わせたり、胸の先を刺激したりします。挿入前に入り口を指で少しずつ広げて慣らしたり、女性が快感を拾う突起を刺激したり、そういった行為をすれば痛みを感じにくくなり、男性でいう射精と同じような『達する』という状態になるかと、思い、ます」
 口にしてみれば、どうしてこんな知識を持っているのかと頭を抱えたくなる。
 王城にいる頃に姉妹のお茶会などで見聞きしていた猥談が、こんなところで役に立つとは思いも寄らなかった。
 羞恥に目を伏せていれば、不意に彼の指が私の頬を撫でた。
「触れても?」
 彼の問いに頷けば、近づいてきた唇が重ねられる。
 そういえばここに来てから何度も身体を重ねてはいたが、口付けを交わすのは初めてのことだった。
 柔らかい感触が、ふにと唇に触れる。
「考えてみれば、これほど近くでそなたを見たことはなかったな」
「それは……そうでしょうね」
 これまで部屋に訪れた陛下は、毎度のように私をうつ伏せにして貫いていた。
 特に会話もなかったため、これほど間近で相手と向き合うのは初めてのことだ。
「そなたの瞳の色も、初めてはっきりと見た気がする。美しい色だな。湖面に映る夕日のようだ」
「ありがとう、ございます」
 突然の口説き文句に戸惑うが、彼はきっと先程伝えた『愛を語り合う』という行為を実践しているだけだろう。
 自分が教えたはずの行為に照れながらも、母譲りの瞳の色を褒められたことに、じわじわと心の奥が温まっていく。
「……私は、陛下の美しい金色の髪が羨ましいです。我が国では、王族の色でしたから」
「獣人国では髪色など気にすることもないが、そなたに褒められれば悪い気はしないな。私はそなたの髪も好ましいと思う。真っ直ぐでたおやかで、そなたの性格そのものだ」
 そう口にした彼は、熱を帯びた視線をこちらに向けたまま、肩にかかる髪を掬い上げると唇に寄せた。
 その仕草が妙に色っぽくて、つい目を奪われてしまう。
 兄弟姉妹の中で唯一違う私の紅茶色の髪は、自分の異質さを示すようなものだった。
 その髪色を気にせず、ただ褒めてくれる陛下の存在に、思わず頬が熱を持ちそうになる。
「もう一度、口付けても?」
 ふっと柔らかな笑みを浮かべた彼は、額に唇を寄せた。
 額から頬へ、頬から唇へと、順を追うように唇が重ねられる。
 触れる以外の口付けを知らない彼は、一度触れ合った唇の感触を確かめるように、何度も何度も触れては離れてを繰り返す。
 そんな彼の行動に、ふっと頬が緩んだ。
 ――人間同士の性行為を知らないのだから、口付けの深め方も知らないんだわ。
 この先へ進みたいと思うならば、私から行動を起こさなければならない。
 上背のある彼の頸に両手を回すと、重ねられた唇を小さく食んだ。
 驚いたのか僅かに身体を強張らせた相手の唇をつっと舌先で撫でると、彼はすぐに要領を掴んだのか、私の上半身を押し倒すようにして深く唇を重ねてくる。
 唇を割り入って侵入してきた熱い舌に舌先が触れるだけで、じんわりと甘い痺れが走った。
 くすぐったいような感覚に身をよじれば、覆いかぶさってきた彼は、私の内側を確かめるように口内に舌を這わせる。
 歯列をなぞり上顎を撫で、私の舌へと絡みつく。
 両手首を押さえられ、身動きの取れないまま、向きを変え角度を変え、深められていく口付けに翻弄される。
「んうっ」
 貪られるような口付けにうまく息継ぎができず、慌てて声を上げれば、唇を離した彼から熱を帯びた吐息が漏れた。
「……そなたの内側は甘いな」
「そ、れはわかりませんが、その、息継ぎの間が欲しいです」
 私のお願いの内容に、驚くように目を見開いた彼は、なるほどと呟きながら小さく頷いた。
「善処しよう」
 ふっと柔らかな笑みを浮かべた彼がそう呟く。
 こちらを見下ろしながら唇を舐める様子に、ふと獲物を前にした獰猛な肉食獣の姿が重なった。
 覆いかぶさるように再び唇を重ねられ、口内は熱い舌に蹂躙される。
 内側を撫で、舌を吸われ、熱い舌に奥まで浸食されれば、痺れるような甘い刺激が背中を伝っていく。
 口端から零れたどちらのものともつかない唾液を舐めとりながら、こちらを見下ろす彼の瞳には、確かな情欲の色が見てとれた。
「そなたの肌はどこまでも白いな」
「そんな、ことは――」
「獣人の性を許されるのであれば、歯を立ててこの白い肌に己の痕を刻みたくなる」
 頬を撫でていた指先が顎から首元へ移動し、指の腹で首筋を撫でる動きに、ぞわりと背筋が粟立った。
 人同士の性交渉を全く知らなかった彼に、手加減した甘噛みができるのだろうか。
 一瞬、日中遭遇した獣姿の彼の牙を想像してしまい、慌てて思考を巡らせる。
 痕を残すだけならば、歯を使わせなければいい。
「……人同士の場合では、歯を使わずに痕を残すことが一般的です」
「歯を使わずに、どうやって痕を残す?」
 きょとんと首を傾げられ、ここは自分が実践するしかないと腹を括る。
 身体を起こし、陛下の胸元へ唇を寄せると、精一杯吸い付いた。
 ゆっくりと唇を離せば、狙い通りの赤い痕が現れる。
「人の肌はこうして吸い付けば痕が残ります。恐らく、獣人同士の歯を立てる行為と同じような意味合いかと」
「なるほど」
 自分の胸元に付いた赤い痕をしげしげと見つめていた彼は、納得したように小さく呟くと、上からかぶさるように首筋に顔を埋めた。
 唇が触れた感触の後に、すぐにちりっとした痛みが走る。
 それだけで、彼が先程の行為を実践したことがわかった。
「ふむ。意外と簡単につくものだな」
「……陛下、あまり首筋や見えるところには付けないようにお願いします」
「なぜだ?」
「この赤い痕は、情事があったことを証明するようなものなのです。他の人に見られたら恥ずかしいでしょう?」
 私の言葉に納得がいかないのか彼はしばらく首を傾げていたが、ふむと小さく呟くと、その目を細めながら薄らと微笑んだ。
「なるほど、獣人と人とでは感覚に違いがあるらしい」
「……ご理解いただけたなら幸いです」
 安堵に肩の力を抜けば、起こしていた身体を再び寝台へと沈められる。
「触るのは胸の先だったか」
 彼の手が胸元に伸ばされ、その指先が胸の先に触れた。
「んっ」
「この柔らかいところで合っているのか?」
 胸の先をとんとんと刺激する彼の指先に、反射的に声が漏れる。
 思わず身を任せそうになってしまったが、受け身になってばかりでは人同士の性行為を伝えられない。
 彼のため、自分のためにも、ちゃんと説明しなければ。
「そ、こは、快感を覚えれば少し硬くなります。その、敏感な場所なので、胸全体を撫でるように刺激して、硬くなったら優しく刺激していただければ」
「ふむ」
 私の言葉に従い、彼の手はやわやわと胸のふくらみを揉みしだく。
 胸のふくらみを包み込むように撫でる彼の手のひらの中で、先端が硬く主張し始めたのを感じていた。
「ん……」
 漏れ出た声に驚き、慌てて手の甲で口を覆う。
 恐る恐る相手を見上げれば、様子を窺っていたのかこちらをじっと見つめる彼と目が合った。
 今のみっともない声を聞かれたのかと羞恥に顔を火照らせていれば、彼はなぜかふっとその口端を吊り上げる。
 両胸を大きく揉みしだく手はそのままに、身体を屈めるようにして唇が重ねられた。
 柔らかく触れた唇の上から、形をなぞるように彼の舌が這わされる。
「言葉は交わしたほうがいいのだろう? そなたも嬌声を堪える必要はない」
「い、今のは――」
「そなたの声は耳に心地よい」
 その言葉と共に、彼の指が胸の先に触れた。
「やっ」
「嫌なら私の手を跳ね除けるといい。嫌でないのなら、首を縦に振るだけでいい」
 今更彼の行為を拒否するつもりもなく、固く目を瞑りながら首を縦に振れば、ふっと笑うような吐息を感じた。
 優しくと言った私の言葉を覚えていたのか、立ち上がった胸の先を撫でる彼の指先は壊れ物を扱うように優しい。
 指の腹で優しく撫で、そそり立った両方の胸の先をとんとんと触れられる。
 焦らされるような優しい刺激に、下腹の奥で溶け出した熱が暴れているのがわかった。
 優しくしてほしいとお願いしたのは自分なのに、触れるか触れないかの感触がもどかしくて仕方がない。
 私の漏らした吐息にちらりとこちらに視線を向けた彼は、その手を足元に伸ばし、つっと割れ目をなぞった。
 深い口付けと胸元への刺激だけでぐっしょりと濡れた下着に触れ、彼はその上から引っ掻くようにカリカリと小さく爪を立てる。
「ん、ぁ」
 焦らすような指の動きに、吐息と共に零れた甘い声が漏れる。
「……これまでと全然違うな」
 低く呟かれたその声に応えようとするが、彼の指先から走る甘い疼きに理性を溶かされているかのようで、うまく言葉が出てこない。
「そ、れは、陛下が丁寧にしてくださったからで、んっ」
 下着の横から侵入してきた指は、潤った入り口をつぷりと押した。
 それだけで満ち満ちていた蜜は溢れ返り、待ち望んでいた彼の指を容易く受け入れてしまう。
 内壁を撫でるその指は優しく、内側を擦られるたびに甘い吐息が口端から零れ落ちた。
「あ、ゃ……っ」
 初めて知る甘い感覚が、背中を伝って身体を痺れさせていく。
 蜜壺に沈められていた指が一本から二本に増やされ、くちくちと卑猥な水音を立てながら内壁を押し広げられる。
「ふ、ぅ……んぅっ」
 恥ずかしい声が漏れないよう手の甲を口に当てていると、不意にその腕を掴まれ、唇を重ねられた。
 熱を帯びた舌に口内を埋め尽くされれば、くぐもった声が口端から漏れる。
 内壁を擦っていた彼の指先がある場所を押した瞬間、びくりと身体が跳ねた。
「……っ!?」
 何が起こったかわからず目を瞬いていれば、こちらの変化を目にした彼が同じ場所をぐっと押すと再び痺れるような刺激が走る。
 その反応を見た彼はうっすらとその目を細めると、執拗にその場所を擦り始めた。
「んんっ! んぅっ……っ」
 漏れ出る声すらも舐めとられるかのように唇を塞がれる。
 三本に増やされた指に翻弄され、内側を押し広げられているはずなのに、痛みどころか苦しさもない。
 ただただ腹の奥が切なくて、何かで満たしてほしくて堪らなかった。
 下腹の奥で暴れるジクジクとした熱に耐えていると、不意に指が引き抜かれる。
 同時に重ねられていた唇が離れると、二人の間には銀糸が伝った。
 肩で息をしながら、熱に浮かされたような思考の中でぼんやりと彼を見上げる。
「ああ、初めからこうしていれば良かったんだな」
 彼の手によって下着が取り外され、纏っていた衣服も剥がされた。
 一糸纏わぬ姿になった私を寝台の中心に運んだ彼は、自身の服を脱ぎ捨て、私の足を持ち上げるようにしてその熱棒を蜜口に擦り付ける。
 それだけで十分に濡れそぼった場所からは、くちりと卑猥な水音が鳴った。
 内壁を押し分けるようにゆっくりとナカに侵入してくるソレは、確かに昨日まで受け入れていたものと変わらないはずなのに、今はそれが埋め込まれていくのが嬉しくて堪らない。
 こちらの様子を見ながら、慎重に腰を進める彼の動きがもどかしくて、つい腰を浮かせてしまえば、その動きに気付いた彼によって腰を捉えられ、ずちゅりと最奥まで貫かれた。
「あぁあっ!」

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