エリート同僚と身体だけの関係だったはずが、甘い溺愛が止まりません

書籍情報

エリート同僚と身体だけの関係だったはずが、甘い溺愛が止まりません


著者:春密まつり
イラスト:石田惠美
発売日:2023年 1月26日
定価:630円+税

大手ハウスメーカーの営業として働く有馬凛花と、設計部に所属する都築絢斗は秘密の関係にあった。
それは、二人が身体の関係を持っているということ――。
顧客との打ち合わせが終わり、一緒に飲んでいた二人はいつものようにそのままラブホテルへと足を向ける。
絢斗との関係は一年ほど前から続いており、特定の恋人がいらないという意見も同じはずなのだが……!?
「……可愛いよ」
割り切った関係なのに、どうしてか絢斗は甘い声で何度も凛花を抱いてくる――。
そんなある日、設計部に新しく配属されてきたのは凛花の大学時代の元彼だった。
相変わらず女好きの元彼に閉口する凛花だったが、絢斗の目には違うように写っていたようで……?
その夜の口づけには、なぜかいつもより余裕のない激しさがあって――!?



【人物紹介】

有馬凛花(ありま りんか)
大手ハウスメーカー・住栄ホームの営業として働く29歳。
誠実で向上心もあり、やりがいを持って仕事に取り組んでいる。
絢斗との関係は約一年続いているが……?

都築絢斗(つづき あやと)
住栄ホームの設計部に所属する30歳。
努力家で社交的な性格をしている。
凛花が元彼と再会したことに何やら思うところがあるようで――!?

●電子書籍 購入サイト

*取り扱いサイトは、各書店に掲載され次第、更新されます。

【試し読み】

「俺こっちだから。じゃあまた会社で~」
「お疲れさまでした」
 慶が背を向け、駅へ消えていく。彼が見えなくなって凛花はほっと息を吐いた。帰り際に何度も誘われそうになったが間に絢斗がいてくれたからか無理やり連れて行かれることはなく、早々に諦めてくれた。でも、ひどく疲れてしまった。絢斗のおかげでなんとか乗り越えることはできたが、もうあまり一緒に飲みたくはない。
「今日は本当にありがとう、今度お礼する。……じゃあ私はタクシーで帰るね」
 絢斗とは電車が一緒だが、先ほどの動揺を引きずっていて絢斗と一緒にいるのがなんとなく気まずい。何があったのか聞かれたくもないので逃げるように絢斗に手を振った。
「ちょっと待て」
「えっ」
 ところが絢斗に手首を掴まれ、そのまま駅とは反対の方向へ歩き始める。
「こっち行こうか」
「どうしたの? 私タクシーで帰ろうと思ってるんだけど……」
「……したくなった」
 絢斗の発言にドキッとする。口調や態度からどことなく怒っているような雰囲気があっただけに動揺した。
「でも、もう遅いし、月曜だよ?」
「じゃあ有馬の家は? 泊めてよ」
 そんなことを言うのは初めてで、凛花は驚いていた。
「そういう問題じゃなくて」
 金曜日もさんざんしたばかりなのに。
 それに、今までは月に一回とかその程度だった。こんなに急な誘いは初めてのことだ。家に来ると言い出すこともなかったし、そこはお互い一線を引いていた。なのに急に何があったのだろう。
「無理。我慢できない。もう入るよ」
「ええっ!」
 手を引かれるままホテル街へ入り、ラグジュアリー感の強いラブホテルに入る。見た目は高級ホテルのようで魅力的な建物だった。
「ここに来たかったの?」
「いや。たまたま」
「……そっか。でもすごい綺麗なところだね」
 いつもなら気になる内装のラブホテルを選んで入る。ある意味お約束の口実すらも今日はなかった。
「でも泊まれないからね、明日も仕事なんだから」
「わかってるよ。タクシーで送るから」
「それは別にいいけど……」
「ここだって」
 絢斗が鍵を開けて部屋に入る。凛花もあとについて中へ入ると、ラグジュアリーな空間に目を見張った。
「うわ、中も綺麗……」
 ラブホテルというよりも高級ホテル。広々としているのはもちろん、ベッドも大きいし、大きなテレビに、ソファなどくつろぐスペースもゆったりしている。はやくバスルームが見たくてうずうずしてくる。
「ここすごいね」
 振り返った絢斗の目を見て凛花はドキッとする。もう彼のスイッチは入っている。
「ンンっ……!」
 いきなり腰を引き寄せられて、唇を塞がれる。最初から激しいキスに凛花は動揺していた。いつもよりも余裕がなく激しい口づけに凛花は驚かされてばかりだ。
「ん……どうしたの都築くん……? 何かあった?」
 さすがに絢斗の様子がいつもと違いすぎて、彼の胸を押し返した。顔を覗き込み窺う。めずらしく不機嫌そうな顔をしている。
「何かあったのは有馬のほうだろ」
「え?」
「俺が席立ってる間、上原さんとどういう話したんだ?」
 二人きりになったらあの時のことを聞かれるかもしれない。そう思っていたからさっさと帰ろうと思っていたのに。
「……家に行っていいとかそういうこと」
「それだけ? そんな風には見えなかったけど」
 少し迷ったあと、凛花は頷いた。その後の会話は絢斗には話せない。あれだけ動揺してしまったことを知られるのはなんとなく嫌だ。
「それだけだよ」
「……そう。で、いつ家に連れ込む予定?」
 絢斗にしては棘のある言い方。
「まさかそんなことしないよ。私が困ってたのわかったでしょう?」
「でも元カレと話してあんなに顔真っ赤にしてたじゃん」
「それは……」
 絢斗のことを聞かれたから、とは言いづらい。どちらにしても顔を赤くする理由がないのだから。
「俺以外とはしないよな?」
 絢斗がそんなことを言い出すなんて、二人きりになってから驚くことばかりだ。ラフな関係でいようと二人の中で決めていたのにまるで恋人のようだ。不健全な関係だとしてもルールはあるということなのか。
「……しないよ」
 もともとそこまで器用ではない。気の合う男性だって絢斗くらいだし、仕事が楽しいのと忙しいので絢斗がレアケースだっただけで複数人とこんな関係ができるような女ではない。
「それならいい。俺も有馬だけだし」
 ずっと不機嫌そうだった絢斗がようやく笑った。
(都築くんも、私だけなんだ……)
 彼にとってもこういうことをする相手は自分だけなのだと聞かされ、優越感が胸の中に広がりうれしくなった。たとえ恋愛関係になかったとしても複数人相手にされていたら複雑だ。
「よし、シャワー入るか」
「私も?」
「時間ないし、一緒に入るのが効率いい」
 手を引かれ脱衣所へ一緒に入ると、絢斗は凛花の服を勝手に脱がし始める。
「ちょっと! 自分で脱げるからっ」
「いいからいいから」
 今まで一緒にお風呂に入ったことはあるが、緊張しないわけでもない。
「ほら、はやく」
 絢斗は服を脱ぎ、バスルームへ入る。服を脱がされ下着姿になった凛花はため息を吐きつつ下着を脱いでいく。
「……もう」
 いつになく強引だ。
 タオルで身体を隠し中へ入ると、豪華なバスルームに目を見張る。部屋からわかるように豪華だろうなと思っていたけれど想像以上だ。丸く大きなバスタブにはジャグジーもついているしラブホらしく謎のムーディーなライトもついている。シャンプーやトリートメントなど種類も豊富だし、シャワーヘッドが有名なブランド品。こんなことなら一人でゆっくり入りたかったが、絢斗がいる限りはゆっくりできない。
 シャワーを浴びながら背後から抱きしめられた。汗を流すよりもこれが目的だったみたいに、最初から絢斗は凛花の身体をまさぐっている。後ろから回された手は凛花の柔らかな胸を揉みまわし、先端を指で撫でている。
「あ、んっ」
 ツンと立った乳首を指で摘まみ、コリコリと動かすと高い声がバスルームに響いた。
「もう甘い声出てる」
「だって……」
 絢斗の指が的確だから。凛花は今ではもう、彼の手にふれられるだけで強く感じてしまう自覚があった。
「あ、あっ、都築くん……っ」
「何?」
 乳首ばかりさわられて、もどかしい。凛花は太腿を擦り合わせてさらなる刺激を待っていた。でも今日の絢斗はいつもと違う。
「何してほしいか言わなきゃわかんないよ」
 絢斗は凛花がしてほしいことを察して否応なく快感を与えてくるのに、今日は少し意地悪だ。振り返ると絢斗が熱のこもった視線で凛花を見ていて、そんな表情もぞくぞくした。
「……下も、さわって……」
 か細い声で伝えるが、絢斗は耳元で「だめ」と囁いた。
「その前に……俺の舐めて」
 絢斗の有無を言わさない強い口調に喉がごくりと鳴る。
 凛花は床に膝をつき、反り返っている絢斗の熱棒に手を添える。太いものを上下に扱きながら先端に舌を這わせた。
「ん……」
 絢斗の声がわずかに漏れる。
 自分の身体をさわっていただけでこれほど強く反応している屹立に高揚していた。根本を手で扱きながら、蜜が滴る先端を舐め続けた。
「気持ちいいよ、有馬……」
 絢斗が熱い息を吐く。
 気分を良くした凛花は大きく口を開き、彼の怒張を口の中へ招き入れた。大きくて顎が少しつらいけれど、それよりも絢斗に気持ちよくなってほしいという気持ちのほうが強い。
「んっ、ん、ぅむ」
 頭を前後に動かして、歯を立てないように奥のほうまで飲み込んでいく。
「く……ぁ、腰、揺れてる。ほしいんだ?」
 絢斗は荒い呼吸を吐きながら凛花の頭を愛おしげに撫でる。
「ん……んんぅ……欲しい……」
 絢斗となら、恥ずかしいことも欲深いことも口にすることができる。彼が嫌がらないとわかっているから曝け出すことができた。
「可愛いな、有馬は」
 頭を撫でる手が優しく凛花の髪をかき混ぜる。うれしくてさらに激しく根本から吸い上げると、彼の腰がびくりと揺れた。
「ハ、ぁ……やば、もう出そ……」
 見上げると絢斗は熱い眼差しで凛花を見つめていた。凛花の身体ももうスイッチが入っていて熱が溜まっていく。
「口、離して」
「ん、ぅ……んん」
 凛花は彼の熱を口に含んだまま離さない。それどころか、彼がさらに気持ちよくなるように口淫を激しくする。いつもと違う絢斗にあてられてしまったのかもしれない。意地悪した仕返しをしていた。
「ちょ、おい、有馬?」
 動揺している絢斗の声が頭上から聞こえてくる。それでも凛花は口を離さなかった。口の中で達してほしいという思いが込み上げてきていた。彼にお願いされない限りはしない行為で、自分でも驚いていた。
「待てって、いくから、もう」
「んんっ、む、ぅ」
 絢斗の声や息遣いに余裕がなくなっていく。凛花の頭を撫でる彼の手も止まり、ただ快楽に身を任せているようだった。
「いく、う、ぁ……っ」
「んんっ!」
 咥内に勢いよく絢斗の欲望が放たれる。すべて受け入れるつもりだったけれど、口の中いっぱいに広がりすぎてつい口を離してしまった。すると、飲み込みきれなかった白濁とした液体が口の端からこぼれ、手で受け止めた。
 達したばかりの絢斗はしゃがみこみ、凛花の顎に手を当て、小さくキスをした。熱い眼差しと見つめ合う。
「……えろすぎだろ」
 絢斗の指先が、凛花の口元や顔についていた白い液体を拭ってくれた。絢斗は少し気まずそうにしている。
「離せって言ったのにどうして離さなかったんだよ」
「……都築くんに気持ちよくなってもらおうと思って」
「……そうか。ありがとな」
 しゃがんだまま見つめ合い、再びキスが落とされる。
「ん」
 ふれるだけのキスをすると絢斗は立ちあがり、凛花に手を差し伸べる。
「立てるか? お礼……いや、仕返しはベッドでするよ」
 絢斗の発情した顔に鼓動が高鳴った。

「ひゃあっ!」
 宣言通り凛花をベッドに押し倒すと、絢斗は凛花の脚を大きく広げた。あまりの性急さに戸惑っている余裕もなく、絢斗が凛花の秘部に顔を埋めた。柔毛をかきわけ、秘部を開き内側に舌を這わせる。
「ああっ!」
 さんざん我慢させられたその場所は、絢斗の舌がふれるだけで身体がビクビクと反応する。
「すっげえ濡れてて熱い……ン」
「や、待って、急すぎ……っ」
 いきなり与えられる強い快感に凛花の頭も身体もついていかない。
「仕返しだって言っただろ」
 絢斗が声を出すたびに熱い吐息が秘部にかかる。
 舐られながら蜜口を絢斗の指が撫で、そのままナカへと入ってくる。ぬかるんだ隘路を進み奥まで進む。
「んんぅ……あぁっ」
 二本の指が凛花の内壁を擦りながら出し入れする。絢斗のモノほど太くはないけれどようやくおとずれたナカへの刺激に、身体全体が喜びで震えている。我慢をさせられただけに今まで以上の快感があった。気を抜けばすぐに達してしまいそうだ。
「や、ぁ、激し、い……あっ!」
「ン……有馬のココ、うまい」
 じゅる、と音を立てながら秘部を吸い上げられる。彼のモノを舐めている時から滴っていた蜜は、秘部を舐(ねぶ)られることでさらに溢れてとまらなくなる。
 絢斗の舌が花芯を舐めた。ぷくりとした突起を唇で食む。痺れるような刺激が凛花を襲った。
「あ、んっ、あぁっ!」
 ナカを激しくかき混ぜながら花芯を弄られれば限界を感じる。
「や、やめて、もうだめっ」
「……やめない……んッ」
 先ほどの仕返しだというように絢斗は口を離そうとしない。それどころかさらに激しく凛花を攻め立てる。真っ赤に膨れ上がった花芯は敏感で、絢斗の唇が吸い付くと必死に繋ぎとめていた理性がパチンと弾ける。
「あ、だめぇっ!」
「いいよ。いく声聞かせて」
 絢斗が花芯に歯を立てると、凛花はひゅっと息を吸った。目の奥が光る。
「ああっ、んん――っ!」

タイトルとURLをコピーしました