独占欲強めな年下社長は滾る執愛で初恋の幼なじみを口説き落としたい
著者:紺乃藍
イラスト:よしざわ未菜子
発売日:2024年 4月26日
定価:630円+税
会社からリストラされた仲谷葉月は、ある日二つ年下の幼馴染・朝生匠真と再会した。
近況を聞くと、彼はなんと自身で会社を立ち上げており、葉月の状況を知った匠真から秘書として働かないかと誘われてしまい――!?
さらに匠真が匿名の嫌がらせを受けたり、付きまといに悩んでいると聞き、葉月は彼を守らなければという使命感に駆られる。
匠真の会社で働くことに承諾したが、なぜか彼と一緒に住むことになって――!?
引越し後、一緒に寝たいと可愛らしく頼み込まれ断ることができない葉月。
だが、匠真の甘えるようなじゃれ合いは次第に淫らになっていき……。
「ね……教えて? 気持ちいい?」
年下幼なじみからの執愛からは逃げられない――!?
【人物紹介】
仲谷葉月(なかたに はづき)
会社をリストラされ、実家に戻ってきている27歳。
明るく優しい性格で、面倒見が良い反面、騙されやすいところも。
幼馴染の匠真と再会し、彼の会社で秘書にならないかと誘われて――?
朝生匠真(あそう たくま)
アプリゲーム開発会社の代表取締役社長の25歳。
社交的で人当たりが良く、甘え上手な性格。
どうやら葉月に対してずっと秘めていた想いがあるようで……?
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【試し読み】
「葉月ちゃん……」
ふいに名前を呼ばれたので視線を上げると、それと同時に匠真がのしかかるように葉月の上に覆いかぶさってきた。驚いた葉月は匠真の身体を退かそうとしたが、それより一瞬早く布団の中で脇腹を撫でられる。
「ん……っ! ちょ、ちょっと……変なところ触らないで」
「変なところって?」
くすぐったさの中に甘やかな戯れの気配を感じて、驚きの声を発する。だが際どい触れ合いをはぐらかすように、匠真はくすくすと笑うだけ。彼の笑顔は葉月の反応を楽しむようだ。
そのまま脇腹をするすると撫でられ、身体がびくっと飛び跳ねる。
「俺、犬だもん。葉月ちゃんに甘えてるんだよ」
「犬っぽいとは言ったけど、犬だとは言ってないでしょ。あとこれ甘えてるって言わな……」
言い訳をする匠真に脇腹を撫で続けられると、くすぐったさの中にぞくぞくと微かな痺れまで感じ始める。パジャマ越しに身体に触れてくる指先に、ただの戯れとは異なる艶めかしい色が宿っている気がして、葉月の声が無意識に上擦っていく。
「んぅ……だめ……匠真くん、くすぐった……いってば」
匠真の悪戯を相手にしないよう必死になればなるほど、言葉が途切れ途切れになって敏感に反応してしまう。
「ひぁっ……あ」
「葉月ちゃん、可愛い」
「!?」
身体を撫で続ける匠真に『いい加減にして』と拒否を示そうとした葉月だったが、その直前で思いもよらない出来事が起きた。
葉月の口から甘えん坊な匠真以上に甘えるような声が零れると、それを聞いた匠真がなにかに突き動かされたように葉月の顎を指先で掴む。少し強引な行動に驚いた葉月は怒りの声をあげようとしたが、文句の言葉を発する前にふたつの唇が重なっていた。
(え……?)
一瞬、なにが起きたのかよくわからなかった。しかし離れた唇の間で二つの吐息が混ざり合うと、それを間近で感じ取った葉月はすぐに状況を理解した。
(た、匠真くんと、キス……しちゃ、った)
驚きのあまり目を見開いて硬直してしまう。突然の出来事に思考が追いつかず困惑で固まっていると、少し顔を傾けた匠真が再び唇を重ねてきて、さらに葉月の唇を舌先でそっと撫で始めた。
キスだけで十分驚いているのに、まさか舌まで入れる気では……!? と焦った葉月の予想は、当たっていたらしい。脇腹を撫でていた反対の手が少しずつ上昇し、パジャマ越しに胸の横にするっと触れる。
「ん、んぅ……」
びくっと驚いたせいで唇が開くと、隙間から匠真の舌が侵入してきた。その舌が葉月の舌に絡みついてくるが、口を閉じようにも匠真のキスに阻まれて閉じることができない。それに力も上手く入らない。
「ふぁ、ぁ……っ……まって、たく……ん、んんっ」
一瞬の隙を頼りに抗議の声をあげようとした。しかし息継ぎの間もなくすぐに唇を重ねられ、灼熱の温度に口内を激しく蹂躙される。ちゅ、ちゅう、と舌と唇を何度も吸われ、口の中のすべてを余すことなく舐められ、舌同士を絡ませられる。
「ん、んぅ……ぁ、ふ……ぅ」
無理矢理口を閉じて匠真の舌や唇を傷つけてしまうわけにはいかない。だが突然のキスがあまりに激しすぎて、このままでは酸欠になってしまいそうだ。
それほどまでに匠真のキスは荒々しい。まるで無邪気に暴れ回る子どものような――初めてのキスに喜び興奮するあまり、歯止めが利かずコントロールを失ったような激烈さがある。しかも。
(た、勃……っ)
雄の欲と色香を纏って葉月に体重をかけてきた匠真の身体が小刻みに揺れる。互いの寝間着が間に挟まっているため直に触れ合うわけではないが、葉月の下腹部に自らの腰を擦りつけるような動きをされれば、嫌でも気がついてしまう。
自分から抱きしめてキスしてきたくせに、変な火がついてしまったらしい。先ほどは触れるか触れないかだった彼の右手が、今度は明確に葉月の左胸を包み込む。
「だ、だめ……なに考えてるの……!」
「葉月ちゃん……」
布越しとはいえ胸を掴まれたことで、激しいキスに溺れている場合ではないとハッと我に返った。
顎を引いて匠真のキスから逃れると、恥ずかしさを押し殺し彼をじっと睨みつける。とはいえ葉月の視界の端はわかりやすく涙で滲んでしまっている。実は荒々しいキスが予想外に気持ちよかったせいで、熱に浮かされて身体もふわふわと心地よさを感じている。だがそれを悟らせたくはないので、あえて虚勢を張ることで匠真の暴走を叱責するつもりだった。
「あっ……ぅ……っぅ、ん」
しかし消灯して薄暗くなった中で睨んだところで、あまり効果はなかったらしい。葉月の声を聞いて一瞬動きを止めたはずの手が、また布地の上でそろそろと動き出す。
しかも今度は胸を揉む動きだけではない。いつの間にか反応していた胸の突起を人差し指の腹で撫でられ、その後きゅうっと摘ままれる。
「ふぁ、あ……ぁっ」
「固くなってる」
急な刺激に驚いて思わず声が出てしまうと、匠真が嬉しそうに報告してきた。
その台詞に葉月はただ恥ずかしさを覚えるばかり。違う、の一言さえ上手く出てこない。
「ここ触られるの、気持ちいい?」
「やだ……やめ……ぁ……ぅ」
葉月の困惑と快感を察したのか、耳の傍に顔を近づけてきた匠真が、胸を撫でながら恥ずかしい問いかけをしてくる。夫婦でも恋人でもない相手に同意もなく身体を触られているのに、気持ちがいいわけないでしょう――そう反論したい気持ちはあるのに、拒否の呟きが零れるだけで否定の言葉は出てこない。
「葉月ちゃん?」
「ん、ん……ぁん」
葉月の内心を読み取っているのか、匠真が熱い吐息と共に感想を聞き出そうとしてくる。
「ね……教えて? 気持ちいい?」
布越しに乳首をスリスリと撫でられる快感に震えて、なにも言えないまま必死に声を我慢する。すると葉月が抵抗する姿や表情を確かめるように、薄暗がりの中で匠真が顔を覗き込んできた。
(そ、そんな子犬のような目で見られても……!)
葉月の反応を確かめようとする真剣な眼差しは、暗くてもよくわかる。
その熱い視線もまた別の刺激になって、葉月の体温をさらに上昇させていく。
「だ、だめ……たく、まく……!」
視線を外してふるふると首を振ると、指の腹で胸の突起を擦っていた動きが急に鋭いものへ変化した。乳首の先端をカリカリと引っかくような刺激に、身体がびくんっと大きく跳ねる。背中にもビリビリと快感の気配が走り抜ける。
「ん、ん……っ……んぅ」
なおも逃げようとする葉月からどうしても感想を聞きたいのか、それともただ単に葉月が悶える姿を見たいのか。
ふと身体を起こした匠真が枕の傍に置いてあったリモコンに手を伸ばし、先ほど消灯したばかりの照明に電源を入れる。その直後、室内が電球色の柔らかな光で満たされた。
「や、電気……だめ……!」
「だめ? でも葉月ちゃん教えてくれないし、暗いと表情も見えない」
葉月の制止を聞き入れず、元の場所にリモコンを放った匠真が再び葉月の胸に触れてくる。なんでそんなこと知りたがるの! と叱りたい気分になったが、それまでは左胸に悪戯を施すだけだったのに今度は右胸の頂点も同時に摘ままれたので、文句は声にならなかった。
「そこ、や……つまんじゃ……!」
両方の突起を同時に撫でられた葉月は、鋭い刺激から逃れるよう反射的に身を丸くする。しかし匠真は手を緩めてくれず、乳首から生まれる快感をさらに増幅させるように膨らんだ突起を布越しにくりゅくりゅと刺激してきた。
「あ、やぁ、……あっ……ん」
仕事が忙しかったここ数年の葉月に、恋人を作っている余裕などなかった。以前は合コンのセッティングに活発だった同僚も激務と疲労のためか恋愛に消極的になり、最近は恋人どころか出会いの機会さえない生活を送っていた。
元々恋愛経験が豊富なわけではないが、それにしても異性と触れ合うこと自体がかなり久しぶり。そのせいか葉月の身体は必要以上に快感を拾ってしまい、匠真の愛撫にも敏感に反応してしまう。
(気持ちいい……きもち、い……)
すりすりと乳首を撫でてくれる大きな手が、温かくて心地いい。もっと触ってほしい、もっと撫でてほしい、と身体が切なく疼き始める。
(って、ちがうちがう……っ!)
匠真の男らしい手と優しい指遣い、照明を灯された恥ずかしさ、姉代わりとしてのプライドがせめぎ合う。気を抜くとつい快感に負けそうになる葉月だが、それでもどうにか踏みとどまる。昔から知り合いの幼なじみ、二日後からは上司と部下――こんなことをしていいはずがない。今ならまだ止められるし、引き返せる。
だから喉に力を入れて『もう離して!』と言いかけたが、声を発する直前に決意の叫びを邪魔された。
「葉月ちゃん、服脱がせていい?」
「えっ? だ、だめ……っ!」
匠真のためなら一肌でも二肌でも脱ぐつもりだと思ったが、服まで脱ぐつもりはない。しかし男性の象徴を固くして葉月の身体を弄ぶことに夢中な匠真に、その説明が通じるとは思えない。艶を含んだ熱い息を零した匠真が、ついに葉月のパジャマの裾に手をかける。
「可愛い……ごめんね、脱がせるね」
「や……だめ、だってば……!」
口で説得しても意味がないと感じたのは、きっとお互いさまだった。さすがに力では敵わない、と考える間に前ボタンをすべて外され、匠真の眼前に上半身をさらしてしまう。
「あ……」
はらりと布地を開かれてその下をじっと見つめられると、一気に羞恥を感じる。
匠真に胸を見られる恥ずかしさに硬直しているうちにショート丈の下衣にも指をかけられ、驚いているうちに下着ごとするっと脱がされた。
「すごい……葉月ちゃん、胸大きい……すごく綺麗だ」
「匠真く……ん」
シーリングライトの電球色の下で、葉月の裸体を確認した匠真がごくりと喉を鳴らす。
恥ずかしさで匠真の顔を直視できない。整った顔立ちと優しい性格から察するに、きっと匠真はこれまでたくさんの女性と付き合ってきただろう。その匠真に裸体を観察されて品定めされているかと思うと、羞恥と照れに不安や怖さまで加わって、声も上手く発せない。
「んっ……」
匠真の手が葉月の両胸を横からそっと包み込んだ瞬間、自分の意識と関係なく勝手に喉から声が出た。そこからは先ほどまでと同じ、胸全体を強めに揉みしだかれて、時折胸の頂にも刺激を与えられる。
「や……ん、んぅ」
彼の熱い指先が胸の突起にツンと触れるたび、こんなに恥ずかしい状況なのに身体が反応して乳首が固くなっていると指摘されている気分になる。しかし制止しようと思っても身体は上手く動かないし、頭も全然働かない。
「あ……あぁ……っぅ」
クリクリと乳首を捏ね回されると、腰の奥がびりびりと痺れて身体もびくっと飛び跳ねる。自分では止められない反応と快感をどうにか紛らわそうとするのに、匠真の恥ずかしい実況がそれを阻む。
「葉月ちゃんの胸……あったかくて、ふわふわで、すべすべで……すごく可愛い……」
「や……っ匠真く……ぅん」
どうにか腕で身体を隠そうとするが、匠真が上にのしかかっていてはそれも叶わない。強引に押しのけて逃れることもできない。ならばせめて表情を見られないよう、そして声が出ないように顔を隠そうとするが、葉月の手に邪魔されないことで動きが自由になった途端、匠真がさらに大胆な行動に出た。
彼の顔の位置が下がる。それと同時にもじもじと擦り合わせていた葉月の足がふわりと高く掲げられる。
下肢が浮く感覚に驚いた葉月は慌てて身を起こそうとしたが、開かれた股の間に匠真が顔を埋めるほうが、ずっと早かった。
「まって、匠真くん! それは――」
匠真が次になにをしようとしているのか気づいてしまい、慌てて制止の声を上げる。しかし葉月の声が聞こえているはずなのに聞く耳を持ってくれない彼は、開いた股の中央に――葉月の秘部に顔を近づけて衝撃的な言葉を呟いた。
「……甘い匂いがする」
感嘆するような台詞に、顔だけではなく全身がカッと熱を持つ。
「だ、だめ! ほんとに、そこは……!」
秘所を直に覗かれるという羞恥から逃れるため、身を捩って身体の位置をずらそうとする。しかし可愛い印象の割にしっかりと男性らしい身体つきの匠真は、案外力も強いし変なところで意思が固い。葉月の制止を綺麗に受け流すと、明るいライトの下でじっくりと秘部を観察される。
(こんなにじっと見られたことないのに……! は、恥ずかし……っ)
匂いが甘い、というのは入浴時に使ったボディーソープの香りだろう。花とはちみつの成分が含まれる石鹸だから甘い香りを感じるだけで、実際には甘さはないはずだ。しかし匠真は興味津々のようで、さらにそこへ顔を近づけてくる。
「だめだってば! そこは……ぁああっ」
もう恥ずかしさの限界を超えそう――そう思った直後、葉月はさらに衝撃的な状況に見舞われた。
股の間に顔を埋めた匠真が、舌を伸ばして敏感な場所をぺろ、と舐める。膨らんだ陰核に生温かい舌の先が直接触れる。
「あ、ああ、ぁっ……ん」
熱くざらついた舌で秘芽を押される快感に、背中がびくりと仰け反って、目の前で白い火花がチカチカと弾けた。
「や、やぁ……だめ、っぁ、あっ……」
何度もキスされて胸を撫でられたせいか、触れられていないはずの秘部がすでに濡れていることを自覚する。閉じた花弁を開くように匠真の舌に陰核を穿られ、そこにちゅう、と吸いつかれるだけで、腰が浮いて内股が痙攣する。強すぎる刺激に全身が反応する。
「たく、ま……く……っぅ、ん……だめ」
「ん……かわいい」
「おねが……ぁっ、もう……ん、離し、て……!」
シーツの端をぎゅっと握りしめて、みだらな戯れをどうにか耐え忍ぶ。熱い舌が薄衣から花芯を剥き出し、敏感な陰核の左側をゆるゆると嬲り、右側をちろちろと素早く舐める。そうかと思えば全体を口に含まれてちゅうちゅうと強く吸い上げられ、解放されたことに安堵する前に蜜口から溢れ出た愛蜜をぴちゃぴちゃと舐めとられる。
「ふぁ、あっ……ぁ……んん」
舌を駆使して執拗に蜜芽を愛撫されると、すぐに達してしまいそうになる。それに丁寧に濡らされて何度も吸ったり舐めたり擦ったりされるだけで、子宮の奥がきゅう、きゅん、と切なく疼く。
「ああ、あっ……やぁ……」
それでもどうにか耐えようとしていた葉月だが、蜜穴の入り口をぺろりと舐められて浅い場所に舌を挿し込まれた瞬間、身体が急に強い反応を始めた。腰の奥から快感がせり上がってくると、沸騰直前だった快楽が急に増幅して子宮の内側で暴れはじめる。
「だめ、いっちゃ……ぅ、イッちゃうから……っ」
「イク? 気持ちいい?」
「だめっ……そこで、喋っちゃ……っあぁ、やぁ……ん」