冷徹御曹司な旦那さまと、淫靡で激しい子づくり蜜夜を ~政略結婚なのに一途に愛し尽くされています~
著者:清水苺
イラスト:森原八鹿
発売日:2023年 1月26日
定価:620円+税
『月志野の人間として』の教育を幼い頃から受けてきた月志野咲奈。
そんな彼女に父から縁談の話が伝えられる。
相手は月志野玩具株式会社の筆頭株主である城田コーポレーションの御曹司・城田蒼史であった。
だが、結婚後も蒼史から夜のお誘いがないばかりか、ろくな会話すら交わされない日々が続く。
政略結婚に恋愛感情など必要ないと頭で理解していても、咲奈の心のうちは寂しさが増してしまい――?
ある日、勇気を出して、蒼史に自分の考えをもっと伝えてほしいと告げた咲奈。
彼の感情が分かり始めたのも束の間、実家から離縁を求められてしまう。
月志野の娘として、蒼史に離婚を申し出る咲奈だったが、返ってきたのは彼からの熱烈な愛の感情で――!?
「それなら、もっと気持ちいいことをしよう」
蒼史だけの淫らで純粋な愛情を注ぎ込まれてしまった咲奈は……!?
【人物紹介】
月志野咲奈(つきしの さな)
月志野家の娘で、社長令嬢の24歳。
気品のあるおしとやかな性格をしている。
政略結婚として蒼史のもとへ嫁いだのだが――!?
城田蒼史(しろた そうし)
城田コーポレーションの御曹司。咲奈の政略結婚相手。
寡黙で冷静なため、周りからは冷酷な人間だと思われている。
だが、咲奈と触れ合うことで徐々に自分の意思を表現するようになり……?
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【試し読み】
すぐには声が出てこない。
(私は……)
夫婦になったのだから、そういう愛を感じるという選択肢もあった。
咲奈自身も、嫁いだばかりの時は、緊張を覚えつつもその可能性があると、僅かながらに期待していた部分もある。
「……相手が蒼史さんなら」
咲奈は、その口をゆっくりと動かす。
「私は、それも良いと思っておりました」
そこで、二人の間に沈黙が流れる。
蒼史は咲奈の言葉を噛みしめるように聞いて、拳を握りしめた。
「なるほどな」
そして、蒼史は続ける。
「では、俺が朝まで獣のように咲奈を求めても、それを受け入れると言うんだな?」
その吸い込まれるような瞳の大きさに、咲奈は一瞬ドキリとする。
「そ、そこまでは……言っておりません」
咄嗟に否定するも、それに意味はない。
「愛のない政略結婚、か。確かに、咲奈はそう感じていたんだろう。俺が必死に我慢して、大事にしようと努めていたことは、咲奈にとっては愛のない行動だったんだな」
「そんなことは……」
途端、蒼史は立ちがってこちらに近づいてくると、咲奈の目の前に座りこんだ。
そして、咲奈の後頭部に右手で触れるなり、その唇を咲奈のものと重ねた。
「っ……」
蒼史と式以外で初めてしたキスは、蒼史の焦りと熱を感じた。彼の唇は強引に咲奈の唇に吸い付いて、咲奈が逃げても追いかけてくる。何度も音を立てて唇をくっつけて離すのを繰り返すと、やがて彼の舌が腔内に侵入してきた。
「~~!」
ディープキスというものを単語で聞いたことはあるが、咲奈にとって初めての行為に、ジタバタと身体を揺らす。しかし、蒼史の舌は咲奈の上顎を舐めて、歯の裏にまで達する。
(何をしているの……!?)
今、何が起きているのか、理解できない。
先ほどまで、離婚の話をしていたはずだ。それが今、貪るように咲奈を食しているのは、あの無口で冷徹な城田蒼史であることが、どうしても信じられない。
「暴れるな」
「……っ」
蒼史は不意に唇を離すと、咲奈に命じる。
咲奈は「はぁ。はぁ」と熱い息を吐きながら、おそるおそる蒼史の顔を見つめた。
彼の純白の肌は、紅葉のように赤く染まっている。蒼史はいつも凛とした表情を崩さないのに、今は目を細めて咲奈を求めるように濡れた瞳を向けてきた。
「そうか。咲奈は、最初から抱かれたかったんだな。俺に」
最初から、抱かれたかった……?
「そうすれば、この結婚は意味のあるものになったんだ。そうだろう?」
「蒼史さっ」
名前を呼んだが、無視された。蒼史が近づいてくるから、咲奈は逃げるように身体を仰け反らせる。すると、布団も敷かれていない床に咲奈の背中がついて、押し倒されるように蒼史を見上げた。
「果てるまで抱いて、愛を囁いて、その腹に俺の子種を残して。そうやって日々を過ごせば、咲奈は満足なんだな?」
「ちがっ……!」
「何が違う? これが愛のある結婚だと自覚するには、同じベッドで寝る必要があるのだろう?」
確かに、それを言ったのは他でもない自分自身だ。
だが、今の蒼史には気迫があって、少し怖い。これから何をするつもりなのか、咲奈は十分に理解しているけれど、肉食の獣にロックオンされた草食動物のように萎縮してしまう。
「私はっ……。ただ、結婚した以上、そういう愛も感じたかっただけで」
「なら、これから俺が果てるまで咲奈を抱いて、孕ませればいいんだな? 俺たちの間に子どもができてしまえば、容易に咲奈の両親も離婚だなんだとは騒げないだろう?」
「えっ。ま、待って」
「最初からこうすれば良かったんだ。咲奈にとって『愛』は、肉体関係があってこそ成り立つものなんだろう?」
その言葉を皮切りに、蒼史は咲奈の首筋を舐めるようにキスした。薄っすらと汗をかいているのに、蒼史は気にする素振りも見せない。
咲奈は両手で蒼史を押し返そうとするも、蒼史はその両腕を掴んで床に押し付ける。
両手を封じられた咲奈は、蒼史の行動を止めることができない。彼は咲奈の着用していたワンピースの上から乳房に口を寄せると、はぁっと大きく息を吐いた。その吐息の熱が咲奈の乳首を刺激し、ツンと突起が勃つ。
「……ん」
このままでは、蒼史に蹂躙される。それが分かっているのに、今は拒絶できない。
彼の放つ熱は、咲奈をくらりとさせるほどに魔性のオーラを放っている。異性から激しく肉体を求められたことのない咲奈にとって、全ての体験が初めてで、この先を知りたいと心のどこかで思ってしまう。
「抵抗するなよ」
蒼史はそう言って、咲奈の両手を離す。そして着ていたシャツのボタンを外すと、蒼史は逞しい肉体を露出させた。
六つに割れた腹筋には汗が浮かび、ピンクに色づいた乳首に視線が向く。ぷっくりと膨れたその乳首は、咲奈のよりもかなり小さいけれど、触ってみたいほどに魅惑的に思えた。
続けて、蒼史はズボンのベルトに手をかける。カチャリと音を立ててベルトを外すと、なんの抵抗もなく黒のボクサーパンツを見せた。その屹立は布越しからでもその硬さが分かるように強調され、先走りで先端が濡れている。
蒼史は下着だけの姿になると、今度は咲奈に視線を向けた。そして、咲奈の腕を引っ張り上半身を立たせると、背中のファスナーを下ろす。
「俺が裸になったんだ。咲奈も裸になれ」
「……」
咲奈ははだけたワンピースを腕からするりと取り払って、ブラジャーとショーツだけの姿となる。今日は白の下着を着用していたが、蒼史はじっと咲奈の身体を見つめたまま閉口している。
おそるおそる咲奈はブラジャーのホックに手を伸ばすも、外す勇気が持てない。そこで動きを止めてしまうと、蒼史はじれったそうに右手を伸ばした。
「さっさと外せ」
「あっ」
パチンッと、ホックが外れる。乳房が揺れて蒼史の前に露出されると、乳首は感じるようにピンクに色づき、隆起していた。
「ショーツも、脱いで」
その言葉は無機質だけれど、どこか雄の熱を感じる。咲奈は両手を使ってショーツを下ろすと、陰毛の生えた秘部を露わにした。
「そ、そうしさん……」
「なんだ?」
「ここで、するんですか……?」
布団も敷かれていないリビングで行為をしたら、きっと背中がゴツゴツとして痛いだろう。せめて、行為をするならベッドの上でしたい。
「仕方ないな」
蒼史は裸の咲奈を、お姫様だっこの形でひょいと持ち上げる。そのまま軽々と二階の寝室に向かうと、咲奈をベッドの上に置いて言った。
「これでいいか?」
「……はい」
お互いに裸の状態で、ベッドの上で向かい合っている。これからすることは、咲奈の人生で初めての経験だ。
「咲奈は初めてか?」
「は、はい」
「それなら、きちんと解すか」
蒼史は咲奈の胸の大きさを堪能するように、両手で回すように揉んでいく。人差し指で乳首を刺激すると、咲奈は恥ずかしさからきゅっと瞳を閉じた。しかし、蒼史の手が止まることはない。
蒼史は唇を乳首に寄せて、ぺろりと舌で舐める。それから唇で吸い付いて、ちゅうと吸い上げた。その感覚に咲奈はビクッと身体を震わせた。
(な、舐められてるの……? 乳首を?)
咲奈は、夜伽では具体的に何をするのか、子どもの頃からよく分かっていない。そういう文献にも触れていないし、思春期まではコウノトリが子どもを運んでくると本気で信じていたほどだ。
はしたない話を両親にすることもできない咲奈は、友人関係も狭く、夜の営みの知識は皆無と言ってもいい。
ただ、結婚した相手とはそういうことをする。
むしろ、そういう営みがない方がおかしいらしい。
それだけを知っている咲奈は、蒼史から浴びる熱に動揺を隠せない。
「蒼史……さん」
執拗に乳首を舌で弄る蒼史に、咲奈は言う。
「恥ずかしい……です」
「そうか」
それだけ言って、蒼史は止める気配もない。左手でもう片方の乳房をぎゅっと揉むと、指先からこぼれる乳房を揉みしだいた。
(待って……。おっぱいは、子どもを育てるためにあるもので、蒼史さんが吸うためにあるものでは……!)
咲奈の顔が赤く染まる。ただでさえ裸を見せるのは恥ずかしいのに、彼が求めるように咲奈の胸を弄ることで、咲奈の唇はわなわなと震えた。
「そろそろかな」
蒼史は右手の人差し指で咲奈の割れ目に触れると、花弁をクリクリと刺激する。続けて陰核を擦ると、咲奈の快楽物質を分泌する箇所を的確に刺激してきた。
「んっ……あぁ」
はしたない声が漏れたが、咲奈は自分でも理由が分からない。
こんなにも淫らな嬌声を上げて、蒼史は引いていないだろうか。しかし、今はこの声を止めることができない。
「やっ……だ、だめぇ」
陰核を何度も擦られると、甘い蜜が隘路から溢れてくる。やがて、くちゅくちゅと淫らな音が寝室に響いて、咲奈は唇をきゅっと噛んだ。
「あ。あぁ」
しかし、すぐに声が漏れる。
「咲奈は、ここを擦られるのが好きなのか?」
「ちがっ」
「それなら、もっと気持ちいいことをしよう」
蒼史は咲奈の肢を開脚させて、顔を秘部に近づける。そして、陰核を舌先でぺろりと舐めて、唇でちゅうと吸い上げた。
「~~!」
咲奈が感じる姿を見せるにつれ、蒼史の唇はゆっくりと持ち上がる。彼は自身の手によって陥落していく咲奈を見るのが喜ばしいのか、目を細めて囁いた。
「舐めたら、すぐに蜜が出てきた」
蒼史が喋るたび、吐息が秘穴に掛かる。
恥ずかしい。それなのに、どうしようもなく淫らな感情が湧き出てきた。
人差し指を隘路の中に挿入させると、上下させてから、時折クイッと第一関節を曲げる。すると、咲奈の感じる箇所を指が突いて、下腹部に力が入った。
「!」
「咲奈の身体は、敏感だな」
蒼史は中指も中に挿入させて、二本の指で激しくピストンをする。くちゅくちゅと蜜が指に絡み合う音がして、咲奈はワケも分からず「あっ」と声を漏らす。
次第に、蜜の音がぐちゅぐちゅと重厚感を増していく。すると、蒼史は指を抜いた。
「もういいか」
蒼史はおもむろにボクサーパンツを脱ぐと、その大きく反り立つ屹立を見せる。
彼はそれを見せることに、恥ずかしさや抵抗はないらしい。その堂々とした佇まいに、見ているこちらが恥ずかしくなりそうなほどだ。
そしてそれは、咲奈が今までの人生で、知りえない形をしていた。
(こんなに大きなものが、これから私の中に……?)
蒼史は普段の凛とした表情が崩れ、獲物を捕食する目つきをしている。
咲奈が驚き目を丸くしても、彼はクスッと笑うほどの余裕があった。
こんなもの、絶対に挿入らない。いや。きっと、挿入ったとしても身体が壊れてしまう。
分かっているのに、蒼史は咲奈の割れ目に肉棒を押し付けて、ぐっと力を込めてきた。
「待って。まって」
「待たない。挿入るぞ?」
「挿入らないから……。絶対」
「挿入てみせるさ。咲奈に拒否権はない」
咲奈の両足の太ももを掴んで、咲奈を決して離さない。
その先端が、花弁に触れる。徐々に力がこもって、それが隘路の中に侵入してきた。
「あっ……ああ」
これ以上は、ダメだ。何かが壊れてしまう。
破瓜の痛みは感じない。けれど、咲奈の隘路の手前にあった処女膜が、蒼史のそれに突き破られ、秘穴からつぅ……と血が垂れた。
「挿入ったぞ」
奥まで挿入された屹立は、咲奈の中で熱を放つ。大きく硬いその棒は、咲奈の蜜襞に絡みついてくちゅりと音を立てた。
蒼史は腰を動かすと、咲奈の中を弄ぶように動く。子宮の中にまで挿入ってきそうな大きな肉棒は、咲奈の感じるポイントを奥の奥まで逃さない。
「ふぁっ。あ……!」
咲奈が声を出すたび、蒼史は嬉しそうに口角を上げる。それはまるで、咲奈が堕ちていく姿を見て、愉悦に浸る男のようだ。
「やっ。あぁ」
「何が嫌なんだ? 中はこんなにも濡れているのに」
「あ……ぁ!」
どうして、こんなことになっているのだろう。
蒼史の肉体はあまりに存在感が大きすぎて、咲奈の身体では受け止めきれてないのではないかとさえ思う。
本当に、あんなものが奥まで挿入っているのだろうか。もしそうなら、どこか壊れているのではないだろうか。
(なのに、どうしてこんなに、気持ちいいの……?)
蒼史の腰が上下するたび、快楽が咲奈を襲う。閃光が走ったように咲奈の身体は刺激され、蒼史を求めて隘路が痙攣しだした。
抱きしめられるような形で、咲奈の身体が蹂躙される。それは初めての感覚で、咲奈は自分でも何が起きているのか理解するのに時間を要した。
(あぁ。どうして? どうして身体の中に、あんなに大きなものが挿入っているのに、痛みよりも気持ち良さが勝るの? おかしいわ。絶対におかしい。こんなことが気持ちいいなんて、私の身体はどうかしている)
皮膚が擦れる音が響いて、咲奈は何度も息を吐く。
行為は気持ちの良いものだと耳にしたことはある。
だが、どういう原理で気持ち良さを感じるのか、咲奈は今まで理解していなかった。
(身体の中が痙攣して……言うことを聞かないの。自分の身体なのに、自分のことが分からない。あぁ。どうして? どうしてこんなに……!)