年上御曹司は至高の獣欲で初心な妻を愛し尽くす ~新婚夫婦の淫らな毎夜~
著者:猫屋ちゃき
イラスト:海月あると
発売日:2023年 5月12日
定価:620円+税
箱入り娘の里桜は祖父母から「会わせたい人がいる」と言われ、お見合いをすることになる。
自分自身の力できちんと恋をしてみたいと思っていた里桜はお見合いに乗り気ではなかったのだが――。
気が落ちたまま赴いたお見合いの場で出会ったのは、野宮グループの御曹司である野宮真斗だった。
真斗の柔らかく笑う笑顔に、強張っていた里桜の心も次第にほぐれていき――?
里桜の感情を引き出し、寄り添ってくれる真斗の真摯な姿勢に里桜はしっかりと恋に落ちたのだ。
こうして、晴れて真斗と恋人関係になった里桜は、彼から素敵なプロポーズを受ける……。
「これから里桜にたくさん触るけど、いい?」
夫婦になった初めての夜は、里桜にとって心も身体も愛し尽くされる甘美な時間だった――。
幸せな結婚生活が始まったのだが、情熱的な初夜を過ごして以降あまり真斗は里桜に触れてこない。
寂しさを持て余す里桜に真斗が気づいてしまうと……!?
【人物紹介】
中園里桜(なかその りお)
不動産会社勤めの平凡な23歳。
古くから続く家系の出自で、自身の夢に向かって頑張っている。
お見合いで真斗と出会い、幸せな新婚生活が始まったのだが――?
野宮真斗(のみや まさと)
野宮グループの御曹司でグループ会社取締役。30歳。
里桜に対して優しく一途で、彼女を手放せないと思っている。
一方で、里桜にだけは自分の弱い一面も垣間見せる。
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【試し読み】
そしてその夜。
二人はついに結ばれる。
式のあと、里桜は真斗に連れられて新居へと向かった。
忙しい合間を縫って真斗がコツコツ準備してくれていたという、二人の愛の家。コンシェルジュが常駐していて、住人専用のフィットネスジムやパーティールームが入っているようなおしゃれなマンションだ。
すぐにでも探検したかったが、初めて本当の意味で二人きりになった真斗が、それを許してくれるはずがなかった。
「里桜、疲れただろう。お風呂に入っておいで。それとも、俺に洗われたい?」
妖艶さを感じさせる笑みを浮かべてそんなふうに尋ねられれば、ふるふると首を振ってバスルームに逃げ込むしかない。
まだキスすらまともにしたことがないのだ。いきなり裸になるなんて、恥ずかしすぎてできない。
広いバスルームで、里桜は落ち着かない気持ちでシャワーを浴びる。真斗が選んでくれたのだろうか。蜂蜜の香りがするボディソープやシャンプーのおかげで、少しずつ緊張はほぐれてきた。
だが、体を拭いて下着をつける段になると、再び緊張してくる。今日のためにと気合いを入れて選んだ純白の下着を目の当たりにすると、これからの行為を想像してドキドキしてしまう。
異性との交際経験はないものの、人並みに――あるいはそれ以上に、性への興味はあった。大学生の頃、親しくしていた友達から借りた女性向けの〝大人の恋愛モノ〟の漫画を読んで以来、その興味はさらに膨らんでいった。
好きな人と肌と肌を重ねてする、特別な行為。とても気持ちがよくて、天にも登る心地になるというもの。
そういった行為への憧れと興味だけが膨らんで、里桜は大人になってしまった。あるのは漫画でつけた知識だけだ。
下着の上からガウンを羽織り、リビングへと向かった。
「じゃあ、俺も入ってくるよ。髪を乾かして待ってて」
「……はい」
里桜はドキドキして体がほてって仕方がないのに、真斗は涼しい顔をしている。だが、「先に休んでて」ではなく、「待ってて」と言ったのだ。その言葉の意味するところを考えて、里桜の胸はさらに高鳴る。
「どうしよう……うまくできるかな」
肩口で切り揃えられたボブヘアは、考え事をする間もなくすぐに乾いてしまった。バスルームからシャワーの音はまだしているが、直に真斗は上がってくるだろう。
湯上がりの彼と洗面所で鉢合うのが何だか恥ずかしくて、里桜は急いで寝室へと逃げた。だが、広い部屋の中にあるキングサイズのベッドを目の当たりにして、これからここで彼に抱かれるのだという実感がさらに増す。
彼なりの気遣いだろうか。寝室には、アロマが焚かれていた。甘くて、どことなくエキゾチックな香りだ。
照明も、落ち着く程度の明度に調整されている。このくらいの明るさの中でなら、彼に裸を見られても恥ずかしくないかもしれない。
どこで待つのが正しいのかわからなくて、部屋の中をうろうろした結果、里桜はベッドの端に腰を下ろした。ちょうどそのとき、ドアが開いた。
「ベッド、広いんだからそんな隅にいなくていいのに」
里桜の姿を目にして、真斗がふっと笑う。湯上がりの彼は髪のセットが解かれ、少しだけ無防備だ。
だが、その切れ長の目に浮かぶ表情はやや剣呑で、見つめられた里桜はゴクリと生唾を呑み込んだ。
「緊張してる?」
隣に腰かけた真斗が、髪を撫でながら問う。それだけでドキドキしてしまって、里桜は震える思いで頷いた。
「……初めてなので、うまくできるか自信がなくて」
「大丈夫。俺が全部教えてあげるから。不慣れなのを恥じることはないよ」
「ん……」
そっと顎を掴まれて、俯いていた顔を上げさせられたと思ったらキスされた。
初めは、誓いの口づけのような、唇が触れ合うだけのキスだった。しかし、やがて真斗の舌がそっと里桜の唇をなぞり、口の中へと入ってきた。
温かで柔らかなその感触に、里桜は驚いたが、拒むものではないとわかっていたから、そっと口を開いて受け入れる。
「……いい子だ」
髪を撫でながら、ゆっくりじっくりと真斗は里桜に深い口づけを与える。舌を絡ませ、歯列を優しくなぞり、触れ合う行為に慣れさせていくように。
「ん……ふ、ぅ……」
そのうちに里桜の口からは、甘えるような声が漏れ始めた。まだキスをしただけなのに、気持ちがよくなってきたのだ。
「とろんとして、可愛いな」
「……何だか、頭がふわふわする」
「もっと気持ちよくなろうか」
真斗の手が、ガウンの腰のリボンにかかる。するりと解けば、里桜の真っ白な肢体とそれを飾る特別な下着が目に入る。
「……きれいだ」
真斗の口から、思わずといった様子で声が漏れた。
シフォンと繊細なレースでできた純白の下着を身に着けた里桜に、彼は釘づけになっている。
今日のために、これまで憧れていたランジェリーショップで選んだのだ。
結婚初夜にして、生まれて初めての経験をする日のために、祈るような気持ちで選んだ。
「……ちょっと背伸びして、大人っぽいのを買ってみたの」
「よく似合ってるよ。……俺のために着てくれたんだって思うと、嬉しくてたまらない」
慈しむようにそっと触れながら、真斗はゆっくりと里桜の体をベッドに横たえた。
「これから里桜にたくさん触るけど、いい?」
優しく問われ、里桜は頷いた。だめなわけがない。この日を、ずっと待ち侘びていたのだから。
里桜はこれまでに真斗とそういう関係になってもいいと思って、何度も勇気を出して誘ってきた。結婚が決まってからはなおさら、もういいだろうと思ってわかりやすく甘えてみた。
それでも彼は、今日まで里桜に指一本触れなかったのだ。「出会ってすぐに君がほしくてたまらなくなった俺に示せる、唯一の誠意だから」と。
その言葉を信じて、里桜も待っていた。だから、拒むはずがない。
「んっ……」
彼の唇が、そっと首筋に触れた。それだけで、里桜の体にはまるで電気が走ったような快感が与えられる。
唇は、首筋を下って鎖骨の線をなぞり、胸の谷間へと到達した。
二つの豊かな膨らみを下着越しにやわやわと揉みしだきながら、真斗はその感触を楽しむように唇を押し当てる。
彼が自分の胸元に夢中になっているのが、恥ずかしくもあり嬉しくもあった。
着痩せするタイプで、学生時代は薄着になるとよく驚かれていた。やや童顔な顔つきや小柄な体からは想像できないほど、里桜の胸は大きい。
走ると目立つし痛いし、着るものに気をつけなければ太って見えた。だからあまり自分の大きな胸が好きではなかったのだが、今はそんなことはもう気にならなくなった。
「……真斗さん、気持ち、いい?」
気持ちよさに呼吸を乱しながら、里桜は尋ねた。
「気持ちいいよ。いつまでも触っていたくなる。……里桜も、気持ちがいいみたいだね」
「あっ」
下着の柔らかな布越しに胸の頂をピンと指で弾かれ、里桜は自分のそこが硬く芯を持ち始めていることに気づかされた。
「あぅ、んんっ」
形を探るように指で弄られ、背筋に強烈な快感が走る。くすぐったいのとは違う、切ないようなもどかしいような感覚になり、もっと触ってほしくなった。
「直接触ってあげようね」
真斗はそう言ってから、背中に手をやり、ホックを外した。形のよい胸が、戒めを解かれ彼の眼前にまろびでる。
「真っ白な肌の中で、ここだけ色づいてる。可愛くて、食べてしまいたくなるな」
「きゃんっ」
ペロリと味見でもするように胸の色づいた蕾を舐められ、里桜は背をのけぞらせて感じた。舐められるのは、あまりに気持ちがいい。
もっと舐めてほしいと思った直後、チュッと音を立てて吸われた。
「んっ、あ、はぁ……んんっ……!」
ひとつの蕾は舌を絡めながら吸われ、もうひとつは指先で押しつぶすように弄ばれている。そこからビリビリとした刺激が全身へと走り、たまらず里桜は甘く啼く。
真斗は里桜の反応をさらに引き出そうと、執拗に胸への愛撫を続けた。真っ白な柔肉は形が変わるほど揉まれ、頂は音を立てて啜られる。彼の硬い指の感触に、湿って温かな舌の感触に、里桜の官能はどんどん高められていく。
そうされるうちに体の奥が疼いて、自然と腰が揺れた。それに気づいた真斗の指が、クロッチ越しに里桜の秘められた場所を撫でる。
「里桜、もうこんなに濡れて……」
里桜に触れた真斗が、満足げに微笑んだ。その笑みがゾクリとするほど妖艶で、里桜は恥ずかしくて目を逸らす。
「やっ……」
「下着越しでもわかるくらい、ぐっしょりだよ。……感じてるんだね」
反応を楽しむように、彼の指の動きが緩急をつけたものに変わる。まるで布越しに、里桜のその部分の輪郭をなぞるみたいに。
「んぅ……」
薄布の上から割れ目を確かめるように指を動かされ、これまでよりもっと強い快感に体がさらに熱を持つ。
人に触れさせることのない部分に彼が触れているのだと思うと、恥ずかしいと同時に得も言われぬ気持ちよさがあった。
だが、どれほど執拗に撫でられようとも布越しだ。そのうちにもどかしくなって、腰の動きは激しくなる。
「そろそろ直接触ってみようか」
「……はい」
下着をゆっくりと取り去られ、里桜は一糸纏わぬ姿になった。さらに脚を左右に開かせられると、蜜に濡れた秘処が露わになる。
その濡れた部分を、真斗がじっと見つめていた。恥ずかしい場所をそんなふうに彼に見られていると思うと、さらに蜜が溢れてくる気がする。そのうちに、誘うようにそこが蠢くのがわかった。
「こんなに濡れて……素直でいい子だ」
「ぁんっ」
真斗の指が、蜜を溢れさせる中心に触れた。それから、ゆっくりとそこへ沈められていく。引き攣れるような感覚がしたが、同時に自分の内側が期待に蠢くのも感じた。
「……まだ狭いな。ゆっくりほぐそうか」
蜜壺の激しい締めつけに阻まれ、彼はそれ以上の侵入を一旦諦めた。その代わりに、薄い茂みの奥から顔を覗かせ始めていた花芽に親指を押し当てる。
「んんぅっ!」
円を描くように花芽を擦られ、里桜は大きく仰け反った。その反応を見れば、そこに触られるのがかなり気持ちいいと伝わってしまう。
「そうか……ここを弄るのが好きなのか」
「や、あぁっ……!」
執拗に花芽を捏ねられ、それに合わせるように蜜壺のごく浅いところを擦られ、里桜は白い喉を反らせて啼いた。
指はそのうちに二本に増やされ、蜜口を広げるような動きを始める。
気持ちよくてたまらない。頭が真っ白になっていくみたいだ。鼓動が速まり、呼吸も乱れていくが、脈打つように下腹部を中心に快感が広がっていく感覚が何より強い。すべての神経が彼の指に集中していた。
蜜をかき出すように動かされたり、弱い部分を探るように抜き差しされたりすると、気持ちがいいこと以外考えられなくなっていった。
最初はさざ波のように全身へと広がっていた快感も、やがて大きな波となって里桜を攫う。
「ん……あぁ、あっ……!」
真斗の指を激しく締めつけ、爪先をピンと伸ばして、里桜は達した。
達するという感覚は、これまで自分を慰めたときに何度か味わったことがあるが、それとは比べものにならないほどの大きな快感だった。
心臓は早鐘を打ち、呼吸はなかなか整わない。それなのに体の力は抜け、里桜はベッドの上でくったりしていた。
だが、それで終わりではない。
「上手にイけたな。――じゃあ、そろそろか」
そう言って、真斗がおもむろにガウンを脱いだ。その下は、下着しか身に着けていない。程よく筋肉が乗って引き締まって裸体が現れ、里桜の目は釘づけになる。
胸板や腹筋よりも目を引くのは、下着の布越しにも窮屈そうにしている彼自身だ。下着の上からでも、そこが大きく膨らんでいるのがわかって、恥ずかしいのについ見てしまう。
そんな里桜の初心な視線を楽しむように、真斗は下着をゆっくりと下ろした。
「……!」
そそり立つ彼のものを目の当たりにして、里桜は思わず息を呑んだ。
上品な彼の顔には不釣り合いなほど、それは大きくて凶悪な見た目をしていた。先ほど指を呑み込むのもやっとだった自分の中心が、それを受け入れられるか自信が持てない。
真斗はベッドサイドの小抽斗を開けると、そこから小さな袋を取り出した。袋を開け、その中身である薄膜を彼が自身に被せるのを見て、いよいよ逃れられないと里桜は覚悟を決める。
「里桜、緊張しなくて大丈夫だから」
里桜の腰の下に枕を入れながら、真斗はなだめるように言う。そうされると、腰を彼のほうへ突き出す格好になり、恥ずかしくてたまらない。
「そんな大きいの……入らない……」
「慣らしながら挿れるから」
「ん……」
真斗は小さな蜜口に自身を宛てがうと、押し当てながらそこを撫でた。薄膜と蜜が擦れ、粘度の高い淫靡な水音がする。その音がやがて大きくなってくると、先端がぬるりと中へ呑み込まれた。
「あっ……!」
「……狭いな」
彼が腰を進めると、硬くて大きなものが中へと入ってくる。
それまで気持ちよさでいっぱいだった里桜の頭の中が、痛いという感覚で埋め尽くされる。だが、拒もうにも柔らかな中心は彼のもので深々と貫かれている最中で、もう逃げようがない。
シーツをギュッと掴んで、痛みに耐えた。
「里桜、息は止めちゃだめだ。体の力もなるべく抜いて」
「んん……」
「そう、いい子だ」
キスをされ、髪を撫でられ、里桜は恐る恐る体の力を抜く。
「よくできたね」
優しく声をかけると、ゆっくりと真斗の腰が動き始めた。
初めはやはり、押し開かれるような痛みが走った。だが、何度も抜き挿しが繰り返されるうちに、痛みの向こうから気持ちよさが押し寄せてきた。
「あっ……あぁ、ん、んぁ……」
眉根を寄せ、ギュッと閉じた目尻に涙を浮かべていた里桜だったが、やがて甘い声を漏らしながら目を開けた。そのとろりとした眼差しで真斗を見ると、彼は安心したように微笑んだ。それから、なだめるようにキスをする。
「気持ちよくなってきたか。なら、そろそろ動くよ」
「んんっ」
小刻みに振っていた腰を今度は大きくゆっくり動かし、真斗は里桜の中をかき混ぜる。
腰を引いたときは嵩高い部分が浅いところを擦り、深々と貫くと先端が奥の敏感な部分を突き上げ、快感が走る。
気持ちよさを感じるたび、奥からさらに蜜が溢れてきた。その蜜が滑りを良くし、わずかに残っていた痛みすらなくなっていった。
「まさ、と、さん……っ」
胸がキュッとなるような、疼くような感覚がして、たまらなくなって里桜は自分からキスをねだった。荒々しく唇を重ね、舌で互いの口内を弄り合うと、さっきよりもずっと体が熱を持っているのがわかる。