極上の御曹司は一途な溺愛の手段を選ばない ~たとえ君が一児の母だとしても~

書籍情報

極上の御曹司は一途な溺愛の手段を選ばない ~たとえ君が一児の母だとしても~


著者:神城葵
イラスト:小島きいち
発売日:2023年 6月30日
定価:620円+税

蓮水建設の副社長を務める瑛理は半年前に視察した子会社で美冬と出会い一目惚れする。
やわらかな笑顔に一目惚れしてしまって以来、忘れようにも忘れられず、自分の傍に異動させた。
建築部門には疎い瑛理のサポートとして異動してもらったのだった。
しかし彼女は一人の娘を持つシングルマザーであり、それでも気持ちが抑えられない瑛理は……。
「こんなところで言うのも何だが、付き合ってほしい。──どこに、ではなく、俺と、という意味で」
告白されたのは初めてなのでと笑った美冬に、瑛理は自分の告白方法が間違っていなかったと直感した瑛理。
二人の行く末は――!?

【人物紹介】

香月美冬(かづき みふゆ)
二十六歳。男性とはお付き合いはあるが、性体験はなし。キスもなし。
父の会社で事務を手伝いながら、姪(五歳)を両親と一緒に養育中。
姪の母親である妹は近いうちに帰国予定。

蓮水瑛理(はすみ えいり)
二十八歳。女性とはきれいな遊び方のみ。
大卒後、グループ企業で一般社員をしたあとに跡取りとして役員に。

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*取り扱いサイトは、各書店に掲載され次第、更新されます。

 

【試し読み】

 綺麗な箸使いで先付けを食べてから、美冬は言葉を継いだ。
「まあ……できるだけ平常心をと心がけているのは事実ですけど」
「なら、君の努力は成果として現れているな。君が動揺したところは見たことがない」
「そうですか? 今、結構動揺しています」
「今?」
「……男性と二人で食事なんて、初めてなので」
 そう言った美冬に嘘は感じられず、だがシングルマザーの彼女が男性経験がないはずもなく、瑛理は混乱した。
「……酒が廻ってきたかもしれない」
「え」
 驚いたように顔を上げた美冬に、瑛理はぼんやりした思考のまま告げた。
「よくわからないんだ、君のことが。──もっと、知りたいのに」
「普通の女ですが」
 首を傾げる仕種も可愛いと思う。
 瑛理が言葉を継ごうとした時、仲居が料理を運んできたので、彼女に言いたかった言葉は空に消えた。
 その鬱憤を晴らすように、瑛理は強めの日本酒をぐっと呷った。
 続けて提供された料理の味も殆どわからないまま、酒を飲んで──記憶は、そこで途切れた。

「……りさん。瑛理さん」
 酒でふわふわした感覚の中、瑛理はやわらかい女性の声を聞いた。
「……ん」
「住所、言えますか? 無理そうなら、どこかホテルに……」
「家? 目黒の……」
 ぼーっとした思考でも、自分の住所くらいは諳んじられる。瑛理が口にした住所を、美冬が誰かに繰り返している。
「……心配なので、ご自宅までご一緒しますね」
「……ん」
 酒にはそこそこ強いはずなのに、と瑛理ははっきりしない思考回路を繋ぐ努力をする。隣に座る美冬の体温が心地いい。
 しばらく車が走る感覚が続いて、微かな揺れがまた睡魔を誘った頃。
「着きましたよ。ここからはどうするんですか?」
「……着いた……?」
 未だぼーっとしている瑛理に、美冬が溜息をついた気配がする。
 美冬に支えられる形でタクシーを降りると、ふらつきながらも自力で立つことも歩くこともできた。
「……すまない。ここまででいい」
 言った途端、くらりとした目眩が襲う。
「……お部屋までお送りします。心配すぎます」
 溜息まじりの声に、何ともいえない艶があって、瑛理の目眩は余計に強くなった。
 美冬に付き添われたまま、エントランスと居住区、部屋のセキュリティを抜けて自室に辿り着く。キーレスエントリータイプの部屋なので、鍵は出さなくても反応してくれた。
「お邪魔します」
 そう言って瑛理を支えたまま室内に入った美冬は、リビングのソファに瑛理を座らせると、バッグから取り出したペットボトルを差し出した。
「お水です。飲んでください」
「……ありがとう」
 一口飲むと、冷えた水が喉を潤し、同時に酔いを少し冷ましてくれる。
「……とんだ失態だな」
「急にハイペースで飲み出されたからびっくりしました。私、何か気に障ることをしましたか?」
「君は何も……いや、君のせいか……?」
 美冬の「男性との食事は初めて」という発言に混乱したのは確かだ。が、それを究明せずに酒を呷ってしまったのは瑛理の落ち度でもある。
「……寒い」
「え」
「寒い」
 繰り返した瑛理に、酔っ払いの相手などしなくてもいいものを、美冬は頷いて「エアコンを入れましょうか」と聞いてくれる。その優しさが、今は苛立つ。
 ──男と食事の経験がないなんて、嘘は聞きたくなかった。
「足りない。だから君が温めてくれればいい」
「え……?」
「こんな夜中に、一人暮らしの男の部屋に入ったんだ。……酔っている男なら、俺でなくても介抱した?」
「……あの」
 すみません、と美冬が小さく震えた。その姿に、嗜虐心がそそられる。
「酔っているふりかもしれないのに。君は、警戒心が足りない」
 そう言って、瑛理は美冬の細い腕を掴んだ。

「あの……いきなり、こういうことは」
 今更に羞恥心を覚えたのか、美冬がやんわりと拒絶の言葉を口にする。微かに恥ずかしがるような、それでいて窘めるような口調は、こんな状況でも落ち着いているように聞こえて、瑛理の苛立ちを煽る。
「寝室まで来てそう言われてもな。──嫌だ」
 戸惑っている美冬を、そのままベッドに押し倒した。
「や……っ」
 美冬のブラウスのボタンを外し、現れた下着の上から乳房に触れた。適度な大きさのそのふくらみは、やわらかくも芯のある反発が心地よい。
 嫌だと拒絶する言葉ばかり吐く唇を、キスで塞いだ。固く閉ざされていたが、呼吸ができなくなったのか、酸素を求めるように開いた瞬間に舌を差し込む。
 それに噛みつくこともできない美冬は、根が優しい。自分を襲っている男にかける情けはないだろうに。
「ん……っ、ん……!」
 口づけから逃れようともがく口内を蹂躙する。舌で頬の内側を舐め、奥で震えている美冬の舌を絡め取ると、くぐもった声が零れた。
「っん……」
 苦しそうな美冬に構わずキスを深くしていくと、トントンと肩を叩かれた。
「……くる、し……っ……」
 すっと唇を離すと、美冬は荒い息遣いで深呼吸した。彼女が空気を取り込もうとする本能に支配されているのをいいことに、下着をずらし、現れた乳房に吸いついた。
 真っ白な肌に、薄桃色の痕が残る。その痕をいくつも残しながら、空いた方を片手で包み込んだ。
「や……、まって……!」
 うろたえた美冬の声が聞こえたが、気にしない。やわらかな乳房を揉みしだき、もう一方は唇と舌で嬲る。赤く色づいた乳首を口に含み、舌先で転がしながら吸い上げると、美冬の声が甘い響きを帯びる。
「あ……っ、ん……!」
 嬌声に近いその声に満足し、濡れた先端に息を吹きかければ、美冬の体が跳ねた。
「っ、ふ……っ、あ……」
 手で刺激している方も、揉みながら乳首を押し潰し、指先で突ついたり押したりしていると、見る見るうちに赤く熟れていく。
「まっ……まって、えいり、さ……っ」
 まだ止めようとする美冬に、瑛理はまたじわりと苛立った。
 キスで抵抗の言葉を奪いながら、スカートの裾から手を差し入れる。
 温かな大腿を滑るように撫で上げたら、美冬の目が驚いたように見開かれるも、拒絶の声は瑛理の口内に溶けた。
「ん……、ん……っ」
 むずかるように首を振ろうとする美冬により深くキスしながら、瑛理の手は彼女の秘所に辿り着いた。ショーツの隙間から、やわらかな肉のあわいを撫でる。
 微かに濡れていることを確かめると、瑛理を押しのけようとする美冬の両腕を頭上にベルトで拘束した。
 無理矢理、というのは嫌だったが、美冬が抵抗するなら仕方ない。
「や……やめ……!」
 その声を無視してまたキスを深め、瑛理は美冬のショーツを脱がせた。右足首に引っかかったそれを目にし、美冬の顔が朱に染まる。
「やだ、やめ……こんなの、レイプじゃないですか……!」
「俺が嫌い?」
 瑛理がそう問うと、美冬は一瞬言葉に詰まった。
「……っ、そうじゃ、なくて……っ」
「そうじゃないなら、合意だろう」
「ちが、いや……!」
 これ以上、美冬の口から拒否の言葉を聞きたくなくて、瑛理は美冬のスカートをたくし上げた。白い太腿が露わになり、その付け根の部分に目を遣ると、美冬が隠すように脚を動かした。
 つ、と指先でそこを撫で、柔肉のあわいを行き来させる。微かに濡れた感触がして、瑛理は躊躇わずにそこを拓くことにした。
「やだ、いや、やめて……!」
 涙に濡れて訴えてくる美冬のソコは、瑛理が撫でる度に潤いを増していく。美冬の表情も、甘い苦鳴を堪えるような艶のあるものに変わっていく。
「どうして、俺だと嫌なんだ」
「……え?」
 瑛理が漏らした言葉に、美冬の抵抗が止まった。
「俺が嫌い? 好きだと言ったのは嘘?」
「す、好き……です。でも、でもこんなことは……!」
「俺は君が好きだから抱きたい。……本当に嫌なら、もうやめる」
「…………」
 嫌われたくない。抱きたい。相反する欲求二つを天秤にかけるなら、前者が勝る。
「…………」
 黙ったままの美冬に溜息が零れる。
 ──嫌われるよりは、いい。過去はどうあれ、今は、彼女は瑛理を好きだと言ってくれているのだから。
 瑛理は、美冬の手を拘束しているベルトを外した。解放された両腕を、美冬はそのまま瑛理の背中に廻し──抱き締めた。
「……ちゃんと、私の意思を聞いてくれるなら、いいです」
 シャツ越しに感じる彼女の温かさに、瑛理は抱き返していいのか戸惑う。
「……レイプする気はない」
「さっきまで、結構そういう感じでした。……それでもあなたを嫌いになれないので、もう仕方ありません」
 このまま、続けてください。
 そう言って、美冬はやわらかく笑った。

「っ……ぁ、あ……!」
 しどけない姿態を晒す美冬を愛撫しながら、瑛理は耳をくすぐる声の甘さに酔いしれそうだった。
 秘所を暴き、舌で花片を拓かせた花芯は、とろとろと蜜を零れさせている。それをねっとりと舌で舐め取った後は、ぷくりと膨れた花芽を強く吸い上げる。
「っあ、あ……、も……だめ……!」
 浅く短い息遣いに、瑛理は美冬の限界が近いだろうことに気づいた。が、やめるつもりはない。
 丁寧に、時に乱暴に花芽と花芯を舐り、秘所がとろとろに溶けたところで、蜜壺につぷりと指を突き立てた。
「あ、っん────っ!」
 きゅうっと隘路が締まり、瑛理の指を引き絞る。きつい締めつけに、瑛理は小さく笑った。
「すごいきつい。俺の指、食いちぎられそう」
「っん、あ、あ……っや、あ……!」
 蜜壺のナカで指を遊ばせると、美冬が体を震わせる。揺れる腰を抑えつけ、瑛理は彼女の内部を蹂躙した。
「っあ、あ……、──!」
 声にならない喘ぎを零して美冬が顕著に反応したのは、内襞のざらついた部分だった。
「ここ、好い?」
「ぁ、……あ、……っ!」
 こくこくと頷く美冬に軽くキスをして、瑛理は彼女の乳房に軽く噛みついた。
「あ、だめ、そこも、だめ……!」
 敏感になっている乳房を刺激されたからか、美冬のナカからどっと蜜が溢れた。それを潤滑油にして、瑛理はもう一本指を差し入れた。
「っあ、あ……っん……」
 二本の指で隘路の形を変えるように遊んでいると、美冬の呼吸が更に乱れていく。
「気持ちいい?」
「っん、ん、イイ……っ」
 今は随喜の涙に濡れた目が潤み、つややかな色香を放つ。
「可愛い」
 そう囁いて、瑛理は彼女のナカをぐるりと抉るように指を動かし、一気に引き抜いた。
「やぁ……っ」
 達する直前で引き抜かれた刺激に、美冬がぐずる子どものような口調で不満を告げる。
 が、瑛理が自身にゴムを装着し、美冬の秘所に宛がうと──微かに震えたのか、形のいい乳房がふるふると揺れた。
 指よりも圧倒的な質量を持つソレを何度も秘裂に添わせ、擦るように刺激する。
「っん……っ!」
 美冬も快感を覚えたのか、腰が揺れ始めた。
 その細い腰を掴み、左脚を自身の肩に乗せて秘部を露わにさせた。さすがに羞恥を感じたらしい美冬が抵抗する前に、瑛理は自身で一気に美冬の奥深くを穿った。
「っ、あ、ん────!」
 痛い、と小さな声がしたが、すぐに甘い吐息が聞こえた。
 久しぶりに男を受け入れたのだろうソコは、きゅうきゅうと淫らに瑛理自身に絡みついてくる。
 美冬は乱れた吐息を漏らし、全身で大きく呼吸している。瑛理が律動を開始しようとしたら、涙を浮かべた目で懇願された。
「うごか、ないで……っ」
 まるで処女のような反応だと思いながらも、瑛理も無理強いはしたくない。きつく締めてうねるナカで、じっと待つのは甘い拷問だ。
 美冬の呼吸が落ち着くまで、彼女の乳房や鎖骨に口づけた。時折歯を立てて刺激してやれば、微かな喘ぎ声が零れてくる。
「もう、いい?」
「……っ、ん……」
 こくんと美冬が頷くと同時に、瑛理は律動を開始した。先程見つけた美冬の好い場所をカリの硬い部分で擦ると、それに反応して内襞が蠕動し、うねるような蠢きが自身を包んでいく。
「……っ、く……っ」
 持っていかれそうな快感にひとつ息を吐き、瑛理は自身と美冬の快楽を追うことに集中した。
 深く最奥を抉り、腰をグラインドさせながら律動する。前後に突き、左右を擦る。ぐりぐりと奥深くまで突き入れると、美冬は嬌声をあげた。
「あ、ん、ん、……っあ、あ……」
 ぎゅっとシーツを掴み、首を左右に振って快感をやり過ごそうとする仕種が可愛い。乱れた髪が、何ともいえない艶を湛えていた。
 ぐっと更に奥を穿つと、美冬の声が高くなる。
「っあ、ん、ん……っ、や、だめ……!」
 指では届かないところにも、彼女の好い部分があったらしい。一番張り出した部分でそこを重点的に擦ってやると、美冬の脚がピンと爪先まで伸びた。
「あ、っあん、……っあ……!」
「他に、好いところは、ある?」
 瑛理が吐息まじりに問いかければ、美冬は小さく首を振った。
「わから、な……っあ、あぁっ!」
 答えを待たずに、大きく膨らんだ花芽を指の腹で押し潰したら、同時に二ヶ所を嬲られた美冬の体が大きく跳ねた。
 少し挿入の角度が変わった為、体勢を整えて再び捻じ入れる。ぴたりと隙間なく合わさった部分から、とろりと蜜が零れた。
「気持ち、い……っ、瑛理、さん、は……?」
 蕩けた声でそう問われ、瑛理は美冬の腰を抱いた。
「俺も、イイ」
 そこからは、獣のように彼女を貪った。こんなにも気持ちいいのは瑛理も初めてで、加減がわからなかった。
「あ、あ……っ」
 がくがくと揺り動かされながら、美冬が嬌声を零す。その細腰に、瑛理は何度も欲望を打ちつけた。
「ん、あ……っあ、あ……も……だめ……っ」
「美冬」
 名前を呼んだ瞬間、美冬のナカが収縮し、細波のようにうねり──ぎゅっと瑛理を締めつけた。
「……っ……!」
 その強烈な快感に逆らわず、瑛理は薄いゴム越しに、美冬の胎内に精を吐き出した。

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