妹に譲って婚約解消するはずが、なぜか冷酷公爵様の溺愛がはじまりました!?

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妹に譲って婚約解消するはずが、なぜか冷酷公爵様の溺愛がはじまりました!?


著者:真波トウカ
イラスト:三廼
発売日:2024年 3月22日
定価:630円+税

公爵家当主のエドワードと10年前に婚約して以来、シエラは彼に恋をしていた。
取り付く島もなく冷酷だと噂されるエドワードだったが、シエラを軽んじる態度をとることは決してなく、そんな彼のそばは温かいものであった。
だが、彼女はエドワードから自身が嫌われており、妹のヒルダの方が彼に愛されていると思っていた……。
ある夜、エドワードが主催する夜会で壁に佇んでいたシエラのもとに、ヒルダが彼のエスコートを受けて現れて――?
シエラに向かってエドワードとの婚約解消を宣言するヒルダだが、彼が告げたのはシエラへの愛の告白だった……!?
「あり得ない――私は、シエラを愛している」
騒然となった舞踏会をエドワードと一緒に抜け、彼女は彼の自室に通されることに。
改めてシエラが妹との関係に言及するも、エドワードからは熱い想いを告げられてしまい――!?

【人物紹介】

シエラ・リワゼル
リワゼル子爵家の令嬢。
おとなしい性格をしているが、しっかり者でもある。
わがままで甘え上手な妹がおり、子供の頃から家族に我慢を強いられてきた。
10年前にエドワードと婚約して以来、淡い恋心を抱いている。

エドワード・ラルフレイス
ラルフレイス公爵家当主。
寡黙でミステリアスだが、寂しがりな一面も見せる。
シエラから婚約破棄を申し込まれてしまい――?

●電子書籍 購入サイト

*取り扱いサイトは、各書店に掲載され次第、更新されます。

【試し読み】

「っ、シエラ……」
 切なげに目を細めたエドワードがつかつかと歩み寄ってくる。
 そして――。
「え……」
 強い力で引き寄せられ、ぬくもりに包まれる。
 彼の胸に顔を寄せる形になり、ようやく抱きしめられているのだと頭が理解する。
「だ、大丈夫ですから、もう……」
 慰めのハグなんて欲しくない。だってこの温かさを手放したとき、余計に悲しくなるとわかっているから。
 身をよじって逃れようとすると、さらに強い力で抱きすくめられる。
「婚約破棄などするつもりはない」
「え? ど、どうして……」
「言ったはずだ。きみを愛していると」
 引き絞った声が耳元で響いて、うなじがぞくりと粟立った。
「うそ……」
「嘘なはずがない。くそ……っ、こんなことならきみから離れるんじゃなかった」
 心底悔いたような声。
 シエラは信じられない気持ちだった。
 言葉の意味は理解できるけれど、頭がそれを受け入れようとしない。
「あの、も、もうやめてください。これ以上優しくしていただかなくて大丈夫なので……」
「なんだって?」
「わたしの両親はきっとヒルダとの婚約になっても納得しますから、心配なさらないでください」
 エドワードはシエラの肩に手を添えると、視線を合わせる。その瞳は真っ直ぐで、しかしどこか寂しげな色を帯びていた。
「きみは、私が同情で愛しているだなんて口にしていると……そう言いたいのか?」
「それは……」
 問い詰められてたじろぎ、シエラは視線をさまよわせた。
 本気で言っているはずがない。彼の言葉をそう否定してしまうのは、長年痛めつけられてきたシエラの防衛本能だ。
 期待するから、裏切られたときに傷が痛む。だったら最初からなにも望まなければいい。
 こんな夢みたいな言葉、同情に違いない。そうだと言って欲しい。あとからわかるくらいなら、今現実を突きつけられたほうがいいに決まっている。
「……私の気持ちを、嘘だと決めつけるのだな」
「ごめ、――んむっ」
 怒りを押し殺した声に、反射的に謝ろうとすれば突然柔らかなものが口を塞いだ。
 ――キスされている。
 理解が追いついて、驚愕のあまりシエラは無意識に逃げようとする。
「んっ、んぅっ」
 エドワードの胸を押し返せば、その手は反対に搦め捕られる。きつく指を絡められて、距離を取ることが許されない。
 エドワードのキスはまるで噛みつくほどの勢いだった。
 息をつく暇も与えないくらいに隙間なく合わせられて、シエラは空気を取り込もうと身をよじった。エドワードは逃がすまいと頭をがっしりと固定してくる。
 唇を食みながら何度か角度を変えたのち、ぬるりとしたものが下唇をなぞった。
「んんっ!」
 何歩か後退すると固いものにぶつかってぐらりと体勢が崩れる。
 そのまま後ろに倒れ込むと、身体は柔らかなマットの上で跳ねた。いつの間にか寝台まで後ずさりしていたらしい。
 指を絡ませたままの手は敷布に縫い止められる。
 自分を見下ろすエドワードはひどく切なげな表情で、心臓がどくんと大きく鳴った。
「私がどれほど、きみに焦がれていたかわからないだろう」
「エドワードさま――」
「シエラの姿や声、香りを遠い記憶から思い起こして、もどかしく思った日々をきみは知らないんだな」
 泣き出しそうに細められた氷の瞳。そこにあるのは冷たさなんかじゃない。青い炎のような熱さだ。
「きみにどれほど触れたいと思ったか――わからないなら、身体に覚え込ませるまでだ」
「え――んっ!」
 口を開いた瞬間、そこへぬるりとしたものがねじ込まれる。シエラは思わず身体を硬直させた。
「ん、ふ……っ!」
 エドワードの舌はシエラの口内を隅々までじっとりと確かめていく。
 歯列をなぞり、上顎をくすぐられ。まるで別の生き物のようにうねり口内を蹂躙していった。
 そのたびにぞわぞわとした不思議な感覚が芽生えて、たまらずシエラは身体をくねらせた。
「む、ぅ……っ」
 さらに奥を探ろうとする彼の舌にわずかに歯が当たる。のしかかるエドワードが身じろぎをし、ふっと短い息がかかる気配がした。
 彼が近くにいるのだと改めて意識してしまう。
 恐る恐る、硬くつぶっていた目を開ければ、至近距離にエドワードの美しい顔が大写しになっている。
 戸惑いや緊張なんて一瞬忘れてしまった。自分を見つめる瞳があんまり綺麗で。
(エドワードさま……)
 思わず、絡まる指にぎゅっと力をいれた。
 ほっそりとした美しい指なのに、こうすると節のしっかりした男性の指だと実感する。
「シエラ……!」
 エドワードの舌がシエラのそれを根元からじっとりとなぞりあげていく。
「ふぅ、っ」
 首の後ろがざわめいて落ち着かない。身体の熱がじわじわと上がっていく。
 口の端からは飲み込みきれなかった唾液が溢れ、頬を伝っていった。
「シエラ、かわいいよ」
 エドワードは親指で、シエラの濡れた唇をそっと拭った。
 瞳がわずかに細められ、慈しむような愛おしげな視線が落とされる。
「か、わいい……?」
 自分にはあまりに不釣り合いな言葉に、シエラはぼんやりと問い返す。
「ああ、すごくかわいい。今みたいに真っ赤になって蕩けた顔なんてたまらない」
 するりと頬を撫でられて、エドワードの指先の熱に気づく。
「か、かわいくなんか……だって、わたしは地味だし、ヒルダと比べて美しいところなんてなにも――」
 言葉をつぐんだのは、エドワードがひどく悲しそうな顔をしていたからだ。
「私の愛する人をそんなふうに貶めるのはやめてくれ。妹と比べる必要がどこにある?」
「で、ですが……」
「きみはとてもかわいらしい女性だ。少なくとも私にとって、かわいいと思う人はきみだけだ、シエラ」
「っ――!」
 キスでぼんやりとした頭が、甘い言葉でさらにくらくらしてくる。
 刹那、その気持ちを押し込めるように、自分を否定する言葉が思い浮かぶ。
 だって、かわいいなんて言われたことがなかった。家族の中でシエラはいつも虐げられてきた。美しくて優先されるのはヒルダ。自分は取るに足らない存在。
「だめだ」
「んぅっ!」
 再び噛みつく勢いの深いキス。シエラのすべてを食べ尽くすかのごとく、はじめから舌をねじ込まれ、シエラのそれを搦め捕っていく。
 ちゅくちゅくという水音に頭がぼうっとしてくる。
「また否定的なことを言おうとしたな。そんな言葉は全部キスで塞ぐ」
「は、ぁ……っ」
 強引なキスに反して、慈しむような柔らかな声音で告げられた。
 防衛本能が形作るくだらない卑下の言葉は、たちまち霧散する。
 ぼんやりしていると首筋に温かなものが触れた。
「ひぁっ」
 深いキスでしっとりと濡れた唇が、何度もそこへ柔らかな口づけを落とす。
 軽やかなリップ音のたびにくすぐったさに似た不思議な感覚があって、腰が小さく跳ねた。
「んっ、ふ……っ」
「くすぐったがりなのか、シエラは?」
「わ、からな……、ふぁっ!」
 触れられるたびに肌が敏感になっていくようだ。そこを突然きつく吸われて甘い声が漏れる。
 自分のものと思えない甲高い声に、慌てて唇をぎゅっと噛んだ。
「唇が傷ついてしまう。声は我慢しなくていいから」
「で、ですが……」
「じゃあ、我慢できなくするまでだ」
 エドワードは首筋の薄い皮膚を舌先でじっとりとなぞり上げていく。
 熱くぬるりとしたものが這う感覚は、先ほどまでのくすぐったさとはまったく違う。
「っ、ん……、は、ぁっ」
 身体の奥からざわざわとしたなにかが湧き上がってくるはじめての感覚。思わず熱い吐息が漏れてしまう。
「ここには誰もいない。声だって、外には聞こえないはずだ」
 他の誰でもない、エドワードにだから聞かれるのが恥ずかしいのだ。
 あの月夜のような失態はもう見せたくない。羞恥で一杯になりながら、泣きじゃくって失望された日のことがちらりと脳裏を掠める。
「――んぁっ!」
「なにを考えている?」
 ぬる、と耳の縁を舌でなぞられ、油断していたシエラは思わず声を上げた。
「シエラはこちらのほうが好きか?」
 キスを落とされて、ちぅと軽いリップ音が響く。
 耳元で鳴った音は直接頭の中に響くようでくらくらした。
「また顔がとろんとした。いい子だ。そうして私のことだけ考えてくれ」
 吐息を含んだしっとりした声で囁かれる。
(これ、だめ……エドワードさまの声が頭の中に響いて、わたし……)
 体内のざわめきがますます激しくなる。
 きゅっと目を閉じて耐えていると、耳孔に舌を差し入れられた。
「ふあぁっ!」
 聞こえるのは、じゅぶじゅぶと湿った水音だけ。
「やっ、んぁっ、ぁあっ!」
 自分の声に気を回す余裕なんてなくて、切なげな甘い嬌声が漏れる。
「やっとかわいい声を聞かせてくれたな」
「え――やっ!」
 いつの間にか胸が外気に触れている。
 そう気づいて視線を落とせば、エドワードのほっそりとした指がそこをふにふにと揉んでいた。
 耳を刺激されているあいだにコルセットごとドレスを引き下ろされていたらしい。
「や、な、なにを……!」
「すごく綺麗だ」
「そんなはずないです……っ」
 グラマーなヒルダと比べて、シエラはすらりとした身体つきをしている。
 よく「貧相だ」と彼女に嘲笑されていたから、シエラは自分のスタイルにまったく自信がなかった。
 それをエドワードに見られるだなんて。
「お、お願いです、見ないで……」
「なぜ?」
「お見苦しいものですから……」
 羞恥に震えていると、エドワードはわずかに眉根を寄せた。
「こんなに綺麗なのに、見てはいけないなんて酷なことを言う」
「でも……」
「真っ白で私の手に吸い付くような肌だ。ここもかわいらしい色をしている」
「っ……!」
 中心の尖りにそっと唇を寄せ、ちゅっとキスを落とされる。
「これだけで芯を持ち始めた。……かわいい」
 胸の先端がわずかに色を濃くし、シエラの頬はますます上気する。
「私に反応してくれると思ったら、愛おしくてどうにかなりそうになるな」
 エドワードは舌先で白い丘と紅く色づいたところの境をじっとりとなぞっていく。
「っ、ぁあっ……!」
「こっちも?」
 反対側の突起は根元からきゅっと摘ままれ、そのまま糸を撚るようにくりくりと刺激される。
 柔らかかったそこはたちまちピンと主張をはじめた。
 硬くなった尖りをエドワードが指先で軽く弾く。
「ふぁあっ!」
「いい声だ」
「え……っ、待っ」
 唾液で濡れる飾りをエドワードはぱくりと咥え込む。
 そして唇で根元を食みながら、舌先で先端をちろちろと舐めた。
「ひっ、ぁ、っ、ああぁっ!」
 受けた刺激が身体の深いところにまで響く。
 お腹の奥が疼き、たまらない渇きが湧き上がってくる。
「我慢なんて必要ない。私の前でだけは、シエラの『本当』を見せて欲しい」
 その言葉に、頑なだったシエラの気持ちがぐらりと揺らぐ。
(わたしの本音をエドワードさまに言っていいの? でもわたしの『本当』って、なに……?)
 ぼんやりしていると 胸の先端をじゅうっと吸い上げられた。
 同時に、もう一方の根元をきゅっと摘ままれる。
「っ、エドワードさま……ぁ、あ、んぅっ!」
「声が一段と甘くなったな」
「やぁっ、それ、だ、だめ……」
 ぴりぴりとした微細な刺激が身体を駆け巡る。
 拒絶の言葉を口にしても、エドワードは胸の先を刺激する手を止めない。
 シエラ自身も気づいていた。だめ、なんて言っているけれど、甘い吐息が混じったそれはちっとも本気ではないと。
 ふるふると微かに震える腿をきわどいところまでするりと撫でられ、そのままスカートがめくり上げられた。
「濡れている」
「な……!」
 エドワードが下着の上から秘めた部分をなぞる。
 くちゅ、と湿った水音が鳴り、下着がそこにぬるりと張りついた。
「ま、待ってください……!」
 はしたなく開いた足を閉じようとしても、あいだに入ったエドワードの身体がそれを許してくれない。
 もどかしげに下肢を動かすあいだに、彼はドロワーズをするりと抜き取った。
「いや……」
 身体の中心がエドワードの眼前に晒される。
 視線がそこに注がれているのが恥ずかしくて、シエラは手で顔を覆い隠した。
 エドワードがごくりと唾を飲み込む気配がする。
「綺麗だ」
「お願い……見ないでくださ……」
「不快か?」
「そんな場所、あ、あなたに見せるものじゃ……」
 エドワードが身体をずらし、布の擦れる音がする。退いてくれるのかと思って安堵したのも束の間、濡れた秘裂に微かに息が掛かった。
「え……」
 恐る恐る指の隙間から覗けば、エドワードがそこへ舌を伸ばしているではないか。
「だめ……っ」
 泣き出しそうに引きつった訴えも虚しく、ぴたりと閉じた秘裂をじっとりと舐め上げられる。
「やぁ……っ! お、おやめくださ……っ、そんな、汚いところ……!」
「シエラの身体に汚いところなんてない。きみのすべてが、私を昂ぶらせて止まないんだ」
「んっ、ふ、ぅっ……!」
「そのかわいい声も、私の行為に応じて反応してくれる身体も、愛おしくてしかたない」
 何度もなぞるように刺激されると、秘裂は少しだけ彼の舌先を受け入れる。
 お腹の奥の渇きはさらに増していた。一番深いところがずくずくと疼き、とろりと蜜が溢れていく。
「ほら、また濡れてきた。気持ちいいと言ってくれているみたいだ」
「ちが……」
「シエラ、きみの健気なところが好きだ。控えめな性格は美徳だと思っている。だからこそ、私の前でくらいはどうか心のままでいて欲しい」
 真摯な言葉に胸がじんと熱くなる。
 彼の気持ちを受け入れていいのだろうか。自分にそんな幸せが許されるなんて、想像もできない。
 エドワードはシエラの足をぐっと大きく左右に割り広げる。
「や……っ、そんな……」
 あられもない格好に、彼を押し戻そうとするが、それより早くエドワードは秘めた紅玉に舌を這わせた。
「ふあぁっ!?」
 今までとは比べものにならない快楽の波が押し寄せる。
 思わずエドワードの美しい髪をくしゃりと掴み、背中をのけぞらせた。
「これが気持ちいいのか?」
「だめっ、だめです……っ、へ、へんになっちゃ……」
「構わない。もっと乱れたシエラが見たい」
 舌先を尖らせ何度もつつかれたかと思えば、唾液を絡めてぬるぬると全体を刺激される。
 紅玉は神経を張り詰めさせ、頼りなげにふるふると震えていた。
「あ、あぁっ、いや……ぁ、だ、め……っ」
 はじめて与えられた刺激はただひたすらに気持ちが良くて、快楽に飲まれたシエラの脳内は真っ白になっていく。
 蓄積した快楽が溢れたら自分はどうなってしまうんだろう――そう思ったらまたずくっとお腹の奥が疼いた。
「はぁ……っ、だめ、も、……きもち、い」
 荒い息に本音が混じる。
 エドワードがふっと笑った吐息がシエラの薄らとした翳りを揺らした。
「素直なシエラも、本当にかわいいな」
「え……、ああぁっ!」
 ぐりっ、と再び秘玉を舌で捏ねられる。
 つんと主張する芽をなぞってはくるくると円を描き、時折押しつぶすような刺激を与えられ。
 自然と腰が浮いて、下肢ががくがくと震え出す。
「ぁ、や、も、もう……っ」
「達するといい」
 がっしりと腰を掴まれ、張り詰めた紅玉をじうぅっと吸われる。
「っ、ぁぁああぁ――――っ!!」

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