初恋相手の極上CEOと再会後、交際0日で結婚しました

書籍情報

初恋相手の極上CEOと再会後、交際0日で結婚しました


著者:西條六花
イラスト:石田惠美
発売日:2023年 7月28日
定価:620円+税

インターネットメディアの会社に半月前に入社したばかりの有菜は、仕事を覚えるのでてんてこ舞いだった。
ある日、取材の同行を申し付けられた有菜は手渡された資料に見覚えのある顔を見つける。
彼は、有菜より八歳年上の幼馴染である礼司だった。
早速、有菜はインタビューを始めることになるが、
礼司は過去の知り合いである有菜に気づいた様子がなく気持ちが落ち込んでいると……。
「さっき渡した名刺に俺の携帯番号が載ってるから、よかったらあとで連絡をくれ」
七年のブランクで礼司との距離感をつかみかねていた有菜は少しずつ緊張が解けていく――。

【人物紹介】

瀬戸有菜(せと ありな)
紫水社ファーブラオンライン編集部の編集アシスタントで22歳。
どちらかといえばおとなしいが、思慮深い。
お嬢さまらしく清楚で可愛らしい雰囲気。

榊礼士(さかき れいじ)
株式会社バーラエナのCEO。30歳。
クールで淡々としているが、好きな子には甘い。
しなやかで男らしい体型 端整な顔立ちの持ち主。

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*取り扱いサイトは、各書店に掲載され次第、更新されます。

 

【試し読み】

「――俺はさんざん我慢してたのに、いいって言ったのはそっちだからな」
「えっ」
「有菜の全部をもらうから」
 クイーンサイズのベッドの上に降ろされ、榊が覆い被さってくる。端整な顔が近づくのにドキドキしながら、有菜は彼の肩に触れて言った。
「あ、あの、シャワーとかは……」
「あとでな」
 ちゅっと音を立ててキスをされ、甘い感触にかあっと頬が熱くなる。
 再び口づけられたが、先ほどリビングでしたものとは違い、あやすようにゆったりとしていた。ゆるゆると絡められ、ときおり側面をくすぐったり、軽く吸われる。ぬめる感触が心地よく、有菜はため息を漏らした。
「はぁっ……」
 何度も角度を変え、口づけられる。
 互いの唾液が交じり合い、それを嚥下すると、まるで媚薬のように身体から力が抜けていくのがわかった。わずかに唇を離し、彼が吐息が触れる距離でささやいた。
「キスしかしてないのに、そんな目をして可愛い」
「あ……っ」
 彼の手が胸のふくらみに触れ、やんわりと握り込む。
 有菜の胸は体型のわりに大きいのがコンプレックスで、榊の手を意識して恥ずかしくなった。有菜は息を乱しつつ、小さな声で言った。
「あの、わたし、胸が大きすぎるのが悩みで……すみません」
「何で謝るんだ? 有菜だから触れたいと思うし、大きさはあまり関係ないよ」
 彼の手がワンピースのボタンを外していき、ブラに包まれたふくらみがあらわになる。
 谷間にキスを落とされた有菜は、ビクッと身体を震わせた。榊の髪が素肌に触れ、サワサワとしたくすぐったさを感じる。
 そのまま肌をチロリと舐められ、彼と目が合って、頬が一気に熱くなった。
「……っ」
 榊の指が、ブラのカップを引き下ろす。
 そして胸の先端をじっくりと舐め上げてきて、有菜はその光景に釘付けになった。赤い舌が先端を押し潰して弄ぶと、そこは外気と愛撫に敏感に反応し、すぐに硬くなっていった。
「ぁっ……はぁっ……あ……っ」
 舐めやすくなった尖りを彼の舌が嬲り、皮膚の下からむず痒いような感覚が湧き起こってくる。
 落ち着かない気持ちで足先を動かすと、ふいに強く吸い上げられ、ツキリとした疼痛が走った。
「あっ!」
 舐めたり吸ったりする動きに、いつしか有菜は切れ切れに声を漏らしていた。
 もう片方の胸も同じように愛され、先端が唾液で濡れ光っているのがひどく淫らだ。彼の手が背中に回り、ブラのホックを外されて、一気に締めつけが緩む。榊がそのままワンピースを脱がせてきて、有菜は下着だけになった。
 ふいに心許ない気持ちになり、思わず両腕で胸元を隠す有菜の前で、彼が上体を起こして自身のネクタイを引き抜く。
 ワイシャツのボタンを外し、シャツを脱ぐと、無駄なく引き締まった上半身が現れてドキリとした。しなやかな首筋やしっかりとした肩幅、太い鎖骨など、パーツのひとつひとつが男らしく、目が離せなくなる。
 改めて覆い被さってきた榊が、有菜の頬に掛かった髪を指先で優しく払いながら言った。
「胸、隠さないで見せてくれ」
「でも……」
「全部俺にくれるんだろう?」
 甘さをにじませた目で見つめられると拒否できず、有菜はおずおずと胸元から腕を離す。
 すると彼がこちらを見下ろし、微笑んでつぶやいた。
「――可愛い」
「あ……っ!」
 両腕をつかんでシーツに縫い留め、榊が再び胸に吸いついてきて、有菜は高い声を上げる。
 ふくらみをつかみながらじゅっと音を立てて強く吸われ、脚の間が熱く潤んでいくのを感じた。彼の舌と覆い被さる身体の重さや体温、素肌に触れる髪の感触に乱されて、声を我慢することができない。
 ひとしきり胸を愛撫したあと、榊は唇で全身をくまなく辿り始めた。耳朶や首筋、鎖骨、腹部をなぞられる有菜は、まったく余裕がない。彼に触れられていると思うだけで身体が熱くなり、身の置き所のない気持ちに苛まれてしまう。
 やがて榊が、脚の間に触れて言った。
「ああ、もう熱くなってるな」
「……っ」
 下着に触れられた瞬間、内側がぬるりと滑るのがわかり、羞恥をおぼえる。
 花弁をなぞられると生地が貼りつく感じがして、モゾモゾと足先を動かした。やがて彼の指が花芯を捉え、そこをぐっと押してくる。
「んぁっ!」
 途端に甘ったるい愉悦がこみ上げ、有菜は腰を跳ねさせる。
 そこはすぐに尖り、存在を主張するようになって、繰り返し触れられると落ち着かない気持ちになった。有菜は榊の二の腕をつかみ、切れ切れに訴える。
「ぁっ……礼司、さん……っ」
「ん?」
「何か、変です……」
 すると彼がクスリと笑い、有菜の顔を見下ろして言った。
「『変』じゃなくて、気持ちいいんだろ」
「えっ……」
「脱がすよ」
 榊の手が下着に掛かり、スルスルと脱がせていく。
 思わず隠したくなった有菜だったが、先ほど「全部見せてくれ」と言われたのを思い出し、膝を所在なく寄せるだけに留めた。彼の手が膝を広げ、脚の間に身体を割り込ませてくる。そして秘所に触れながら言った。
「さっき気持ちよかったのは、ここだ。小さいのに尖ってる」
「あっ……!」
 親指で押し潰され、じんとした快感に有菜は声を上げる。榊が「そして」と言葉を続け、蜜口に触れて言った。
「ここが俺を受け入れるところだ。トロトロに潤んでる」
「んん……っ」
 浅く指を含まされ、入り口をくすぐられて、小さく呻く。
 指でも充分異物感があるのに、それよりもっと大きなものをこれから受け入れるのだと思うと、少し怖くなった。彼の指は繊細そうに見えるものの、それなりの太さがあり、蜜口にめり込むたびにビクッと身体が震えてしまう。
 やがて指が中に埋められていき、有菜はぎゅっと眉根を寄せた。痛くはないが身体の内側をなぞられる感覚にゾクゾクし、指を締めつける動きが止まらない。
「は……っ、ぁ……っ」
 緩やかに行き来されるとかすかな水音が聞こえ、恥ずかしくてたまらなかった。
 しばらくすると中に挿れる指の本数を増やされ、強烈な圧迫感をおぼえる。
「あっ……!」
「狭いな。これだとだいぶきついかも」
 二本の指が柔襞を捏ね、隘路を拡げるように抽送される。
 有菜は榊の首にしがみつき、涙目で声を上げていた。やがてズルリと指を引き抜かれ、彼の身体が離れていく。緩慢なしぐさで視線を向けると、有菜の脚を広げた榊が顔を伏せるところだった。
「礼司さん、待っ……!」
 秘所に熱い舌を感じ、有菜は腰を跳ねさせる。
 彼は溢れ出た蜜を舐め、敏感な花芽を舌で嬲ってきて、甘ったるい快感に動揺した有菜は榊の髪に触れて言った。
「や、やめてください、そんなの……っ」
「初めてなんだから、うんと慣らさないと。痛い思いをしたくないだろう」
「でも……っ」
 彼の整った顔が脚の間に伏せられている光景は刺激が強く、有菜は羞恥を押し殺す。
 ぬめる舌が秘所を這い回る感覚は強烈で、太ももがビクビクと震えた。
(セックスって、こんなに恥ずかしいことをするの? 全部見られるだけじゃなく、こんな……)
 花芽や陰唇を舐めしゃぶり、ときに蜜口から舌を入れられて、経験値のない有菜はたやすくグズグズになってしまう。苦痛はなく、むしろ気持ちいいことに混乱し、どう受け止めていいかわからなかった。
 やがてどのくらいの時間が経ったのか、榊が口元を拭いながら身体を起こしたとき、有菜は上気した顔でぐったりしていた。
 ベッドサイドの棚に手を伸ばした彼が、引き出しから避妊具が入った箱を取り出す。そして自身のスラックスをくつろげ、取り出した性器に薄い膜を被せた。
「痛かったら言えよ」
 榊がそうささやき、昂ぶりを秘所にあてがう。
「あ、……」
 愛液を纏わせるように何度か先端を擦りつけられ、敏感な尖りに引っかかるたびに甘い愉悦がこみ上げた。
 しかしその硬さやずっしりとした質量に身がすくんでしまい、有菜は逃げ出したい気持ちにかられる。そうするうちに亀頭が蜜口を捉え、ぐっと中にめり込んできた。
「うぅっ……」
 丸い先端が隘路を拡げ、少しずつ中に入り込んでくる。
 強い圧迫感と軋むような痛みに、有菜の目に涙がにじんだ。灼熱の棒のような屹立が奥へと進み、根元まで埋められる。浅い呼吸をする有菜の頬を撫で、彼が申し訳なさそうに言った。
「だいぶ慣らしたつもりだけど、やっぱり痛いよな。ごめん」
「大丈夫……です。わたしが礼司さんとしたかったんですから」
 脈打つ剛直を体内に感じるのは強烈で、思わず締めつけると彼がかすかに顔を歪める。
 榊が有菜の額に口づけて問いかけてきた。
「動いていいか?」
「はい……あっ!」
 ぐっと奥を突かれると内臓がせり上がるような感覚がこみ上げ、息が止まりそうになる。
 最初は緩やかに、中が馴染むと徐々に大きく動かれ、彼の腕を強くつかんだ。
(中、拡げられる感じで痛いし、奥まで挿れられると苦しい。……でも)
 榊と繋がれたことがうれしく、受け入れたところがどんどん潤んでいくのがわかる。
 何より榊が快感をこらえる顔をしていて、ときおり熱い息を漏らすのが色っぽく、自分だけが乱れているのではないことが有菜はうれしかった。
「礼司、さん……」
 有菜が手を伸ばすと彼がそれをつかみ、指先を口に含んでくる。
 そのまま手のひらと手首まで舐められ、有菜はその感触にゾクゾクした。こちらから目をそらさずに舌先で肌をなぞる榊には滴るような色気があり、その様子に釘付けになっていると、彼が身を屈めてささやいた。
「――有菜、キスしよう」
「んぅっ……」
 口腔に舌を差し入れられ、条件反射でそれを舐める。
 すると彼が熱心に舐め返してきて、口づけはすぐに熱を帯びた。そのあいだも剛直が繰り返し隘路を行き来していて、内壁がわななきながら締めつける。キスの合間、間近で有菜を見つめた榊が、吐息交じりの声で告げた。
「俺を受け入れてこんなにグズグズになってるなんて、可愛い。どこもかしこも埋め尽くしたくて、たまらなくなる」
「……っ」
 その声と眼差しには愛情がにじんでいるように見え、有菜の胸がきゅんとした。
 恋愛で始まったわけではない自分たちだが、今彼の目には自分だけが映っている。それがうれしくて目の前の男らしい身体にしがみつくと、榊は腰を強く押しつけて言った。
「わかるか? 一番奥に当たってるの。狭いのに、俺のを根元まで全部のみ込んで……有菜の中、今すぐ達きそうなくらいに気持ちいい」
「んっ、ぁ……っ」
 硬く漲った昂ぶりで最奥を捏ねられ、身体を揺さぶられる。
 動き自体は大きくないのに怖いくらいの感覚がこみ上げて、有菜は彼の背中に回した手に力を込めた。
「はぁっ……ぁ、礼司、さん……っ」
「有菜……」
 律動が次第に激しくなっていき、思考がままならなくなる。
 身体がすっかり汗ばみ、触れ合う素肌がぬるぬると滑っていた。貪るようにキスをされ、なすすべもなくそれを受け入れながら、有菜は体内を穿つ楔に翻弄される。
 やがて榊がひときわ深く自身を突き入れ、ぐっと息を詰めた。薄い膜越しにドクリと精を放たれるのを感じ、有菜は小さく喘いだ。
「ぁ……っ」
 体内で剛直が震え、ありったけの熱を吐き出す。
 ゆるゆると隘路で行き来させて大きく息をついた彼が、こちらを見下ろしてきた。そしてベッドを見つめ、ふとつぶやく。
「ああ、やっぱりちょっと血が出ちゃったな」
「……っ」
 シーツに破瓜の証があるのを指摘され、有菜の顔がかあっと赤らむ。
 榊が身を屈め、こちらの身体を抱きしめて額を合わせながら、「でも」と言葉を続けた。
「有菜の初めてをもらえて、うれしい。この身体を他の誰も知らないと思うと、すごく優越感がある」
 それは自分と抱き合って、快感があったということだろうか。
 じんわりとした面映ゆさをおぼえつつ、有菜は疲労で急速に瞼が重くなっていくのを感じていた。彼が萎えた屹立を引き抜き、後始末をしたあとで身体を抱き込んできて、優しく問いかけてくる。
「どうした、眠いか?」
「……はい」
「でも寝る前にシャワーを浴びたほうがいいだろ。一緒に入って、全部洗ってやるよ」
 それを聞いた有菜の眠気が、一気に吹き飛ぶ。ただでさえ恥ずかしいひとときだったのに、シャワーまで一緒に浴びるなどあまりにもハードルが高すぎる提案だ。
 有菜は顔を上げ、榊に向かって言った。
「だ、大丈夫です。一人で入れますから!」
 断固とした口調でそう告げた途端、彼が小さく噴き出す。
「そんな全力で拒否されると、ちょっと傷つくな」
「す、すみません……」
「まあ、そういうことは追々でいいか。いつか一緒に入ってくれるだろう、奥さん?」
 〝奥さん〟という呼び方に気恥ずかしさをおぼえ、有菜はしどろもどろに「はい」と答える。
 ベッドの下に落ちている衣類を拾おうとすると、ふいに背後から身体を抱き込まれた。両腕にやんわりと力を込めて有菜を拘束し、こちらの髪に顔を埋めながら、彼が甘くささやく。
「シャワーを浴びる前に、もう少しこうしていてくれ。せっかく初めて抱き合ったんだから」
「……はい」
 一気に糖度が増した印象の榊にドキリと心臓が跳ね、有菜はおとなしく彼の腕の中に収まる。
 長くしなやかな腕は筋肉質で、浮き出た筋や太い血管が男らしかった。背中に触れるぬくもりに甘やかな気持ちが心を満たしていくのを感じつつ、有菜は遠慮がちに身体の力を抜いて榊にその身を委ねた。

 * * *

 株式会社バーラエナの社員数は現在五〇〇名ほどで、平均年齢は三十一歳と若い。
 オープンな社風が特徴で、個々が自分で考えて動くマインドが強く、日々の社内ミーティングでは活発な意見交換が行われている。経営会議の内容はすぐに議事録にまとめられる他、会社全体で共有する全社MTGを毎週開催していて、質問や意見に対してリアルタイムで回答していた。
 第三者割当増資による資金調達で累計が目標額に達したことを受け、今後の方針が経営会議で決まったことを全社MTGで報告した榊は、会議室を出る。そして廊下を歩きながら、このあとのスケジュールを頭の中で思い浮かべた。
(このあとは午後三時からクネウムテック社の戸田専務が来社して、四時半に福岡支社とテレビ会議。六時には帰れるかな)
 何となく心が浮き立つのは、家で有菜が待ってくれているからだ。
 彼女と入籍してから、約三週間が経っていた。半ば勢いでした結婚で、自分たちが普通の夫婦ではないと感じていた榊は、半月ほど有菜に手を出さずにいた。
 だが一緒に過ごす時間が長くなり、同じベッドで眠るうち、次第に彼女を恋愛対象として見るようになっていた。
(でも……)
 おそらく有菜のほうは、こちらを兄のような存在だと考えている。
 そう考え、自分の中の欲望をきれいに押し隠して節度を持った距離を保っていたところ、同居を始めて半月ほど経った頃に突然彼女から想いを告白された。聞けば有菜は子どもの頃からずっと榊を想っており、七年ぶりに再会して以降は少しずつ距離が縮まっていくのがうれしかったという。
 その後親に見合い相手と結婚することを強制され、それを回避するために榊と籍を入れたときは一生を共にする覚悟を決めたのに、榊は一向に手を出してこない。そんな状況に悩んだという有菜が必死に想いを伝えてくれ、榊はぐっと心をつかまれていた。
 以前から彼女を可愛いと思っていたものの、交際○日で結婚した相手をすぐに〝夫〟とは思えないだろうと、年上の分別で自制していた。わざと自宅に仕事を持ち帰ってベッドに入る時間をずらしていたのも、万が一おかしなことにならないようにという配慮からだ。
 しかし有菜が自分を好きだと言ってくれるのなら、何も躊躇う理由はない。箱入り娘で男性経験がない彼女を、榊は時間をかけて溶かした。極力痛みを与えないように抱いたつもりだが、やはり苦痛をすべて取り去るのは難しかったらしく、申し訳ない気持ちになった。

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