出戻り社長令嬢のはずなのに、冷徹秘書に一途な本能愛で望まれています

書籍情報

出戻り社長令嬢のはずなのに、冷徹秘書に一途な本能愛で望まれています


著者:田沢みん
イラスト:夜咲こん
発売日:2024年 3月29日
定価:620円+税

『華岡造園』社長令嬢・華岡小町は父のため幼い頃からの初恋を封印し、お見合い結婚をしていた。
だが、相手の浮気相手が乗り込んできたことがきっかけで離婚となり、半年もせずに出戻ることに。
小町は、初恋相手である小野真尋の部下として『華岡造園』で働き始めるのたが……?
真尋への信頼や力強い温かさを思い出し、再び自身の恋心を自覚してしまう小町。
出戻りの身を鑑みて、せめて一緒に働く部下として認めてもらえるよう頑張ることを決意した。
そんなひたむきな彼女の前に、狂気じみた表情の元夫が現れた――!?
小町を守るため、一緒にいた真尋が元夫に向かって駆けていくが、元夫の手元にナイフが見えて……!?
大切な人を失いたくないと、小町は真尋を守ろうと飛び出したが――?
病院で目が覚めた小町は、心配してくれていた父に覚悟を決めて自分の本心を告げた。
父に言われ真尋の病室へいくと、彼から真っすぐな熱いプロポーズを受けて……?



【人物紹介】

華岡小町(はなおか こまち)
『華岡造園』社長令嬢で、真尋の部下として働く24歳。
優しく温厚な性格で、少し世間知らずな一面も。
浮気相手が乗り込んできたことがきっかけでバツイチの出戻りとなったが、
幼い頃からの初恋相手である真尋の部下として働き始めて――?

小野真尋(おの まひろ)
29歳の『華岡造園』社長秘書。小町の幼馴染。
冷たく見えるが小町に対しては一途で情熱的。
戻ってきた小町の前に元夫が現れるのだが、真尋は彼女を守って――!?

●電子書籍 購入サイト

*取り扱いサイトは、各書店に掲載され次第、更新されます。

【試し読み】

 

 真尋さんの受けた怪我は私の想像をはるかに超えるものだった。パジャマの上を脱がせて着脱式のコルセットを取りはずすと、背中や腕に赤紫や青色をしたあざがいくつも浮かんでいる。そうなるのも当然だ、あれはそれほど激しい格闘だった。下手をすれば命の危険もあったのだ。身を挺して守ってくれた彼に、改めて感謝の気持ちが募る。
「青あざが酷い。本当に痛そう」
「ハハッ、昔は喧嘩も強かったんですが、腕が鈍りましたね」
「えっ、喧嘩なんてしてたんですか?」
 尋ねる声が大きくなった。
 私の記憶にある真尋さんは、面倒見がよくていつも優しかった。大人になってからは冷たく感じていたけれど、それも今となっては距離を置くためだったと理解できる。いずれにせよ乱暴というイメージはなかったので、喧嘩という単語が不釣り合いに思えた。
「でも、たしかに健二さんと格闘してたときは喧嘩慣れしている感じだったかも。本当はやんちゃだったんですか?」
「……はるか昔のことですよ。それより私は小町さんが無事ならそれでいいんです。こうしてもらえるだけで癒されますから。さあ、お願いします」
 そう言うと、こちらに背中を向けて胡座をかいた。なんだか誤魔化されてしまったような気がするけれど、昔のことはあまり思いだしたくないのかもしれない。そのまま清拭を開始する。タオルを何度もお湯で洗って絞りながら彼の上半身を拭き終えた。
「次は下も……」
 と下半身に目を向けたところで手が止まる。私の視線は彼の大きく張り出した股間に釘付けだ。
 ――これ、勃ってるってことだよね。
 そのことに触れていいものなのかどうか……もしかしたらこういう場合は気づかないフリをすべきなのかもしれない。
「え、えっと……下は自分で脱ぎます?」
「……小町さんが脱がしてくれるんですよね? よろしくお願いします」
 彼が布団に横になった途端に股間の膨らみが強調される。こちらは目のやり場に困っているというのに真尋さんは平気な顔だ。むしろ口角を上げて楽しげにも見える。
 ──こうなると、意識している私のほうが変態なんじゃ!?
 ここで躊躇するのは変だろう。彼の身の回りのお世話をすると決めたのは、他でもない自分自身なのだ。
 私は覚悟を決めるとパジャマのボトムスとボクサーパンツを引き下ろした。ブルンと屹立が跳ね上がる。いきなりのことで思わず「きゃっ!」と声が出た。
 ――これは看病、これは看病……。
 心の中で繰り返し、彼の下半身に温めたタオルをかぶせる。
「あ、あまりジロジロ見ないようにするので大丈夫です、はい」
 何が大丈夫なのかは自分でもよくわからないが、視線を微妙に逸らしながら勃ち上がったソコをタオルで包んで拭いていく。布越しでも彼のモノの太さと硬さが感じられる。
「は……っ、気持ちいい」
 真尋さんが吐息を洩らす。少し掠れた声が色っぽい。
「そうですか、よかった」
「……小町さんも気持ちよくなりたくないですか?」
「えっ!?」
 驚いて真尋さんの顔を見ると、やけに熱のこもった瞳が見据えてきた。
「私は小町さんにもっと触れたいと思っているんですが」
 言葉の意味を理解して、カッと全身が熱くなる。
「私が興奮しているのには気づいていますよね。小町さんは興奮していないんですか? 私に触られるのは……嫌ですか?」
「嫌だなんて……」
 嫌なわけがない。だって真尋さんは私の初恋の人でずっと恋焦がれていた相手なのだ。本当だったらはじめても彼に捧げたかった、彼だけに触れてほしかった。
 ――今だって……。
 スーツの上からはわからなかった、見事に引き締まった肉体と私に反応したであろう屹立。そんなものを見せつけられて淫らな気持ちになるなと言うほうが無理だ。
 実際私はさっきからお腹の奥をずっと疼かせているし、ナカのほうから濡れてくるのを感じていた。うぶな女のフリをしながら、こうしてちゃっかり期待しているのだ。
「私だって興奮してます。でも、真尋さんの怪我が……」
 なにせ真尋さんの肋骨にはヒビが入っている。ここには療養しに来ているというのに私のせいで悪化したら本末転倒だ。けれど……。
 私の躊躇を振り払うかのように、真尋さんが私の手からタオルを奪い取った。そのまま洗面器に放り込むと、私を真っ直ぐに見つめてくる。
「激しく動かないようにします。最後まではシませんし、小町さんに触れて味わいたいだけなんです。駄目ですか?」
 こんなふうに懇願されて抗えるはずがない。
「……駄目じゃ、ないです」
「そうですか、ありがとう」
 真尋さんは目を細めると、「ショーツを脱いでこちらへ」と手のひらで枕元の畳を叩く。
 私はワンピースを着たままショーツだけを脱ぐと、緊張した面持ちで枕の横に正座した。
「それでは私に跨ってワンピースを捲ってください」
「えっ!」
 予想外のリクエストに固まった。これはさすがに難易度が高過ぎじゃないだろうか。たしかに彼は寝たままでいいが、私が羞恥に耐えられそうにない。
「それはちょっと……」
「ですが私は動いちゃいけないんでしょう? だったら小町さんが来てくれないと。それとも初夜までは触るのもお預けですか?」
 小首を傾げて切なげな目をするのをやめてほしい。そんなふうにされたら願いを叶えたくなってしまう。それに何より真尋さんがこうなったのは私のせいなのだ。彼が動けない以上、私が動くのが筋というものだろう。
「……わかりました」
 私は大きく深呼吸すると、覚悟を決めて腰を上げる。彼の首のあたりに跨って眼前で膝立ちになった。
「見えません、ワンピースの裾を持ち上げて」
 彼が鬱陶しそうにワンピースの裾を指先でつまむ。
「でも……恥ずかしい」
 じつを言うとワンピースで隠れた下は、すでに愛液が滴っている。そんなところを真尋さんに見せていいのだろうか。いやらしい女だと嫌われてしまったら……。
 悩んだ末に、私はとうとう口を開く。
「私……濡れてるんです」
「見せて」
 驚くほど食い気味に言い切られた。
「見たい、小町さんのいやらしいところを見せてほしい。そんなの煽っているようなもんだろう」
 煽ったつもりはないけれど、彼の爛々と輝く瞳が引く気はないと語っていた。私は勇気を出してワンピースの裾を持ち上げる。下半身に生暖かい外気が触れた。
「本当だ、もうこぼれてる」
 真尋さんが至近距離から凝視している。羞恥で頭が爆発しそうだ。けれどそれより彼が私をそういう目で見てくれることが嬉しい。ようやく彼に『そういう対象』として見てもらえるようになった、その事実が私の胸を歓喜で満たす。
「小町さんは私の身体を拭きながら、ショーツの中をこんなにしてたんですか?」
「あっ!」
 彼が右手を伸ばして花弁に触れる。溢れる蜜を人差し指で掬い、ゆっくりと口に含んだ。
「うん、美味しい」
 私を見上げる蠱惑的な瞳と仕草の色っぽさに、恥ずかしさも忘れて魅入ってしまう。
 続けて割れ目に沿って優しくそっと撫で上げられた。たった一撫でされただけなのに、そこから痺れが拡がり全身を包む。彼が花弁をひらき、今度はもっと激しく中心線を擦り上げた。
「あっ、やんっ!」
 思わず鼻にかかった声が出る。
「ふっ、可愛いですね。もっと聞かせて」
 擦る指の力が強くなり、クチュクチュと湿った音がどんどん速くなっていく。合間に上の蕾も掠られて、えも言われぬ刺激が走る。
「あっ! やっ、擦れる……っ!」
「ええ、気持ちよくなってほしくて擦ってるんです。どうですか? 気持ちいいですか?」
「いい……です」
「本当だ、ヒクヒクして喜んでますね。ここからだとピンクの割れ目がよく見える。今度はナカに触れてもいいですか?」
 まるで焦らすかのように、蜜壺の入り口あたりを指で小刻みに刺激される。
「んっ、あっ、ああっ」
 言葉にならず、喘ぎ声をあげながら無我夢中でうなずいた。
 蜜壺に人差し指が挿入ってくる。ナカに触れられる感覚は久しぶりだ。健二さんははじめてシたとき『狭くて気持ちいい』と言っていたけれど、彼との行為は痛いばかりでこんなに濡れたりしなかった。彼の恋人が言っていたように、私はマグロというやつだったのだろう。
 やはり私のソコが狭いのか、真尋さんは入り口をほぐしながら慎重に指を進めてくれている。浅いところで指を曲げられた瞬間、ビリッと電気が流れるような感覚があった。
「やぁっ!」
 ――これは何!?
 こんな感覚はじめてだ。気持ちいいけど強くて怖い。未知の刺激に目を見開く。
「……ここか」
「ここ?」
「小町さんの一番イイところです。……そうか、小町さんはGスポットでイかされたことがないんですね」
「ジー、スポット?」
「ここですよ」
 彼は口角を上げて含みのある笑みを浮かべると、さっきと同じ場所をグイと押し上げた。痛みとも痒みとも区別のつかない猛烈な快感。目の前で火花が散った。
「やっ、ああっ! 駄目、強すぎる、駄目っ!」
「駄目じゃない、快(よ)くなっているんです」
 彼は低く呟くと、すかさずそこをピンポイントで突(つつ)いてくる。そのたびにビクンと腰が跳ねた。真尋さんの細い指が抽送を開始する。指の腹で内壁を擦りながら合間に敏感なポイントを掠めていく。そうされるたびに刺激が走り、お漏らししそうな感覚に襲われる。
「やっ! やだぁ、変になる……っ」
「変になればいい」
 身悶える私をよそに、彼が指の抽送を速くした。グチュグチュと水音が響き渡る。
 ナカの指を止めることなく今度はもう片方の手で外の蕾を弄り始めた。愛液を指の腹に纏うとクルクルと蕾の表面を撫でまわす。ジンと熱く痺れてきた。
「あっ、熱いっ、やっ……」
「嫌ですか? ここをこうされると気持ちいいでしょう?」
「あっ、やぁっ! ああっ!」
 指の腹で蕾を左右に揺らされる。小刻みな振動が甘い疼きとなって全身を伝う。
「やっ、やっ、本当に、もう……っ」
 まるで私をいたぶるのを楽しんでいるかのように、しつこい攻撃が延々と続く。ナカと外を同時に弄られ続け、とめどない刺激が襲う。これ以上は気が変になりそうだ。
 蜜口がヒクつき奥から波が起こってきた。快感がジワジワと迫り上がってくる。限界はすぐそこだ。どんどん蜜があふれて太ももを伝い落ちた。
「真尋さん、もう駄目っ、イっちゃう」
「いいよ」
「やっ、ああーーっ! もう……イくっ!」
 二本の指で蕾をギュッとつままれた瞬間、猛烈な快感に呑み込まれる。私は喉を晒して嬌声をあげた。
 ──もう、駄目……っ。
 絶頂を迎えた私は前のめりに倒れ込む。彼を押しつぶすまいと咄嗟に畳に両手をついた。
 まだ全身に痺れるような感覚が残っている。私は四つ這いの格好で太ももを震わせながら、大きく息をして波が去るのを待った。そのとき。
 ──えっ!?
 腰をグイと引き寄せられて、私の秘部に生温かい息が吹きかかる。次の瞬間、彼が割れ目をゆっくりと舐め上げていた。熱さと同時に刺激が走り、私は腰を跳ねさせる。
「嘘っ! 真尋さん!」
 悲鳴みたいな声が出た。膝立ちでさえ恥ずかしくて仕方がなかったのに、好きな人の顔に直接跨るなんてとんでもないことだ。慌てて離れようとするも、腰にまわった真尋さんの手に力が籠るだけだった。
 私の動揺をよそに、彼は犬みたいにペチャペチャと無言で舌を動かし続ける。私の身体が再びナカから疼きだした。
「やっ、イったばかり……っ」
「そうですね。ヒクついていて可愛いです。よく見えるようにまた裾を持ってください」
 羞恥よりも欲望が勝った。私は言われるままに片手で裾を捲り上げる。彼は満足げに微笑むと、両手で花弁を開いて中心に口づけた。チュッチュと何度か唇を押し当ててから、再び水音を立てて蜜を舐め取っていく。
「小町さんのココ、甘くて美味しいです。もっと蜜を出して」
 蜜口に肉厚な舌をグリグリと押し付けられた。そこからとろけるみたいな感覚がして、私は思わず「あんっ」と甘ったるい声を洩らしてしまう。
「あっ、は……っ」
 さっき達して苦しいはずなのに、彼の強弱をつけた絶妙な舌づかいで苦痛が悦楽へと変わっていく。脳芯まで痺れたみたいだ。もっと、もっとと心と身体が快感を追い求める。
「ふっ、腰が揺れていますね。気持ちいいですか?」
「いい……っ、真尋さん、気持ちい……です」
 自分がこんなにふしだらだなんて知らなかった。こんな場所で、こんな格好でと思うのに、それがなおさら私を異様な興奮状態へと駆り立てている。
 ──こんなの、はじめて……。
 五ヶ月間の結婚生活ではこんなに乱れたりしなかった。与えられる刺激を受け止めるのみで、みずから求めたり昂ぶることなどなかったように思う。
 ──相手が真尋さんだから。
 ずっと想いを寄せていた相手だからこそ、私はこんなにも大胆になれる。彼の言葉が、丁寧な愛撫が、私を素直にさせてくれるのだ。やっと彼に触れてもらえた喜びで、身体の奥から熱いものが込み上げてくる。
「は……っ、いい……っ」
 喉を晒してうっとりと呟くと、真尋さんがふっと鼻から息を吐く。
「またトロトロにあふれてきましたね。思う存分味わわせていただきます」

タイトルとURLをコピーしました