再会した敏腕社長は溺れるほどの愛を囁いて ~帰国子女な同級生の一途すぎる求愛~

書籍情報

再会した敏腕社長は溺れるほどの愛を囁いて ~帰国子女な同級生の一途すぎる求愛~


著者:小日向江麻
イラスト:さばるどろ
発売日:2023年 5月12日
定価:620円+税

学生の頃から脇役として生きてきた香蓮は、社会人五年目を迎えた今も同じようにひとりでいることに徹していた。
かつて中学時代にひとときだけ安らぎを与えてくれた男の子と過ごした日々が、香蓮にとって宝物だった。
そんな慎ましい生活を送っていたある日、香蓮の職場に取引先の相手として美容サロンの社長で元同級生の山野辺琉偉が現れる――!?
琉偉が転校して以来、約十年ぶりの再会となるのだが、なにやら彼は香蓮のことをずっと探していたようで……?
あの頃と変わらない優しさとあの頃より素敵になった琉偉を前に、香蓮の心にはどうして自分を探していたのかという疑問が湧き上がる。
二人きりになった際に琉偉から熱い告白を受ける香蓮だったが、緊張でアルコールを煽った彼女は倒れてしまい、気がついたらホテルの一室で琉偉に介抱されていた。
熱っぽい眼差しの琉偉に香蓮は本心を暴かれて――?
「ずっと会いたくて、会いたくてたまらなかったよ。僕の……僕だけのヒロインになって、香蓮」
初めての快楽に翻弄されながらも、琉偉との夜は淫らに蕩けるように過ぎていく……。
だが、香蓮は自分が彼に相応しくないと考えており、それを知った琉偉がある提案を持ちかけて――!?

【人物紹介】

岩田香蓮(いわた かれん)
会社の事務として働く25歳。
引っ込み事案で目立つことが苦手。
琉偉と再会し、次第に自分に自信を持てるようになっていくが……?

山野辺琉偉(やまのべ るい)
美容サロンの社長で帰国子女。25歳。
香蓮の中学時代の同級生。優しく真っ直ぐな性格をしている。
なにやらずっと香蓮を探していたようで――!?

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*取り扱いサイトは、各書店に掲載され次第、更新されます。

 

【試し読み】

「ん、はぁっ……」
「大丈夫? 苦しい?」
「ふ、ぁ……平、気」
 離れる暇がないほど唇を重ねていると、呼吸をするタイミングがわからない。そうすると息を止める時間が長くなって苦しい。それに気づいた山野辺くんに唇を解放された私は、大きく深呼吸をした。
「ごめんね……いざ香蓮が僕のものになってくれるって思ったら……歯止めが利かなくて。なるべく、ゆっくりしようとは思ってるんだけど」
 私の肩を抱きながら、彼が反省とばかりにつぶやく。
「ううん……あの……むしろ、私のほうこそ、いい年して」
 ――本当なら、すでに経験していなければいけないことなのかもしれない。
 そこまで言ったところで、山野辺くんが私の唇の前に人差し指を立てた。それ以上は言わなくていい、と示すように。
「君のすべてを独占できるんだから、僕はうれしいんだよ。香蓮が気にすることはないから。僕が、気を付けなきゃって話」
 「ね?」と微笑む彼に、胸が甘く締め付けられる。
「……いつも思ってたけど……山野辺くんって、どうしてそんなに優しいの……?」
 ふわふわのクッションみたいに、私がなにをしても優しく受け止めてくれる山野辺くん。私はしゃべるのも得意じゃないし、行動もトロいから、イライラされてもおかしくないのに。いつも同じ笑顔で接してくれる。それが不思議でならなかった。
「優しいとかじゃなくて、それくらい僕が君に夢中なんだと思うよ」
 私の疑問をくすっと笑うと、彼の唇が頬に触れる。スタンプを押すようにちゅっ、と。
「香蓮……君のすべてが愛おしいよ。もっと君を感じさせて」
 頬から唇へ。蜜を探して飛び回る蝶のように、口づけが落とされる。
「……く、ふぅんっ……!」
 唇を押し付けたり、食んだりするキス。一生懸命それに応えていると、唇の隙間から柔らかななにかが押し入ってくる。
 ――まさか、これ……山野辺くんの舌……?
 おどろいて口を閉じようとしたけれど、その前に歯列を割ってそれが侵入してきた。ぬるぬるして、ちょっとざらざらしている舌先が、私の舌を誘い出そうとする。
「出して」
 私の口腔を探りながら、山野辺くんが促す。
「ぅ……」
 恥ずかしいけれど、言われるがままに舌を突き出す。といっても、そう簡単に思い切れるものではないから、恐る恐るといった感じになってしまった。
 それでも山野辺くんの舌先は、私の舌の裏に触れ彼のほうへと掬い出してから、ちろちろと遊ぶように動かした。
 ――くすぐったいような、腰から下にかけてぞくぞくするような感触。なにこれ……頭の奥がしびれていくみたい……!
「唇でするものだけが……キスじゃないよ。っ、はぁっ……これ、気持ちいい、でしょ……?」
「んむ、ぅっ……は、ぁっ……」
 最初はくすぐったい感覚が勝っていたけれど、繰り返すうちに得体の知れない快感のほうが幅を利かせてくる。それとは別の次元で、身体が燃え上がりそうなほどの羞恥も迸ってきた。
「こんな、こと……本当に、みんな……してる、の?」
 時折唇を重ね合わせながら、舌をこすり合わせる。なんども、なんども。その合間にどうにか訊ねる。
「もしかして恥ずかしい?」
「あ……当たり前だよっ……恥ずかしくて……死にそう」
 羞恥で身を焦がれそうな私とは違い、山野辺くんは余裕そうに見えた。その彼が、瞳を細めた。男性であるのに妖艶な微笑みを浮かべる。
「そっか。じゃ、羞恥心を忘れるくらい、夢中になってもらわなきゃだね――あ、それなら」
 なにか妙案を思いついたのか、軽く目を見開いて、それからまた微笑んだ。
「君のすべてにキスさせて。キスされることに慣れれば、少しは心に余裕ができるんじゃないかな」
「すべてって……あっ、山野辺くんっ……?」
 言うが早いか、額にキスが落とされる。それからすぐに、眉尻、こめかみ、頬――と、まるで唇で私の身体を網羅しようとするみたいに、唇が這い回る。
「っ、ん……ふ、ぁ……や、ぁっ……」
 形容しがたい柔らかな感触。時折吸いつき、舌先で愛撫されると、頭がぼーっとしてなにも考えられなくなる。
 ――気持ちいい。彼に触れられていると、ふわふわして……心地よくて……。
 閉じた瞳や顎先に乾いた音を立ててキスしたあと、耳朶を食まれる。
「んんっ……!」
 舌を使って耳朶に吸いつかれると、身体の芯にこれまでよりもずっと強い疼きを覚えた。ちゅっ、ちゅっという艶めかしい音とともに、その感覚がじわじわと身体を占領していく。
「そ……れ、やぁっ……!」
「いや……? どうして」
 囁きながら問いかけられると、濡れた耳朶に吐息がかかって、微かな刺激に代わる。
「そ、こっ……くすぐったくてっ……!」
 思わず身をよじりながら答えると、彼が、く、と喉を震わせる。
「くすぐったいだけ?」
 私が頷く。すると、山野辺くんが耳朶に歯を立てる。甘噛みされると、頭の先をきゅっと優しく絞られるみたいな恍惚が迸った。
「……違う、でしょ。身体、びくびくって震えてる」
「っ……」
「気持ちよくなっちゃった?」
 いつの間にか、彼は私の身体を支えるために片手を腰に回していた。だから私の反応をつぶさに感じ取っているのだろう。羞恥のあまり涙が出そうになる。
 男性との経験こそないけれど、二十歳を超えたいい大人だから、男女の行為の先にどういったものがあるのかはきちんと理解している。それによって得られる快感にも、興味がないわけじゃない。というか、人並みに好奇心はあって、自分で慰めたことくらいはある。そうして得られる悦楽を貪ったことも。
 だけどそういう感覚を知っているのをさらけ出してはいけないのだと思っていた。とてもはしたないことであるような気がして。
「そんな泣きそうな目しないで。ごめん。ちょっとからかってみたかっただけ。香蓮が、かわいい反応するせいだよ」
 どうしていいのかわからない私の頭を撫で、慰めてくれながら、彼がまた耳元で囁く。
「もっといっぱい気持ちよくなってくれていいんだよ。そのほうがうれしい」
「んんっ……!」
 山野辺くんがまた、耳朶に優しく噛み付いた。耳輪を舐め上げたあと、凹凸に舌先を埋めながらぴちゃぴちゃと水音を立てる。
「んぅ……ふ、うぅっ……」
 舌の表面のざらざらとした感触が、知らない悦びを呼び覚ます。
 耳を舐められているだけなのに――頭のなかをとろとろにされて、かき混ぜられているみたいな、奇妙な感覚に陥る。
 反対側の耳も同じように愛撫され、私の思考はすっかり蕩けてしまった。身体の緊張が解け、彼の胸に体重を預けてしまっている状態だ。
 ……山野辺くんの胸に抱かれていると、安心する。それに、いい匂い。……香水?
 頭の片隅でぼんやりと考えていると、彼は耳を食みながら私のブラウスの胸元に手を伸ばした。ボタンを外すためだ。
「え、と……あの、お、お風呂っ……」
「大丈夫。そのままでいいよ」
「で、でもっ……」
 もとより自信のない容姿だけど、せめて清潔にはしておきたい、と思った。
「いいから」
 先回りした彼が囁く。ブラウスのボタンはすべて外されてしまった。キャミソールも脱がされて、上半身はブラ一枚になった。
 心もとなさから、思わず自分自身を抱きしめる。グレーのシンプルなブラセットは、カラーも形も色気とは無縁だ。……もっとかわいげのあるものをつけてくればよかったと、激しい後悔に襲われる。
「かわいい……もっとたくさん、キスしたいな。その手を解いて」
 ところが、山野辺くんはこんな姿の私に熱っぽくそう言葉をかけてくれる。
 気を使ってもらったのかもしれないけれど、ひょっとしたら、この人は本当に『私』自身に惚れ込んでくれているのかもしれない。
 彼はやんわりと私の腕を解いて、首筋にキスをした。
「君の身体のどこもかしこも……僕のものだって実感できるように……」
 アンバーの瞳の奥に、情熱的な衝動が点った。と同時、ベッドに押し倒される。私の上に覆いかぶさって、山野辺くんが鎖骨の下にキスを落とした。
「ぁ、んはぁっ……山野辺くんっ……!」
「琉偉、だよ。僕の名前知ってるよね?」
 顔をあげてちょっと意地悪に訊ねる様子は、いつもの彼とは少し違って見えた。
「こんなことしてるのに、他人行儀なのもおかしいでしょ。呼んでほしいな」
 彼の唇が、少しずつ私の身体の下へと触れていく。胸の谷間に、脇腹に、おへそに。ブラで隠れている部分を敢えて残しているみたいに、それ以外の場所に唇を這わせ、吸いつき、刺激を与えてくる。
「っ……」
「中学のときから、呼ばれたことなかったよね。呼んでみて」
「な……名前、は……まだ、恥ずかしいっ……」
 肩口や腋の下まで丁寧に唇で確かめられ、私は身を震わせながら首を横に振った。
 名前を呼ぶのは関係の密度をかなり濃くしなければ難しそうだ。頭のなかでだって、畏れ多くて呼べそうもない。
「そう? 残念だな。……でも首まで真っ赤だね。かわいすぎだよ」
「んっ、あ、ああっ……」
 彼は呼んでほしそうに眉を下げたけど、私の感情が伝わったのか無理強いはしてこなかった。
「……背中を浮かせて。これ、取っちゃおうか」
 よほど必死な顔をしていたのだろう。彼に指摘されたあと、耳元で指示される。そうして胸の覆いが外れると、支えを失った膨らみがふるりとこぼれ出た。
 胸が大きいという悩みは継続中だ。ノンワイヤーのブラを選んでいるのは、この大きな胸を少しでもサイズダウンして見せるため。ワイヤーの入っているものは、胸の形を整え、大きく見せてしまうのが難点なのだ。
「んぁあっ……!」
 熱をはらんだ唇は、ついに小高い丘に到達する。誰にも許したことのない場所を愛撫されているという背徳感が、私の興奮を煽り立てる。
「きれいだね。白くて、すべすべで……大きい。ここにもたくさん、キスするね」
 唇で肌の感触を確かめながら、もう片方の膨らみに触れ、輪郭を撫でるように触れる。唇の湿り気を帯びた感触と、指先の渇いた感触が、まったく別の種類の快感を運んでくる。
「ふ、ぁ……んぁ、んんぅっ……」
 我慢しようと思うのに、鼻にかかった声が勝手にこぼれ出る。唇を引き締めても、山野辺くんがリップ音を立てて膨らみにキスするたびに、条件反射のように普段出さない高い音がもれてしまうのだ。
「声が艶っぽくなってきたね。……感じてくれてうれしいな」
 顔を上げ、私の反応を伺って彼が薄く笑んだ。唇の端からちらりと覗く舌先が目に入る。
 ――その唇で、舌で、私の情欲はこんなにも掻き立てられているのだ。
「ここも……もっと、かわいくしてあげる」
 やわやわと胸の輪郭を弄んでいた指先が、それまで避けていた頂をそっと撫でた。小さく電気が走るような快感のあと、彼の頭が沈んで、反対の頂をぱくりと口に含んでしまった。
「ん、ぁ、だ、だ、めっ……!」
「なにがだめなの? ここ……キスしてほしそうに主張してるのに」
「やぁっ……!」
 滑る舌で胸の先を優しく扱かれる。皮膚への愛撫とはまったく別物の、もっと鋭い快楽が弾けたのがわかった。私は少しびっくりして、彼の身体を押し返そうとしてしまう。
「ほら、こんなに尖ってるから……キスしやすいよ。こうやって、優しく吸って、甘噛みすると……気持ちよくなってきちゃうよね?」
 言葉を紡ぎながら愛撫を続ける山野辺くん。台詞通り、吸われたり、甘噛みされたりすると、下肢がきゅんと切なく疼いた。愛撫を施されているのは胸なのに、そうしなければいけないような気になって、腰を揺らしてしまう。
「僕に欲情してくれてるんだね……本当に、かわいい」
 スカートとタイツを脱がされると、ブラと揃いの、飾り気のないショーツがあらわになる。けれど山野辺くんはすぐにその薄布を脱がそうとはせず、太股、膝やその裏側、ふくらはぎ、脚の甲……と、丹念に口づけを施してくれる。
 片足だけでは飽き足らず、今度はもう片方の足。つま先から脚の付け根にかけて時間をかけて上昇し、腰骨のあたりまで到達したとき、ようやくショーツを脱がせようと手をかけた。
「そこ、だめっ……!」
 もどかしい快感に翻弄されながらも、私は彼の手に自らの手を重ねて制止をかける。
「どうして? 全部にキスさせてくれるんだよね?」
「だって……そこ、はっ……」
 ――だって、そんなところ……恥ずかしすぎて、抵抗があるし……。
 それに今は――
 私は両膝をくっつけるみたいにして、両脚をきつく閉じた。
 下着のクロッチは今、身体の奥から滴り落ちた欲望によって濡れそぼっている。
 見られたくない。経験がないくせにこれほど反応しているなんて……山野辺くんに軽蔑されないだろうか? そんな不安がよぎったのだ。
 山野辺くんはなにもかもわかっている風に優しい笑みを湛え、私の顔を覗き込んだ。そして、誘うように妖しく囁く。
「全部、僕にさらけ出して。大好きな君の、すべてを知りたい」
 部屋の淡い明かりに翳って、彼の彫刻のように美しい顔の印影が濃く映る。
 その姿が妙に幻想的で、昔読んだ神話のなかに出てきた、インキュバスのことを思い出した。女性を誘惑する夢魔。その女性がカッコいいと思う外見をしているから、つい身体を許してしまうのだとか。山野辺くんが夢魔だと言われても、今なら信じられる。
 彼に乞われると断れないのは、既に私が彼の魔力により意のままになっているからなのかも、とも思う。気付いたときには、閉じていた脚を微かに開いて、彼が下着を下ろすのを許していた。
 するすると膝下まで下げられた下着のクロッチは、案の定滴り落ちた熱い劣情でぐっしょりと濡れている。
「っ……ご、ごめん、なさいっ……」
「謝る必要ないよ。それくらい気持ちよくなってくれたんだよね。ありがとう」
 剥き出しの秘部を晒されていることも、汚れた下着を見られていることも、恥ずかしくて仕方がない。可能ならばこの場から逃げ出したいくらいだったけれど、彼は私を責めずに、むしろよろこびをにじませながら、そっと下着を脱がせてくれる。
「だからこの先も……たくさん、気持ちよくなってね」
 取り払ったショーツを傍らに置いたあと、「この先も」と言いながら、彼が私の両膝を折って抱えた。そのまま、抱えた膝を左右それぞれに軽く倒して、割り開く。
「っ、やぁっ……」
 ――やだっ……私の……全部、山野辺くんに、見られてっ……!?
「明かりをっ……明かりを、消してっ……!」
 たとえわずかな明かりでも耐えられそうになかった。
「そんなにかわいくお願いされたら、聞かないわけにはいかないよね」
 私の懇願を快く聞き入れてくれた山野辺くんは、枕元にあったリモコンを操作して、間接照明の明かりをほとんど落としてくれた。
「っ……」
 ――ぼんやりとお互いの身体の輪郭がわかる程度の光に、よかった、と思ったのもつかの間。
「んんんっ……!」
 今まで味わったことのない強烈な感覚が、下肢を襲った。
「だめ、そんな、とこっ……舐め、っ……!!」
 彼が口にした『この先も』という言葉は、秘部への愛撫――それも口で、という意味だったことを、今さらながら理解して焦る。
「全部にキスするって言ったよ? 香蓮も、OKしてくれたでしょ……?」
 熱く疼く秘裂をぴちゃぴちゃと音を立てながら舐め上げ、溢れる蜜を掬い取りつつ、彼が言う。
 ――確かに、そう言っていたし、OKもしていたけれど……でも、こういう意味だとは思っていなかった。
「汚い、よっ……山野辺くん、汚れちゃううっ……!」
 彼のきれいな顔が、自身が滲出させたもので汚してしまうのが申し訳なくて、罪悪感が募る。
「汚れないよ。香蓮の身体に汚いところなんてないから」
 それなのに、山野辺くんは大真面目にきっぱりとそう言ってのけて、羞恥を煽る水音とともに愛撫を続けている。
「んっ、あぁっ――や、ぁあっ……!」
 幾重にも重なっている襞を確認するみたいに舌先でなぞられると、敏感な粘膜が擦れて気持ちいい。声が抑えられない。
「舐めた先からもうぐしょぐしょだよ。すごいね、たくさん溢れてる」
「……言わないでっ……恥ずかしいっ……」
 つぶやくようなセクシーな声。まるで節操のない身体だ、と言われているみたいだ、と思う。
「恥ずかしいって感じるのは、まだ余裕がある証拠だよ。もっと僕のことだけ感じて。僕のことだけ考えて」
 山野辺くんは滴る蜜を舐めとりつつ、舌先を使って入り口を突いてくる。
「や、まのべ、くっ……ぁ、あ、あ! だめぇっ……!」
「ここ、触ったことある?」 
 入り口の上側に隠れていた秘芽を探り当てられる。「ここ」と示しながら、くりくりと刺激されると、激しい電流のような快感が襲いかかってくる。
 ――これ、すごいっ……!
「……女性だけが知ることのできる快感だよ。……どう?」
「き、もち……いぃっ……」
 あまりにも強烈な感覚ゆえに、思ったままを素直に答えてしまう。すると、彼がふっと笑ったのがわかった。
「本当? ならもっといっぱいしてあげる」
「ぁああ――や、ぁ、それっ、刺激、強いっ……んんっ……!」
 小さな粒を重点的に責められる。優しく舐めて、扱いて。今までよりもずっと深い悦楽に誘われ、じっとしていられなくなる。
「――私っ……だめ、もうっ……おかしく、なるぅっ……!」
 むしろこの快感がつらいとさえ思える。刺激から逃れるために腰や脚を動かそうとしてみるけれど、山野辺くんにがっちりと抱えられてしまっていて叶わない。
 ……どうしよう……こんなすごいの……すぐに――
「もう……イっちゃいそう?」
 舌を掬うように動かし、唾液を塗し、撫でつけながら山野辺くんが問いかけてくる。私は頷きを返した。
「そう。そのままイっていいよ。僕は、君が気持ちよくなってくれるのがいちばんうれしいから――」

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