俺に毎晩抱かれる覚悟しておいて
淫らな恋人の溺愛は要注意 ~俺に毎晩抱かれる覚悟しておいて~
著者:桜月海羽
イラスト:逆月酒乱
発売日:9月25日
定価:630円+税
ランジェリーショップで働く千佳は、仕事に恋に充実した生活を送っていた。
しかし、幸せな日々を送る千佳には悩みがあった。それは、普段は甘く優しく接してくれる恋人の秀人が、夜は意地悪に豹変すること。
そんな彼に翻弄される日々に小さな戸惑いを感じていた中で、ある日千佳は彼と二人で温泉旅行へと出かけることになる。
「今夜は、覚悟を決めてもらうよ。千佳のすべてが見たい」
旅行をきっかけに二人の関係性を変えたいと考えていた千佳だったけれど、ケモノになった彼にいつも以上に焦らされ、追い立てられてしまって――!?
登場人物
鈴原千佳(すずはらちか)
下着メーカー『Honey Drop』のランジェリーショップで働く女性スタッフ。
仕事が好きで努力家な性格。恋愛経験が少なく、秀人が社会人になって初めてできた恋人。
恋人である秀人が喜んでくれるならと、陰ながら自分磨きを怠らない。
玉木秀人(たまきしゅうと)
『Honey Drop』の本社勤務で、エリア統括マネージャーをしている。
丁寧な仕事と物腰の柔らかさ、そのルックスから女性からの人気が高い。
千佳を溺愛する一方で、彼女の前では意地悪な表情を見せる。
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【試し読み】
「千佳、挿れていい?」
「ん……っ、いいよ……」
呼吸はまだ整っていなかったが、千佳は笑みを浮かべて頷いた。
とろけたような表情を見せる千佳が、誘惑するように秀人の胸元に身体を寄せる。彼の胸板によって、千佳のたわわな膨らみが押し潰された。
「こんな誘惑の仕方、どこで覚えたんだ」
秀人は悩ましげに微笑むと、スウェット越しに下肢を千佳にこすりつけた。
さっきから硬く勃ち上がっていた雄棒が、敏感な部分をゴリゴリと嬲ってくる。千佳もそれに合わせるように腰を揺らせば、あっという間に彼の部屋着に大きな染みを作った。
秀人は、千佳の身体をくるりと反転させてショーツを抜き取ると、スウェットから出した雄芯に薄膜を被せ、秘裂に押し当てた。
軽く腰を揺らされるだけでくちゅくちゅと水音が鳴り、千佳もお尻を押しつけるようにすれば、獰猛な先端が千佳の陰核をかすめていく。
「あっ、ァ……ッ、ひっ、あぁっ!」
戯れるように下肢をこすり合わせていると、不意に彼が秘孔に剛直をあてがい、グッと腰を押し進めた。
背面座位で隘路に屹立を埋め込まれ、千佳の内襞は抵抗を見せるかのようにきゅうきゅうと轟く。
けれど、秀人もまた、灼熱の杭を力強く打ち込み、姫洞をこじ開けていった。
「ふっ、ぁ、ッ……!」
彼の力と自重で最奥を抉られた千佳は、ぼやけた視界の中に天井を映す。すると、後ろから伸びてきた手に顎を掬って振り向かせられ、キスで唇を塞がれた。
「動くよ?」
千佳の返答を待たずに抽挿が始まり、陰茎が蜜壺をゆっくりと掻き回し始めた。
秀人は奥を抉りながらも、焦らすように緩慢な速度で雄杭を動かしている。
気持ちいいけれど、これでは足りない。そんな千佳の気持ちを見透かすように、彼がガツンと子宮口を突き刺した。
刹那、千佳の喉奥で声が引き攣り、視点が定まらなくなった。
激しい律動で千佳を追いつめようとする秀人は、右手で大きく揺れる胸を掴んだかと思うと先端を摘まみ上げ、もう片方の手の中指で秘芽を押し潰した。
脳芯が痺れるような愉悦に襲われた千佳の、閉じた瞼の裏でチカチカと光が瞬き、思考が酩酊していく。口から飛び出す甘い嬌声は、止まることなく部屋中に飛び散っていた。
「やぁあっ、だめっ……! イっちゃっ……――?」
頂が見え始めた刹那、彼がぴたりと腰の動きを止めた。いたずらに愛撫を繰り返していた指も、わざとらしいほどに離れていく。
「……んっ、どうして……?」
甘い快楽から突き放された千佳は、力なく振り返る。すると、秀人がうっすらと笑みを浮かべた。
「まだ、我慢して」
「ひぅっ……」
柔和な囁きとともに、律動が再開される。緩慢に動く彼の腰は、千佳の肉襞を優しくこするだけ。物足りなくてたまらない千佳の眦からは、自然と涙が零れていた。
「これ……んっ、やだぁ……」
「でも、あのままだったら千佳はすぐにイってただろ? ここであんまり気持ちよくなり過ぎると、あとでつらいよ?」
一見すれば、思いやりのある言葉。けれど、ギリギリまで追いつめられていた千佳にとっては、さっきの愉悦を手放してしまったことがつらかった。
ゆるゆると動かされ続けている腰に合わせ、雄幹が内壁を撫でつけている。緩やかな抽挿に焦れた千佳は、自らのお尻を押しつけるようにして腰を動かした。
「……っ、はぁ……それ、いいな」
秀人の吐息に、千佳は淫靡な興奮を覚えた。もっと彼に余裕を失くしてほしくて、たどたどしい腰つきながらも必死にお尻を揺すってみせる。
決定的な快楽には届かなかったさっきまでに反し、自分で腰を踊らせれば気持ちいいところを刺激できる。それに気づいた千佳は、はしたなくも自ら喜悦を貪るように腰を上下させ始めた。
すると、再び秀人の律動に力がこもり、太く逞しい陰茎が隘路を掻きむしってきた。
遠のいていた最果てが、戻ってくる予感がする。千佳は、甘い刺激に意識を奪われ、うっとりとしたように天井を見つめた。
「まだイくなよ?」
「ん、ぁ、っ……あぁぁっ、あんっ……」
我慢を強いられた千佳が、瞼を閉じて快楽の波をこらえる。彼は、千佳のお腹に腕を回すと、最奥めがけてガツガツと腰を打ちつけてきた。
まだナカだけで達することはできない千佳だが、弱いところばかりを激しく穿たれれば身体がじんじんと痺れ出す。蜜壺はきゅうきゅうと戦慄き、甘えるように屹立を締めつけた。
「しゅ、とさんっ……! イきたっ……!」
確かな快感があるのに、頂には決して届かない。曖昧な快楽はかえって苦しくて、千佳は震える声で必死に訴えた。
「ん……わかってる」
言うが早く、秀人の指が薄い茂みを掻き分けて花芽を押し潰した。
「ひぅっ……あぁっ!」
喉から引き攣るような嬌声が飛び出し、背中を大きく反らせてしまう。
無防備なうなじに歯を立てられ、幼気な陰芽を摘まみ上げられて容赦なくいたぶられると、姫洞に募った愉悦が一気に弾けた。
「ああっ、あんっ……だめっ……――ッ!」
あっという間に昇りつめた千佳の柔襞は、雄の欲を搾り取るように激しくうねる。彼は奥歯を噛みしめて悦楽に耐え、さらに何度か腰を強く打ちつけて果てた。
快楽を逃し切れない身体を後ろから抱きすくめられ、うなじや背中に唇が落とされる。
愛でるような行為に千佳の鼓動が甘やかな音を立てると、秀人はおもむろに自身を抜いた。圧迫感が消えたことを惜しむように、肉壁が小さく轟く。
振り返ると彼と目が合い、お互いに言葉を交わすこともなくそっとキスをしたあと、中途半端に脱いでいた服を剥ぎ合った。
程なくして、秀人が「動ける?」と微笑んだ。
千佳はためらいがちに立とうと試みたが、彼はすぐに千佳を横抱きで抱えると、おもむろに寝室に向かった。
「私、歩けるよ……」
「無理しなくていい。まだ上手く力が入らないんだろ?」
図星を突かれて、苦笑が漏れる。けれど、こうして当たり前のように甘やかされるのは、嬉しくてたまらなかった。
千佳が秀人の首に腕を回すと、彼は千佳の額やこめかみにくちづけた。
秀人の寝室は、モノトーンカラーで纏められている。リビング以上に彼の匂いと気配が濃い部屋は、千佳をドキドキさせた。
「少し余裕が出てきたな」
秀人は、ベッドに下ろした千佳に覆い被さりながら、唇に妖艶な笑みを携えていた。
自身に向けられている瞳の奥の獰猛な光を前に、千佳はその目が笑っていないことに気づき、背筋が粟立つような感覚を抱いた。
シーツからは、嗅ぎ慣れた彼の匂いがする。
目の前には本人がいて、雄の欲望を匂い立たせるような秀人の汗にすら触れられる。彼の香りに挟まれていることに、頭がクラクラした。
「言っておくけど、まだ終わりじゃないよ?」
甘く低い声音で鼓膜をくすぐられ、千佳の瞳がうっとりと弧を描く。
さっきの雰囲気から一度で終わるとは思っていなかったが、改めて言葉にされたことで身体は期待に満ち、心は喜びに包まれていた。
「うん、嬉しい……」
羞恥よりも勝った欲望が、千佳を大胆にさせる。
自分でも驚くほど素直に本音を零した千佳は、自身の言葉に背中を押されるように半身を軽く起こすと、口元に笑みを浮かべて秀人の唇を奪った。
自ら舌を動かして、彼のそれに絡める。
秀人のように上手くできないけれど、たどたどしい動きでも千佳の呼吸は乱れていき、彼もそんな千佳の姿に興奮しているようだった。
しばらくすると、されるがままだった秀人が主導権を奪い返し、千佳の舌をきつく吸い上げたあと、唇をゆっくりと離した。くぐもった声を漏らした千佳の唇の端から、混ざり合ったふたりの唾液が零れていく。
「ずるい……」
「千佳が悪いんだ。あんなキスで誘惑するから」
余裕の顔つきで言いながら、秀人の瞳は熱を帯びている。
「だいたい、今日会った時からずっと〝抱かれたい〟って顔で俺を見てただろ?」
どうやら彼は、千佳の本心を見透かしていたのに、気づかないふりをしていたらしい。やっぱりずるい……なんて言葉は心の中で留め、千佳は逞しい身体に抱きついた。
「このまま挿れられそうだな」
「ん、ッ……早く、挿れて……?」
指で確かめるように淫靡な泉をくちゅくちゅと弄られ、千佳は腰を小さく揺らしながら、秀人の耳元で熱っぽい吐息を漏らした。
「こら……挑発するんじゃない」
「お願い……」
困ったように笑う彼に下肢を押しつけると、千佳の耳にため息が触れた。
「……そういうことして、後悔するなよ?」
秀人は、反り勃った分身に手早くコンドームを纏わせ、千佳の割れ目にこすりつけた。
ふわりと腰を動かされるだけでも、このあとに訪れる快感を想像した千佳の子宮に甘い疼きが広がっていく。
待ち切れずに腰を揺らめかせれば、彼がハッと息を吐いて秘孔に雄幹を押し込んだ。
「ぁ、ッ……はぁんっ……」
隘路を圧迫する質量に、千佳は喉を仰け反らせるようにしながら身体を震わせた。
少しずつ挿入される肉棒は硬く張りつめ、収縮する柔壁を押し返すように奥を目指している。ゆっくりとした動きはもどかしい甘さを植えつけるが、さっきまで受け入れていた熱杭を歓迎すると言わんばかりに上手に飲み込んだ。
「ははっ……。ナカ、すごくうねってるな」
楔の形を覚えようとするかのように絡みつく内壁は、いっそいじらしいとさえ思わせる。
秀人は、淫蕩な眼差しで千佳を見下ろしていたかと思うと、千佳の右脚を持ち上げて横たわった。
「ひっ……ぁ……ッ?」
彼の胸板が自分の背中に当たっていると気づいたのは、その姿が視界から消えたから。
初めての体位に困惑する千佳を余所に、秀人は耳孔を舐め上げて「このまま動くよ?」と低く囁いた。直後、熱棒を抜き差しされ、お互いの肌がこすり合わさる。
不安定ではないが、横向きの姿勢では速く動くことは困難で、すでに二度も達している千佳には物足りなくもあった。
「……ぁ、っ、ああっ……ッ、はぁ、んっ……。これ、っ、やだぁ……」
自然と涙が零れ、陰道は無意識に怒張を締めつける。ゆったりとした動きに焦れていく身体が、悲鳴を上げるように戦慄いていた。
「どうして? いつもと違うところに当たるだろ?」
確かに、普段とは違う場所を刺激されている。ただ、これでは喜悦というほどのものにはならず、千佳は中途半端な熱を持て余し始めた。
「だ、って、これ……イけな……っ」
イヤイヤをするように首を振れば、背後で彼が小さく笑った。
「俺を挑発するからだよ」
「やだぁ……ッ、いじわる、しないで……っ!」
決して昇りつめることができない刺激に、千佳は涙を零して秀人に訴える。けれど、彼はクスクスと笑うだけで、一向に強い快楽を与えてくれる素振りはない。
「でも、千佳はいじめられるのが好きだろ?」
「ちがっ……」
「違わないよ。俺がなにか言うたびに、千佳のここはすごく悦んで、きゅうきゅう締めつけてくるんだから」
どこをどうすれば千佳が気持ちよくなれるのかを知っているのに、秀人の動きが緩慢なままなのは変わらない。
「千佳は、俺に意地悪されればされるほど感じるんだよ」
それどころか、彼の声はとても楽しげで、嗜虐的な言葉ばかり紡いでくる。
淫蕩な指摘の羅列に思考がおかしくなりそうなのに、秀人の言葉通りである気がしてきた。そんな千佳にとっては、彼のいやらしい言葉すらも甘い愉悦になる。
「このままがいい? それとも、もっと激しくしてほしい?」
意地悪く囁き、うなじに舌が這う。
秀人がなにを求めているかを理解している千佳は、フラストレーションが蓄積した身体を高みに押し上げるために、半開きの唇を動かした。
「もっと……激しく、して? 秀人さんを……いっぱい、ッ、感じたいの……」
「ん……いい子だ」
首だけで無理やり振り向いた千佳に、満足げな瞳が弧を描く。
彼は、屹立を埋め込んだまま千佳の身体をひっくり返し、背中から覆い被さった。
「ッ、あっ――?」
いきなり視界が回った千佳は、自身がお尻を高く突き上げるような姿勢になっていることに気づくと、頬が羞恥に染まった。
けれど、抵抗する間もなく最奥を一突きされ、背中が大きく弓なりになった。
腰を掴まれて、膣内を無遠慮にこすり上げては隅々まで犯す。抉るようにされれば媚肉がきゅうきゅうと悦び、雄竿から欲望を吸い取ろうとしていた。
「この体位だと、後ろからいじめられるな」