かりそめ夫婦の新婚エロス ~クールな旦那様は淫らな初恋妻に飢えている~

書籍情報

かりそめ夫婦の新婚エロス ~クールな旦那様は淫らな初恋妻に飢えている~


著者:月乃ひかり
イラスト:石田惠美
発売日:2021年 12月24日
定価:680円+税

駆け出しの陶芸作家である美羽は焦っていた。
半年後に行われる陶芸コンテストでなんとしても結果を出さなくてはいけないのに、生活費のためのアルバイトに追われ、思うように創作に集中できていないのである。
そんな美羽の元にとんでもなく好条件のアルバイトの話が舞い込んできた。
そのアルバイトの連絡をくれたのは、幼い頃美羽が原因で怪我をさせてしまって以来会うことがなくなった蒼士だった。
不思議に思いながらもアルバイトを受けた美羽は、アルバイト先でとある男性が気になるようになり、甘い一夜を過ごす。
しかし彼こそが、蒼人本人で……!?
「お爺さん、僕は彼女、月島美羽さんと結婚することに決めました」
作品作りのために始めたアルバイトだったのに、いつの間にか彼との淫蜜な生活が始まってしまい――!?

【人物紹介】

月島美羽(つきしま みう)
裕福な育ちだが陶芸の世界に魅了され、家を飛び出し陶芸作家の道へ進んだ。
まだまだ駆け出しのため、生活費のためにアルバイトに追われている。
おっとりしてピュアだが、言い出したら曲げない頑固なところがある。

若槻蒼士(わかつき あおと)
大手ゼネコンである若槻グループの跡継ぎ。
誰もが見惚れる引く手数多な美丈夫だが一途。
過去に美羽をかばい怪我をした。

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【試し読み】

美羽は彼をまた作業台に案内して電動轆轤の前に並んで座る。狭い轆轤の前に二人で並ぶと、思いのほか彼の体躯の大きさを意識してしまう。
 美羽には男の兄弟もいないため、袖口から覗く手も、自分と違って男らしく感じて少し緊張する。
「え──、こほっ、じゃあ、轆轤を回していきますね。まず、粘土の量はちょうど両手の中に収まるくらいの大きさで。あまり量が多いと扱いづらいので。コツは粘土と轆轤の中心を外さないこと。丁寧に粘土を上げ下げしていくと、芯が出できますから。まっすぐに芯が立った所で、いったん止めてお見せしますね」
「土ころしだね」
「はい、じゃあ見ていてくださいね」
 美羽は、轆轤の上に粘土を置いて、ゆっくりと回し始めた。
「滑りが良くなるように、手をよく水で濡らして最初はこうして丸くした粘土を撫でつけます。いい形になりますようにって、私はお願いしながら撫でるんですけど。両手で撫でながら、少しずつ力を入れて下から上にゆっくりと引き上げます。あ、筒状の太い棒のような形にする感じです」
「……へぇ。太い方がいいの?」
「そうですね。細すぎるとへにゃっと折れてしまうので。太さがあった方が芯がしっかりしていいですね。両手をこうして筒を握り込むように、でもあまり強く力を入れずに左手はそっと添える感じで」
 いつもしているように、ゆっくりと粘土を根元から上に向かって太い棒状に引き上げる。そうして押し下げてから、またゆっくりと引き上げた。
「ほら。こうしてしっかり立ち上がらせていきます。土が手にその身を委ねてくれるようになるまで、焦らずにゆっくりと何度も。乾いちゃうと滑りが悪くなるので、時々、水で湿らせて滑りをよくしながら、押し上げて……引き下げる。そうするとブレずに芯がしっかり立ってきますから……あ、先っぽだけ上げ下げしてもダメなんです。根元からゆっくりと手を上に這わせてあげて……」
 美羽がやって見せると、彼の目が美羽の手つきに釘付けになる。
 美羽は、下から上に太い棒状の筒を作り、彼のために何度も押し下げては引き上げてみせた。時おり、水で湿らせながらぬるぬると表面の滑りを良くさせる。
 膨らんだ先端がブレずに、真っすぐに芯が立ってきた。
「ほんとだ、しっかりと立ってきたね」
「でしょ? 私、昔からこれが得意なんです。でも、表面だけ撫でていてもダメなんです。しっかり握って、中に芯を感じられないと」
「へぇ? 中に芯があるのが分かるの?」
「もちろんです! 手に伝わってきますから。こういう風に上下させて、しっかり芯を感じられるようになったらこっちのものです」
「……俺もやってみたいな」
「あ、じゃあ、席を代わりますね……、えっ、きゃっ」
 何を思ったのか、彼は美羽のすぐ後ろに座り、背後から美羽を抱き込むような格好になる。
 彼の大きな太腿に、美羽の太腿が挟まれぴったりとくっついた。
 まるでかの有名な映画のワンシーンのようだ。
 彼を押しのけようにも手が粘土でどろどろに汚れている美羽は、両手が使えずなす術がない。
「ぴったり君とくっついたほうが、コツがわかりそうだ」
 背中に彼の熱い体温が感じられる。ぞくりとした戦慄きが身体を通り抜けた。彼の体躯は一見すっきりしているのに、背後に触れる胸板は思いのほかがっしりとしている。
 密着した男の感触に、戸惑ってしまってどうしていいか分からない。
 ──からかっているの?
 きっと困らせようとしているんだわ。
 美羽が慌てて立ち上がろうとしたところで、お腹を片腕でぎゅっと引き寄せられた。両手の自由がきかない美羽は、まるで大きな獣に捉えられた小動物のようだ。
「どれ、やってみようか」
「ひぁっ……」
 彼の澄んだバリトンボイスが色を帯びたように感じ、うなじに熱い吐息が吹きかかる。
 あっと思った瞬間、彼の両手がTシャツの下に潜り込んできた。自分とは違う、温度の高い感触にどきっとする。
「や……っ、なにを……んっ」
「最初は、撫でつけるんだったね」
 どこか男らしさを感じるざらりとした手の温もりが、陶器のように滑らかな肌をゆっくりと這い上る。
 ぞわぞわと肌が粟立ち、美羽は小さな喘ぎを漏らす。大きな手がブラのカップに行き当たると、躊躇なく上にずり上げられた。
「ひゃんっ」
 あっと思った時には乳房がふるんっと揺れ、Tシャツの中で解放される。まろみの下側から彼の大きなごつごつした手が這い上ってきた。無防備になった丸みをこんもりとその手の中に包み込む。
「ふぁっ……、やっ、なにを……んっ」
「可愛いね。君が教えてくれたように、ちょうど手の中にすっぽり収まる大きさだ。たしか、下からゆっくりと上に向かって押し上げて芯を作るんだったね?」
「やっ、それ、違っ……」
 生まれて初めて、他人の手に包まれた乳房の感覚にぞくぞくした。自分とは違う、逞しくて男らしい大きな手だ。
 骨ばって硬さのある感触に包まれると、自分が思いのほか柔らかな物なのだと実感する。触れられているのは乳房なのに、腰の力が抜けてしまって立ち上がれない。
「違う? じゃあこうかな?」
 いとも簡単に押し上げられたカップは役目を果たさず、無垢な先端が晒されてしまっている。
 ──まさか、まさか……。
「張りがあって、可愛らしい……」
 大きな手がゆっくりと乳房の先の方に向かってなぞり上がる。心臓がどきんと跳ねた。 
 指先が触れるところからぞくぞくした快感が伝わり、下腹部が重く疼く。
 こんなのは嫌だと押しのけないといけないのに、柔らかな乳房は彼の逞しい手にその身を委ねてしまったようだ。気持ちよさげに身を任せてしまっている。
 ──ああ、土もこんな感じなのだろうか。
 まるで乳房が彼の手の中で自在に形を変える粘土のように感じられる。
 温かい手に包まれる感触が何とも言えず気持ちがいい。
「本当にかわいい形だ。滑らかで張りもあって重さもちょうどいい。僕好みだ」  
「な、なにを……。こんなの、だめ……っ」
「どんな風ならいいのかな? こう?」
 彼の手が美羽の乳房にゆっくりと沈み込む。優しく押し上げていた指が、少し力をもって膨らみを揉みこんでいく。初めて乳房を異性に揉みしだかれる感触に、未熟な美羽はなす術もなく目をきゅっと瞑る。
「……っん」
 男性はこんなにも強引なのだろうか?
 ゆるぎない手に、欲するがまま操られている感じがする。
 彼の手を解きたいのに、なぜだか身体に力が入らず動かない。
「怖がらないで、痛くしないから力を抜いてごらん」
 彼もすっと力を抜き、長い人差し指の先が、乳暈の先端にある突起に触れた。その途端、さざ波のような快感が身体の中に流れ込む。
 乳房とは違い、そこはあまりに敏感で感じやすい。
「んっ、ひゃぁっ……」
 どうしたことか、ぴくんぴくんと足先や指先が戦慄き、制御できない。
「ああ、ここはまだ芯が立ってないね。ゆっくりと根気よく撫でるのがいいのかな? どう?」
「あ、や、そこ……、んはぁっ……」
 美羽の乳房をふたたび掬い上げながら、乳房の先端を人差し指の腹で円を描くようにくるくると撫でてきた。
 胸の先端が彼の指にいやらしく呼応し、甘い痺れが全身を駆け巡っている。その甘さをどう逃がしていいか分からずに、ただ彼にもたれかかって言葉も発せずに身悶えた。
「ああ、可愛い。勃ち上がってきたようだよ。ほら、こりこりした芯を僕も感じるよ」
 彼の言葉のとおり、柔らかな先端が芯をもってきた。ざらりとした人さし指が、凝って硬くなった乳首を可愛がるようにくりくりと捏ねている。
「んっ、んっ……んはぁっ」
「君も見てごらん」
 彼は片手で美羽に見えるようにTシャツを首元まで押し上げると、無防備に晒け出された膨らみが露になった。
 美羽は元来色白だ。丸みを帯びた膨らみは、まるでとろりとした乳白色の釉薬を掛けられたようだ。
 ただ、乳首だけは濃い桃色に色づき、彼は指を器用に動かして、つんと尖った突起をいやらしく捏ね回した。
「ふぁっ……んっ」
 ──もうどうしていいのか分からない。
 恋人でもない男性にこんなにいいようにされていては、嫌悪が湧き上がってもいいはずなのに、なぜか甘い疼きが胸の先端から溢れてくる。
 その指の感触に浸って、もっと可愛がられたいとまで思うほどに。
 脚の付け根までもがじんじんと疼きだした。
「ああそうだ。僕としたことが忘れていた。濡らして滑りを良くしないといけなかったね」
「えっ、ひぁっ、そこは……っ」
 彼の手が腹を滑り美羽のジーンズのファスナーに触れた。押しとめようと思ったものの、美羽の手は粘土の泥だらけ。なされるがまま、あっさりとファスナーを押し下げられた。片方の手は、相変わらず人差し指で乳首を愛撫したままで、美羽は捏ねられるたびに、ひぁっ、と小さな声を上げて身悶える。
「痛くしないから、怖がらないでいいよ。たっぷり濡らして慣らしてあげよう……」
「な、慣らすって、あんっ……」
 閉じた足を彼の逞しい脚が捉えて、内側から強引に開かされる。
 臍のあたりを撫でていた手が、ゆっくりと下がり、美羽の真っ白なショーツの中に這入り込んだ。男の手の温もりの熱さをあられもない場所に感じ、思わずごくっと唾を呑む。
 太い指先が自分以外、誰も触れたことのない和毛を優しく擽り、固く閉じた花びらのあわいを擽りながら下へと降りていく。
「……んっ、はぁっ……」
 ぞくぞくして、息が止まりそうなほどだ。身体の震えが止まらない。
 胸を弄ばれながら、秘めやかなあわいに触れられ、美羽はあまりの羞恥に足を閉じようとした。けれども逞しい脚がそれを阻みぴくりとも動かない。
「閉じたら、ココを濡らして滑りをよくできないよ」
 耳元で囁かれぞくっとする。同時に潤んだ泥濘に伸びてくる逞しい指先の感触に、美羽の神経が集中した。
 陶芸の手本を見せていたはずなのに、誰もいない工房で、こんなにイケナイことをしているという背徳的な快感に全身が打ち震えた。
 まさかこんな展開になるとは思いもよらなかった。この先、いったいどうなってしまうのだろう。
「いい子だ。そのまま身を任せてごらん」
 彼が目的の場所に辿り着いた時、クチュ……というはしたない水音が響き渡った。
 自分の身体の奥から、いつの間にか生温かい液がとろりと溢れて、ショーツに染みてしまうほど、ぐっしょりと濡れている。
「ふ、大洪水になってる。どうやら君は感じやすいようだ。ほら」
「やぁっ……、そこ、だめっ……んっ」
 蜜口の浅瀬で指を動かし、くちゅくちゅと淫らな音を鳴らす。するとさらにとろりと蜜が溢れて、羞恥に肌が熱くなる。
 ジーンズがフィットしているせいで、彼の手と美羽の秘めやかな部分がぴったり密着している。彼が自由に指を動かせるほどの空間がなく、蜜口の中に指がぬぽっと入り込んでしまった。
 瞬間、あっと息を呑む。
 彼の指が……、骨ばった第一関節が、自分の隘路の中にするっと入ってしまっている。
 ど、どうしよう。どうしよう……。
 誰かの指を呑み込んだことなんてない。自分の指さえ未経験だ。
 それなのに、彼の指先を咥えこんだ蜜洞がきゅんと収斂した
「ふ、可愛く締めてきたね。もっと奥に欲しいのかな……? うん? でも、もうちょっと慣らして滑らかにしないとね」
 彼が指を引き抜いてほっとしたのも束の間、指が美羽の花唇をなぞりあがった。ジーンズがぴったりフィットしているせいか、思いのほか指先が襞のあわいに深く入ってしまったようで、刺激がきつくてびくんとする。
「痛い? これだと思うように指が動かせないな。よいしょっと」
「えっ、きゃっ……」
 彼は片手で美羽が履いていたジーンズをショーツごと、あっという間に剥いて足元に押し下げた。
 彼の目の前で、完全に自分の下半身が晒されてしまっている。
 お尻と、太腿と、そしてあられもない場所を。
「やぁ、見ないでぇっ。だめぇっ……」
「なぜ? こんなに可愛いのに。恥ずかしいなら、君は目を瞑っていていいよ」
「そ、そういう問題じゃ……、ひゃぁんっ……」
 乳房どころか、下半身までまるっと無防備に剥かれてしまっている。
 彼は胸ではなく、濡れた美羽の秘所を集中的に弄ぼうと決めたようだ。片方の手が閉じた花襞を優しく押し開き、くぱり……と小さな蜜音がたつ。
 ──信じられない。
 そこを開かれてそんな音がするなんて、誰が想像できただろうか。
 酷く淫猥で、まるで自分から触れてくださいと誘っているような水音ではないか。
 これから何をされるのか、セックスの経験のない美羽でも容易に想像ができる。もちろん、美羽ももう二十四歳だ。当然ながら性への興味もあり、自分で触れたことはあるものの、たいして快感など得られなかった。
 自分で触れると嫌悪が先に立ってしまうのだ。以来自分で慰めることはやめてしまった。そのため、不感症なのだと思っている。
 だからきっと彼に触れられたって気持ちよくなるはずはない。ましてや、こんな強引にされたら、気持ち良さなんて感じるはずがないのに──。
「君のココは綺麗だな。まるで食べごろの桃のように蜜が滴っている」
「や、だめっ。み、見ないで……」
「陶芸と同じだよ。綺麗な造形は心ゆくまで眺めたい。でも、君は堪え性がないのかな?」
 喉奥からくっくっと楽しそうな掠れた笑い声が漏れた。
 意味が全く分からない。
 彼の指先が滴り落ちそうな雫を掬い上げながら、秘唇をゆっくりとなぞっていく。
「こんなに濡らして」
 くちゅっと音を立てて襞に触れるヌルついた太い指の感触。それがあまりに甘美でうっとりした。
 武骨な男性特有のごつごつした指なのに、蜜を纏うとまるで陶芸の粘土のように滑らかになる。
 優しくあやすような愛撫に、美羽の未熟な経験がいとも簡単に塗り替えられた。
 さっき胸の先を弄られた比じゃない。
 これまで感じたことのない、甘ったるい刺激。理性さえも夢の中で、気持ちよさに微睡むような快感だ。
 彼の太い指が、ぬるぬると花襞をなぞるように上下し始めた。ぴったりと閉じ合わさっている襞をほぐすように、一枚一枚丹念に開きながら愛撫する。
 まるで花の蕾をやさしくなぞって綻ばせていくような手つきだ。
「こうしてたっぷりと濡らして、上げ下げするんだったね」
「やぁっ、だめっ……」
 美羽は堪えられずに、彼の胸にもたれていやいやと首を振った。
 足を開かされ、無防備に晒した秘所を男らしい指がぬるぬると撫で回している。
 自分でおそるおそる触れた時とは違う。
 確実に意思をもって、美羽に蕩けるような気持ち良さを植え付けている。彼の指から甘だるい快感を得るたびに、蜜口がひくひくと戦慄いた。
 自分で触れた時は、こんな反応などはしなかったのに。
 濫りがましく何かを求めてくぱくぱと喘いでいる。
 だんだんと指が這い上り、とうとう花唇の上にひっそりと佇んでいた無垢な真珠を探り当てた。剥き出しになった真珠の形をなぞるようにくるりと円を描く。
「ん、小粒だけど可愛いな」
「ひぁんぅ──っ……」
 いつのまにかぷくりと身をもたげ、はち切れんばかりに敏感になっていたようだ。
 小さな、それでいて性感帯がぎっしり詰まったそこに触れられ、耐え切れずにぐぐっと仰け反った。
 背後の彼はびくともしない。魂の抜けた人形のように彼にぐったりともたれかかるや否や、蕩けるほどの恍惚が押し寄せてがくがくと腰を揺らす。
「ああ、ここも芯を持っているね。気持ちいい?」
 美羽は言葉に出すことが出来ず、ただいやいや、だめだめと首を振る。
「そこ、だめ……、なのっ……」
 こんな感覚は知らない。
 気が遠くなりそうなほどの恍惚感に呑み込まれ、ひとりでに涙が目じりから溢れだす。
 いったい、私の身体はどうしてしまったのだろう。
 彼の愛撫に涙するほどの悦びを感じてしまっている。
「ん、いい子だ。そのまま力を抜いていて」
 彼はなおも途切れることなく、無防備な真珠の周りをゆるゆると円を描きながら絶妙な力加減で弄ぶ。小さな粒を可愛がるように指先であやしては、くにゅっと押し潰す。
 蜜がとめどなく溢れてきて、彼の手もぐっしょり濡れている。
 太い指の腹がぬるぬると滑って。花芯を丹念にゆっくりとなぞるのが堪らなく気持ちがいい。
「んふっ、んっ、んぅっ……」
 美羽は抵抗もできず足を開きっぱなしのまま、無垢な真珠を弄ばれている。
 彼は美羽を可愛がっているのに、一方で美羽を苛めて楽しんでいるようだ。
 なんだか相反した男の欲のようなものを感じ取る。それでも陶酔が波のように押し寄せて、それ以上はこの状況をまともに考えることが出来ない。
 なにより彼の手つきは優しいのに、やめる気配はこれっぽちもなかった。
 いつの間にか熟れた花芯は包皮から朱く色づいた芽が剥き出しになり、より敏感になっていた。触れられただけで、じくんじくんと疼いてあさましく快楽を垂れ流している。
 もう片方の手で乳首をこねられ、同時に秘芯を弄ばれて、今はもう喘ぐことさえ難しい。
 はしたなくも蜜口が、ちゅぱちゅぱと音を立てている。
 ──うそ。やだ。恥ずかしい……。
 なのに、美羽は自分の身体を制御することもままならない。
 彼はそれに気が付いたのか、人差し指を蜜壺につぷりと差し込んで、ぬぽぬぽと出し入れしはじめた。
「ひぁぁっ……!」
 指を身体に深く挿れられるなんて初めてなのに、それが堪らなく気持ちよくて、甘い吐息とともに美羽の腰が指に合わせて揺らめいた。
「あっ、んっ、んっ……」
「ああ、美羽は素直だね。きゅっと喰い締めて気持ちよさそうだ。可愛いクリトリスも撫で回すとほら、芯が立ってくる。さっき言っていたね。芯を感じられるようにって。僕も指で君のクリトリスの芯をしっかり感じられるよ」
「あっ、やぁっ……、も、だめ、んっ……」
「そっと撫でるのがいいのかな?」
 指の腹で羽のように擽られているだけなのに、敏感な芽から快楽の泉が迸る。
 息を継ぐのもやっとだった。
 腰からすっかり力が抜けて、全身がスポンジのようにふにゃふにゃだ。完全に蒼士に身体を預けて、至福の快楽に酔いしれる。
 それなのに、ひくひくとあさましく秘壺が戦慄いている。
 もっと欲しくて、お腹の奥から何かがせり上がってきた。
 すると蒼士は小さな真珠の根元を挟み、上に向かってきゅっと摘まみ上げた。

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