結城社長の執愛に溺れて ~代役なのに肉食王子に抱かれました~

書籍情報

結城社長の執愛に溺れて ~代役なのに肉食王子に抱かれました~


著者:椋本梨戸
イラスト:三廼
発売日:2021年 12月24日
定価:650円+税

カリスマモデルであり話題のレディースブランドの女社長、華やかな世界で生きるモデルの茉莉にはある秘密があった。
それは彼女には一卵性の双子の妹がいて、さらに時折入れ替わっているということだ。
その双子の妹――春歌は、今日も熱を出した姉の代わりにパーティーに参加していた。
今回の目的は不動産王、結城朔成に名刺を渡すこと。
しかし、いつの間にか一夜を共に過ごす流れになってしまい……!?
「怖がらないで。ほかの誰よりも優しくするよ」
大好きな姉のためになるなら。そのためだけに身体を差し出してしまった春歌だったが、彼が自分を「茉莉」と呼ぶ度になぜが胸が切なくなって――……!?

【人物紹介】

七原春歌(ななはら はるか)
双子の姉でカリスマモデルの茉莉(まつり)の影武者のようなことをしている。
本来は大人しい性格で、引きこもりがちの生活をしている。
姉妹仲は良好。

結城朔成(ゆうき さくや)
若手のカリスマ不動産王。
パーティーで茉莉に扮した春歌と出会い、違和感に気づくほど観察眼に優れている。

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【試し読み】

 上半身を裸に剥かれて、春歌は大混乱に陥った。
 お姫様抱っこでベッドに降ろされ、たくましい体に組み敷かれた段階で、すでに容量オーバーの状態だった。唇にキスをされながら、胸を隠していた両腕が強引に開かれてしまったら、お手上げもいいところだ。
 上半身の素肌を晒しているのは春歌だけで、朔也はスーツの上着とタイを脱いだものの、ワイシャツはそのままだ。それが余計に羞恥を煽ってくる。
 両手首をまとめてつかまれ、頭の上で拘束された。
 剥き出しの胸の片方が、大きな手のひらに覆われる。
「ぅん、ん……っ」
 熱いキスを受けながら、胸のふくらみを押し回すように揉まれていく。
 今日はじめて会った人にこんなことをされている自分が信じられない。
 そしてもうひとつ、信じられないことが起きている。唇と胸に生じた感覚が下腹に届き、気持ちよさを引き起こしたのだ。
 性的な快感にはじめてふれて、春歌は怯えた。
「ぅん、ふ、ぁ……ッ」
「キス、苦しい?」
 わずかに唇を離して朔也が尋ねてくる。が、逃げようとする春歌を自由にはしてくれない。
 そのあいだにも、片胸のふくらみは彼のいいように形を変えられている。
「だ……って、すごく、激しいから……」
 涙目で訴えると、朔也は小さく笑った。
「激しいうちに入らないよ。キスの仕方を忘れてしまった?」
「わ――忘れてなんかないわ。ただ朔也さんのキスは、なんだか……」
 春歌は頬を上気させて口ごもった。
 なんだかすごくいやらしい感じがする。その上こちらが戸惑ってしまうような快感を、与えられもする。
 こんなこと、口に出せない。
 しかし朔也はあっさりと告げた。
「気持ちよくて困る?」
「…………っ」
 春歌はさらに真っ赤になって絶句した。
 その頬に口づけて、朔也はささやく。
「俺も同じだよ。きみとのキスは気持ちよすぎる」
「わ、わたしは気持ちよくなんか」
 ふいに、乳房の全体を揉んでいた指が、頂きの周りを撫でた。
「ひぅ……!」
 体が震える。
 さっきよりも気持ちよさが増した。ゾクゾクした熱量が体の奥に溜まっていくようだ。
「唇へのキスはお気に召さなかったのかな」
 ピンク色と肌色の境目を、固い指先でじっくりと辿られる。
「あ……っ」
「少し揉んだだけなのに、見てわかるくらいに立たせて」
 彼の視線が胸に注がれているのがわかる。恥ずかしくてどうにかなりそうだ。
 指で辿られ、視線を這わされるその箇所が、チリチリと熱くなっていく。
 陶然とした声で、朔也は告げた。
「綺麗なピンク色だね。肌もなめらかで……そそられる」
「見、ないで……、触っても、だめ……っ」
「わがままだな。でも聞いてあげるよ」
 春歌の頬を優しく撫でながら朔也が言ったので、春歌はほっとした。
 しかしその安堵は、長くは続かなかった。
 その整った顔が春歌の胸に伏せられたからだ。続いて、熱いぬめりに先端が覆われた。
「ッあ……!」
 鋭い快感に貫かれ、春歌は背をしならせる。
 唾液にたっぷり濡れた舌で、敏感な尖りをぬるぬると舐められた。
 そこは快感によって芯をもち、朔也が指摘したようにピンと立っている。彼の舌がそれを倒すように舐め回した。
 体内で快感がふくれ上がって、下腹部を刺激する。なにやら熱いものが両脚の奥から滲んだ。春歌は無意識に両脚を擦り合わせる。
 そのとき、乳首をコリ……と甘噛みされた。
「ひぁ……ッ」
 たくましい体の下で、春歌は大きく震えた。
 歯先でゆるく噛んだまま、先端を舐め回される。たまらなくなって大きく身を捩ると、キツく吸い上げられた。
「あぁぁ……っ!」
 両脚の奥から滲み出るものの量が、多くなる。
 湧き上がる快感をどうにもできなくて、春歌は泣きそうになった。
「触らないでって、言っ……」
「舐めただけだよ」
 顔を上げて、朔也は口端で笑う。
 唾液に濡れた先端を、二本の指で摘ままれた。クニクニと強めにいじってくる。
 少しふれられただけでも快感が湧き出るほど敏感になっているのに、そんな風にされたらたまらない。
「あぁ……ッ」
「可愛い声だ。独占したくなるよ」
 熱い感情の混じる双眸で、朔也が見下ろしてくる。春歌を縛りつける、あの瞳だ。
「ほかの誰にも聞かせたくなくなる。――こう思わせるのも、きみの手口?」
 まだ手つかずだったほうの乳首にも彼の手が伸びる。親指の腹で撫で上げられ、それから乳房に沈めるように、丸く撫で回された。
 同時にふたつを刺激されて、春歌はさらなる快感に呑まれる。そのせいで朔也の質問を、理解する余裕がない。
 春歌は必死に首を振った。
「わ、からな……っ」
「無意識だとでも?」
 朔也はぽつりとつぶやいた。
 端整な面差しが近づいてくる。とっさに顔を逸らすと、こめかみに口づけられた。
「もう一度キスしたい。こっちを見て」
 乞うような声に、思わず目を向ける。直後、唇を塞がれた。
 今度は最初から深い。
 重ねた唇が熱くて、溶かされてしまいそうだ。
 彼に逆らえない。声に、言葉に、まなざしに、強烈に惹きつけられてしまう。
「んん……っ」
 下唇を甘噛みされて、ぞくりとした快感が走る。とっさに朔也のシャツを握りしめた。
 彼の舌先が唇を割って、口腔内にねじ込まれてくる。
「ふ、ぁ……!」
 口中に男の蹂躙をはじめて受けて、春歌は震えた。
 朔也の舌が粘膜を撫でる。
 敏感な箇所を探るように動き、弱点を的確に暴いていく。そこを固くした舌先で嬲られると、たまらないほどの快感に襲われた。
 クチュ、グチュ、とみだらな水音が立つ。
 同時に春歌の官能も、高められていった。
「ぅん、んん……ッ」
「は――、やっぱりきみとのキスは、気持ちいい」
 溶けるような熱い声で、キスのあいまに朔也がささやく。
 唇を深く重ね合わせ、何度も角度を変えて、狭い口腔を彼は味わい尽くした。怯えて縮こまる春歌の舌を絡めとり、執拗にこすり合わせる。
 ものすごくいやらしい。
 このままでは恥ずかしさでどうにかなってしまう。
 そう思うのに、朔也を押し返せない。それどころか彼のシャツを懸命につかんで、激しい口づけを受け止めている自分がいる。
 朔也の言うとおり、気持ちがいい。
 密着する彼の重みにさえ、官能を煽られてしまう。
 この熱くたくましい体に、もっと強く抱き締められたいと思ってしまう。
「ん……、っ」
 やがて濃密な口づけがほどかれた。
 それでもまだふれていたいとでも言うように、春歌の濡れた唇を親指がゆっくり這っていく。
 至近距離で視線が混ざり合った。
 綺麗な形をした朔也の瞳の奥に、熱情が滾っているように見える。
 吸い寄せられるように、目を逸らせない。彼の瞳が美しくて、魅惑的で、春歌を強引に惹きつける。
 朔也が唇をまた寄せてきた。
 互いの熱い吐息が溶けて、唇が重なる。彼の余裕が先ほどよりもなくなっている気がして、春歌の胸の鼓動も早まっていく。
 両腕が無意識に浮いて、彼の首もとに回った。
 キスが深くなり、快感が熱く増していく。
 朔也の大きな手のひらが、細腰を撫で下げた。そのあたりに絡みついていたドレスを脱がしているのだと、春歌は気づく。
 動揺がキスに呑まれ、ドレスがさらに下げられて、シュミーズごと脚から抜かれた。
 大きなてのひらに太ももを直に撫で上げられ、ぞくぞくとした快感が背筋を走る。
「ぅ、ん……っ」
 春歌は身を捩るも、彼の下から出られない。
 深いキスを施しながら、次に朔也はショーツに手をかけた。
 春歌の鼓動が高まり、緊張感が増す。絡みつくようなキスと共にゆっくりと脱がされていき、曲線を描く裸身がすべて晒された。
 恥ずかしすぎて、春歌は縮こまろうとした。
 けれど朔也は、それを許してくれない。
 自分の体で春歌を押さえつけながら、両脚の奥に手を伸ばしてくる。
「あ……!」
 彼の指が秘裂をなぞったとき、体に電流が走った。
 ゆっくりと往復をくり返す箇所から、次々と快感が生まれる。
「ぁ、なに……っ」
 そこはとろりとしたぬめりを帯びているようだった。朔也の固い指先がなめらかにすべり、水音を立てている。
 その音が卑猥に聞こえて、いたたまれなくなった。
 しかしそれ以上に、ふれられるところから生まれる甘い快感が、春歌を切なく喘がせる。
「あ、ん……っ」
「ずいぶん濡れてる。とろとろだよ」
 言い聞かせるように、甘い声音を朔也は使ってくる。
 春歌の胸が否応にも高鳴った。
「こうして撫でると、気持ちいいだろう?」
「気持ち、イ……から、だめ……」
 春歌は弱々しく訴える。
「意地っ張りだな」
 揶揄する言葉に、可愛がるような響きが滲んだ。
(そういう声は、ずるいわ)
 心まで溶かされそうで、唇を小さく噛む。
 直後、濡れた秘裂をなぞっていた指が、上部にある小さななにかをくるりと撫でた。
「ぁあ……ッ」
 強烈な快感に打たれて、春歌は体をびくつかせた。
 そこを集中的に苛まれる。彼の指が丸く撫でたり、上下左右に転がしたりしてくる。
 それらの動きがたまらなくて、春歌は涙で瞳を潤ませた。
「ぁ、ああ……!」
「きみは感じやすい体をしているから、よりいっそうイイだろう?」
「よくなんか……っ」
 快感に濡れた声で言う。我ながら、説得力がない。
 朔也は喉の奥で笑った。
「足りない?」
 愛液にたっぷり濡れた指が、淫芯を根本から摘まんだ。ぬるりと皮膜を剥かれ、快楽の塊が無防備な状態になる。
 固く凝ったそれを指先で揉まれたとき、あまりの快感に春歌は背をしならせた。
「ああッ……!」
 ふくれ上がった粒を執拗に嬲りながら、朔也は劣情に濡れた双眸で春歌を見下ろしてくる。
 その視線にも、ぞくぞくした。
「気持ちいい、から、もう……ッ」
「もう、なに?」
 聞きながら、爪の先でコリ……と花芯を引っ掻いてくる。びくりと大きく肩が跳ねて、春歌は喘いだ。
「ああ……ッ!」
 下腹の奥でみだらな熱がふくれて、せり上がってくる。
「いいよ、そのままイって」
「イ……? ッあ、ああ……!」
 淫芯に小刻みに振動を送られて、下腹の熱がさらにふくれ上がる。
 と、彼が胸に顔を伏せ、乳首を口に含んだ。ぬるりと舐められ、甘く歯を立てられる。
 春歌は大きな波に攫われるように、せり上がってきた淫熱に呑まれた。
「ぁああ……ッ」
 ビクビクと、体が何度も震えた。強靭な片腕に抱き締められて、朔也の体のたくましさと熱さを直に感じ取る。
 やがて大波がゆっくりと静かになり、春歌の体に甘い痺れを残した。朔也の腕のなかでぐったりと放心する。
「気持ちよかった?」
 朔也は春歌の唇に軽くキスをした。
 それだけで感じて、春歌は小さく震えてしまう。甘やかすようなキスが、ただ気持ちいい。
「ん……、朔也、さん……」
「とろけた顔で呼ばれると、クるな」
 色香を纏う声でささやきながら、朔也はふたたび唇を重ねる。
 今度は、舌を使った濃密なキスだ。春歌は両腕を彼の首もとに絡め、懸命に応えた。
「ぅん、ん……っ」
「は……、可愛い」
 陶然とした目で、朔也は春歌を見下ろしてくる。
「際限がないな。困ったよ」
「え……?」
 絶頂の余韻と甘ったるいキスのせいで、春歌の意識はとろけきっている。朔也の言葉がうまく理解できない。
 そんな春歌の頬を、朔也は手の甲で撫でた。
 仕草が愛しげなのは思いすごしだろうか。こんな風にふれられたら、胸が高鳴ってしまう。
「これじゃあたしかに、どの男もひとたまりもない」
 気をつけないと、と朔也は自分に言い聞かせるようにつぶやいた。
 そうしてふたたび、彼の手が胸を覆い、もう片方が濡れそぼった陰部に伸びる。クチュ……と襞をまさぐられて、春歌の官能が再燃した。
「あ、待っ……」
「うん。このまま挿れてもいいけれど、きみのココは想像以上に狭そうでね。入り口にふれただけでも、それがわかるくらいなんだよ」
 とろけた蜜口のあたりを、くるりと撫でられた。
「ん……っ」
「自覚はある?」
 馴染ませるように、彼の指が蜜口をゆるゆると浅く泳いだ。やがて、ぬぷりと春歌のなかに挿入されてくる。
 息苦しい異物感に、春歌は喉を震わせた。
「あ――」
 太く長い指がゆっくりとねじ込まれてくる。
 春歌はとっさに彼のシャツを両手でつかんだ。男の指をはじめて受け入れた体が、小刻みに震える。
 狭隘な蜜孔はきゅうっと締まり、指を追い出さんばかりに蠢いた。
「ほら。こんなに狭い」
「あ、ぁ……ッ」
 たっぷり濡れた淫襞をこすり上げられて、春歌は背をしならせる。
 ゴツゴツした指に鋭敏な襞を刺激されるのが、恐ろしいほどに気持ちいい。
「するのはひさしぶり? それとも元々、こういう体をしているの?」
 根元まで指が埋まった。ぎちぎちに広げられた襞が、それをキツく締めつける。
「だとしたら怖いな」
「ん……、ぁあ……っ」
「動かすよ」
 指が蜜孔を往復しはじめた。
 彼の指が自分のなかにある。そう意識しただけで、春歌の体が信じられないほど熱くなった。
 敏感な箇所をゆっくりとこすられて、ゾクゾクした快感が背すじを走り抜ける。その上彼の親指が、花芯を嬲りはじめたのだからたまらない。
 弱いところを同時に攻められて、蜜孔から愛液があふれた。
 みだらな水音が大きくなり、いやらしい指の動きを春歌に知らしめてくる。
 どうしてこれほど気持ちいいのかわからない。
「もっとほしい?」
 もう一本の指が膣口をたしかめるようにまさぐる。
 春歌は体を強張らせた。
「もういっぱいだから……っ」
「そう?」
 二本目がぬぷりとねじ込まれた。
 息苦しいほどの異物感だ。
 それでも太く長い指二本で嬲られるのは、ひどい快感を生んだ。
「ああぁ……ッ」
「たしかに……いっぱいだな」
 抜き差しがくり返され、弱い部分を狙って刺激される。
 卑猥な水音が立ち、春歌の太ももを愛液が濡らしていく。きっと、朔也の手もひどく濡れていることだろう。
 自分の体はこんなにも乱れきっているのに、朔也はまだシャツをきっちり着込んだ状態だ。
(恥ずかしい、すごく)
 なのに、気持ちよさに喘ぐのを止められない。
 自分をこんなにも乱しているのが朔也だと思うと、どうしてか快感が増した。
「あん、ん……ッ、だめ、気持ち、よすぎて、だめ……っ」
 朔也に縋るように、広い背中に手を伸ばす。
 朔也は頬に口づけて、甘くささやいた。
「だめ? 気持ちいいのに?」
「だ……って、こんなの、恥ずかしい……」
「恥ずかしがるきみも可愛いよ、茉莉」
 そう呼ばれて、春歌はさらに追い詰められる。
 泣きそうに顔を歪めると、いたわるように唇にキスされた。
「そんな顔をしないで。怖がらなくていい。優しくすると言ったろう?」
 違う、そうじゃない。
 朔也が怖いのではない。
(わたしは茉莉じゃない)

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