極上エリート上司と秘密の愛蜜指導を ~不埒で蕩ける愛撫に堕とされました~

書籍情報

極上エリート上司と秘密の愛蜜指導を ~不埒で蕩ける愛撫に堕とされました~


著者:熊野まゆ
イラスト:小島ちな
発売日:2023年 5月12日
定価:620円+税

仕事一筋で商品開発に励む心春と尊敬する上司・吉垣慶の二人には、ほかの同僚よりも早く出社するために毎朝の交流があった。
半年ほど前からプロジェクトの打ち上げとして二人きりでご飯を食べに行くようにもなっている。
今夜もいつも通りの打ち上げだと心春は思っていたのだが――!?
なんと慶は心春のために、ホテルのバーで心春の誕生日をお祝いしてくれたのだった。
憧れの慶に真っ直ぐに自分の頑張りを認めてもらえて、嬉しく思う心春。
酔いが回ってきた頃合いで、慶から心春が仕事一筋の理由を尋ねられる。
慶になら自分の本音を言っても良いかもしれない、そう考えた心春は夜の行為が原因で恋人にふられた過去を慶に相談したところ――!?
なぜか、慶が心春の手ほどきをする流れになってしまい……。
「声も、我慢しなくていい。ありのまま……聞かせて」
慶の優しい声と甘い指先に心春は素直に感じられるようになっていく――。
次第に慶への想いが溢れてきてしまうのだが、そんな心春の前に慶と特別な関係だという女性が現れて……!?

【人物紹介】

築島心春(つきしま こはる)
商品開発部に勤務する25歳。
純粋でひたむきな性格をしており、何事にも一生懸命。
緊張しやすいのが悩みで、そのせいで恋愛に苦手意識があることを慶に相談したところ――!?

吉垣慶(よしがき けい)
心春の上司で、30歳の若きエリート部長。
包容力があり、日頃から心春の緊張をよくほぐしてくれている。
心春をとことん甘やかしたいと考えているようで……?

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【試し読み】

 お酒のせいなのか、気持ちの整理ができない。そんな状態で、軽はずみに相談してはいけなかったのだ。
 いまさら後悔の念に駆られ、わたしは慌てて口を開く。
「あのっ、やっぱりいまのは忘れ――」
 ところが吉垣部長が言葉を被せてくる。
「つまり築島は、人前でも自然と……上手にイけるようになりたいと?」
 吉垣部長の言葉には、少しもいやらしさがなかった。
 新人や後輩の指導をしてくれているときとまったく同じトーンで、ごく真面目に問われている。
「え、えっと……はい。そう……です」
 発言を撤回するのを忘れて、つい素直に認めてしまう。
 すると吉垣部長はおもむろに頷いた。
「築島を育ててきたのは俺だ。最後まで手ほどきしてやろう」
 冗談ぽく言いながら、吉垣部長が笑みを深める。その艶めいたほほえみに、心臓がドキリと音を立てた。
「はい、あの……よろしくお願いします」
 いったいどんな「手ほどき」なのか、まったく想像がつかないのに「よろしく」だなんて。
 わたしが二つ返事をしたからか、吉垣部長はほんの少しだけ目を見開いたあとでまた笑った。
 ダイニングバーを出てフロントへ行く。ここはビジネスホテルとは違う。仕事では宿泊することのないようなホテルだ。
 でも、吉垣部長に手ほどきしてもらうんだから……これも『仕事』なのかな?
 ぼんやりとそんなことを考えているあいだに吉垣部長は慣れたようすで部屋を取ってしまった。
 エレベーターに乗る。ガラス張りなので外が見える。どんどん高層階へ。階が上がるにつれて緊張感が増す。
 吉垣部長はわたしを見おろしていた。目が合うと、部長は穏やかにほほえんだ。ポンッと軽く肩を叩かれる。
「そう気負わなくていい。築島が嫌だと思うことはしないから。嫌なら嫌だとはっきり言ってもらってかまわない」
「は、はい……」
 部長のあとについて部屋へ入る。白と茶色を基調にしたダブルルームだった。窓の向こうは無数の光に溢れていた。
 部長がジャケットを脱ぐ。
「あ、お預かりします」
 部長が脱いだジャケットをハンガーに掛けたあと、自分の上着も同じようにした。
「――ではまず、築島がひとりえっちしているところを見せてもらおうか」
 わたしはぱちぱちと何度も瞬きをする。
「さっき、気負わなくていいって……」
「そうだな。さっきも言ったが、嫌なら断っていい。だが築島は『ひとりえっち上級者』なんだろう? どんなものか、見てみたい」
 吉垣部長はいつになく楽しそうだ。
 ……ううん。部長はいつだって楽しそうに仕事してる。
 どれだけ忙しくても、部長がイライラしているところなんて見たことがないし、それどころか、焦る部下たちを宥めて「大丈夫だ」って励ましてくれる。
 そしてそれは口先だけじゃない。
 吉垣部長はなにをするにも仕事が早い。他部署の同僚からも信頼されていて顔が広く、もう無理だと諦めたことでもなんとかしてくれる。もちろん部長を頼りきりにするわけではない。吉垣部長がいてくれるから、みんな伸び伸びと自分の仕事に打ち込むことができる。
 吉垣部長はいつも正しい。ひとりえっちしてるところを見せるのも、きっと『手ほどき』に必要なことなのだ。
 わたしは意を決して言う。
「あの……っ。う、後ろ向きでも……いいですか?」
 ひとりえっちしてみせようと決意はしたものの、部長に見せつけるようにするのは――無理。
 吉垣部長は「ん――」と唸る。
「……まあ、いい。後ろ向きでも」
 ほっとするものの、部長はどこか不満そうだった。それから部長はソファに座って見物を決め込む。
 わたしは彼に背を向けてベッド端に腰かけた。
 どうしよう……もう恥ずかしい!
 ただベッドに座っただけだというのに、すでにいたたまれない気持ちになっている。
 ジャケットはさっき脱いだ。インナーの黒いシフォンブラウスはまだきちんと着ているのに、それだけではずいぶんと心許なく思えてくる。
「築島がふだんしているのと同じように」
 背後から指示が飛んでくる。吉垣部長はわたしがためらっているのがわかったようだった。明らかに挙動不審だったのだろう。
 吉垣部長は、わたしの悩みを解決しようとしてくれてるんだから! 肝心のわたしが応えられなくてどうするの。
 自分に活を入れて、シフォンブラウスの裾をスカートから引っ張りだし、ブラジャーの下から無理やり胸へと両手を突っ込む。
 乳首は、すでに尖っていた。
 だって吉垣部長が後ろにいるから。いつも吉垣部長で『妄想』している。
 わたしは自分の乳首をつまんで、小さく捻る。ところが、いつもほど集中できない。わたしは少ししたあとで、それもそうだと気がつく。
 本人を目の前にして、うまく彼で『妄想』するなんてできない。
 そもそも、吉垣部長の前でこんなことをしている時点でやっぱり恥ずかしくてたまらない。
 それなのに妄想までするなんて――と、いけないことをしている気持ちが強くなる。
 わたしは手を止めて俯き、唇を噛みしめていた。
「……どうした? 手が止まってる」
 急に背後から声が聞こえた。いつの間にか吉垣部長がすぐ後ろに立っていて、わたしの顔を覗き込んでいた。
「やっ、な、なんで……。後ろ向きで、いいって」
「そうだな。だが築島のことを見ないとは、言ってない」
「そんな……」
 頬や耳に熱が集まる。恥ずかしくて泣きたくなってくる。
 吉垣部長がわたしの正面にまわり込んでくる。わたしが泣きそうなことに、すぐ気がついたようだった。
 目元をそっと撫でられ「平気か?」と声をかけられる。
「すまない。俺に見られるの……泣くほど嫌だったんだな」
「いえ、その……。でも、これ以上……自分で、するのは……」
「わかった。もうひとりでしなくていい」
 大きな手のひらで頭を撫でられる。
「ひとりでがんばる必要は、ない」
 低くて、どこか甘い囁き声。きゅうっと、心臓を締め上げられたみたいになる。
 部長の視線はいつもどおり優しくて、すべてを許されている気がして落ち着く。
 わたしは自分の胸にあてがっていた両手をゆっくりと膝へ戻した。
「過度に緊張するからイけないんだろうな。もっとリラックスできる環境を整えなければ」
 吉垣部長は顎に手を当てて、真剣な表情で首を捻った。
「ひとまずお互いに名前で呼び合ったほうがいい」
「え……どうしてですか?」
 吉垣部長がわたしの隣に座る。ベッドが深く沈み込む。部長はベッドに片手をついてわたしの顔を覗き込む。
「部長だとか築島だとか言っていたら、会社にいるみたいだろう――心春?」
 彼の顔がいつもより近くにあるからか、ドキンッと胸が鳴る。
 わたしの名前って、こんなに特別だったっけ――。
 吉垣部長の口から紡がれたというだけで、世界でひとつだけの名前に思えてくる。
 じいっと見つめられる。吉垣部長の熱い視線が「名前で呼べ」と訴えかけてくる。
「俺の名前、知らなかったか?」
「まっ、まさか! 知ってます、もちろん」
「……そうか」
 嬉しそうにほほえむ彼から目が離せなくなる。けれどいま、わたしがするべきことは部長の名前をきちんと呼ぶこと。
「……け……慶、さん」
 声が震えてしまったのが情けなかった。
 ただ、名前を呼んだだけなのに。部長の名前も、わたしが呼ばれたのと同じで、すごく特別なものに思えたから――ひどく緊張してしまった。
「……ああ」
 優しい眼差しで見おろされている。よくできましたと言わんばかりに頭を撫でられて、嬉しくなる。
 吉垣部長――もとい慶さんは、しばらくわたしの頭を撫でてくれていた。
「よし。じゃあ次はリラックスできるマッサージだ。後ろを向いて」
「は、はいっ」
 わたしは足だけを動かして体の向きを変える。慶さんの両手が肩にあてがわれる。
「肩――凝ってるな。心春は本当にがんばり屋だ」
 また名前を呼ばれてドキリとした。それだけではなく「がんばり屋」と褒められたから、嬉しさもあいまってそわそわする。
 ほどよい力加減だった。凝り固まっていた肩が解されていくのがわかる。
 けれど部長に――慶さんにこんなことをしてもらって、申し訳ない気持ちもあった。
「心春は……休日はなにをしている?」
「そうですね……ビジネス書を読んだり……買い物したり、ですね。ショッピング中もつい、他社の製品とうちのを比べちゃったりします」
「なんだ、休みの日も結局仕事ばかりじゃないか」
「す、すみません……」
「なぜ謝る。感心した。俺も見習わないと」
「そんな、部長――じゃなかった、慶さんがわたしを……み、見習うなんて。わたしはただ、休みの日にすることがないからそうしてるだけなんです」
「そうか。だがまあ……心春は根っからの努力家なんだろうな」
 かあっと頬が熱くなる。赤くなっているであろう顔を見られていなくてよかった。もしも真正面から見られていたらもっと頬が熱くなっていたと思う。
 わたしの趣味について聞いたり、褒めてくれたりするのって――もしかして、わたしに自信を持たせて緊張しないように……って、考えてくれてるのかな。
 慶さんにはいつも大事にされている。もちろん部下としてなのだろうけれど、それでも嬉しい。
「肩はだいぶ解れたな」
 ふたつの大きな手のひらが背中に移動する。背のブラジャーを絶妙に避けて揉み解される。
 でもそれって、慶さんはブラジャーの位置が的確にわかるってことだよね。
 そう思うとなんだか恥ずかしい。
 黒いブラウスだから透けてるわけじゃないと思うけど、ブラジャーの部分だけボコッと浮いて見えるのかも。
 それはつまり、慶さんがわたしの背中を注意深く観察しているということで――。
 急に彼の視線を意識して、脇腹のあたりがぞくぞくしてくる。
 そしてそれに気づいたように、慶さんの両手が脇腹を押さえた。自分のものよりも大きな手のひらはすごく存在感がある。
「あ……吉垣、ぶちょ……」
「違うだろう?」
 そうだ、名前で呼ばなくては。
「慶さん……そ、そこ……うぅ」
 なおも慶さんは脇腹を摩る。
「ここが……なんだ? くすぐったい?」
 耳のすぐそばで声を紡がれて、よけいにくすぐったくなる。わたしはこくこくと何度も頷いた。
「じゃあ――もっと上のほうをマッサージしないとな」
 そうして慶さんの両手が、膨らみのほうへと移ろう。
「あっ……」
 ブラウス越しに、感触を確かめるようにゆっくりと慶さんの両手が胸へと這い上がっていく。
 急に彼の両手が熱を帯びたような気がする。もしくはわたしが、慶さんの手を意識しすぎているせい。
 下着とブラウスを隔てて、慶さんの両手が胸を掴む。わたしが「んっ」と声を漏らすと、慶さんは手を止めた。
「……嫌?」
 吐息混じりの声に、体の芯が痺れるようだった。
「や、じゃ……ない、です」
 むしろこうして触れられるのが気持ちよすぎて、困っている。衣服越しでもこうなのだ。じかに触れられたらいったいどうなってしまうのだろう。
 そんなことを考えているあいだに、慶さんの片手が背中側へまわり込んできて、ブラウスの中へするすると入っていった。あっという間にブラジャーのホックを弾かれる。
「……っ」
 下着のホックを弾かれただけ。それだけなのに、ぞくりとする。寒気とか悪寒とは違う、心地よい震えが走った。
 早く、じかに胸に触ってほしいと思ってしまうのは淫らで強欲だろうか。
 緊張はしているものの、体はどんどん焦れていく。息遣いが荒くなってくる。
「呼吸が荒いが……大丈夫か? けっこうな量の酒を飲んだだろ、心春は」
 気遣いの言葉が嬉しくて、よけいに呼吸がままならなくなる。
「へい、き……です、から」
 平気だから、早く触って。
 いくらなんでもそこまで本音は漏らせない。わたしは唇を引き結ぶ。
「うん? 言いたいことがあるなら、はっきり言っていい。あんまりなんでも心の中に溜め込んでおくのはよくない。俺には、なんでも話していい」
 穏やかで落ち着いた声は耳に心地いい。
「俺は心春のことを絶対に嫌いにならないし、軽蔑もしない」
 懐が深すぎて泣きそうになる。
「慶さん、いい人すぎ……です」
「そうでもないぞ」 
 耳をぺろりと舐められた。熱くざらついた感触がたまらなくて「んっ」と高い声が出る。
「それで……心春の望みは?」
 慶さんの両手はいつの間にかブラウスの内側に入り込んでいたのだけれど、胸のすぐ下で止まっていた。期待と緊張のせいで、喉元がひとりでにごくりと動く。
「あ、あの……わたし、本当に大丈夫なので……。だから、早く……触って、もらいたくて」
 わたし――どうしてこんなに恥ずかしいこと、言ってるんだろう。
 でも慶さんは、なんでも話していいって言ってくれた。わたしのこと、嫌いにならない――って。
 だからいいんだ、と自分自身を納得させる。
「偉いな、素直に言えて。さっきはああ言ったがやはり、本心を曝けだすのはなかなか勇気が要ることだ」
 彼の唾液で少し湿った耳たぶをそっと撫でられる。そのあとは両方の手のひらで頬を覆われた。肌の感触を確かめるように、彼の両手はやんわりと頬を押しながらするすると下降していった。
「心春は、偉い。素直ないい子だ」
 なんだか子ども扱いされている。
 でも悪い気なんて全然しない。むしろ、そうして褒められるとやっぱり嬉しくて、気分がどんどん上がっていく。
 ご褒美のように、慶さんがやっと胸に触ってくれる。彼の両手が下着の内側へと滑り込んだ。
「ひぁっ……!」
 ふたつの膨らみを両手で包み込まれ、ブラウスの内側で上下に揺さぶられる。緩んだブラジャーはそのままだから、乳首が下着と擦れて切なくなる。
 どうしよう――自分でするよりも何倍も気持ちがいい。
 ひとりえっち上級者だなんて、いますぐに取り消したいくらい――。
「あ、ぁ……っ」
 たまらず身悶えしていると、肩が彼の胸板に当たった。わたしとは違う大きな体を意識して、全身に熱がこもっていく。
 わたしはいま、ひとりでえっちなことをしているわけじゃ――ない。すぐそばには慶さんがいて、わたしを気持ちよくしてくれている。
 ぶわわわ……と、感動と快感が一緒くたになって込み上げてくる。
「ん、ふっ……んんっ」
 艶めかしい声が出るのが恥ずかしくて、両手で口を押さえる。
「声も、我慢しなくていい。ありのまま……聞かせて」
 まるで切実にそう願っているような声音だった。真剣に『手ほどき』してくれているのだろう。仕事でだっていつもそうだ。
 彼はきっと使命感を持って、一所懸命に取り組んでくれている。たとえ愛情でなくても、その真摯な気持ちが嬉しくて、自然と高い声が漏れる。
「ふっ……あぁ、あっ……」
 胸の先端がひとりでに尖っていくのが感覚でわかった。そうなるとますます、下着と擦れるようになる。
 慶さんの手つきはずっと優しい。感触を確かめるように、じっくりと胸を揉みしだかれている。敏感な先端には、触れる気配がない。
 もどかしくて体を捩ると、慶さんはやっと胸の中心に指をあてがってくれた。
 けれどそれも、いきなり乳首に触るのではなくて、乳輪を指先で擦られるところからはじまる。
 ブラウスとブラジャーはそのままだから、胸を見られているわけではない。それでも慶さんは、手触りだけで乳輪の位置がわかるらしい。絶妙に乳首を避けて円を描かれる。
 わたしのブラウスを脱がせないのはたぶん、さっき顔を覗き込まれたときに少し泣いてしまったから。あえて脱がせないようにしているのだと思う。
「あん、ぁ、あぁっ……!」
 乳輪を押されることで、わたしの指とは違う、硬い感触を思い知らされる。
 ひとりえっちばっかりしてたからよけいに、違いを感じちゃうのかも……。
 そしてその『違い』は、決して不快なものではなく、この上なく好ましいものだった。
 執拗に乳輪を擦られて、気持ちよさで呼吸が弾む。けれど少しでも身じろぎすれば、彼の指が乳首に当たってしまいそうだった。
「……心春」
「ひぁっ!」
 急に耳元で呼ばれたものだから、驚いて肩を上下させてしまう。その拍子に、慶さんの指がトンッと乳首に当たった。
 慶さんの意思でそこに触れたのか、わたしが体を動かしたせいなのか、わからない。けれど慶さんは特に慌てることなく乳首を弄りはじめた。
 硬くてごつごつした指先が、乳首の根元を小さく擽る。遊んでいるような指遣いだ。ごくたまにだけれど、慶さんはオフィスでボールペンの上下を片手でくるりとひっくり返すことがある。そのようすを思いだして、わたしの乳首もボールペンと同じように弄ばれている気持ちになる。
 そして、弄ばれていることが――すごく嬉しい。もっと、してほしい。

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