エリート同期は一夜の過ちの彼でした 〜両片想いの淫らな溺恋〜

書籍情報

エリート同期は一夜の過ちの彼でした 〜両片想いの淫らな溺恋〜


著者:小日向江麻
イラスト:緒花
発売日:2022年 1月28日
定価:630円+税

夏希には忘れられない人がいる。
大学の卒業旅行先で出会った海都という男性だ。
友達の裏切りに傷つき飛び出してきた夏希と似た境遇だったことをきっかけに一夜を過ごしたのだ。
旅行先で偶然会っただけの彼と再開するなど想像すらしてなかった夏希だったが、新しく部署に配属されてきた人はまさかの海都で……!?
突然の再開、しかも同じ会社で同じ部署なんてと運命を感じるも同僚として接することを選ぶが――。
「夏希がほしい。六年前のあのときみたいに……夏希を抱きたい」
心のどこかで期待していた言葉を言われてしまえば、彼の手を拒むなんて選択肢はかき消されて――!?

【人物紹介】

白浜夏希(しらはま なつき)
福祉施設運営のエリアマネージャー。
六年前、大学の卒業旅行で出会った海都を忘れられずにいる。

青野海都(あおの かいと)
旅先で夏希と出会い、現在の職場で再開した。
容姿端麗で仕事もできるうえ、社長令息というエリート。

●電子書籍 購入サイト

Amazon コミックシーモア  Renta!
honto 楽天ブックス 紀伊國屋書店 
DMM ブックパス Book Live
ReaderStore ebook japan BOOKWALKER

*取り扱いサイトは、各書店に掲載され次第、更新されます。

 

【試し読み】

「夏希、本当にいいの?」
「……うん」
 私が頷くと、海都は私の肩をそっと押して、ベッドに横たわらせる。
 もしハルへの想いが通じたら、この旅行中に身体を求められる展開もあり得ると思っていた。だからいつそのときが来てもいいように日数分のかわいい下着を揃えたし、触れ合ったときにガッカリさせないように、ボディミルクを身体中に入念に塗って旅行に備えていたのだ。
 でもまさか、その相手がハルではなくて初対面の男の人になるとは――この状況に、自分自身が一番びっくりしている。
 普段の私はガードが堅いほうだと思っていて、男性とその場限りの関係を持った経験はない。寧ろ、こういうのは恋愛感情の延長線上にあるものだと考えているから、こっち方面に奔放な友人の話を聞いて「私には無理だな」と思っていたくらいだ。
 じゃあどうして、と自問するけれど、明確な答えは出ない。失恋してヤケになったとか、その場の空気に呑まれてとか、そういう理由もゼロではないけれど、最たるものは視線の先にいる彼のことをもっと知りたいから。そのための最短距離であるからなのだろうと思う。
 知りたいから関係を持つというのは、短絡的すぎる考え方であると理解している。それでもなお彼に身体を許そうとしているのは、間違いなく、彼に惹かれているからだ。
 異性として海都と触れ合ってみたい。そんな衝動を抑えられなくなったのだと思う。
「夏希」
「ん……」
 海都の片膝がベッドに乗ると、微かに軋んだ音が響いた。名前を呼ばれて彼の目を見つめると、彼の眼差しがふいに優しくなる。
「緊張してる?」
「っ……何でそんなこと訊くの?」
「見てればわかる」
 慣れていない雰囲気はしっかり彼に伝わってしまっているみたいだ――恥ずかしい。私は頬がかあっと熱くなるのを感じた。
「だって……だ、誰とでもこういうことするわけじゃ、ないし」
「ふうん。俺だからしたいって思ってくれてるわけ?」
「……しっ、知らないっ」
 意図せず彼への好意を伝えてしまったことに焦って、私は小さく喚いた。恥ずかしさとともに、失恋直後に別の男性に気があるような素振りを見せるのは、いくら何でも誠実さに欠けるだろうと思ったからだ。
「うれしいよ、すごく」
 けれど海都は気にすることなく、寧ろ言葉通りうれしそうに頬を緩ませた。それから、照れくささで何か言葉を紡ごうとする私の唇を塞ぐようにそっとキスをする。
「んっ……」
 吸い付いては離れてを幾度か短く繰り返したあと、彼は鼻先を私のそれにくっつけて、至近距離で見つめてくる。
「あ……あんまり、じっと見ないで」
 散々泣いて、アイメイクが崩れているのはわかっている。視線を俯けて消え入りそうな声で言うと、彼の片手が私の頭をぽんと優しく叩いた。
「大丈夫、かわいい」
 唇に、頬に、首筋に、柔らかな唇が触れるたびに、私の口から切なげな吐息がこぼれる。
 彼は同時に私のワンピースのフロントボタンを途中まで外すと、露になった胸の覆いの上から膨らみに触れた。
 とっておきのブラは、普段の自分にはかわいすぎると敬遠するベビーピンクがベースで、表面がシフォン生地になっている。彼の体温が乗ってすぐ、指先は覆いの下の感触を確かめるようにゆっくりと上下する。
「ふ……ぁ……」
 最初は片手で。すぐにもう片方の手も反対側の膨らみに触れ、同じように覆いの上から愛撫する。
「直接触るよ」
 緊張し通しの私に気を遣ってくれているのか、海都はそう一言かけてからカップとの間に指先を差し入れ、左右の膨らみを覆いの上に露出させる。ふるりと震えてこぼれ出る膨らみを、温かい指先が弄った。
「きれいなピンク色。おいしそう」
「ぁっ……!」
 しばらく膨らみの輪郭を撫でていた彼だけど、緊張と興奮とで頭を擡げる頂を見つめて呟くと、そこに口付けを落とした。柔らかな唇がふにふにと頂を圧し潰したあと、やや唇を尖らせて吸い付く。
「んぁっ!」
 独特の快感に身を捩り、大きな声を発してしまう。私はハッとしてコテージの扉のほうへ視線を滑らせる。
「平気だよ。さっき夏希も確認しただろ?」
「そう、だけどっ……」
 顔を上げ、私の表情を見て笑う海都。確かにベッドに移動する前、「邪魔が入らないように」とコテージの内鍵をかけていた。
「――でも、あんまり声が大きいと、誰か覗きに来たりはするかもな」
 意地悪く囁きを落としたのは、私の羞恥を煽るためなのだろう。彼はそれだけ言うと、再び胸の頂に吸い付き、愛撫を再開する。
「ふ、あぁ……舐めるの、だめっ……」
 唇で挟んで吸い付きながら、合間に舌先をぷっくりと膨らんだ先端部分に押し付ける。ざらざらした舌先が頂に触れ、扱かれるたびに、下腹部にきゅんきゅんとした疼きが走る。彼の忠告通りになるべく声のボリュームを抑えようと、片手で口元を覆った。 
「だめって反応じゃないけどな――あぁ、汗かいてる」
 私が発した言葉を揶揄しつつ、海都はワンピースのボタンを裾まで外して袖を抜き、脱がしてしまう。おそらく、服が汚れないようにとの配慮なのだろう。
「……い、今さらだけど……明かり、消しちゃだめ?」
「何で?」
「何でって、それは……恥ずかしいからに決まってるじゃない」
 ワンピースを取り払われた私が身に着けているのはブラとショーツだけ。こちらを見下ろす海都に、このあと余すところなくすべてを晒すのだと思うと、急に心許なくなったのだ。
「却下」
 ところが、彼は私の提案を一蹴した。咎めるように彼の瞳を見上げる。
「――夏希はきれいだ。肌は白いし、スタイルもいい。恥ずかしがる必要なんかない」
「ふ、ぁ」
 諭すように穏やかに言いながら、言葉の内容をなぞるように、彼の指先が頬に触れ、首筋を撫でる。そこから胸の膨らみを通り、脇腹を撫でた。羽で触れるようなじれったさに、ぞくぞくと肌が粟立つ。
「背中浮かせて」
 言われるがままにすると、彼は片手をそこに差し入れて、素早くブラのホックを外した。そして肩ひもを抜いてしまうと、ワンピースと一緒に傍らにまとめてくれる。
「……慣れてるね」
 ひとりごとのように私が呟く。触れ方で何となくわかっていたけれど、今ので確信した。海都はとても女性慣れしている。
 それもそうか。長身で、イケメンで、頼りがいがあって。そんな男性を、女性のほうが放っておくはずがない。大学時代にもし彼と出会っていたのなら、私もきっと彼を想う女性のひとりになっていたはずだ。
「そんなことないけど」
 私の言葉を拾った海都が、凛々しい眉を上げて笑った。頭のなかで「どうだか」と返す。慣れてる男性ほどそう言うのだろう。音にしながったのは、追及しても仕方がないからだ。
「気持ちよかった?」
 覆いのなくなった膨らみをするりと撫でた手が、腹部を通って下肢に達する。ピンク色の生地の中心がワントーン濃くなっていることに気付くと、その場所を示しながら訊ねる。
「……意地悪。わかってるくせに――ぁんっ……」 
「ちゃんと言葉で伝えてもらった方がうれしいからな」
 私の膝を片方立たせたあと、海都の指先がその場所を小刻みに刺激する。シフォン生地の上から、秘裂をなぞるみたいに上下に指の腹で擦られるうちに、どんどんと熱を保ってきた。
「ぁ――そこ、はぁっ……!」
 興奮とともに入り口からとろりと蜜が溢れ出す。それが潤滑油となり滑りがよくなると、ほんの少し大胆に動くようになった彼の指が、入り口の上に隠れた敏感な突起を掠めてくる。直接的な刺激は強い快感となり、私は思わず脚を閉じようとした。
「だめだ。ここが夏希の気持ちいいところなんだから」
「ぁあっ……!」
 やんわりと、けれどしっかり制されて、指先は布越しに感じやすい突起を追いかけるみたいな動きに変わった。びりびりと電気が駆け抜けるような感覚に、だんだんと声が抑えられなくなってくる。
「たくさん濡れてきたのわかるだろ?」
「っ……」
 溢れ出た蜜を吸った布地に触れる海都には、顕著に反応していることがすぐにわかってしまう。私は羞恥のあまり言葉を詰まらせた。
「ここ、すごく熱い。それにぐちゃぐちゃ」
「言わないでっ……」
 身体の高ぶりを具体的に指摘されると、どんな顔をしていいかわからない。哀願がこぼれた唇を塞ぐかのように、彼がキスをした。
 さっきと同様に、唇をくっつけたり離したりしながら、舌先を伸ばした彼が私もそうするようにと仕草で促した。おずおずと舌先を伸ばすと、彼のそれと触れ合い、上下の位置を入れ替えながら絡ませる。
 キスを交わしている間も、ショーツ越しに秘裂を撫でる手は止まらない。下着の上から、私が平静ではいられなくなる小指の先ほどの粒を刺激され、確実に快感のゲージを上げていく。
「やぁっ……ぁはぁっ……それ、すごいぃっ……!」
 感覚の鋭い場所だからこそ、擦られるほどにもっと、もっとと刺激をほっしてしまう。だんだんともどかしさを覚えた下肢は、無意識のうちに両脚を擦り合わせ、彼の指先の感触を貪欲に味わおうとする。
「……直接触ってほしい?」
 意図的にじらしていたのか、それとも両脚で手や指先を圧迫されたからなのか、彼は私がもっとダイレクトな刺激を望んでいると気付いたようだった。舌先を引っ込めた彼が、囁いて訊ねる。
「触って、ほしい……」
 キスで頭がぼうっとしていたせいか、普段なら恥じらいが先行するであろう言葉もすんなりと出た。海都は口元に薄く笑みを湛え、両手を使ってショーツを脱がせた。 
「夏希のここ、いっぱい濡れて光って……早く触ってほしいって、ひくひく震えてる」
 彼はショーツに守られていたその場所を覗き込み、恥毛を搔き分けるように撫でてから秘裂の縁を指先でなぞる。
「っ……!」
「すぐにもっと気持ちよくなるから、待ってて」
 海都はぺろりと自身の指先を舐め、唾液を塗すと、それを物ほしそうに蠢いている入り口に宛がった。 
「力抜いて」
 そんな言葉をかけられたのは、やはりまだ隠せないほどの緊張が見て取れたということか。意識的に深呼吸をすると、ほんの少しだけ身体の強張りが抜けたような気がする。直後、彼の指先が入り口を通過し、膣内へと挿入ってきた。
「く、ぅっ――」
 下着がびしょびしょに濡れるほどの愛液のおかげで、そこは彼の指の根元までを易々と飲み込んだ。それからゆっくりと指先ぎりぎりまで引き抜き、また根元まで押し込む動作を繰り返していくと、切ない感覚がじわじわと湧き上がってくる。
「はぁっ……海都っ……」
「大丈夫か?」
 私は消え入りそうな声で「大丈夫」と答えた。痛みはなかった。彼の指が挿入ってきたときは圧迫感を強く感じたけれど、慣らされているうちに期待を伴う切なさと反比例していったように思う。
 内壁に触れている彼にもそれは伝わっているようだ。膣内を弄る指を二本、三本と順番に増やしていくと、下肢に響く快感も二倍、三倍と膨らんでいく。
「気持ちいい?」
「ん、っあ――擦るの、気持ちいいっ……」 
 私は頷きながら素直に答えた。膣内で彼の指先が動くたび、甘い刺激が下肢に走って、身体がふわふわする。
「もっと感じて。今だけは何もかも、忘れられるように」
「ぁ――……!」
 三本の指でぐちゅぐちゅと膣内を掻き混ぜながら、入り口側の浅いところを撫でるように擦ってくる。
「あ、ぁ、ああっ……それイイっ……!」
 指先がそこをなぞるたびに、下肢全体に切ない疼きが走る。まだ味わったことのない性感帯を刺激されて、ワントーン高い声を出してしまった。
 私の反応に好感触を得た海都は、繰り返しその場所を愛撫し、性感を高めてくる。撫でられるたびに、身体の奥が弾けてしまいそうな喜悦を覚え、自分のものとは思えない、艶めかしい喘ぎを発してしまう。
「だめぇっ―――そこ、強いのぉっ……はぁっ……!」 
 すでに高みにむけて加速し始めていた身体は、不意に敏感な突起を捏ねられたことで、一気に頂点に押し上げられてしまう。
「んんんんっ……‼」
 絶頂に達した瞬間、つま先にぐぐっと力が籠る。下肢に埋め込まれた彼の指をしゃぶりつくすかの如く締め付けたあと、呼吸と一緒に身体が緩んでいくのがわかった。
「はぁっ……はぁ……ごめん、私っ……」
 ひとりで勝手に果ててしまったことを謝ると、彼は緩く首を横に振った。
「謝らなくていい。夏希が気持ちよくなれたなら」
 そう言うと、蜜に濡れた指先を引き抜き、滴るそれを舌先で舐め取った。
「か、海都っ……」
「夏希の、甘くておいしいよ」
 海都が私の欲望の証を味わっている。その事実が視覚から伝わり、再び下肢が切なげな音を立てて疼き始める。
「……夏希がほしい」
 彼は色濃い興奮に染まった双眸で私を見つめながら、自身のTシャツを脱ぎ、ジーンズのジッパーを下げて脱ぐと、ベッドの端に追いやった。
 意外とがっしりした肩幅と、筋肉質なラインはいかにも男性らしい身体つきだ。
 この人に求められ、今からひとつになろうとしているのだと思うと、強い期待感と高揚感にぶるりと身体が震えた。
「うん。……来て」
 シンプルな黒のボクサーパンツの上からでも、屹立した彼の剛直の存在を感じ取ることができる。私はその場所に視線が釘づけになりつつ、胸を高鳴らせて言った。
 ボクサーパンツを取り払うと、高ぶりのままに反り返る彼自身が露になる。今からこの逞しいものが、私の膣内に挿入ってくるのだ。
「海都がほしいの。……私の膣内に来て。海都でいっぱいにして」
 私はねだるように彼を見上げて言うと、彼の首に腕を回して、キスをせがんだ。
「――夏希」
 海都が私の名前を呼んでから、その要求に応えてくれる。
 恋人同士がそうするような、何度も唇を触れ合わせる甘ったるいキス。私たちはお互いのことをほとんど知らないけれど、この瞬間、お互いをほっする気持ちは恋人同士のそれと何ら変わらない。
 身体だけではなく、思考も彼で満たしてほしい。他の嫌なことを全部、頭のなかから追い出してしまえるほどに。
 お互いの唇を味わいつくしたあと、海都はナイトテーブルの傍らに置いていた避妊具のパッケージを破り、自身に装着する。それから私の脚を左右に割り開き、剛直の切っ先を秘裂に擦りつけた。十分に愛液を纏わせ、入り口を確かめるように数回ノックしてから、膣内へと推し進めていく。
「ぁはああっ――……」
 指を三本使って解したとはいえ、彼の質量とは比較にならない。みっちりと隙間なく埋められていく感覚に圧迫感と息苦しさを覚えつつ、そこに痛みや不快感は生じなかった。
「……平気か?」
「んっ……平気」
 降ってきたのは、快感を噛み殺したような声音。きっとすぐに快楽を追求したいところを、私を気遣い、様子を窺ってくれているのだ。Sっぽく意地悪なようでいて、そういうところは優しいなんて反則だ。
 私の答えを待ってから、彼が少しずつ抽送を始める。さっき指でされたよりも膣内を広げられるからなのか、彼自身が内壁を擦るたびに甘くぞくぞくする快感が下半身に蓄積されていく。
「ゆっくりしたいと思ってるんだけど……夏希の膣内、気持ちよくて……セーブ利かないかも……」
 終始私をリードし余裕に見えた彼が、初めて切羽詰まった表情を浮かべる。私の目には、海都が唇を噛んで、湧き上がる衝動を必死に堪えようとしているように映った。
「して、海都……私は大丈夫だから。海都も何も考えずに、ただ気持ちよくなれるようにして……?」
 心に同じ傷を持つ私たち。私に忘れたいことがあるように、彼にもあるはずだ。ほんのわずかな間でも、それらをお互いに手放すことができたらいい。たとえその行為が、不毛な傷の舐め合いなのだとしても。
「夏希……」
 私の意を汲んでくれたのか、海都は私の名を呟いたあと、それまでの遠慮がちだった動きから一転、膣内を穿つように腰を激しく打ち付けてくる。
「ぁ、あ、はぁっ……んんっ、ふぁ、あんっ……!」
 身体の芯を揺さぶってくるみたいな強烈な快楽が下肢に広がると、私はその衝撃と激しい快感に身悶えし、気が付くとただただ呼吸を乱しながら喘がされていた。
「膣内、とろとろで……それなのにきゅうきゅう絡みついて……気持ちいい……すぐ、イきそうっ……」
 吐息で切なげに呟く様子で、彼も強い悦びのなかにいることがわかる。
「……夏希も感じて。一緒に気持ちよくなろう」
 耳元で優しく囁きを落とすと、海都は繋がったまま私の背中を抱き起こした。そのまま彼の脚の上に乗せられ、抱き合う体勢になる。
 海都をより深い場所で受け入れる姿勢なので、それまでとは違った場所を擦られ、突かれ、快感が加速する。
「んあぁ――すごいっ……変になっちゃうっ……!」
「俺も……頭、真っ白になりそう……」
 彼の首元に抱き付き、縋るように唇を求めた。柔らかな唇の感触を飽き足らず味わい、舌先を絡めては口腔と一緒に舐め上げ、粘膜を刺激し合う。
 それだけでもうっとりしてしまうのに、下肢では絶えず彼の剛直が膣内を擦り、甘美で蕩けるような快楽を送り込んでくる。
 気持ちいい。思惑通り、その感覚だけに突き動かされた状態で、私も彼の動きに合わせてはしたなく腰を揺らしてしまった。
 もっともっと、この悦楽を際限なく追求したい。そうすれば、余計なことは考えなくて済む。
「ぁあ、それ、やぁっ……だめなのっ……‼」
 海都が片手を接合部にやり、ダメ押しとばかりに私の充血した突起を指先で捏ねる。微かな圧をかけて撫でまわされるたびに、身体が浮遊しそうな鮮烈な快感が脊髄を駆け抜け、悲鳴に近い声がこぼれた。
「いやって言う割に、パンパンに腫れきってる。……もっと触られたくてしょうがないんじゃないか?」
「んんっ、ぁんっ!」
 強すぎる快感を訴えても、彼は手を止めるどころか執拗にそこを責めてくるようになる。
「イッて、夏希……今は俺のことだけ考えて」

タイトルとURLをコピーしました