もう遠慮も手加減もしない。
三嶋夫妻はもっと淫らに愛し合いたい
著者:桜月海羽
イラスト:rera
発売日:3月27日
定価:630円+税
昔から想いを寄せていた彰史とお見合いで再会した美紅は、彼からプロポーズを機にあれよあれよと言う間に結婚をすることに。
幕を開けた夫婦生活は順風満帆。ふたりは新婚らしいとろけるような満ち足りた時間を過ごしていた。
だけどその反面、美紅は彼との甘く優しい夜を過ごす中で、もっと刺激を欲している自分自身に気づいてしまって……。
「そんないやらしい格好で俺に抱かれることを想像したのか」
美紅のとある行動をきっかけに彰史の熱情が激しく揺さぶられ、夫婦の夜は激しさを増して――!?
【人物紹介】
三嶋美紅(みしまみく)
以前より働いてみたかった、カフェ店員として働いている。
大学時代に一度彰史に振られていたが、お見合いでの再会をきっかけに彼と結婚した。
彼との時間は甘く、満たされている反面、実は悩み事があって……?
三嶋彰史(みしまあきふみ)
大手食品メーカーの企画部課長。
容姿端麗な容姿で、普段から紳士的で優しい。
ベッドの中では意地悪な表情も見せる。
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【試し読み】
「彰史さん、ずっと忙しいね。体調を崩さないようにしてね」
「その心配はいらない。可愛い奥さんがおいしい料理を作ってくれるおかげで、結婚前よりもずっと体調がいいんだ。朝もしっかり食べているからか、仕事も前より捗っているよ」
彰史の言葉に、美紅の口元が綻ぶ。
自身が彰史にしてあげられることなんて少ないが、もっと色々してあげたいという気持ちになった。
「そんな風に言ってもらえると、すごく嬉しいよ。でも、ちゃんと休む時間も作ってね」
「ああ、わかっているよ」
彰史は柔和な面持ちで頷き、タブレットをヘッドボードに置いたあとで、美紅のこめかみに唇を寄せた。そっと触れた優しい温もりに、美紅の胸がキュンとなった。
ふと彰史を見ると、彼の顔つきが数秒前とは違うことに気づいた。
優しい雰囲気はほとんど消え、代わりに眇めた目が向けられている。
それは、彰史が美紅を抱く時に見せる表情だった。
初夜から何度も彰史に抱かれている美紅には、情事の始まりの合図にしか思えない。素直な美紅はこの時、決まって身体に熱が込み上げてくるのを感じるのだ。
「もう色っぽい顔になっているね。俺に抱かれることを想像した?」
羞恥に包まれながらも素直に首を縦に振れば、彰史が満足そうに唇の端を上げる。
美紅は、艶やかな微笑みを浮かべる彰史に瞳を奪われてしまい、顎を掬われた時には導かれるがまま唇を重ねていた。
最初は、優しく触れるだけ。それから角度を変えて、リップ音が響くキスを繰り返す。
そっと触れるだけのくちづけでも、美紅はドキドキした。
彰史の唇が離れ、額から瞼、そして鼻先や頬に触れていった。柔らかな感触に、美紅の心も肌もくすぐったいような感覚を抱く。
そのうち口元に戻ってきた唇をこすり合わせ、食まれたり舐められたりしたかと思うと、彰史の舌が美紅の唇を割って口腔に侵入してきた。
「んっ……!」
舌を捉えられ、強引に搦めとられる。まだ上手くはない美紅だが、必死に彰史の舌を追いかけた。
すると、至近距離にいる彰史が、わずかに瞳を緩めた。
大きな手がパジャマのボタンを器用に外し、あっという間に前を開かれる。
その間も美紅の口内で蠢く熱い塊は、歯列をねっとりと舐め上げ、上顎を巧みにくすぐって、再び舌を奪いにきていた。
美紅はキスに翻弄されつつも、彰史のパジャマに手を伸ばす。
しかし、彰史は楽しげに美紅の背中を撫で、もう片方の手を首筋から鎖骨に這わせたあと、まるで美紅の邪魔をするかのように谷間でその指を遊ばせ始めた。
声が漏れるほどではないが、すでに欲情を覚えている美紅の身体はゾクゾクと震えてしまう。
零れる吐息が彰史の肌に当たると、彼が頭上でふっと笑ったのがわかった。
「ほら、早く脱がせて」
「んっ……」
たしなめるように柔らかな膨らみに指を食い込まされ、思わず甘い声が飛び出た。
「今夜は、新しい下着か。美紅によく似合っている」
薄い笑みを携えた彰史は、美紅の胸元をじっと見つめている。
その様子を目にした美紅は、ベビードールを着なくてよかったと、密かに考えた。
二重の瞳にぽってりとした唇の美紅は、顔の輪郭が丸みを帯びていることもあり、初対面では必ず実年齢よりも下に見られる。
彰史に恋をしてからの美紅は、自身の童顔をコンプレックスに感じるようになったが、彼はそんな美紅のことを『可愛い』と言ってくれる。
だからこそ、彰史にとっての美紅のイメージは、きっと清楚で可愛い下着を纏う女性に違いない。
「あとでショーツを見るのも楽しみだ」
耳元で囁かれ、下肢が密やかに疼いた。ショーツも見るとわざわざ指摘されて、これから自分の身に起こることを想像せずにはいられない。
「美紅は素直だね」
意図せずに脳内で再生された日頃の情事に欲情した美紅だったが、彰史はそんな美紅を焦らすようにパジャマの上から触れてきた。
上半身はすでに下着が丸見えだというのに、彰史の手はシルクの上を滑っていく。下半身では大きな右手が這っているが、膝や太ももにそろりと触れてくるだけだった。
「彰史さんっ……」
「どうかした?」
意地悪く破顔する彰史は、美紅の気持ちを見透かしているのだろう。
けれど、彰史の両手は相変わらず布の上で蠢いているだけで、熱を持て余し始めた美紅は膝をすり合わせた。
もっと触ってほしいのに、自分から伝える勇気はない。
彰史は、そんな美紅の欲望を見透かすように、唇に笑みを乗せて目を眇めた。
「まだ直接触ってもいないのに、もう気持ちよくなっているのか」
「あっ……だって……」
ふんわりと胸の上をかすめた手に、美紅の声が上ずる。骨ばった手の感触はとても遠くに感じ、さらに期待が高まっていく。
「どうしてほしい?」
彰史は、いつからかこうして質問をしてくるようになった。
恐らく美紅の気持ちをわかった上で、わざと訊いているのだろう。
最初の頃は羞恥が勝ってなにも言えなかった美紅も、それはとっくに理解している。
そして、彰史に何度かこんな風にされているうちに、素直に伝えれば求めているものを与えてもらえることを学習した美紅は、頬を染めながらも答えるようになっていた。
「直接、触って……。服の上からじゃ、足りないの……」
「いい子だ」
ふわりと微笑んだ彰史は、美紅の乳房にグッと手を食い込ませた。優しい手つきだった 愛撫に力が加わったが、絶妙に加減されていてちっとも痛くはない。
むしろ、欲していた感覚に期待感が膨らむ。
「ふぅっ、あっ……」
ブラを押し上げられたかと思うと、指の腹が蕾をこすり始めた。左手では乳房を揉みしだき、彰史は相反する感触を楽しんでいるようだった。
「ここ、硬くなってきた。美紅は、こすられるのが好きだよね。あと、こうするのも」
「あんっ!」
不意に乳頭をキュッとつまみ上げられ、快感が走り抜けた。同時にもう片方の乳首もグリッと捩られ、甘い声が止まらなくなる。
「少し苦しそうだね」
しばらく蕾を堪能していた彰史が、美紅の背中に手を回してホックを外した。締めつけから解放された大きな胸が、その弾力を見せつけるようにぷるんと飛び出した。
彰史は、眼前にご馳走を並べられた肉食獣の如く、自身の愛撫によってツンと尖った先端に歯を立てた。
「あぁっ……それっ……」
「うん、美紅はこれも好きだろう?」
図星を突かれた美紅は、羞恥を隠すようにイヤイヤと首を横に振る。
こんなにもいやらしいことが気持ちいいなんて、言えるはずがなかった。
素直になればもっと気持ちよくしてもらえるのはわかっているのに、まだ理性が強く働いている今は、快楽に堕ち切ることができない。
「でも、美紅のここは俺に食べてほしそうだ」
ふっと瞳を緩める彰史は、美紅が恥ずかしがることを喜んでいるように見えた。
「ほら、気持ちいいよね?」
「ふぁっ、ンッ……あぅ……っ、んぅ……」
こうして言葉にされるたび、美紅は涙を浮かべるほどの羞恥を抱かされてしまうが、彰史の言う通りだった。
舐められるとくすぐったさに似た感覚が喜悦となり、歯を立てられれば痺れにも似た快感が広がっていく。
まだ触れられてもいない下肢は震え、新しいショーツが肌に張りついては濡れていることを美紅に教えていた。
「言ってごらん? 気持ちいいって」
「あぁっ……きもち、いいっ……! はぁんっ……」
言えないと思っていたのに、彰史の甘やかで低い声が美紅の本音を引き出す。
左側の乳首は強くつままれたりこすられたりしながら、右側の先端は彰史の口内で弄ばれている。その快楽に陶酔し始めていた美紅は、従順に言葉を発した。
美紅の胸元にいる彰史は、美紅の表情を見逃さないとでも言うように、愛撫は止めぬままじっと見つめてくる。
オンの時には斜め分けにされている前髪が、彰史の扇情的な眼差しの前で揺れていた。
胸ばかりの愛撫では満たされないのに、気持ちいい。
けれど、彰史によってこの先の悦楽を教え込まれている美紅の身体は、もっと気持ちよくなれることを知っているからこそ、これだけではちっとも足りないと思い始めていた。
彰史は、そんな美紅の欲望を見透かしているはず。
それなのに、乳頭への刺激とともに与えられるのは、臍周りや太ももへの感覚だけ。
乳房と蕾をいじられ始めてから随分と経ったような気がするが、肝心の場所にはちっとも触れてくれる素振りがなかった。
「彰史さんっ……焦らさないで……」
耐え切れずに小さく懇願すれば、彰史がふっと口元を綻ばせた。
「別に、焦らしていないよ」
優しい声音とは裏腹に、その表情は愉快そうにしか見えない。
自分だけが余裕を失くしていることに、美紅は泣きたいような気持ちになってしまう。
「お願い……意地悪しないで……」
「意地悪をしているわけじゃない。俺は、美紅にたくさん感じてほしいだけだ」
それは、彰史の本音なのかもしれない。
しかし、一見すれば思いやりがあるような彰史の言葉も、今の美紅にとっては意地悪にしか思えなかった。
「仕方がないな。じゃあ、そろそろこっちでも気持ちよくなろうか」
美紅がよほど切羽詰まった面持ちだったのか、彰史が苦笑混じりに囁いた。
同時に、彰史の右手が美紅のパジャマのズボンを脱がせ、美紅はくねらせるように腰を浮かせながらその作業を手伝った。
「んっ……」
邪魔でしかなかった布がベッドの下に落とされると、彰史の指が美紅のショーツの縁を辿るように肌の上を滑った。それだけで美紅は期待を寄せ、蜜壺がキュッと戦慄いた。
「思った通り、このショーツも可愛いね。美紅は肌が白いから、淡い色が似合うよ」
じっと見つめたままショーツの上から秘部をなぞられ、美紅の唇から深い吐息と高い声が零れる。
「あんっ! アッ、やぁ、っ……」
蜜口の少し上を爪で引っかかれると、美紅は悦びの声を吐き出し、白い肢体を小さく跳ねさせた。
「せっかくの可愛い下着だけど、これは邪魔だね」
言い終わるよりも早くショーツに手をかけた彰史が、慣れた手つきでそれを剥いだ。
ショーツからは糸が引き、外気に触れた秘裂がひんやりとして、すっかり濡れていることを語っていた。
「もう濡れているよ。胸だけでそんなに気持ちよかった?」
クスリと笑われて、美紅は自身の痴態を自覚させられ、強い羞恥に襲われる。
けれど、彰史は「素直で可愛い身体だ」と満足そうに唇の端を上げ、そんな彼を見た美紅は喜びを抱いてしまう。
(恥ずかしいのに、嬉しいなんて……)
自分自身に大きな戸惑いを感じているのに、彰史の指が蜜口に触れた途端、意識が下肢に奪われてしまった。
「あぁんっ!」
クチュッと音を立てた指が蜜を纏い、そのまま上に動かされた。直後、目的地に辿り着いた指が蜜芯を捉え、甲高い声を上げた美紅の肢体が震えた。
蕾を捏ねる指先が、一寸違わぬ快感を送り込んでくる。
花芯から花芽を出すことを目的としたその行為は、美紅に悦びを与えてくれる。
「あっ、あんっ、っ! あぅっ、んぁ……ふぅっ……」
陰核をこする指が淫猥な水音を奏で、美紅の鼓膜をくすぐっている。
甘い喜悦と羞恥に苛まれていた美紅は、あっという間に前者だけに思考を持っていかれてしまった。
「ここ、すごく気持ちよさそうだね」
「はぁんっ、いいっ! きもちいっ……」
何度も頷きながら気持ちいいと訴えれば、今まで肉芽の上で快感を生み出していた中指が割れ目をひと撫でしたあとで、ゆっくりと蜜壺に埋め込まれていった。
「ふぁ、っ……あっ!」
中指の付け根が入り口に当たると、今度は親指の腹で花芯を捉えられる。包皮が剝かれて顔を出したそこは、ぷっくりと膨れていた。
彰史は、お互いの唇同士をすり合わせるようなキスをしながら、柔襞を押すように動き始めた指に合わせ、勃ち上がったしこりも捏ね続けた。
快感を受けた美紅の柔壁は、収縮を繰り返す。
程なくして、唇を離した彰史がその反応に微笑み、指をもう一本増やして肉襞をこすった。
「あ、っ、あぁっ、うぅんっ……ァ、んっ……!」
グチュグチュッと音を響かせながら蜜壺の中で縦横無尽に轟く指と、クリクリといじくり回される蜜芯。
両方から送り込まれる的確な快感に、美紅の視界に映る彰史の顔が滲んでいく。
美紅の腰が自然と動き、身体を素直に揺すれば揺するほど深くなっていく喜悦に、涙を流して悦んでいた。
(気持ちいいよ……! でも……)
このまま達することもできるが、美紅はもっと深く鋭い快楽を欲していた。
自ら口にする勇気はないものの、指よりも気持ちよくなれる方法を教え込まれているせいで、身体はそれを求めてしまう。
言葉にできない代わりに、熱を帯びた瞳で訴えるように彰史を見つめてみる。
すると、そんな美紅を見下ろすようにしていた彰史が、膣内から指を抜いて意味深な笑みを零したあと、美紅の両脚を大きく開かせてそこに顔を埋めた。
「美紅がもっと気持ちよくなれるようにしてあげるよ」
彰史の行動を視線で追っていた美紅は、これから与えられる快楽を想像して蜜壺をキュンと震わせた。
「あぁぁっ――」
いきなり陰核を捉えた舌が、しこりの付け根をクルリと一周したあと、先端を舌先でいじり始めた。
さっきまでとは比べものにならない愉悦が押し寄せ、美紅は待ちわびていた行為に恍惚の表情を浮かべ、思わず彰史の頭を押さえるようにサラサラの髪に手を差し込んだ。
彰史は、熱い舌で肉芽をこすったまま、再び膣内に二本の指を挿入した。
長く骨張った指をすんなりと受け入れたそこは、柔襞を轟かせながら奥へと誘い込もうとする。
卑猥な行為は、羞恥を忘れさせるほど甘やかな悦楽を生み出し、美紅はシーツに後頭部を押しつけていた。
視界が白んでいき、思考が鈍く落ちていく。
「あっ、あんっ! ひぅっ、んっ、ぁ……っ、あぁぁぁぁっ――!」
その最中、ツンと尖り切った花芯をちゅうっと吸い上げられ、美紅は容赦なく高みに追い込まれてしまった。
思考が働くようになるまでの間、美紅は微睡みの中にいるような感覚を抱いていた。
彰史は、そんな美紅の身体を労わるようにふんわりと抱きしめ、閉じた瞼やこめかみに唇を落としていく。優しい感触を与えられて、美紅の唇がそっと綻んだ。
ふふっと笑う美紅に、彰史が「どうかした?」と不思議そうに首を傾げる。
「幸せだなぁと思って」
可愛いことを言う妻に、彰史の欲望がビクンと震えた。
お互いの身体が密着してるせいで、その動きをしっかりと感じ取った美紅は、鼓動が大きく高鳴った。
「もう少し休ませてあげようかと思ったけど、煽ったのは美紅だから」
「あんっ……」
秘裂を硬くなった雄芯でこすられ、美紅の腰が震えてしまう。何度かそこで腰を揺らされて、包皮から顔を出したままの蜜芯にも刺激が与えられた。
「よく濡れている。もうグズグズでとろけてしまいそうだ」
両脚を抱えられて、彰史に濡れそぼった秘所をさらけ出す体勢になり、美紅は思わず目を固く閉じてしまった。
そこをじっくりと舐められていた時にも、きっとすべて見られていたはずだが、意地悪な声音で指摘されたことで羞恥が膨らんだ。
「挿れるよ」
「あっ……んぅ、っ……」
コンドームを着けた彰史が、怒張をゆっくりと押し込んでくる。狭い陰道はきゅうきゅうと収縮しているが、愛する人の欲望を包み込むように受け入れていった。
「ふぁっ、んっ、ァ……っ!」
「くっ……!」
みっちりと埋め込まれた陰茎の質量が、美紅の身体を震わせる。直後、彰史がなにかをこらえるように眉を寄せ、歯を食いしばった。
息を吐いた彰史は、美紅を見下ろしながら瞳を緩めた。
「美紅のナカ、随分と俺を受け入れやすくなったね」
「んっ、だって……」
わざわざ耳元で囁かれ、子宮に鈍く疼くような感覚が走った。
処女を捧げた時から今日まで、彰史を何度受け入れたかわからない。
初夜以降は一度も痛みを感じなかったが、最初のうちは苦しくてたまらない時もあった。
しかし、彰史の雄芯を受け入れるだけで気持ちよくなれるようになった身体は、これから訪れる深い快感を待ちわびていた。
「だって?」
「はぁっ、ンッ……彰史さんが……」
「ああ、俺がこんな風にしたんだ。美紅の身体は、とても素直で可愛いね」
満足げな笑みを向けられ、美紅は胸の奥が高鳴った。
性技など持ち合わせていない美紅には、自らの手で彰史を悦ばせる術がわからないが、彼がこうして笑ってくれると嬉しくなる。
「そろそろ動くよ」
待ちわびていた言葉に小さく頷けば、彰史が陰茎をそっと抜き始めた。
圧迫感に包まれていた下肢が、解放されたような感覚を抱く。けれど、その直後、彰史の怒張がズンと最奥を突いた。
「あぁぁぁっ! やぁっ、ふぁっ、あんっ……はぁんっ!」
腰を回した彰史が、滾った自身を締めつける柔襞を縦横無尽にこすり始めれば、美紅の嬌声が飛び散った。
最初から激しい律動に、美紅の視界はまたしても滲んでいく。
それでも、彰史の腰つきに合わせ、美紅自身も腰をくねらせるように揺らしていた。
「ハッ、くっ……」
「あぁっ! いいっ……!」
「じゃあ、ここも可愛がってあげようか」
ふっと笑った彰史が、大きく揺れている膨らみの上の尖った蕾に指を伸ばした。
「やぁんっ」
両方の乳首をぎゅっとつままれ、鋭い快感が送り込まれてくる。
捏ねられたり引っ張られたりすれば、真っ赤な先端から絶妙な喜悦が走り抜けていった。
決して痛くはないように、確実に気持ちよさを感じられる力加減で愛撫する彰史は、美紅の身体を知り尽くしているとしか思えない。
しばらくの間、乳房に実る小さな果実を堪能していた彰史は、おもむろに美紅の下肢に向かって手を滑らせ、薄い茂みをひと撫でしたあとで敏感な芽を探り当てた。
「あんっ、アッ、んぅ……」
凝ったままのしこりを捏ね回されれば、美紅の唇からは甘い声が零れ落ちる。
「そこ……っ、いい……!」
その反応にうっすらと笑みを漏らした彰史は、グチュッグチュッと淫猥な音を響かせるように腰を打ちつける速度を上げ、肉芽をきゅっとつまみ上げた。
「ひゃあぁぁんっ! だめっ、あんっ……イッちゃっ……!」
押し寄せる愉悦を受け止め切れなくなった美紅は、なす術もないままに大きな快楽に包み込まれ、絶頂を迎えた身体とともに脳内が真っ白になった。
「ハッ、ッ……!」
美紅を力強く抱きしめた彰史は、美紅の耳元で噛み殺すように息を吐いた。
収縮を繰り返す美紅の膣内は、彰史の大きく膨らんだ肉棒をきつく締めつける。
その快楽に、彰史は額にうっすら汗を滲ませていた。
まだ息が整わない美紅を見下ろす彰史の瞳は、劣情に塗れているのが見て取れた。
美紅が彰史の表情に見惚れていると、程なくして彼は律動を再開させた。
「やぁんっ! アッ、だめっ、まだっ……!」
さっきの余韻が抜けていない美紅は、再び快楽を押し込まれたことに戸惑いながら、必死に首を横に振って訴えた。
「だめだ……っ、俺も、もう待てない……」
重ねた身体をすり合わせるようにしながらも、彰史は腰を動かし続けている。
そのせいで、彰史の硬い胸板で乳頭をこすられ、時には花芽もかすめられてしまい、美紅の身体には容赦なく快感がぶつけられた。
「もっ、むりぃ……」
「無理? 美紅は、もっと激しいのが好きだろう?」