盗賊王は呪われた王女を激愛して手離せない

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盗賊王は呪われた王女を激愛して手離せない


著者:天ヶ森雀
イラスト:逆月酒乱
発売日:2023年 11月10日
定価:630円+税

アルカ王国第一王女・エヴィーラが誕生したとき、祝福の機会を与えられなかった魔女は彼女に「16歳になると発情期を迎える呪い」をかけた。
美しく聡明に育ったエヴィーラは呪いが発動される前日、自ら王城を出て湖の浮島の塔に引きこもることに。
それから三年後のある夜、エヴィーラは発情期の身体を持て余しながら眠りについていた。
彼女が不審な物音に目を覚ますと、そこにいたのは見知らぬ異国の男で……!?
発情期の身体が甘く疼いてしまうエヴィーラ。そんな彼女に誘われるように男は激しく唇を触れ合わせいた。
だが、発情の呪いに対抗した男は、なんとか平静を保とうと自身の太腿にナイフを突き立てた――!?
一晩明け、フェイと名乗る彼の話を聞くと、どうやら彼はエヴィーラが目的ではなく塔に隠された宝を求めやってきたという。
二人で宝を探し無事に見つけたところで、国王がエヴィーラを嫁がせるため塔から連れ出そうとしていることを知る。
無理矢理の結婚でも仕方がないと諦める彼女に、フェイはまっすぐな瞳で問いかけた――。
「自由になりたくないのか?」
こうして逃亡生活が始まった二人は、呪いとは関係なく互いに心も惹かれてしまい――?
だが、二人の元には国王からの追手も着実に近づいていて――!?

【人物紹介】

エヴィーラ・マルドウナ
19歳。アルカ王国の第一王女。
運命に抗う芯の強さと聡明さをもつ深窓の姫君。根は素直で好奇心旺盛。
魔女に発情の呪いをかけられ、『呪われ姫』と呼ばれている。
塔に引きこもっていたところ、フェイと出会って……?

リアム・イーサン・フェイ
自信家で俺様な雰囲気があるが、惚れた相手にはとことん甘く大事にする。
奔放な一面があるものの、周囲から愛されるカリスマ性も持ち合わせている。
宝を取り戻しに塔へとやってきた彼は、名家の生まれだという話だが――?

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【試し読み】

『愛してる』
 そう言われて、信じられないほど有頂天になる。正直に言えば『なんでこんなに面倒な女を?』とか『外見や呪いのせい?』という一抹の不安が頭の隅をよぎったけれど、彼の情熱的で激しいキスによって全部押し流されていった。
 いい。どうでもいい。彼の言葉が本心でもそうでなくても、私が彼を好きで、触れてもらいたいのだから。
 とは言えキスだけでこんなに気持ちいいなんて、この後どうなってしまうんだろう。
 そんな不安を読み取ったのか、フェイは優しい笑顔で私の頬を撫でてくれた。
「なるべく優しくするつもりだが……こっちも色々我慢の限界でね。痛かったら悪い」
 その声を聞いただけで嬉しくなる。だって今まで私の呪いのせいで豹変した男たちは、欲望のあまり理性を失い、私の人格や感覚なんて全く気にしていなかったから。
 けれど少なくともフェイは私を尊重してくれている。それだけでも呪いによる劣等感(コンプレックス)が洗い流される気がした。
 地面に敷かれた毛布の上で、唾液を絡める濡れたいやらしい音を立てながら、何度も深いキスを繰り返す。思考は熱したバターのように溶け、私は彼の首に腕を回し、短い黒髪に指を絡ませる。それが気持ちよかったのか、彼は顔を浮かして私を見つめるとくぐもった息を漏らし、更に唇を重ねて舌を絡ませてきた。
「ん、んぅん……」
 ――好き。気持ちいい。大好き。
 私はさっき覚えたばかりの鼻呼吸をして、必死に彼の唇や舌に応える。絡め合った舌から、脳に向かって甘い痺れが駆け抜けていく。思わず膝が浮いてしまい、彼の太腿に当たってしまった。
 やがて名残惜しそうに唇を離すと、彼は私の頬や額にもキスを落とし始めた。
 やだ、擽ったい。旅の間伸ばしっぱなしの彼の無精ひげが肌に当たってチクチクする。
「フェイ、フェイ…………」
 その擽ったささえも、私の体温を上げていく刺激となった。思わずくすくす笑いながら身を捩っていると、不意に耳朶を軽くかまれてビクンと体が震えた。
「耳、弱いな」
 嬉しそうな呟きに動揺する。弱いってなにが?
 更に耳の中に舌を差し込まれて変な気分になった。背中がゾワゾワする。
「フェイ、やだ、耳……」
「そうか、じゃあこっちは?」
 そう言って彼は首筋に唇を落としてきた。そのままちゅ、ちゅ、と口付けてから舌でぺろりと舐める。
「ふぁっ、あぁん……っ」
 なぜか分からないけど、鼻にかかったような変な声が漏れてしまう。恥ずかしい。
「よしよし、いい子だ……」
 彼は子供をあやすように私の頭を撫で、また頬に口付けた。これは怖くない。私はぎゅっと瞑っていた目を開けて、私に覆いかぶさっているフェイを見つめた。
「どうした?」
「あの……男の人って、その、あ、アレを入れたいんじゃないの……?」
 さっきから太ももに当たっている熱い塊は、温泉から駆け戻ってきた時に天を向いて勃ち上がっていた。ち、ちらりとしか見てないけど!
「あの、つまり……フェイが私を怖がらせないために我慢しているんだったら、その……」
 口に出すのもかなり恥ずかしかったから、言葉はしどろもどろだし顔も熱い。あまりの恥ずかしさに一度視線を逸らしてからまた恐る恐る窺うと、フェイは困ったような顔で笑ってた。
「お気遣いありがとよ。確かにあんたにすぐ挿れたいのはやまやまだが……せっかく好きな女を抱けるんだ。先に色々味わいたい」
「!」
 味わう? ってなにを!? っていうかそういうもの?
 真っ赤になって目を丸くした私を納得させるように彼は続けた。
「そもそもあんたが気持ちよくなってなきゃ意味がない」
「そうなの……?」
「当たり前だろ? 好きな女が気持ちよくなっていくのを見て男はどんどん興奮するんだから」
 至極当然に説明されて、更に顔が熱くなった。すると彼はまた唇を重ねてねっとりと焦らすように舌を絡めてくる。鼻で呼吸することを覚えた私は、必死で彼に応えた。彼とのキスは気持ちいい。たまらなくうっとりする。
「ほら、そんな風に気持ちよくて仕方がない顔も、恥ずかしがって泣きそうな顔で俺を欲しがってくるのも、すげえそそるし煽られる」
「そ、それは……」
 わざとじゃないし! 彼を煽ろうとなんてしてもいない。
「可愛いよ、エヴィーラ」
 耳元で囁かれて、お腹の奥がずくんと疼いた。
「や、フェイ、そんなこと言ったら……!」
「俺の声で感じてるのか?」
 嬉しそうな声が信じられないほど色っぽい。
「だ、だって……っ」
 益々泣きそうになってしまった。彼の声だけでおかしくなるなんてどうしたらいいの。
「もっと――いっぱい気持ちよくさせてやるよ。余計なことは何も考えられなくなるくらい」
 潜めた声に鼓膜ごと翻弄されて、私はブンと頷いた。
 怖い。でも怖くない。フェイなら平気。フェイにならどんなことをされても大丈夫。
 それでも少し怖くてぎゅっと目を瞑っていると、彼の手が私の胸に置かれるのが分かる。ふくらみの形を確かめるように全体を撫でてから、掌で覆って揉み始めた。
「すっげえ柔らけぇ……」
 感嘆したような声に、どうしていいか分からない。確かに男女で一番違う部分だとは思うんだけど。ただ彼の掌が先端に触れるたびにぴりぴりと体の中を小さな雷が走るような感覚に襲われた。両方の胸を揉みながら、フェイの唇が首筋から鎖骨、胸のふくらみの方へ落ちていく。そして右手が一瞬離れたかと思うと、ちゅっと先端に口付けられた。
「ぁん……っ!」
 軽く触れられただけなのに、大きな声が漏れる。それなのに彼の唇は左胸の先端を含み、強く吸い始めた。
「あ、や、ダメ、それ…………っ!」
 強く吸われる度に体の芯が強く震え、足の間がもじもじしてしまう。
 あまりの激しい感覚に彼の頭を剥がそうとするが、びくとも動かなかった。どんどん固くなる先端に舌を巻き付けられ、我知らず腰が浮く。
「あんっ、あ、ぁあん……っ、はぁ、あ、やぁ……っ」
 気が付けばもう片方の胸の先端は彼の指先で摘ままれ、くりくりと弄られていた。こちらも痛くはないが信じられないほど気持ちよくておかしくなりそう。
「フェイ、フェイ…………」
「いい子だ、大丈夫、大丈夫だから」
 彼は優しくそう言うと、今度はもう片方の胸を唇で愛撫し始め、反対の唾液で濡れていた先端を指で弄り始める。右の胸もさんざん口中に引き込んでしゃぶった後、ちゅぽっと音を立てて唇を離し、私の方を窺った。
「気持ちいいか?」
「や、あの……おかしくなりそうで怖いの……」
「……言い方を変えよう。嫌な感じはしないか?」
 訊かれて動かない頭で必死で考える。
「いや、じゃない……」
「そっか」
 ふにゃっと嬉しそうに笑う彼が可愛い。私は思わず彼の顔を引き寄せてキスをねだった。彼は応えて優しいキスをしてくれる。
「エヴィーラ、可愛い。愛してる――」
 そう囁きながら彼の手が更に胸から脇腹を通って太腿に落ちていく。お尻の丸みを撫でられて、小さく震えた。
 彼は私の足の間に体を滑らせると、大きく足を開かせる。そしてお腹やお臍にもキスを落としながら私の両足を抱きかかえて持ち上げた。私の両膝の裏を自分の肩に引っ掛けて、太ももの内側を撫でながら今度はそこにもキスを落としていく。刺激が欲しい場所に近付いていく予感が、私を益々おかしくさせる。
 やがて足の間にある部分を両手の指で大きく広げ始めた。
「や、フェイ、そこは――!」
「ああ、すっかり熟れて蜜を零してる。すごく綺麗だ――」
 彼はうっとりした声でそう言うと、そこにも口づけ始めた。
「ひゃ、ダメ、あぁあああああ…………!」
 上部の敏感になっている場所をじゅっと吸われ、舌でちゅくちゅくと舐められる。同時に彼の指が花弁の奥を行き来し始める。その度に私の奇声は止まらなくなった。
「フェイ、お願い、ダメ、もう――っ!」
 何かがせり上がってきて、私の体を一気に押し上げる。びくびくと大きく体が震え、私は絶頂を迎えた。
「……ああ、上手にイけたな。いい子だ……」
 優しい声に褒められて、ようやく体中に入っていた力が抜けていく。はあはあと荒い息だけが洞窟内に響いた。なに? こんなの初めて。
 けれど安心したのも束の間だった。私の襞の中を行き来していた彼の指が、入り口を見つけて私の中に潜り込み始めたのだ。
「あ、フェイ、そこ――」
「ああ。あんたと俺が一つになる入り口だ」
 初めて異物を迎える緊張に、また体が強張ってしまう。
「こら、体の力を抜きな。そんなんじゃ痛みが増しちまう」
「そ、そんなこと言ったって……」
 どうすれば体の力が抜けるのか分からない。
 彼は私の中に指を入れたまま体をずらし、もう片方の手で頭を撫でながらまた溺れるようなキスをした。
「エヴィーラ――」
 熱っぽい目が私を見つめてくる。
「何があってもあんたを傷付けはしない。信じてくれ」
 彼のキスには何か魔力が潜んでいるのかもしれない。もしかしたらその視線にも。
 口付けと視線だけで私はいともあっさり陥落してしまった。
「だいじょうぶ……すきにして、いいよ……」
 少し震えながらそう言うと、彼は切なげな瞳になり、私の瞼にキスをした。そして節の高い指を奥へと押し込む。
「んん……っ!」
「まだきつい、か……」
「ごめ、なさい……」
「あんたのせいじゃねえよ。それをなんとかするのが姫君の初めてを貰う醍醐味だしな?」
 ニッと笑うフェイの悪辣な顔に、私もつい吹き出してしまう。
 その途端、彼の指が更に奥へと押し込まれた。まるで私の内側が彼を招くように。彼の指はしばらく私の中をさまよっていたが、ある一点に彼の指が当たって、私はびくびくと跳ねてしまう。
「あぁああん…………っ、フェイ、ダメそこぉ……っ!」
「……ああ、ここか?」
 ダメと言ったのに、フェイはそこを激しく擦ってくる。今までと違う強烈な刺激に私はあられもない声を上げて翻弄されていた。
「ダメ、……ぁんっ、ひゃ、フェイ、フェ……あぁああああんっ!」
「構うこたねえ、イっちまいな!」
 彼の掠れた声が甘く響き、またもやお腹の奥から何かがせり上がってきて、私は一気に上り詰めてしまう。
「ふぇ………」
 もう泣いているのか彼の名前を呼んでいるのかよく分からなくなっていた。内側をぴくぴく震わせながら、体は弛緩してしまっている。
 うっすらと開いた眼の先で、フェイは私の中から引き抜いた指をぺろりと舐めていた。
「や、そんなの汚い……」
「汚くなんかねえよ。あんたの味だ」
 恥ずかしいのに体はふわふわしたままで動けない。
「指、増やすぞ?」
「え?」
 何を言われたか分からず戸惑っている間に、彼の指が再び私のナカに入ってくる。
「あ、ダメ、まだそこひくひくしてて……っ」
「ああ、だからそのままほぐしちまおうぜ」
「あ、や、はぅん……っ」
「……ほら、さっきより入るようになった――」
 嬉しそうな彼の声に、どうしていいか分からない。でもそうよね、本当は指じゃなく彼のアレをいれるんだもんね。あんな大きなもの、本当に入るのか分からないけど。
 でも――ずっと固くしたままのアレを我慢したまま、彼は私が痛い思いをしないように頑張ってくれてるんだ。
 そう思うと嬉しさと愛しさで溢れてしまう。増やされた彼の指が私のナカで暴れまわるのを、私は必死で受け入れた。
「……エヴィーラ?」
「平気、だもの。フェイにならどんなことをされても平気」
 そう言った途端、彼の頬が紅潮し、抑え込まれていた何かが溢れ出る気がした。
「…………くそっ」
 彼は口汚く舌打ちすると、更に私のナカを十分にほぐしてから足を大きく開かせた。
「加減できなかったらすまねえ」
 ……ああ、彼も限界なんだ。そう思ったら自然に彼の方へ手を伸ばしていた。
「大丈夫、来て」
 ――私の中へ。怖くないから。
 彼は固くなっていた分身を私の入り口に当てると、ゆっくりと押し入り始める。指とは比較にならない圧迫が私のナカを埋めていった。
「はぅん……っ!」
 みちみちと埋め尽くされていく感覚。痛みはあるけれど我慢できないほどではない。
「……好き」
 我知らずそう呟いていた。しかしそれが彼の耳に届いたのか、強直が更に大きくなる。
「あ、フェイ、あぁあ……んっ」
「エヴィーラ、エヴィーラ……っ」
 私の名前を呼びながら、彼は不屈の精神で奥へと突き進んできた。
「あ――」
 それでもようやっと半分くらいで止まってしまう。
「フェイ……」
 私は泣きそうな顔で彼を見上げる。彼も少し苦しそうだった。やはりきついのだろう。
「分かるか? ここに俺がいるのが」
 お腹の上から撫でられて、またズクンと疼いてしまう。その瞬間、更に奥に押し込まれた。
「変。辛いけど嬉しいの。痛いけどずっとこうしていたいの――」
「ああ、俺もだ」

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