絶倫御曹司の淫靡な溺愛は疼く身体を蕩かせる

書籍情報

絶倫御曹司の淫靡な溺愛は疼く身体を蕩かせる


著者:本郷アキ
イラスト:北沢きょう
発売日:2023年 11月24日
定価:630円+税

27歳の誕生日。
みちるは最愛の恋人である悠人にプロポーズをされる。
まっすぐな愛を捧げてくれる悠人の言葉にみちるは頷くが、彼女には一つ悩みがあった。
悠人とのセックスが物足りないのだ。
彼の気遣いも、身体の相性も抜群だからこそ、もっと求め合いたいと思っているのだが――。
――そういうの〝清楚系ビッチ〟って言うんだっけ。
高校時代の恋人に言われた謂れのない言葉がみちるの頭を駆け巡る。
みちるは自分が我慢すればと考えていたが、どうやら悠人にも事情があるようで――!?

【人物紹介】

奥村みちる(おくむら みちる)
企業の受付業務をしている27歳。
ぱっちりとした大きな目が特徴の可憐な顔立ちをしている。
実は隠れ肉食系女子で、初心なふりをしていることも。
実はみちるには悠人に言えない悩みがあって――?

梶原悠人(かじはら ゆうと)
大企業の御曹司でありながらも、IT企業でエンジニアをしている27歳。
高身長かつ端正な顔立ちで、高潔な雰囲気を纏っている。
しっかり者だが、少し照れ屋なところもある。
みちるとは大学三年の頃からの付き合い。

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【試し読み】

 彼の逞しい胸板に胸を押しつけ、頬に口づける。
 ちゅ、ちゅっと音を立てて、頬から首筋にキスをした。
「こら、くすぐったいって……っ」
 くすぐったいと言いながらも、腰を支える彼の手が妖しく動き始める。みちるの背中から腰の括れを撫で、臀部に触れられる。
「だって、ちゅーしたい」
 みちるがキスをしながら腰をくねらせると、足の間にあたる彼のものはすっかり大きくなっていた。身体を捩るたびに昂る雄がパジャマ越しにあたり、興奮が高まってくる。
(早くほしいな……このまま挿れてくれてもいいんだけど)
 みちるは、自身の性欲がだいぶ強いと理解している。彼に同じだけの欲を求めて引かれるのはごめんだ。だが、年々増していくもどかしさに、感情が溢れそうになる。特に今日はプロポーズをされ、気持ちが高揚している分、抑えられない。
(前戯とかいらないから、早く中を突いて、擦ってほしい)
 絶対に彼はそんな性急な真似をしないとわかっているが、心の中で願ってしまう。強引に、もっと乱暴に奪われたいと。みちるは彼と付き合ってから、常にそんな欲求を抱えていた。暴力はいやだけれど、優しいだけのセックスじゃ足りないのだ。
(でも、そんなの言えるはずないし)
 誘うようにみちるが軽く腰を揺らすと、滾った陰茎がますます大きく膨れ上がり、悠人が穿いているスウェットを押し上げた。
「……っん、ベッドに行こう」
「うん」
 ここまで誘って、ようやくその気になってくれたらしい。
 悠人は艶めかしい息を吐きながら、みちるの身体を抱えて寝室のドアを開けた。ベッドに寝かされると、手早く服を脱がされる。
 唇へのキスから始まり、全身に甘く口づけられた。
 手のひらを取られ指を一本ずつ口に含まれた。肩や腕を通り、胸を念入りに舐められ、ふくらはぎや太腿の付け根まで、余すところなく舌が這う。
 悠人の唾液で肌がべたつき、特に念入りに愛撫された秘所は、シーツにしみを作るほどの愛液にまみれていた。触れていない部分などないくらい、手と舌で全身を丁寧に愛撫されて、みちるはすでに息も絶え絶えの状態だった。
(もう無理……無理……挿れてよ~っ!)
 挿入に至る頃には何度も達かされ、一時間も二時間も経っていることが普通で、みちるはこのもどかしさに毎回耐えねばならなかった。
(今日は……何回達ったんだろう……やば、寝ちゃいそう)
 彼のものがようやく身体に埋められ、力強く脈動する肉茎が緩やかに動かされた。挿入はいつもゆっくりで、愛撫で蕩けきった身体には苦しいくらいに焦れったい。
「も……もう、いいよ……いっぱい、動いて」
「だめ。痛くしたくないんだよ」
 宥めるように額に口づけられた。そう言われてしまうと、彼の厚意を受け取るしかない。
 悠人は、いつだってみちるの身体を労ってくれる優し過ぎる人だ。彼はみちるに覆い被さりながら、徐々にその動きを速めていく。
「あぁ、んっ」
「みちる……可愛い」
 エアコンの効いた室内は寒いほどなのに、ベッドで絡み合う二人の身体には汗がびっしょりと浮かんでいた。
 何度も体位を変えながら愛撫されたため、シーツはぐちゃぐちゃに乱れ、毛布はベッドの横に落ちている。室内には淫らな息遣いと腰を打ちつける肌の音だけが響いた。
「もう、出そうだ」
 荒く息をついた悠人が腰を震わせた。彼の汗がぽたぽたと胸元に滴り落ちる。彼の腰の動きがよりいっそう激しさを増す。腰を押し回しながら違った角度で蜜襞を穿たれると、頭の奥に靄がかかったようになにも考えられなくなる。
「あ、あっ……気持ちい……私も、もう……っ」
 愛しく思う人との行為はいつだってみちるに充足感を与えてくれる。彼の体液も、汗すらも、不快には思わない。
「あぁ……っ」
 汗ばんだ手のひらで腿を持ち上げられて、先ほどよりも奧を穿たれる。
(あ~それ、すっごく気持ちいい……っ、もっと、ぐりぐりしてほしい、また達けそう)
 媚肉を削り取るような動きで腰を動かされると、強烈な快感が幾度となく押し寄せてくる。みちるは甘ったるい声を出し、彼の耳元で喘いだ。
「気持ち、い……悠人、悠人……好き」
「みちる、もう……っ、出すぞ」
 悠人は眉間を寄せながら苦しそうに顔を歪め、息を詰めた。ぶるりと彼の腰が震えて、素早い腰の動きが緩やかになる。
「あっ……はぁ、はっ」
 みちるは彼の精を避妊具越しに受け止め、強張った全身から力を抜いた。ぼんやりと自室の天井を見ていると、案じるような視線が向けられる。
「身体、辛くなかったか?」
 気遣わしげな声をかけられて、頷いた。
(やっぱり足りない。もう一回したい……ううん、あと二回……)
 けれど、すでに深夜を回っていると考えると無理だ。たとえ時間が早くとも悠人とのセックスはいつだって一回だけなのだが。
(あ~もう、まだムラムラする)
 悠人とのセックスの相性は非常によかった。
 軽く擦られるだけでも恍惚とした心地好さに満たされる。悠人が上手いのもあるが、自分と彼の形がぴったりとフィットしているようで、いつも挿れられただけで達してしまう。
 だからよけいにみちるの性欲が収まらないのだ。気持ち良過ぎて、ずっとこの快感に浸っていたくて、何度達しても物足りない。
(ほとんど毎日エッチしてるのに、悠人を思い出して一人エッチするとか虚し過ぎる)
 けれど、そうしなければ我慢ができない。どうしてこんなに性欲が強いのだろう。みちるはため息をこらえて、ふたたび疼き始める身体をなんとか抑えようとする。
 しかし、中を埋め尽くしていた巨大な肉塊がゆっくりと出ていく感覚に包まれると、熱を持ったままの身体が昂り、ねだるような声が漏れてしまう。
「あ、んっ」
 数度達したものの、ふたたび達する寸前でそこに至れなかった身体はひどく敏感だ。硬い状態を保ったままの陰茎で蜜襞を擦られる心地好さに腰がびくりと跳ねる。
 だが彼は、みちるの反応を痛みと捉えたのか、さらに気遣うような視線を向けてきた。
「悪い。痛かったか?」
 へにょりと下がった眉はひどく申し訳なさそうで、みちるは後ろめたさを覚えた。セックスの気持ち良さを思い出して、興奮していただけなのに。
「う、ううん……違うの。平気、だから」
 身体の奥に灯った熱はくすぶったまま消えてくれない。だが、優しい彼はこれ以上続きをしようとはしないだろう。みちるも、もう一度してとは言えなかった。
(付き合ったばかりの頃に打ち明ければよかったけど……いつもムラムラしてるなんて言ったら引かれてただろうし、今こうしていられなかったかもしれないよね)
 悠人との結婚に躊躇いはないし、セックスの質には満足している。けれどみちるは、常に自分の性欲を持て余している。つまり、もっと彼に頑張ってほしいのだ。
(一回じゃ全然、まったく足りない!)
 悠人は性欲がそこまで強くないのか、一度身体を重ねれば満足しているようだった。一度達しても萎えていないのに、睡眠欲に抗えないのかなんなのか、みちるを抱き締めたまま眠ってしまう。
 だからみちるは、すっきりした彼の隣で常に物足りなさを感じている状態だ。仕方なく彼がいないところで一人慰めるしか、欲求不満を解消する方法はない。
(どんなに可愛くおねだりしても、誘われてくれないんだもん……どうすればいいの)
 三回とは言わない。せめて二回。そう思っていても、物足りないなどと打ち明けられるはずもなく、おねだりも失敗に終わっている。
 おそらく結婚したとしてもそれは変わらないだろう。回数は増えるどころか、年数を重ねれば減る可能性だってあるのではないか。
 身体を重ねるだけが愛情を確かめる方法ではないとわかってはいるが、そもそも好意を持った相手に対して性欲を抱くのは本能である。それに抗うのは簡単ではない。
(物足りないとか、もっと激しくしてもいいとか……それを言って前と同じことになったら)
 頭の中に〝清楚系ビッチ〟という言葉が浮かび、みちるはぎゅっと唇を噛みしめた。ため息を押し隠し、悠人の背中から手を離す。
 悠人はみちるが離れたタイミングで屹立したものから避妊具を外し、ゴミ箱へと捨てる。
 自分から手を離したくせに、悠人の身体が離れていくと寂しさに襲われる。みちるは避妊具の処理を終えた悠人の腕を掴んで、甘えるように頬を擦り寄せた。
「どうした?」
「くっつきたい、だめ?」
 甘えてねだるような声で言った。すると小さく笑われる。仕方がないな、そんなふうに髪を撫でられるのが好きだ。
「だめじゃない」
 賢者タイムに触れられるのを厭う男性も多いと聞くし、みちるの前の彼氏がまんまそのタイプだったが、悠人はむしろセックスのあとも甘く、肌を触れあわせているのが好きなようだった。
(そういうところも、好き)
 彼の腕にぎゅうっと抱きつき、顔を上げてキスをねだる。頬に軽く触れた唇がちゅっと軽い音を立てて離れていく。
「可愛い」
 心底愛おしいといった様子で後頭部を押さえられて、逞しい胸元に引き寄せられた。顔が埋まり、二人でベッドに倒れ込む。
 悠人のキスはやまず、額や頬、唇に何度も啄むように口づけられる。このままの流れで二度目のセックスに持ち込めるのではないだろうか、と考えていたときもあった。
 だって、足にあたる彼のものはまだ昂ったままなのだから。
 みちるが「もう一度」と誘おうと口を開きかけたそのとき。〝清楚系ビッチ〟と呼ばれた過去をふいに思い出してしまった。

 ──おとなしそうな顔して、かなりのビッチだよな、お前。そういうの〝清楚系ビッチ〟って言うんだっけ。

***

「ね、悠人……これ、平気なの?」
 みちるは彼の胸に顔を埋め、滾ったままの悠人のものにそろそろと手を伸ばした。
「あぁ、平気。そのうち収まるから」
 しかし、当然のごとく断られてしまう。そのたびにため息が漏れそうになるのをこらえて、どうすればその気になってくれるのかを必死に考えている。
「私は……まだしてもいいよ? 悠人に我慢してほしくないし」
 上を向いた陰茎に手を伸ばす。つるりとした丸い亀頭を指先で撫でると、精液の残滓が先端から溢れてくる。
「は……っ」
 悠人の口から艶めかしい息遣いが漏れて、みちるはますます興奮してしまう。陰茎に舌を這わせ、陰嚢を口に含んで舐めしゃぶったら、どれだけの反応を見せてくれるだろう。
(悠人は、私にフェラもさせないよね)
 みちるにそんなことはさせられない、とでも思っているのだろうか。舐めてくれと言われたなら、自分から行動もできるというのに。
(押し倒したい……)
 彼に余裕をなくさせもう一戦に持ち込みたい。だが、恥じらうふりをするしかないのが焦れったくて仕方がない。
(エッチさせてよ!)
 悠人の熱い昂りに触れていると、蜜襞を擦り上げられる感覚を思い出してしまい、ぞくりと肌が震えた。
「……っ、ん」
 もう一度触れてほしい。抱かれたい。みちるは色香を含んだ吐息を漏らした。その瞬間、手のひらにある彼のものがびくんと脈打つ。下半身はこんなに反応していて、みちるの中に入りたがっているというのに。
(なんでだめなの?)
 それほどまでに眠いのか。気持ちが満たされているから必要がないのか。どうしてこんなに大きくなっているのに、セックスできないのか、みちるにはさっぱりわからない。
 足りない、と口に出しかけては〝清楚系ビッチ〟という言葉を思い出してしまい、二の足を踏んでしまう。
「こら、触るなよ。出さなきゃ治まらなくなる」
 悠人は陰茎を握りしめるみちるの手に、自分の手を重ねてそっと外した。流されてそのままもう一戦持ち込む作戦は、今日も失敗だ。
「でも……これ、辛くない? 私なら……」
「いいよ。みちるに無理をさせたくない」
 みちるをぴしゃりと拒絶した悠人は、性欲を振り払うように目を瞑り、眠ろうとする。無理じゃないとみちるが言っても、おそらく聞き入れてはくれないだろう。結婚に迷いはないのに、時々、悠人の気持ちがわからなくなる。だから不安なのだ。
「悠人のそういう優しいところ、大好きだよ」
 諦めきれなかったみちるは、悠人の腕に絡みつき、豊満な胸を押し当てた。
 柔らかな乳房の感触に驚いたのか、悠人が一瞬、腕を引くような動作を見せた。そしてぐっと耐えるように唇を真一文字に結び、深く息を吐きだす。
「俺も、みちるが好きだよ」
 好きだと言いながらも、悠人はみちるを優しく抱き締めるだけ。
 ぐいぐいと胸を押しつけると、足にあたる悠人の肉棒がはち切れんばかりに硬くなっていく。みちるは逞しい腕に乳首を擦りつけながら、甘ったるく息を漏らす。
「ん……っ」
 甘ったるい喘ぎ声が漏れた。
 それでも構わず、彼の腕に乳首を擦りつけ、夢中になって動かす。彼はみちるの狙いなど知らない。みちるがぎゅうぎゅうと腕に抱きついているとしか思わないだろう。
 発情し赤らんだ顔を見せつけるように上げると、彼もまた熱に浮かされたような顔をしていた。そうして、さりげなく誘うくらいしかみちるにできることはなかった。
(だって、悠人に〝ビッチ〟って思われたら、生きていけない)
 充と別れたときには感じなかった焦りが、みちるを臆病にする。
 悠人と長く付き合えば付き合うほど、この人しかいないと思うようになった。付き合って六年。結婚だって決まった。
 結婚相手は悠人しか考えられない。つまり、みちるはもう一生、悠人としかセックスしないのだ。だからこそ、この不満をどうにか解消できないかと日々悩んでいる。
「好き……悠人、好き」
 みちるは彼の太ももに足を絡ませて、腰をかすかに揺らし、陰茎を擦る。耳元で聞こえる彼の吐息が次第に荒くなっていった。
「あ、はぁっ……み、ちるっ! それ以上くっつかれると、まずいんだって!」
 悠人は、みちるがわざとやっているとは微塵も思わないのか、焦ったように腕を突っ張り距離を取った。なにかを耐えるように眉を寄せ、苦しそうに息を吐きだす。彼の目は欲情を孕んでいる。けれど、気持ちが凪いでいるのか、淡々と言葉を続けた。
「ほら、もう寝よう。明日も早いし。おやすみ」
 彼の股間はすでに臨戦状態に入っているというのに、それがもらえないなんて。
「おやすみ……」
 悠人に背中を向けられてしまい、ため息を呑み込んだ。しばらくすると彼の寝息が聞こえてくる。
 みちるは身体の疼きが収まらず、そろそろと足の間に手を伸ばした。下着の中に手を入れて、陰唇をそっとなぞる。すでにそこは乾いていたが、指で触れるだけで音が立つほどに新たな愛液が溢れてきた。
 くちゅ、ぬちゅ。隣で眠る彼を窺いながら、指の動きを速めて、達することだけを考える。指の腹でクリトリスを刺激し、蜜壺の浅い部分を擦り上げた。
「……ぅっん! はぁ、はっ、はっ……ん」

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