エリート御曹司は幼馴染の没落令嬢に淫らな欲情を刻みつけて ~子づくり婚は愛で満たされている~
著者:桔梗楓
イラスト:園見亜季
発売日:2023年 12月8日
定価:620円+税
子どもの頃から厳しくしつけられていた元華族・南部家の娘である千尋は大人になった現在も両親の命に囚われている。
両親の言いつけのもと、世界的に有名なIT企業の社長息子・北條貴幸に近づくため、上流階級のレセプションパーティーに足を運ぶ千尋。
彼とは幼稚舎の頃からの幼馴染ではあるものの、実際にプライベートでの付き合いは薄かった。それでも彼女は貴幸との思い出に秘めた想いを抱いていた――。
パーティー会場では貴幸の周りに人だかりが出来ており、なかなか近づけない。
焦る千尋に元同級生の男が絡んできたのだが、貴幸が彼女を助けてくれて――!?
千載一遇のチャンスと千尋がプロポーズをすると彼はあっさりと受け入れて、結婚することに……。
少ないながらも大切な学生時代の話に花を咲かせつつ、貴幸の自宅へと向かう二人。
両親の命令を受けていることに罪悪感を抱いた千尋は、彼に本当の目的を告げたのだが――?
貴幸から返ってきたのはまさかの真っ直ぐな告白だった……!?
千尋自身の気持ちもついに暴かれてしまい、彼は優しくも淫らな手付きで彼女を誘う――。
「ずっと好きだった……愛しているよ」
貴幸からの独占欲と執着心に千尋の心は次第に愛で満たされていくのだが――!?
【人物紹介】
南部千尋(なんべ ちひろ)
元・華族である南部家の娘。27歳。
現在は会社員とアルバイトを掛け持ちしている。
普段はあまり感情を見せないのだが、貴幸に対しては表情豊かになるようで――?
北條貴幸(ほうじょう たかゆき)
世界的に有名なIT企業、篠光芒株式会社の社長息子。29歳。
表向きは柔和な紳士だが執着心が強い一面も。
千尋に対して長い間想いを抱いていたらしく――!?
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【試し読み】
貴幸が意地悪そうに目を細める。
「俺にキスしてくれる?」
「え……」
途端、千尋は恥ずかしさに体が熱くなった。
「俺はこんなにも君が好きだけど、君も俺のことが好きなんだって、俺に信じさせてほしいんだ」
そう言って、貴幸は自分の唇に人差し指を当ててから、千尋の唇に指を当てる。
「う……あ」
顔を赤らめる千尋を、彼は愛おしそうに見つめた。
「ちゃんと俺が信じられるようなキスをするんだよ。舌を絡ませたり、俺の舌を吸ったり、何度も啄んだりしてね」
具体的に説明されて、千尋は恥ずかしさに倒れそうになった。
「でっ、できるかしら。私、初めてだから」
「できるよ。俺のことが好きならね」
そう言われると、できないとは言えない。千尋はごくりと生唾を呑み込んだあと、体を横に向けた。目の前では貴幸が柔和に微笑んでいる。
「わかったわ」
覚悟を決めて、千尋はそっと彼の肩に手を置いた。
「い、いくわよ」
「どうぞ」
生真面目な千尋がおかしくて仕方ないのか、貴幸はくっくっと笑った。
(キス……。こ、こうだったっけ?)
さっき彼にされたことを思い出して、千尋は貴幸の唇に触れた。
貴幸の唇は薄く、そして少し硬い。でも弾力がある。
ドキドキしている。この動悸は緊張しているからだろうか。それとも、自分からキスをしていることに興奮しているのか。
(舌を……入れなきゃ)
こんなことはもちろん初めてだ。千尋はたどたどしく貴幸の唇を舌で割り、挿し込む。
「ん、ン……」
自分の舌で、彼の舌を探る。奥のほうにあるのを舌先でちろちろと舐めた。貴幸がふっと笑う。
ゆっくりと舌を絡ませて、ちゅっと音を立てて吸う。
不思議な感覚だった。唾液を交換するような濃厚な触れ合いは、千尋の気持ちを高めていく。
かつてないほど心の鼓動は早鐘を打っていて、気付けば千尋は夢中になって貴幸の舌を味わっていた。
「ふっ、……ん」
唇を離すと、唾液が糸を引いた。もう一度口づけて、貴幸の上唇を食む。更にキスを重ねて、次は下唇に触れる。
「はっ……」
息を吐いて、千尋は貴幸から少し離れた。
「こ、こういう感じ……で、いいの?」
ドキドキしながら尋ねると、彼は満足そうに目を細めて頷く。
「ありがとう。慣れていないのに、一生懸命俺の唇を求める千尋は、たまらないほど可愛かったよ」
優しく微笑み、柔らかに髪を撫でた。ほんわりと嬉しくなる。
「じゃあ次は俺の番だね」
ぐ、と千尋の腰を抱き寄せる。そして唇に口づけをした。
(あ……っ)
彼は大きく口を開けて、食べるみたいに千尋の唇を啄む。そして口の中に舌を差し入れ、ぐちゅりと音を立てて千尋の舌を絡め取った。
舌をまぐわせるたび、くちゅくちゅといやらしい音が鳴る。
なんてはしたないやりとりだろう。そう思うと同時に、この行為が恥ずかしいほど、心がドキドキする。冬なのに、体は熱を帯びたように火照って、汗をかくほど熱くなる。
ちゅる、と音がして、貴幸は千尋の舌を吸い上げた。そして執拗に舌先を舐める。
「ん、ン……」
千尋は息苦しくなった。あまりに貴幸の口づけは熱烈で、息をつく暇がない。
「はあ、千尋。君とこんなふうに触れ合える日を心待ちにしていたよ」
口元で甘く囁く。彼の手がそっと背中をさすった。
今日の千尋の様相はAラインのワンピース。貴幸は背中のジッパーを摘まみ、スッと引き下ろした。
千尋は緊張のあまり、思わず体を強張らせる。
「大丈夫。怖いことはしない」
貴幸が千尋をなだめるように、優しく背中を撫でる。
(うう、緊張する。私、どうしたらいいの?)
千尋は恐れるようにびくびくと体を震わせた。
「もしかして、自分で脱ぐほうがいい?」
笑い混じりに尋ねられる。
「そ、そのほうがいいかもしれないわ。覚悟できるし……」
赤くなりながらぼそっと言うと、貴幸がおかしそうに笑った。
「あははっ、覚悟! 千尋は、こういうのに覚悟が必要なんだな」
「な、何よ! ……変なことなの?」
泣きそうになりながら尋ねると、彼は微笑みながらふるふると首を横に振った。
「そんなことないよ。ただただ千尋が可愛いなって思っただけ」
「何よ、それ」
むすっとした顔をすると、貴幸がくすくす笑う。
「脱ぐんだろ。手伝いが必要なら、手伝うけど?」
「だ、大丈夫よ」
千尋は自分の服に手をかけた。貴幸が言っていた、夫婦がするべき愛し合う行為。それがどういう行為かはもうわかっている。
(私だってすっかり大人なんだから、ちゃんと知ってるわ)
確かに親からは、そういう知識を徹底的に遠ざけられていた。だが社会人になって数年も経てば、噂話を耳にしたり、本を読んだりして、それなりに知る機会はある。
ただ実践したことがないだけだ。行為の内容も、最終的に何をするかは知っているが、その過程――具体的なことはわからない。
でも、夫婦の営みに必要なことなら、いつかは必ず体験することになる。
それが後になるか今か、それだけの違いだ。
「えいっ!」
千尋は気合いの声を上げた。恥ずかしさを我慢して、ワンピースをぱっと脱ぐ。そして綺麗に折りたたんで、次にキャミソール、ストッキング。そしてブラのホックをぷつりと外した。
「潔いねえ」
貴幸がニコニコしながら、感心したように言う。
「ど、どうせ脱ぐことになるんだったら、今全部脱ぐわよ」
自ら服を脱ぐと、だんだん覚悟が決まってくる。最後の砦とも言えるショーツも、目を瞑ってえいっと脱いでしまった。
「はい、脱いだわよ!」
「おおー」
貴幸がパチパチと拍手した。
「本当は、千尋の可愛い下着姿はもう少しじっくり見たかったけれど、それは今度のお楽しみにするよ。どうせなら、俺が選んだ下着を着てもらいたいしね」
「な、なんかヘンタイみたいなこと言ってない?」
「ごく普通のことだと思うけど?」
(そうなんだ……)
男性が女性の下着を選んで着せて鑑賞する。それは夫婦なら普通のことらしい。世の中の妻は大変だなと千尋は思った。
「それより、せっかく脱いだんだから俺に君の裸を見せてよ。どうせなら正面から見たいな。俺の上にまたがってくれる?」
「え……」
千尋が戸惑っている間に、貴幸はソファの上で仰向けになった。
「ほら、ここに乗って」
トントンと自分の腹を指さす。千尋は困惑しつつも貴幸の腹にまたがった。
「……こう?」
「そう。千尋は本当に素直でいい子だね。……いい眺めだ」
貴幸がうっとりした目で千尋の姿を見つめる。
彼の視線をまっすぐに受けて、だんだん恥ずかしくなってしまう。
「隠したらだめだよ。腕は開いて」
「うう」
思わず胸を隠そうとしたら止められた。千尋は仕方なく両腕を開く。
(何かしら。なんだか……変だわ)
彼に見つめられているだけなのに、不思議と下腹の奥がきゅんと疼いた。どうしてそうなるのかわからない。ただ恥ずかしくて、もじもじと腰をくねらせてしまう。
「本当に可愛いね、千尋」
貴幸はたまらないといった様子で恍惚のため息をつく。
「俺に見られてるだけで興奮してきたの?」
「え……」
「ここが勃ってきたよ。早く弄ってほしいって言ってるみたいにね」
ぴん、と指で乳首をはじかれた。
「きゃうっ」
思わず変な声を上げてしまう。
「ごめん、びっくりした? じゃあ優しく弄ってあげよう」
貴幸は両手で千尋の両方の乳首を摘まんだ。彼に見られていただけで勃ち上がってしまったそれはぷっくりと赤くなっていて、まるで先端の硬さを確かめるように彼はくりくりと指で擦り始める。
「あっ、あ、あっ」
ふるふると体が震えた。反射的に彼の手首を掴もうとする。
「だめだ。俺を愛しているんだろう? なら、俺の愛撫を受け入れないと」
「だ、だって、あっ」
だんだんと指の力が強まって、乳首を擦られる感覚も激しくなる。
「ほら、腕を開いて」
言われるまま、千尋はゆっくりと腕を開いた。
「いい子だ。ご褒美にもっと弄ってあげよう」
きゅっと引っ張って、人差し指でカリカリと甘く引っ掻く。
「や、やあんっ、それ、だめ。変なこえ、でちゃう!」
彼が乳首を弄るたびに体が反応する。くすぐったさにも似た気持ちよさがあって、はしたない声を上げてしまう。
「声は出していいんだ。感じているのがわかって、俺も嬉しいからね」
乳房を掴んで大きく揉み込み、絞るようにきゅっと乳首を摘まむ。
「ほら、気持ちいいって口に出して言ってみて」
そのままくりくりと擦られて、千尋は絶え間ない甘やかな快感に涙を浮かべる。
「あ……気持ち、い……」
「可愛いなあ。……ね、千尋。俺のお願い聞いてくれる? 俺は君をもっと可愛がってあげたいんだ」
「ん、うん」
こくんと頷くと、貴幸は優しく目を細めた。
「だからね。俺の舌に君の可愛い乳首を乗せて、舐めさせてくれる?」
「へ……」
千尋はぽかんとした。そしてみるみると顔を赤くする。
「な、な、なんでっ!?」
「もっと気持ちよくしてあげたいんだよ。だからお願い」
にっこりと貴幸が笑顔になった。
「俺のこと愛してるんだろう? 俺もいっぱい愛したいんだよ」
「うぅ……」
それを言われると何も返せない。まるで愛の脅迫である。
(愛し合う行為って、すごく大変だわ。こんなに恥ずかしいことをしなきゃいけないなんて)
泣きそうな顔をしながらも、おずおずと彼の顔に覆い被さる。
「千尋って、俺の言うこと何でも聞いてくれるんだな。……俺が好きだから?」
「そ、そうよ。……それ以外に理由なんてないわ」
「ああ~……マジで可愛いな。頭がおかしくなりそうだ。俺も好きだよ。ずっと前から好きだった。早くこういうことをしたいって思っていたよ」
そう言って、貴幸はゆっくりと口を開けて、赤い舌を出した。
千尋はドキドキしながら、彼の舌に自分の乳首をちょんと当てる。
「ひうっ」
途端、乳首が濡れる感覚に体が震える。
「俺の舌の上で、乳首を滑らせてみて」
言われるがまま、体を前後に振った。
「んっ、ああっ」
舌の上で乳首を擦らせると、滑る感覚が鋭敏な快感に変わった。
「や、これ、気持ちいい……っ」
「ふふ、もっと気持ちよくしてあげるよ」
貴幸は千尋の乳首をちゅるっと吸い取った。
「ああっ!」
びくっと千尋の体が震える。彼は口腔に入れた乳首を、舌の先端でちろちろと舐め始めた。そして強く吸ったり、蕩けるように舌で舐めたりする。
「いや、ンっ、そ、それ……気持ちいいから、だめえっ」
「それって、もっとしてほしいってことだよな?」
「そんなの言ってな……ひゃんっ」
ちゅっと乳首を啄まれた。唇で甘く食んで、舌の先で転がす。
「千尋が感じるたび、胸がゆさゆさ揺れるのが可愛いな。こっちも愛撫されたい?」
つん、ともう片方の乳房を突かれる。
かあっと千尋の顔に熱がこもった。
「千尋?」
「う……」
恥ずかしくてたまらない。頭から火を噴きそう。だけどこれが愛するって行為なら、嘘をついてはいけない。
千尋は半泣きの表情でこくんと頷いた。
「ん……、愛撫、して……」
「どんなふうに?」
なんだか貴幸が意地悪だ。学生時代でも、パーティーでも、いつも彼は紳士的なのに。
……いや、もしかしたら、それは表面上のものに過ぎなくて、今の彼が本来の貴幸なのかもしれない。
「舐めたり……吸ったり、してほしいの」
「恥ずかしそうに言って可愛いなあ」
貴幸が楽しそうに笑った。
「いいよ。いっぱい可愛がってあげよう」
もう片方の乳房を手で掴んで、乳首を舐め始める。
「ん、ンッ」
「こっちも指で弄ってあげるよ」
先ほどまで舌で愛撫して、唾液にまみれた乳首をにゅるっと摘まんだ。
「ひゃあ、あンっ!」
びくびくと体が震える。片方は舌で、もう片方は指で愛撫され、千尋はいやいやと首を横に振りながら快感に喘いだ。
気持ちよくて頭がおかしくなる。止めてほしいのに止めてほしくない。奇妙な矛盾が心の中で渦巻く。
濡れた乳首を摘まんでは滑らせ、ぬりぬりと擦られて、引っ張られてはボタンを押すように押し込まれる。
ちゅ、ちゅ、とはしたない水音を立てて乳首を啄み、舌の上で転がして、硬くした舌先でちろちろと舐める。
千尋の頭がぼうっとしてきた。体が熱くなりすぎて、頭の中がゆだっているみたい。
何も考えられない。甘い快感しか受け取れない。
やがて性感が限界を迎えて、千尋の体がきつく強張った。びくびくっと大きく震える。
「あぁああっ!」
恍惚の表情で達した千尋は、天井に顔を向けて声を上げた。
「胸の愛撫だけでイったのか? 君はここを弄られるのが本当に好きなんだな」
ふふ、と貴幸が低い声で笑う。
「ご、ごめんなさい……」
思わず謝ると、貴幸はいっそう笑った。
「謝ることじゃない。俺は君に、気持ちよくなってほしいんだからね」
そう言って、彼の手がするすると腹をなぞった。
びくっと千尋の腰が浮き上がる。
貴幸の笑みが深くなり、彼の指が千尋の秘所に触れた。そして人差し指でくちりと秘裂を割る。
「あ……っ」
「もう濡れているね。すぐにでも入りそうだ」
くちゅくちゅと音を立てて、秘裂をなぞったあと、彼の中指がつぷりと蜜口に侵入する。
「ン……、あ」
緊張で千尋の体が震えた。すると貴幸はちゅっと音を立てて乳首に吸い付く。
「んんっ!」
「大丈夫。君はただ感じていて。ほら、弄ってあげるよ」
舌で乳首を転がしながら、彼は膣内に埋めた指で抽挿をし始めた。
いやらしい水音が、胸と下肢から絶え間なく聞こえてきて、とても恥ずかしくなる。でも同時にとても気持ちよくて、千尋の下腹がきゅんと疼いた。
「ふふ、ここも硬くなっているな」
膣内を掻き出すように中指を動かしながら、親指で秘芽を弄り始める。コリコリと擦られるとびりびりした快感が襲ってきて、千尋の体は感電したように痺れた。
「や、アっ、そこぉ……だめえ……っ」
「もっとやってほしいんだな」
「ち、ちがっ」
慌てて首を横に振ると、昏い微笑みを浮かべる貴幸と目が合った。
「……もっとやってほしいんだろう?」
たちまち千尋の眉がハの字になる。
「泣きそうな顔をして可愛い。もっと弄られたいんだろう?」
「ふっ、う……うん」
こくんと頷いた。
人を好きになるって、こんなにも苦労するんだと千尋は心から思う。
「素直でいい子な千尋には、ご褒美をあげないとな」
そう言った貴幸は、ふいに千尋の頭を抱き寄せた。そして唇にキスをする。
「ンっ!」
深く――深く口づけて、舌を絡ませる。
同時に中指で膣内を抽挿し、ぐりぐりと親指で秘芽を擦る。
「んーっ!」
声が出せない。貴幸は千尋の口腔を舌で激しく蹂躙し、次は二本の指を挿し入れる。
びくびくと体が震えた。
膣内で人差し指と中指がばらばらと交互に動き、じゅぷじゅぷとはしたない水音を立てては抽挿を繰り返す。
(だめ、また……来る……っ)
先ほど味わった感覚がまた襲いかかってきた。千尋はいやいやと首を横に振ってから唇を外し、目の前の貴幸に訴える。
「こ、これ以上されたら、私、またいっちゃうっ」
「何度でもイけばいい」
ふっと笑った貴幸はもう一度千尋の頭を掴み、深くキスをする。
「んっ、ンーっ」
執拗に舌をまぐわせながら、下肢では抽挿を続けた。
「ほら、千尋のイくところを見ててあげるよ」
にやと笑って、二本の指が最奥を突く。
「は、あ……ああぁあっ!」
途端、千尋の快感が頂点に到達して、頭の中が白く爆ぜる。うっとりするような感覚を味わったあと、どっと汗が流れた。
「はぁ、はあ……」
連続で二回も達してしまった千尋はすっかり脱力して、ぺたんと貴幸の上に突っ伏す。
くすくすと耳元で笑い声が聞こえた。
「可愛いなあ……。いっぱいいっぱいって感じだね?」
貴幸はちゅくっと音を立てて膣内に埋めていた指を抜いた。途端、彼の指が栓になっていたみたいに蜜が零れ出る。
「すごい、とろとろだな」
そう言って、ゆっくりと身を起こす。彼にしなだれかかっていた千尋の腰を抱きしめながら起き上がり、そのままころんとソファに寝かせた。
千尋はすっかり脱力してしまって、体に力が入らない。貴幸のされるがままだ。
「力が抜けているせいか、君の大切なところがぽっかりと開いているよ。俺のものが早く欲しいって言ってるみたいだ。愛おしくて仕方ないね」
貴幸は両手の親指で秘裂を広げる。自分ですら見ないような場所を彼はじっくりと見て、嬉しそうに目を細めた。
「ああ、千尋。やっとひとつになれる。夢にまで見たからかな、俺もすごく興奮してる」
はあ、と熱く息を吐き、千尋に覆い被さった。
「ずっと好きだった……愛しているよ」