極道社長は想い続けたお嬢を20年分の蜜愛で囲い娶る
著者:真蜜綺華
イラスト:よしざわ未菜子
発売日:2023年 12月8日
定価:610円+税
システム開発企業の経理課に務める能上桜來と、社長である右京鷹矢の関係にはある秘密があった。
それは、能上一門の現組頭の愛娘が桜來であり、鷹矢が彼女のお世話係であること――。
桜來が幼い頃、鷹矢は組頭の父親に拾われ能上家にやってきた。
それ以降、能上家への高い忠誠心と恩義で彼は桜來の身の回りの世話をするようになる。
赤の他人同士でありながら、桜來は鷹矢のことを兄のように思い慕っていたはずなのだが――!?
いつからか、二人きりの夜になると彼から愛撫を与えられる淫らな蜜事が始まった。
今夜も桜來の素直な身体は彼を確かに信頼し、その熱い指先を受け入れる――。
「イイ声、聴かせてくださいね」
そんなある日、父の用意した桜來のお見合い話が今回に限ってなぜか上手くいきそうで……!?
桜來は自身が鷹矢離れが出来ていないことを自覚し、彼のためにも離れなければと思うのだが――?
【※分冊版の「1」「2」及び、「合本版」の同時発売です。合本版は「1〜2」と同一内容ですので、重複購入にご注意ください】
【人物紹介】
能上桜來(のうがみ さくら)
経理部所属の26歳。
純粋な心を持ちながらも、芯のしっかりした性格をしている。
桜來の将来を考えてくれる父のためにも見合いを受けるのだが……?
右京鷹矢(うきょう たかや)
35歳の会社経営社長。
どこまでも桜來至上主義で、一途に想い続けている。
鷹矢を拾って家族のように接してくれた能上家には恩義と忠誠心を持っている。
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【試し読み】
食器を二人で片づけて、風呂を済ませた桜來は自分の部屋に戻って来た。
タオルで髪を拭っていると、ドアがノックされる。
どきっとする胸に気づかないふりをして「はい」と答えた。
「髪、やりましょうか」
鷹矢がドライヤーを片手にやって来た。
「あ、ありがとう」
小さい頃から変わらない彼の日課だ。
彼はソファーに腰かけ、桜來はその足元にぺたりと座る。
温風の低い音に心地よさを感じながら、大人しく髪を梳かれる。
この時間は一日の中でも一番気持ちの落ち着くひとときだ。
「髪伸びましたね。少し毛先だけでもカットしますか?」
「うん、そうだね。ちょっと揃えたいかな」
「予約しておきます」
「うん、お願い」
さらさらと乾いた髪に、櫛が通される。
腰まである黒髪を、鷹矢は絹に触れるように優しく扱う。
不意に首筋に鷹矢の指が掠めた。
「っ」
しばしば思い出していた昨夜の感覚が如実に体を敏感にし、撫でられたような感触に小さく声を漏らしてしまった。
背筋に駆け降りた甘い電流に気づかれないように平然を装ってみたけれど、彼には隠せなかったようだ。
「どうしました? 耳、赤いですよ」
「そ、そんなことな……」
否定しようとしたそばから、鷹矢はソファーの上から桜來の肩に手を滑らせてきた。
「今夜は、ふたりきりですからね」
さっきの夕食時よりもしっとりと囁く。
その低い声の孕む淫猥な空気を感じて、思わず首を竦めた。
「……っ」
彼の声に乗ってきた甘い熱が、お腹の底に送り込まれる。
鷹矢の言いたいことはわかっている。
何をしたいのかも。
違う、そうではない。
何かをしてほしいのは、桜來の方だ。
なまめかしく肩を蠢いていた彼の手はやがて鎖骨を撫で降り、ふかふかのパジャマに包まれた大きめの膨らみを包み込んだ。
「ん……」
上からゆっくりと胸全体の形を確かめる手の平。
直接的な刺激は感じられないのに、焦らされるような痺れにじんわりと火照る体がもどかしくくねる。
それを見かねた長い指が、胸の一番先を爪でカリカリと意地悪に擦った。
「あ、ん……」
「どうしました?」
わかっているはずなのに、わざと聞いてくる鷹矢。
その間も、布越しの摩擦は胸の先端に微弱な刺激を送り続ける。
この場の空気はもうすでに素面を捨てている。
食欲を満たした体が次に欲するのは、性欲だ。
(昨日もしたのに……私、また……)
弄られているのは胸なのに、昨夜の新しい記憶がこの先を予見させ、座り込む下肢に湿った熱を焚き付けた。
先端を擦りながら、鷹矢は胸の弾力を手中で犯す。
形を変える二つの膨らみを抱き合わせ、桜來の体から力を奪い取っていく。
ソファーに座る鷹矢の脚の間で、なされるがままの体は彼の膝に凭れてようやく座れている状態だ。
少しずつ息が上がっていく。
彼の太腿に頭を預けた桜來の無防備な上衣が、するするとたくし上げられた。
のぼせだした頭は、状況を理解しているのに、それよりも体の奥に焚き付けられた熱に素直に従いたい欲の方が勝る。
露にされた胸のレースのカップの中ではすでに、先端が苦しそうに解放を求めていた。
それを悟る鷹矢は、ホックを解かないままカップを捲り下ろした。
ふるんと躍り出る屹立した乳首。
じわじわと与え続けられた刺激に素直に頭をもたげていた。
「ゃあ……」
「何が嫌なんですか? 今は俺しかいないし、こんなに苦しそうにしていたのを放ってはおけません」
あまりに生真面目な言い方に、正当なことを言っているのは鷹矢の方だと思い込まされる。
明るい部屋で桜來の胸の先が、桃色に火照り熟している。
恥ずかしいのに、隠そうともしない自分も自分だ。
だけど、鷹矢の言っていることが正しいのだから、体は素直に従うだけ。
そこに刺激が欲しくて堪らなくて、息だけが激しく上がっていく。
「解放したのに苦しそうですね」
「っ……ん」
ただただ晒されているだけの醜態に、まだ残る理性が羞恥をもたらす。
彼の膝に顔を伏せることで、わずかに逃げられたような気がしたけれど、むくむくと呼び起こされる性欲は、太腿を擦り合わせてしまうほどまで膨らんでいた。
「お嬢?」
「ん……はぁ……」
(触ってほしい……)
口にできない願望を、ひたすら浅い呼吸で耐える。
「どこか苦しいんですか?」
「……っ」
鷹矢は今夜のような二人きりの夜になると、途端に意地悪になる。
普段は父がいて、頭の上がらない彼は忠実な姿勢を崩さないのだが、今夜はその枷がいない。
きっと帰りは母とともに朝になることだろう。
こういうことはこれまでも何度もあった。
この先にどんな密事が待ち受けているか知っているからこそ、期待と興奮が体の熱を下げさせないのだ。
「言わないとわかりませんよ」
薄く笑う鷹矢は、自身の膝に埋もれる桜來の首筋をつうっと指でなぞった。
「あ……っ」
いよいよ震えだす体が切なさに溢れだし、ほとんど泣き出しそうな声で桜來は乞う。
「さわ、って……おねが……」
はあはあと肩で息をする桜來に、鷹矢はふふと満足げに笑って囁く。
「仕方ありませんね」
言った途端に、天を向いていた乳首が両方同時にきゅんと摘まれた。
「ひゃぁっ」
びくんと大きく引き攣る体から、悲鳴が押し出される。
それに構わず、鋭意を極めた先端を捏ねる指に、恨めしささえ感じた。
「あぁ、あっ、んぁっ」
きゅっきゅっと緩急をつけ、断続的に送り込まれる刺激に、お腹の底が大いに反応を示す。
太腿を合わせた間で、女の種が熱く熟れ出しているのがわかった。
「可愛いですよ」
胸を掬うように持ち上げられ、そそり立つ頂が照明の下でコリコリと転がされる。
「やぁ、あぁっ」
絶えず与えられる刺激に、腰がひくひくと痙攣しだした。
ショーツの中が、自分でもわかるほど熱と湿度を上げている。
胸に紐づく下肢の性感帯が、直接触られていると錯覚して熱く高まる。
もじもじと太腿を擦り合わせ、少しでももどかしさを軽減しようとしたのがいけなかった。
それが逆に刺激を助長させ、余計に腰が止まらなくなった。
「あっ、あ……ッ」
「腰、動いてますよ。いやらしいな、お嬢は」
耳から辱めを受け、それを引き金に、噴き出す性欲が抑えきれずに暴発した。
弄られ続ける乳首の刺激に、耐え切れなくなった体が、内側から突き抜けるような快感を弾けさせた。
「んぁああっ」
びくん、と大きく体を震わせ、照明ではない閃光がチカチカと視力を奪う。
「あ、あ……」
「乳首だけでイったんですか。エロい体ですね」
鷹矢の膝に崩れ落ちた桜來はヒクヒクと体を引き攣らせる。
絶頂の快感に、感情が幸せで満ち溢れる。
何も考えられずに脱力したままでいると、鷹矢にそっと抱きかかえられる。
さっきまでそこにいた彼に代わり、桜來はソファーに座らされた。
「今度はこっちですね」
背もたれに体を預けて、跪く鷹矢をぼうっと見守る。
腰を浮かされ下着とともにもこもこのショートパンツが足から抜かれた。
「ああ、もうこんなに……」
溜め息を漏らしながら呟いた鷹矢は、優しく桜來の脚を開かせた。
恥ずかしさよりも気持ちよさの方が勝った状態では、彼にこれから何をされるのかという考えに及ばない。
「イイ声、聴かせてくださいね」
そう言い残し、鷹矢は開け広げられた桜來の股間に顔を埋めた。
いきなり性感の最高峰に吸い付かれて、激しい快感と眩暈に襲われる。
「あぁぁぁっ」
じゅる、じゅるとわざと音を立てて啜り上げられる女の種が、欲望のままに肥大する。
「やぁっ、あぁっ」
大きくなればなるほど感度は強くなって、さらに刺激を感じるそれはまた赤く赤く熟れていく。
桜來の反応を楽しむように、唇で秘種を啄んでは舌で弾く。
いたずらな行為に湧くのは気持ちいいという感情だけ。
もっともっと虐めてほしいと、桜來は鷹矢の頭を掻き抱いた。
「ぁぁっ、んぁあッ」
喉を逸らし、感じるままに嬌声を上げる。
舌全体で秘種を包まれ、ゆっくりと扱かれる。
熱い舌が桜來の悦情を掻き立てているのに、同時に慰めてもいる。
巧みに欲情を翻弄する彼は、舌の動きを止めず、晒したままの胸の先端に指を伸ばしてきた。
「んはぁっ、やぁぁッ」
鋭敏に極まった性感帯を同時に責められ、さらなる快楽が桜來を襲う。
「ぃやっ、鷹矢ああッ」
またしても体が悦に極まっていく。
今度はダイレクトに性感帯を刺激されているから、あまりの気持ちよさに怖くなりいやいやと首を振って逃れようとする。
しかし、そんなことで手離してくれる鷹矢ではない。
何度も経験したことのある彼からの施しは、こんなものではないのだ。
「やっ、だ、め……ッ、イッちゃう……ッ」
一度絶頂に昇り詰めた体が、再び駆け上げるのは容易いことで、瞬く間に限界まで突き上げられていく。
両方の胸からの刺激と、膨らみ切った秘種の受ける凌辱が、桜來の羞恥を考えさせないうちに一気に性悦を弾けさせた。
「んあぁぁ……ッ」
もう視界は何も見ていなくて、ただただ体に訪れた快感の嵐にひくつくばかりだ。
「あ……たか、や……」
「はい、どうしました?」
口元を拭いながら、鷹矢が桜來の眼前にその優し気な顔を見せてくれる。
震える体で彼のぬくもりを欲すると、鷹矢はソファーに座って桜來を抱きしめた。
「鷹矢……」
こんな卑猥な密事を夜な夜な行っているなんて、誰に言えるだろうか。
父は今夜もきっと、桜來の伴侶を見繕ってくるに違いない。
娘の心配をしてくれているのはわかっている。
二十六年間、恋人ができた例がないのだから。
だけど、いつもそばにいてくれている兄のような人と、こんなことをしている女を、どこの誰が受け入れてくれるだろう。
「お嬢……」
鷹矢の首根に回した腕に力を込めると、切なそうな声が返ってくる。
「まだ足りませんか?」
違うと言えばそれは嘘だ。
もっと気持ちのいいことをしてほしい。
口にせずとも伝わったのか、彼の右手がまだ悦に濡れた秘処へ伸ばされる。
「ん……」
「本当にいやらしい体になりましたね」
すっかり膨らみきった蕾を転がすように撫でられ、ぴくんと体が跳ねる。
紅い膨らみの上で円を描いた指の腹が、割れ目をなぞり降りていく。
「っ、……ぁ……」
「ぐしょぐしょじゃないですか」
そう言いながら、鷹矢の指が桜來の桃色に濡れた丘陵の谷間へと浸された。
「あ……ッ」
「力入れないでください」
「……っん」
ぬるぬると周りの潤滑液を纏いながら、入り込んでくる中指。
見るのは怖くて、鷹矢の胸に顔を埋めた。
「入りましたよ。大丈夫ですか?」
口を開けば、そのままあられもない嬌声だけを零しそうで、こくりと頷くのが精いっぱいだ。
桜來の頷きに了承を得たと、中に入った指がゆるゆると抽挿される。
中で引き攣る指の感覚に、じんわりと漂ってくる快感の波。
「ん、あ……」
「もう一本入れますね」
一度引き抜かれたところに、今度は窮屈そうに二本の指が入り込んできた。
先ほどよりも快感を強める隘路が、桜來の呼吸を乱す。
「あん、あ……」
ゆっくりと挿し入れられたかと思うと、上壁を擦りながら引き抜かれる瞬間に、それまでなかった強い刺激を感じた。
「んぁっ」
「ああ、ここでしたね」
桜來の反応を見た鷹矢は、今度は中に入れた指に角度を付けて上壁を強くこすりだした。
「あっ、あっ、っ、そこ……ッ」
「ここ、よさそうですね」
「あぁぁっ、あぁッ」
さっきの比ではない内側に直接与えられる激しい刺激に、グチュグチュと溢れる水音が嬌声に混じる。
気持ちのいいことはもう十分してもらったはずなのに、貪欲な性欲は鷹矢に全部を委ねる。
中を掻き回され、収まりきれない愛欲が彼の手を濡らして溢れだす。
「やッ、もうダメ……ッ」
目いっぱいに乱され快感を刻まれた体が、あっという間に限界を迎える。
その瞬間、鷹矢が強く抱きしめてくれる。
彼の匂いに包まれながら、快感の象徴を噴き出す体は三度目の絶頂を見た。
「んぁああああっ!」
鷹矢だけにしか見せない淫猥な雌の姿が、ガクガクと大いに震えあがる。
「ああ、今夜も凄いな。昨夜もあんなにしたのに、まだこんなに感じてくれるなんて」
「……ん……あ……」
桜來の頭に頬ずりをする鷹矢の嬉しそうな声に、幸せな気持ちが心を満たす。
彼が喜んでくれることは、桜來にとっても喜ばしいことだ。
鷹矢には、ずっと笑っていてほしいから。
力が入らないながらも、彼の笑みを見たくて顔を上げる。
上がる息を整え、桜來を見下ろす瞳と視線が絡んだ。
「鷹矢……」
「はい」
やんわりと返事を返してくれる彼は前髪の裾野で目を細め、シワ一つない美しい造形の顔を恍惚にとろけさせていた。
胸がきゅうと締め付けられる。
悲しさとは違うなんだか切ない感情が息苦しさを誘った。
なのに、ささやかに速まる鼓動がとても心地好い。
呼吸をやり取りできるほどの近さで見つめ合えば、彼もまた桜來を悦ばせることで満たされていると伝わってくる。
互いを補完し合うふたりの関係に名前はない。
家族だけど家族じゃなくて、ましてや恋人同士でもないけれど、ここには理由のない信頼がたしかにある。
だからこそ、鼓動の落ち着かない桜來の目の潤みだけで感情が読み取られる。
「足りないんですか?」
見つめ続けていた彼の瞳には、桜來の欲望は筒抜けだ。
それそこまさに、信頼に足りえる関係があるからこそ。
「こんなにしてもまだ欲しいなんて、……本当に欲張りですね、お嬢は」
仕方ないと呆れを込めながらも、鷹矢は口の端に笑みを浮かべる。
彼の加虐心がそこに垣間見え、期待にふるりと体を震わせた。
「明日も仕事なんですから、ほどほどにしないと……」
そうは言いつつも、鷹矢は桜來の両胸を背後から手のひらで包み込む。
「あ……」
「まだこんなに尖らせて、イヤらしい体ですね」
天井を向いたままのピンク色の固い乳首が、鷹矢の指の間に両方同時に挟まれる。
「んあっ」
胸全体をゆっくりと揉みしだきながら、刺激を感じる部分にちゃんと愉悦を教えてくれる。
キュッと指に力を込められるたび、駆け下りる悦の電流に体がヒクついてしょうがない。
散々弄ばれ悦情を散らしたはずの秘処は、かくかくと震える太腿の間に新鮮な愛蜜を滲ませてきた。
胸の刺激だけでは到底足りなくて、力の入らない太ももを閉じて擦り合わせる。
「あ、っ、ん……」
自然と腰がくねる。
自身の動きに羞恥を感じながらも、淫猥な感情は昂った。
「そこ、もどかしいんですか?」
「は、ぁ……あ……」
熱い溜め息を零す桜來の髪を退け、耳朶を舐る鷹矢にはお見通しだ。
それなのに、胸を揉む手を止めようとはしない。
(胸ばっかりじゃ、なくて、もっと……)
わかっているはずなのにしてもらえない。
鷹矢の意地悪が顔を出すから、余計に淫欲が蓄積していく。
それでもなお両胸から手を離さない鷹矢。
先端への刺激は断続的に与えられていて、ますます淫らな欲求を膨らませる。
擦り合わせる太腿の間ではいよいよヌチヌチとした泥濘の音が鳴り出した。
「ぁん、ン、っは……」
溜まり続ける欲を解放してほしくて、体が悲鳴を上げ始める。
このままでは泣いてしまいそうだ。
「そんなに苦しいなら、……自分で慰めてはどうですか?」
「っ!」
鷹矢の極めて破廉恥な提案に、それを想像した体がびくんっと飛び跳ねた。
「ほら、いつかシていたみたいに」
衝動的な性欲に抗えなかった大人になりきれていなかった頃。
その衝動を知る鷹矢が、恨めしいほど意地悪になる。
「や……だ……」
拒否をしてみせるものの、蓄積していくばかりの欲求は理性的な思考を薙ぎ払っていく。
「大丈夫、もうどんなふうに触れたらいいか知っているでしょう? 俺の手を想像して……」
耳元で催眠術師のように囁く鷹矢に、思考とは裏腹に体が勝手に脚を開かせる。
「い、や……やぁ……」
力ない声が形だけの拒否に震える。
自分の意志ではないものに両手が動かされ、開いた脚の間へと伸びた。
「はぁ、っあ、っ……」
肩で息をしながら、刺激を待ち侘びる秘処へ指先が触れた。
「ああぅッ」
ねっとりと濡れた茂みの下で、大きく膨らんだ蕾が弾けんばかりに快感を味わう。
意識が飛びそうなほどの快感から逃れたかったのに、自身の指は楽しげにその蕾を弄び始める。
「やあっ、ああっ、ああんッ」
「気持ちいい? 上手にできていますよ。でも、もっと感じるようにしないと」
そういう鷹矢は、胸を揉んでいた手をようやく離して、桜來の体を撫でながら下へ向かう。
「ここはもう一方の指でしっかり広げて」
桜來の手に自分の手を重ねて、指の動きを指導する。
中指と人差し指が鷹矢の誘導に合わせて、ぐしょぐしょに濡れた柔らかな花弁を押し拡げる。
「いや、鷹矢……っ」
自分の体を自分の指が暴いているという酷い羞恥から逃げ出したくなる。
「大丈夫です。怖くないから。ああ、そっちの指は続けて」
蕾を捏ねていた手を思わず離すと、そちらの手にも誘導の手が重なった。
しっかりと剥き出された蕾は、愛蜜を纏ってヌラヌラと卑猥に艶めく。
「さあ、これでもっと気持ちよくなりますから」
導かれるがままに淫欲に膨らむ蕾に自分の指が触れ、欲しかった快感が大いに体を悦ばせた。