年上社長の旦那様と身ごもり蜜夜を ~冷めた夫婦生活が極上愛に変わる耽溺ハネムーン~
著者:仙崎ひとみ
イラスト:岡舘いまり
発売日:2023年 7月14日
定価:630円+税
三ヶ月ぶりの夫の帰国、桜子は離婚を突きつけようとしていた――。
日本を代表する投資会社の敏腕社長・小山内悠司との出会いは二年前まで遡る。
二人は、京極財閥の総帥である桜子の祖父が設けたお見合いの場で出会った。
お見合いに行く道中、子どもを助けた際に怪我した手を優しく手当してくれた彼に一目惚れした桜子はそのまま結婚話を受け入れることに――。
無事に披露宴を終えたあと、二人きりで過ごす初めての夜がやってきたのだが、急遽、悠司に仕事の電話が入ってしまい、彼は海外へと向かった。
残された桜子は、彼が帰国すれば楽しい新婚生活を送れるかと期待していたのだが、悠司は海外出張ばかりで日本にいるのはわずか数時間だけ。
そんな生活が二年続いたため、桜子は離婚を申し出ることにしたのだが……!?
悠司は離婚に同意しないどころか、桜子を甘く抱きしめてきて――?
「可愛い声だ。おれの愛撫でもっと感じてくれ」
激しく淫靡な初夜を過ごした翌朝、悠司からハネムーンに行くと伝えられた桜子。
ハネムーン後に離婚することを条件に、悠司と共にモルディブへと向かった彼女に待っていたのは、夫からの絶え間のない愛情で――!?
【人物紹介】
小山内桜子(おさない さくらこ)
専業主婦の25歳。
京極財閥の令嬢で、おっとりとしていて気品がある。
仕事ばかりの悠司に離婚を申し出たはずが、ハネムーンに行くことになり――!?
小山内悠司(おさない ゆうじ)
投資会社の敏腕社長。28歳。
向上心高めの野心家である。
愛する妻・桜子に対してはどこまでも一途に甘い。
●電子書籍 購入サイト
*取り扱いサイトは、各書店に掲載され次第、更新されます。
【試し読み】
しかし桜子の願いは、粉々に打ち砕かれた。
彼はまったく桜子を顧みることなく、海外出張ばかりであった。
帰国しても、数時間後にはふたたびニューヨークへ行ってしまう。
これでは、居住地が日本ではなくアメリカではないか。
正直、もう我慢できないところまで追い詰められている。
桜子も意思表示をしなかったわけではない。
悠司が帰国するたびに、もう少し一緒にいたいと訴えた。そのたびに、忙しいからもう少し待ってくれと返される。
チャットアプリはまめにくれるし、帰国の際は連絡もくれるから、結局桜子もずるずると待つことになってしまう。それの繰り返しだ。
これではきりがないと、両親と姜次郎になんども相談した。そのたびに彼の仕事内容を理解しろと諭されてしまう。
あれから二年――――
この結婚生活に意味はない。これ以上続けても、桜子の孤独が増していくだけだ。
そう考えて、離婚届の紙を悠司に見せたというのに。
彼はテーブルの上の紙を一瞥するだけで、特に感情の揺らぎは見せなかった。
離婚を持ち出しても、彼の心を動かせないのならもう手はない。
そうなると感情的になってしまうのは桜子のほうである。
今にも泣いてしまいそうな衝動を抑えるため、震える手をぐっと握りしめた。
それでも目は潤み、鼻を真っ赤にさせてしまう。
「わたし……ずっとひとりで寂しかった。あなたが式を挙げたその日にニューヨークへ行ってしまって、戻ってきてもすぐに仕事だって出ていって……」
これまで我慢していた思いのたけをぶちまけたら、もう感情が収まらなくなった。
「ハネムーンだって結局行かなかったじゃない。楽しみにしていたのに……わたし、まだバージンなのよ。結婚して二年目の人妻なのに!」
彼は黙って、桜子の独白を聞いていた。こんなに激しく訴えても、彼の表情からはなにも読み取れなかった。
(わたしがこんなに訴えているのに、涼しい顔をしているのはどうしてなの!)
「せめて子どもでもいれば、寂しくなかったかもしれない。でもこれ以上、ひとりで暮らすのは辛いの。出会いは運命だったけど、離婚は必然よ!」
泣きそうになるのをなんとか堪え、胸中に貯め込んでいた鬱憤を一気に吐き出す。
「だから……」
離婚してください――――
そう口にしようとして、悠司が言葉を挟んできた。
「そうか。なら今から子作りしよう」
「は?」
悠司は桜子の前までくると、両手を広げてぎゅうと抱きしめてきた。
「待って……わたし、今日こそは離婚届にサインを……」
悠司が桜子の耳もとに顔を埋め、低く囁く。
「桜子」
ゾクリと背筋に痺れが響いて、桜子は動けなくなる。
肩までの艶やかな黒髪を撫で、華奢な肩を擦り、滑らかな稜線を描く背から尻に彼が手を這わせてきた。
久しぶりの温もりを受け、泣きそうになってしまう。
チュッと頬に軽いキスをされ、目尻にたまった涙を唇ですくわれる。
優しい仕草を受け、安易に騙されそうだ。彼はこの二年間、桜子を放置した男なのに。
突然の事態に言葉も返せないでいると、悠司の両手が桜子の両頬に押しあてられた。
そっと上向きにされ、ふたりの視線が絡み合う。
「おれは君を大事に思うあまり、つまらないことにこだわってしまった。尊重すべきは君の心だったというのに」
彼の言葉の真意が見えず、桜子は困惑するしかない。
不思議そうに悠司を見返すと、彼はまっすぐに桜子を見つめたまま言葉を続けた。
「つまりは離婚など絶対にしないということだ」
これまでの彼の態度から出る言葉とは思えず、桜子は放心してしまう。
これは夢かもしれない。桜子に都合のいい夢。
だが悠司の温もりとエキゾチックなフレグランスの香りに包まれ、現実だと思い知らされる。
(わたしの心を揺さぶらないで……惑わせて困らせないで……)
悠司は、壊れものを扱うように、しかし力を込めて抱きしめてくる。
先ほどまで本気で離婚を考えていたというのに。
こんなに優しく扱われて、空虚だった心が幸せで満たされていく。
悠司がブラウスのボタンを外し、大きな手を滑り込ませてきた。
「あ……」
すぐさまブラジャーの中に指を入れられ、乳首をキュッと摘ままれる。
「や……ぁんっ……」
ムニムニと乳首を捏ねられると、両足の奥がムズムズとしてしまう。
「おれが触れる前から、ここが勃っている」
「し、知りませんっ」
「自覚がないのか? おれに抱きしめられただけで、ここを……」
今度は指のはらで小刻みに上下され、ビクビクと身体を震わせる。
「こんなに尖らせているじゃないか」
抱きしめられただけで身体が淫らに疼いてしまったことを暴露され、恥ずかしくて立っていられなくなる。
「おれのことがまだ好きなんだろう? だから、ここがこんなに反応する」
「意地悪をいわないで」
足から力が抜けていくと、悠司が桜子の腰に手を回し、ふわりと横向きに抱き上げた。
「ひゃんっ……」
そのままお姫さま抱っこで、寝室へと向かっていく。
(……まるで新婚初夜の続きみたい)
寝室には清潔にベッドメイキングされたキングサイズのベッドと、小さなサイドテーブル、ソファがふたつある。
ふたりで寝ることは、ほとんどない。昼過ぎに帰国した悠司が、夕方まで仮眠をとるだけの場所だ。
柔らかなベッドにそっと下ろされ、桜子は身を縮こませた。
(これ以上先に進んだことがないから、どうしたらいいのかわからない……)
鼻先が触れ合うほどの距離で顔をのぞき込まれ、悠司のセクシーな美貌に桜子は息を呑む。
彼の色っぽい唇が目の前にきてドキドキしてしまう。
「服を脱がすが、いいか?」
「聞かないで……」
恥ずかしくて視線を逸らすが、悠司が桜子を見つめていることはわかる。
先ほどは手際よくボタンを外したのに、なぜか今はモタモタしていた。
「はは……おれのほうが緊張しているようだ。手が震える」
いつでも威風堂々として自信たっぷりの男が、桜子の服を脱がす行為に手間取るとは意外である。
それでもブラウスの前を全部開くと、総レースのブラジャーを上に引き上げてきた。
その拍子に、露わになった二つの乳房が、ふるんと揺れる。
「ああ……おれはこんなに美しくて可愛くて、美味しそうなものを二年も見られずに過ごしたのか。もったいないことをした」
彼の手が、乳房をやわやわと揉み上げる。顔を近づけると、濡れた舌先で乳首の先端を舐め上げた。
「ひゃぁんっ……」
くすぐったくて堪らない。ヌチュヌチュと音を立てて乳首を愛撫されると、身体がゾクゾクと震えてしまった。
「おれは子どもの頃からグミが好きでね」
突然幼少期の話をされて、桜子は困惑してしまう。
「グ、グミ……?」
「そう。薄赤く染まったこれが……」
レロ……と大きく舌を伸ばして、下から上へと舐めると、今度は舌先で乳首の周りをなんども回した。
「甘くて酸っぱかったグミのように美味い。おれの一生の好物だな」
そういうと、唇で挟んではむはむと軽く潰してみたり、左右にすり潰すように動いてみたりする。
痛がゆい刺激に、桜子の背が弓なりに反ってしまう。
悠司は右側の乳首をさんざん舐ったあと、次は左側の乳首を愛撫した。
「あ……んん……」
彼が乳首を執拗に舐めながら、左手でスカートをめくり上げる。
そのまま湿ったショーツへと指が伸びた。
「あ、そこは……ダメ……」
彼の大きな身体が入り込んでいるから、足が閉じられない。
悠司の指が、ショーツの上から媚肉をキュッと摘まみ上げてきた。
「ひゃっ……!」
ショーツがびっしょりと濡れていることが自分でもわかっているので、その行為はあまりに恥ずかしい。
触れられて、淫らな蜜をもっと溢れさせてしまい、それがいやで身を捩らせる。
その姿がさらに桜子を扇情的に見せるとも知らず、シーツに背と尻を擦りつけるようにして、もがいてしまった。
桜子の痴態を受け、悠司の目に淫猥な灯火が浮かぶ。
もっと強く乳首を吸い上げられ、同時に指でグニグニと秘所を押されてしまう。
「ひゃぁあんっ……っ……」
「可愛い声だ。おれの愛撫でもっと感じてくれ」
乳首の近くで話すものだから、彼の吐息だけでも乳首が感じてフルフルと揺れる。
それがお気に召したのか、彼がもっと激しく乳首と陰部を弄りまくってきた。
ショーツのクロッチ部分が横にずらされ、指が直接割れ目を擦る。
初めて異性にそこに触れられ、桜子は羞恥で太ももを閉じようとした。しかし彼の手を挟んでしまうのでそれもできない。
ヌチュ、ヌルッと唾液が乳首に絡む音と、指が媚肉を弄るグチュリという音が部屋に響く。
彼の指が、尖った肉芽をグニッと強く押し潰した。
桜子の全身に、微弱な電流が広がっていく。
「ぁあっ……ぁあんっ……!」
「ここ、気持ちがいいみたいだな」
低く色気のある彼の声が桜子の鼓膜を震わせ、身体をもっと昂ぶらせた。
彼の指がふたたび肉芽をグニュリと押す。
「あっ……あぁっ……!」
初めて受ける快感に、全身が痺れてしまう。
グニュ、ヌチュと濡れた音を立てて、彼の指が一番感じる部分をなんども弄った。
じっとりと濡れた媚肉を、彼の指が上下に動く。秘裂を割り、感じやすい突起にたどり着くと、溢れ出る蜜を絡めてもっと擦り上げた。
頭が真っ白になってしまいそうなほど、刺激的な愉悦に身体も意識も苛まれる。
ひときわ強く、彼の指が肉芽を押し潰した瞬間。
「あっ……ぁあっ……ああ――――」
腰から脳芯まで快感が駆け上り、初めての愉悦に全身を震わせた。
小さく達してしまった桜子は、くたぁと四肢を弛緩させる。
はぁはぁと胸を上下させ、快楽で頬を赤く染める桜子を、悠々とした表情で悠司が見下ろしていた。
「色っぽくて可愛くて、おれの妻は最高だ」
これまで一回たりとも、そんなリップサービスをしたことなどないのに。
しかし彼の甘い言葉で、桜子の心が悦びで打ち震える。
身体は正直なもので、秘所の奥からじわりと愛蜜が溢れ出てきた。
それは下着から染み出し、尻を伝ってびっしょりとシーツを濡らしていた。触れている部分が冷たく感じるほどだ。
感じている女の芳香が立ち上ってくる。
きっと彼の鼻腔にも、愛蜜の匂いが漂ってきているに違いない。
恥ずかしくてどうしようかと考えていると、彼が上体を起こした。
膝立ちになると、そのままスラックスの前をくつろがせる。ジッパーの下がるジーという音が気恥ずかしくて困ってしまう。
そこから、大きくそそり返った男性器が現れた。
(え……もう先が、あんなに上を向いて……)
悠司の肉茎は、生々しい造形をしていた。太く硬そうで、くっきりとした括れがある。
初めて目にする男の欲望に、桜子は目も心も奪われてしまう。
女の本能だろうか。逞しい男性器に、淫らな欲望が湧き上がってくるのである。
まじまじと見ていると、悠司が楽しそうな顔をした。
「すぐにおれのモノで埋めてやるから、楽しみにしてくれ」
「っ……!」
卑猥なことをいわれ、恥ずかしくて泣きそうになってしまう。
あそこまで膨れ上がった肉棒が、はたして桜子の身体に挿いり込めるものだろうか。
桜子は無知というわけではない。当然男女の営みについての知識はある。
しかし初体験というのは、ときに焦りでわけがわからなくなってしまうものだ。
勃起した男性器を受け入れるため、女性の膣が引き延ばされるという自然の摂理すら、わからなくなるほどに。
(無理じゃないかしら。だって大きいもの……)
そんなことを思案していたら、いつの間にか悠司の手が桜子のショーツにかかり、するりと足から引き抜いた。
「きゃっ……」
空気に触れて、敏感な部分がヒヤリとした。
悠司は、桜子の右太ももの裏に手をあてると、ぐいと上に持ち上げた。膝頭が乳房の先端にあたるくらいまで身体を曲げられる。
濡れた秘所が丸見えになり、どうしていいのかわからない。
恥ずかしくて上体を起こそうとしたが、この体勢ではそれもままならなかった。
真っ赤な顔で見上げると、情欲に満ちた表情の悠司と視線が交錯した。
桜子が羞恥と不安で身体を強ばらせると、彼が小さく笑う。
「大丈夫だ。性急な真似はしないから」
彼の手が太ももの裏側から、脚のつけ根を撫でながら茂みへと近づく。
そのまま、うっすらとした陰毛の奥に隠された、秘所へと押し挿いった。
「あ……」
柔らかさを確かめるように、彼の人差し指と中指が蜜口の挿り口をヌチュヌチュと弄り始める。
熱く濡れそぼった膣襞を開くと、長くて形のいい指が挿入口付近をかき回し始めた。
ヒクヒクと襞が収縮し、そのたびにヌチュ、グチュと淫らな水音を立てる。
「ああ……んんっ……」
悠司の指が、愛蜜のヌメりを借りて膣を抜き差しするたび、桜子の身体の内側から言葉にできない疼きがこみ上げてくる。
「ぁんっ……ふぁ……」
「じゅうぶんに濡れているな。これならそれほど痛くないはずだ」
彼は片方の手で桜子の腰を固定し、反対の手で自分の肉茎に手を添えた。
そのままぐっと秘所に押しあて、肉襞をヌプリと割り、隘路に押し込もうとする。
「あっ……んんっ……」
桜子の淫唇がピリピリと引き攣り、痛みが下肢からせり上がってきた。
「痛いか? ゆっくりと抱くから怯えないでくれ」
(でも……すごい質量……無理矢理押し拓かれているみたい……)
意識せず溢れ出す涙が、桜子の頬をしっとりと濡らす。
「桜子のすべてを、おれのものにする」
彼は低い声でそう囁くと、頬の涙をペロリと舐めた。それだけで身体に快感が行き渡り、膣から粘着質な液体が溢れ出るのを感じた。
熱く濡れそぼった肉襞を押し拓き、亀頭で襞を引っかくようにして彼の肉棒が挿いり込んでくる。
痛みが和らぐことなどないというのに、ヒクヒクと濡れた襞が波打ち、彼の男性器を取り込んでいく。
激しい疼きと、鋭い痛みがないまぜになり、桜子は白い喉を晒して声をあげた。
「あっ……い、いた……あっ……」
「痛いか? 耐えられるか?」
低くて優しい、だが少しだけ荒い息を吐く悠司の問いに、桜子は返事ができない。
(痛いと口にしたら……悠司さんがこの行為をやめてしまうかもしれない。それはいやなの。でも……痛い……初めてってこんなに辛いの……?)
小さな肩口を震わせて、桜子は健気に痛みを耐えた。
すると悠司がゆるゆると腰を前後にゆすりながら、花芯に手を伸ばした。
「ひゃっ……ぁん……」
先ほどまでの快感の余韻を残しているそこは、悠司の指で包皮ごと擦り上げられるとムズムズとした。
破瓜の痛みを、官能でやりすごそうとしていると気がつく。
疼く愉悦を求め、つい自ら腰を動かしてしまう。すると、よりいっそう膣の痛みに苛まれてしまった。
それでも彼の指は、ヌチュグチュと媚肉の奥に潜む肉芽を弄り回した。
「あっ……ぁあんっ……はぁっ……」
桜子の腰の揺らぎを利用し、少しずつ肉筒に肉棒を埋めていく。
「んぅ……っ……ひゃ……あぁん……そこ、触っちゃ……ダメっ……」
膣から溢れ出る蜜が、肉茎に絡みつく。
くっきりとくびれた雁がゴリッと膣襞をえぐるさい、粘着質な愛液を擦り取るので、グジュグジュと白い泡が結合部から溢れ返った。
「いいな。じゅうぶん濡れた。これで痛みも和らぐだろう」
暗示のようなその言葉に、桜子はほっと安堵した。
騙されやすいのかもしれないが、確かに少し痛みが軽減しているような気がする。
悠司は一息ついた桜子を慰めるように、頬にチュッとキスをした。
「あぁ……」
子どもだましのような軽いキスで、愛液が膣内から湧き出てくる。
そのヌメりを借り、ズンッとより深く悠司が腰を押し込んできた。