隠れ魔性のOLは冷徹上司(実は魔性エロス)に翻弄されたい

書籍情報

隠れ魔性のOLは冷徹上司(実は魔性エロス)に翻弄されたい


著者:加地アヤメ
イラスト:南国ばなな
発売日:2021年 6月25日
定価:620円+税

樫部かれんには、3人の魔性の姉がいる。
彼女たちのそばにいる男は、いつの間にか姉達に言い寄るようになる……らしいが、末っ子のかれんは平凡そのもの。自分関係ない話だと思っていた。
ある日の飲み会の帰り道、クールで冷淡と言われている末友課長に「あまり気を持たせるよなことをしないほうが良い」と忠告されてしまう。
覚えのない注意を受け、腑に落ちないかれんは課長に直談判しにいくが、どうにも普段の課長とは様子が違くて……!?
「君、私に欲情しているだろう」
課長の声がかれんの耳に響くたび、彼女の体は熱を帯びて、心臓が早鐘を打ち始め――!?

【人物紹介】

樫部かれん(かしべ)
3人の魔性な姉を持つ平凡なOL。
お酒好きだが、お酒を飲むと普段は抑制されているタガが外れてしまうようで……!?

末友雅巳(すえともまさみ)
かれんの上司で課長。
整った容姿だが、冷淡な態度で社員からは距離を置かれている。
実は会社の人たちには見せていない一面があって……!

 

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*取り扱いサイトは、各書店に掲載され次第、更新されます。

 

【試し読み】

 なにげなくドアの方を見た私は、缶ビールを手にしたまま凍り付く。姿を現した末友課長は風呂上がり。濡れ髪をタオルドライしている課長の格好は、白いTシャツと黒いハーフパンツ。そのTシャツの襟元から覗く首のラインと、盛り上がった鎖骨の美しさは、言葉にできないほど。
 というか、さっきの比じゃないくらいのフェロモンを放つ末友課長を見た瞬間、なぜかドキドキが止まらなくなった。
 え、ええ……ちょ、ちょっと……‼ 色気がさっきなんてもんじゃない……っ
 心臓が痛いくらい音を立て、呼吸がしにくくなるくらい胸が苦しい。加えて、下腹部がじんじんと疼きだした。
「なんだ、テレビ観てなかったのか。なにしてたんだ?」
 末友課長が冷蔵庫から取り出したミネラルウォーターを、ペットボトルから直接飲む。ごくごくと音を立て、揺れる喉仏を見つめていると、心臓の音はさらに大きくなっていった。
「な……なに、って……、その……ビールを飲んでいました……」
 嘘ではない、これが事実。なのに、とってつけたみたいな返しになってしまった。
 すると、末友課長がペットボトルを手にしたまま、ソファーに近づいてきた。
 近くに来られるにつれドキドキが増し、じっと座っていられない。
 あっ……だめ……こっち来ないで……し、心臓がもたな……
 私がこんなことを考えているなんて当の本人は知る由もないだろう。その証拠に、願いも虚しく彼が私の隣、三十センチほど向こうに腰を下ろした。
 やばい……私、なんでこんな気持ちになってるんだろう……隣にいるのは、これまで何度も見てきたはずの末友課長だよ? それなのに、なんでこんな……まるで好きな人が隣にいるみたいな感覚に……
「……樫部さん? どうかし……」
 いきなり末友課長の手が私の肩に触れた。その瞬間、ビクッと大きく体が震え、末友課長から距離を取るように体が逃げてしまう。
「や、あの……なんでも……ありませ……」
 必死で誤魔化そうとした。でも、末友課長はそんな私に顔を近づけてくる。
「なんでもないって顔じゃないだろう。頬は赤いし……いや、耳まで赤いぞ。それになんで呼吸が荒く……?」
「やっ、やめてください、見ないで……あっ‼」
 そのとき末友課長が手を伸ばし、私の頬に触れた。すると体が敏感に反応し、つい変な声を出してしまった。普段の生活では出るはずのない、女の声が。
 まずいと思い咄嗟に口を手で押さえ、課長を見ると、なぜか驚いたような顔で私を見つめていた。
「……樫部さん? もしかして、君は……」
 まずい。
「やっ、本当になんでもないんです、なんでも……」
 ふるふる首を横に振って誤魔化そうとした。でも、なぜか口元に弧を描いた課長に手首を掴まれてしまう。
「君、私に欲情しているだろう」
「……っ……」
 口にしてほしくなかったことを言われてしまった。
 ど、どうしよう……
 でも、課長が言ったことは事実だった。心臓はドクドクと早鐘を打ち、私の中で生まれた熱が全身を駆け巡っている。それに、一番変化が起きているのは下半身だ。あろうことか私は、末友課長が隣にいるというだけで濡れているのだ。 
 どうしたんだろう、私、なんか変……こんなこと今までなかったのに……
 課長に欲情しているだなんて、そんなことあるわけない。あるわけないと頭では思って
いるのに、体は違う反応をしている。
 気持ちと体がちぐはぐ。そのことが私を余計混乱させた。
「よく、じょう……だなんて、そんな……そんなわけな……」
「じゃあなぜ、さっきから私の目を見ない? それに……今の君はあの夜のように目が潤み、体を火照らせ私を求めているように見えるが」
「か、ちょうっ……」
 なにを言えばいいのか分からなくて、ただ課長を見つめる。すると、彼は私がさっきから握り絞めていたビールの缶を静かに奪いキッチンに持っていき、再び私の隣に戻ってきた。
「体が熱いなら、正直に言えばいい。どうだ、熱いのか」
 すべてお見通しだ。この人にごまかしなど通用しない。
「確かに……あつ……あつい、です……でも……」
「君がイヤでなければ、私がその熱を冷ましてやることもできるが。どうする」
 課長が、冷ます? この熱を? 
 言われた意味がよく分からなくて、課長を見つめる。
「熱を……冷ますって……どう……?」
「セックスに決まっている」
「⁉」
 他に方法があるというのか? とでも言いたそうに、末友課長が眉をひそめる。
 いきなりこんなこと言われたら、普通は引く。
 だけど今の私は、不思議とこの言葉に特別嫌悪感を抱くことはなかった。それよりも、別のことが気になって仕方がなかった。 
 これが、フェロモンに充てられるってこと……? 
「でも、でも……課長、彼女とかいるんじゃ……」
 こんなにイケメンで色気のある男性なら、付き合っている女性の一人や二人いてもおかしくない。素直にそう思ったので聞いてみたら、わかりやすく課長の口元が緩んだ。
「いないから安心してくれ。ああ、それより君はどうなんだ? 付き合っている男性は」
「いま……せん……」
 この質問に関しては考える間もなく返事をした。
「それとも君、実は経験がない……とか?」
 これに関しても、私は静かに首を横に振った。
 とはいえ最後にそういうことをしたのはかなり前。はっきり言って、前回のセックスがどうだったとか、まるきり覚えていない。
「……どうする? かなり辛そうだが」
 末友課長が私の頬に手を当て、じっと顔を見つめてくる。
 それだけで下腹部の疼きが止まらない。さっきまではただ濡れているだけだった股間の辺りは、今でははっきりと溢れている、と言える。
「だめ……だめ、課長……見ないで……」
「そういうことを言われて、大人しく引く男がいると思うか」
 低い声で囁きながら、末友課長の顔が近づいてきた。反射的に目を閉じると、私の耳に彼の唇が触れた。
「あっ……!」
「君は……存外いい声を出すな」
 末友課長のいい声が耳のすぐ横で聞こえた刹那、それは私の腰に直接響いて全身から力が抜けていく。
「ふ。耳がまた赤くなってきた」
 指で耳たぶをスリスリと擦り合わせると、課長は耳の入り口に舌を差し込んできた。
「あっ……‼ はあんっ‼」
 丹念に舐め回されると、背中から腰にかけて寒気にも似た快感が走る。
 耳への愛撫だけで思考が飛びそうなくらい、感じている。そんな自分が信じられない。
「あ……末友……かちょ……」
「この状況で課長はやめろ。誠巳でいい」
「まさ……み……? あっ、や……」
 さっきよりも激しく耳を攻められる。その間に私の体には彼の体重がのしかかり、気がついたらソファーに倒れ込んでいた。
 しかも、いつの間にか彼の手はトレーナーの上から私の乳房を掴み、円を描くように優しく揉み始めている。
「……樫部さん、もしかしてノーブラ?」
 隠していた事実に誠巳さんが気付く。その瞬間、羞恥でさらに顔が熱くなった。
「だ、だって……濡れてしまって……」
「どれだけ大量にこぼしたんだよ、まったく……」
 誠巳さんが耳から離れ、再び私と顔を合わせる。
「でもお陰でこういうことになっているのなら、役得か」 
 やくと……
 その言葉に反応しようとしたら、誠巳さんに唇を塞がれてしまった。が、すぐに唇の隙間から彼の舌が差し込まれて、口腔を舐め尽くす激しいキスに変化した。
「……っ⁉ んっ……」
 はっきりいって、昔付き合っていた男性からもこんなキスはされたことがない。
 オスっぽくて、荒々しい。私の魂ごと吸い取られるんじゃないかと思えるような激しいキスに、ものすごく戸惑った。
 だけどオロオロしている隙など与えてもらえない。私は、本能的に彼の舌へ自分のそれを絡め、どうにか必死でキスに応えた。というか、そうせざるを得なかったから。 
 す、すごい……こんなのはじめて…… キスですでにめまいがしそう。そんなことを考えていると、誠巳さんの手がトレーナーの裾から素肌に触れた。私がビクッと体を揺らすと、彼はキスを止め、至近距離で目を合わせてくる。
「……今ピクッとした? 可愛いな」
「だって……急に触るから……」
「触らないとできない」
 話している間も、誠巳さんの手はするすると私の肌を滑り、乳房に到達した。そのまま膨らみの中央にある尖りをキュッと指で摘ままれ、さっきとは比じゃない驚きで、大きく腰が跳ねてしまう。
「ああッ‼」
「樫部さん……かれん、と呼んでも?」
 乳首をスリスリと擦られながら聞かれ、無言で何度も頷いた。
「じゃあ、かれん。君の可愛いここに直接触れてもいいだろうか」
「そんなの……聞かないでくださいっ……」
「それは肯定とみなしていいのかな? では」
 誠巳さんがいきなりトレーナーを私の胸の上までたくし上げた。その瞬間、なにも身につけていなかった私の乳房が、ふるりと彼の目の前にさらけ出された。
「あッ……」
 羞恥で胸がドキドキと跳ねる。そんな私の胸を、誠巳さんはただ黙ってじっと見つめていた。
「……綺麗だな。それに、ここも色素が薄くて……」
 観察をするように、彼が私の胸をその大きな手で掴む。そして乳輪の辺りを指でなぞり始めた。
「んんっ……、まさみさ……」
「感じるのか? ああ……乳首が勃ってきたな」
 乳輪の周りをくるくると指でなぞられていると、いつの間にか触れてもいないのに乳首が硬く尖り始めた。それに、触れられそうで触れない彼の指の動きに翻弄され、じわじわと腰が揺れ始めた。 
 なんで⋮⋮触ってくれないの……? 触って欲しい……
 その長い骨張った指で乳首に触れて欲しい。触れるだけじゃなくて、もっと弄ってほしい。
 はしたないお願いで頭の中がいっぱいになっていく。
「あ……、はっ、もう、だめっ……触ってください、お願い……っ」
 我慢するのも限界に達し、あろうことかおねだりをしてしまった。
 すると、誠巳さんは乳輪をなぞる指をとめ、嬉しそうに頬を緩ませた。
「触ってください? どこを触って欲しいかちゃんと言わないと分からないな」
 この人、絶対分かってて言ってる。 
 意地、悪っ……!
「……っ、ちくび……を、触ってください、お願いします……」
「よくできました」
 そう言って、誠巳さんは二本の指で強めに乳首を摘まむ。
「あんっ……‼」
 強い快感に襲われて一際大きな声を上げ背中を反らすと、誠巳さんは私の乳房に顔を近づけ、舌を出した。
「かれんは感じやすいんだな。じゃあ、これはどうだろう」
 上目遣いで私を窺いながら、誠巳さんが少しずつ舌を乳首に近づける。
 触れるか触れないか。そんな際どいところで彼がほんの少しだけ舌を動かす。舌先が一瞬だけ乳首の先端に触れ、私は小さく身じろいだ。
「ぅあっ……」
「ふっ……これだけでもその反応? いいね」
 誠巳さんの口元が弧を描く。それが視界に入ったすぐ後、彼はまた舌先を使って、私の乳首をツンツンとノックするように触れてくる。そのたびにピリッとした弱い電流のような快感が胸先から下腹部へと伝わり、私の股間を潤していく。
 もちろんその間、もう片方の乳首への刺激がやむことはない。二本の指で擦り合わせたり、指の腹を使って転がされたり。常に快感が与えられている状態に、まだ前戯の段階なのにすでに頭の中は真っ白で、なにも考えることができない。
「あっ……あ、ん、はっ……ああっ‼」
 ビクビクと何度も体を揺らしながら、誠巳さんからの愛撫に悶え続けた。そんな時間がどれだけ続いたのだろう。誠巳さんが胸元から顔を上げた頃、私はまるで全力疾走を終えたかのように、すっかり息が上がってしまっていた。それでも、かろうじてまだ達してはいない。
「そんなに? まだ胸しか弄ってないんだけど」
 彼がこう言いながら私を見て苦笑する。でも、胸だけでもあれだけ愛撫されれば、こうなってしまうのは仕方がないと思うのだが。
「だ……って、誠巳さんが……ねちっこいから……」
 つい本音を漏らしたら、誠巳さんの眉がピクッと反応した。
「……わかった。じゃあ、もっとねちっこくしてやる。これ、下げるぞ」
「えっ」
 これ、というのが今穿いているジャージだということに気付きハッとする。
「ちょっとまっ……」
 私がジャージズボンを押さえようとしたほんの数秒前、勢いよくそれを下げようとした誠巳さんが手を止めた。
「……やっぱり穿いてなかったか」
「だ、だから……せ、洗濯しちゃったんです!」
 誠巳さんが掴んでいるジャージズボンを掴み引き上げようとした。でも、それはできなかった。なぜなら、誠巳さんがあっという間にそれを脚から抜き取ってしまったから。
 いきなり下半身が外気に晒され、私は大いにテンパった。
「や……っ」
 慌てて両足を閉じようとするも、またしてもそれを阻止される。
「閉じるな」
 誠巳さんが真顔で私を制すと、体を脚の隙間に割り込ませた。彼はその長い指を股間に伸ばし、割れ目をゆっくりとなぞり始めた。
「っ、んっ……!」
 指が割れ目の奥へと進むと、ふと誠巳さんが顔を上げた。
「なんだ、ぐしょぐしょじゃないか。こんなになってるなんて、なんでひとことも言わない?」
「い……言えるわけないですっ、そんな……恥ずかしいし……」
「恥ずかしい、なお結構」
 クスッと笑った気配がした。その刹那、割れ目をなぞっていた誠巳さんの指が再び動き出す。蜜壺に指を少しだけ差し込むと、蜜を纏わせ滑りを良くし、そこから上へ、下へ、と指が移動する。
「や……ああっ……」
「ああ、すごいな。もっと濡れてきた……かれん、君って子は……」
 誠巳さんが上半身を倒し、私の耳元に口を付けた。
「最高にエロい体をしている」
 こう囁かれ、体が羞恥で熱くなってくる。しかし、このあとすぐ深いキスをされ、なにも反応できなかった。
「ん……っ、あ……っ、は……、」
 口の端から溢れ出そうになる唾液を飲み込みながら、どうにかキスに応えた。その間も彼の指は私の蜜壺に差し込まれ、抜かれ、繁みの奥にある小さな突起に触れてくる。
 そのたびに大きな快感に襲われ、何度も腰が浮いた。それだけじゃない。これまではなんとか逃がせていたもどかしさが、だんだん逃がすことができなくなってきて下腹部がキュンキュンと疼き始めた。
「かれん、気持ちいいのか。指が締め付けられてるんだが……」
「……っ、だって……は、ああっ、や、やだあ……‼ そこっ……」
 誠巳さんが蜜壺から引き抜いた指で、突起をぐりぐりと潰すようにして刺激を与えてくる。これまでにない大きな刺激に襲われ、私は目を瞑り、必死で体を捩った。
「そこ? それじゃあどこが気持ちいいのかわからないが……」
 指を動かしつつ、誠巳さんが空いている手で乱れた前髪を掻き上げる。その後、一旦引き抜いた指をペロリと舐めると、身につけていたTシャツをいきなり脱いだ。 
 あ……
 目の前に現れたのは、普段の末友課長からは想像もできない引き締まった体だった。
 膨らみのあるたくましい胸筋に、うっすら割れ目が見える腹筋。まさかあのスーツの下にこんな体が隠されているなんて。こんなの、女性社員が知ったら絶対放っておかない。それほど魅力的な肉体だ。
「ま、誠巳さんは⋮⋮すごくいい体をしていらっしゃるのですね……?」
 シャツを床に落とした誠巳さんに、心なしか鼻で笑われたような気がした。
「意外とまだ余裕があるようだな?」
「えっ? 余裕……」
 そんなもの、今の私にあるのだろうか⋮⋮と考えようとしたそのとき。誠巳さんがハーフパンツとボクサーショーツを一緒に脱ぎ捨てたのが視界に入り、息を呑む。
 硬く勃ち上がった屹立は、下腹部に触れてしまいそうなほど。その形状だけでなく、太さと長さに釘付けになった。 
 あんなのが私のナカに……?
 それを見た私は今なにを考えようとしていたのか。それすら忘れ見入ってしまう。
「なんだ? これを見て驚いてるのか」
 誠巳さんが苦笑いしながら私に覆い被さる。
「だ、だって……」
「初めて見るわけでもないんだろう?」
「そうですけど……」
 でも、昔見たときはちらっとだったし……それに、こんなに大きくなんかなかっ……
 などと考えていると、屹立がピタリと私の股間にあてられる。そしてそのまま中に入れ
 ……られるのかと思いきや、そうではなかった。
 彼はそれを前後に動かし私の蜜を纏わせ、挿入せずにそのまま私の股間に屹立を擦りつけはじめた。

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