望まれない婚約者のはずが、次期当主様の独占溺愛に囚われています
著者:桜旗とうか
イラスト:千影透子
発売日:2024年 6月28日
定価:630円+税
桐尾琴穂が生まれ育ったのは、とある地方の田舎町。
この地域では衣食住から仕事先、何から何まで地主である羽木籐家に頼り生活している住民ばかりという、独特の風習がいくつも残る閉鎖的な環境だった。
そんな、地元で絶対的な力を持つ羽木籐家の御曹司――聖惟の婚約者だった琴穂は、ある時この土地での生活が歪であることに気づいてしまう。
そして七年前、『二十五歳の誕生日にはかならず仕事を辞めること』という約束を聖惟と交わし、琴穂は外の世界を学ぶため地元を離れることに。
とうとう迎えた二十五歳の誕生日。
七年ぶりに再会した聖惟は淡々としていて、相変わらず琴穂には興味がないように見えたのだが……!?
「今日、僕がなにもしないと思った?」
ついに始まってしまった羽木籐家の嫁としての生活。
都会に出た琴穂は変わり者だと冷たい目を向けられ、実の母でさえ琴穂の味方をしてくれない。
七年もの自由をくれた聖惟のためにも、琴穂は羽木籐家の嫁としてふさわしくなろうと奮闘するが――……。
【人物紹介】
桐尾琴穂(きりお ことほ)
清楚で大人しそうな女性だが、内に秘める好奇心は旺盛。
あるきっかけで自身の生活が普通ではないと知ってしまい、外の環境が知りたいと地元から離れ大学を卒業後は玩具メーカーに勤めていた。
胸が大きいのがコンプレックス。
羽木籐聖惟(はぎとう せい)
琴穂たちの地元を束ねている羽木籐家の御曹司で、地元民から敬われている。
基本的に温和だが、無表情に加え圧的な雰囲気があり、しばし琴穂も恐縮してしまう。
琴穂を心から愛しており、地元の風習に思うところがあるものの彼女との婚約を破棄する気はない。
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【試し読み】
彼の言葉は絶対。だから感情など乗せずに頷いたのだが、聖惟さんが眉をひそめた。こういう返答ではいけなかったのだろうか。もっと彼を誘うような言葉や態度が必要だったのかもしれない。
「琴穂、僕にキスをして」
頭を引き寄せられ、顔が近づく。どうすればいいのかわからないが、従うと言ったのだから拒むことはできない。さらに顔を近づけ、ぎゅっと目を瞑って唇を押し当てた。すぐに離れようとしたが、頭を強く押さえられて身動きが取れない。
彼の胸を押し返していると、唇を割ってぬるりと舌が押し込まれた。
「んっふ……」
生き物のように蠢く舌が絡み合う。まるで味わうように舌を舐められ、くちゅくちゅと水音を立てながら深く繋がり合っていく。
口内の粘膜をなぞられ、歯列も口蓋も余すことなく舐め尽くされて、頭がくらくらする。息を継ぐたびに、湿った吐息が混ざり合っては呼吸を奪われた。
「んんっ……」
心臓がバクバクと耳の奥でうるさく鳴る。聖惟さんに覆い被さるように、しがみついてキスを貪る自分がひどく淫乱に思えた。
舌の裏を舐められてぞくぞくと身を震わせていると、彼の手が胸元にあてがわれた。
「っ……、聖惟、さん……」
ジャケットのボタンが外される。肩から落とされ、身をこわばらせたが彼の手は止まることなくブラウスのボタンも開いていく。
「は、ぁ……っ、聖惟……さ、んっ、あ……」
それ以上のことが言えない。恥ずかしいから待ってほしいとか、心臓が壊れそうなくらいドキドキしているとか、思うことはあっても言葉にできないのだ。聖惟さんの邪魔をしてはいけない。
「琴穂、僕を見て」
気づかないうちに俯いていたことに気づいて顔を上げる。聖惟さんと目が合って、ドクッと鼓動が高鳴った。身体が芯から熱くなって震える。彼の手がブラのホックを外して押し上げ、乳房をあらわにすると、それだけで呼吸が止まりそうだ。
「私……聖惟さんの顔、見られないです……」
恥ずかしすぎる。もう諦めて消えたと思っていた淡い慕情が火を灯す。彼に振り向いてもらえないとわかっていても、私はあの頃の初恋をまだ諦めきれていない。
「僕の顔を見たくないのなら、見なくて済むようにしてあげる。でも琴穂にはきついよ」
やわやわと胸元の柔肉を揉みしだかれる。弄ぶように形を変えて、指が沈み込む様を楽しんでいるようだ。
「聖惟さんを直視するのは恐れ多いというか……」
目を右へ左へ泳がせながらごにょごにょ呟くと、彼が浅い息を吐いた。
「そんなことは聞いてない。琴穂は僕の顔を見たいの? 見たくないの?」
彼は、育った環境からかひどく緊張を強いるような声を出すことがある。その瞬間、私はどうしても身を固くしてしまう。
「……できれば、見えないほうがいい……です」
盗み見るように視線を上げると、聖惟さんがとても悲しそうな顔をしていた。
決して彼の顔を見たくないというわけではない。でも、正面から彼の顔を見るのは失礼になるからやめるようにと教わってきた。七年経っても、子どもの頃から染みついた価値観や習慣はなかなか変えられないものだ。
「優しくはできないよ。それでもいい?」
「それは……聖惟さんの思うようにしてもらうのがいいと……」
聖惟さんが思案顔をする。逡巡したのはおそらく一瞬。すぐに気持ちを決めたようで、私の身体を抱き上げた。
「えっ……!?」
「僕の思うようにしていいんだよね」
「そうですけど……」
抱き上げられたまま運ばれ、どこへ連れて行かれるのかとあたふたしていると、寝室のベッドに下ろされた。
「僕のやりたいように君を抱く」
うっすらと笑みを浮かべる聖惟さんに、ゴクリと喉を上下させる。指先がかすかに震えていることに気づいて、ぎゅっと手を握り込んだ。
「……はい」
「君は……」
なにかを言いかけた聖惟さんを見つめた。その言葉の続きを聞くよりも先に唇が重なって押し倒されてしまう。途中まで開いていたブラウスのボタンがすべて開き、緩んでいたブラもろとも引き剥がされて上半身を覆うものはなにもなくなってしまった。心細くて前を隠そうとすると、彼の手が私の手首を掴んでベッドに押しつける。
「隠していいなんて言った覚えはないよ」
声がピンと張り詰めて響く。この行為に、私の意思は介在しない。すべて聖惟さんの心のままに従っていくだけだ。
「はい」
頷くと、聖惟さんがなんとも言えない顔をした。悲しそうな、つらそうな、でもどこか歓喜も覗く顔。
一度目を伏せた彼が、そのまま胸元に吸い付いて先端を舌で舐める。はじめての感覚にびくっと身体が震えると、そのあとは自分でも驚くほど快感を捕まえてしまう。
「んっ……、ん、……っ」
ちろちろとくすぐるように胸先の飾りを舐められ、立ち上がっていく。ぴんと膨らんだ粒が、しっとりと濡れて熱を帯びる口内に含まれた。ちゅっ、ちゅるっとむしゃぶりつくように吸われると背筋に甘い疼きが走る。
「あっ……、あっん……」
空いたもう片方の胸が、切なく熱を持つ。触ってほしいけれど、そんなことを口にできるはずもなくて、彼の手を探して掴む。
「聖惟さん……」
震える声で名前を呼んだ。彼ならなにかを感じ取ってくれる気がしたのだが、一瞥されただけですぐにまた顔を伏せられてしまった。
「んっぅ……、んっ、ん……」
舌先で肉粒を捏ねられると声が止められない。聖惟さんがこんなにいやらしいことをするなんて想像したこともなかったからか、目の前で繰り広げられる光景がまるで夢を見ているかのようだ。
ちゅうぅっと強く胸先が吸い上げられた。
「んっ……あ、あぁっ……」
身体の内側からなにかを引きずり出そうとするような愛撫に身体が仰け反る。
未だ触れられることのない右側の胸が寂しくて仕方ない。どういう理由かはわからないけれど彼に気に入られなかっただけかもしれない。でも、もっと触ってほしい。
疼く胸に自らの手をあてがった。すると、すぐに聖惟さんに手首を掴まれる。
「触っていいって言った?」
ちらりと視線を向けられて、気まずくて目を逸らした。
「すみません。左側ばっかりで……」
「僕の好きにすると言ったはずだよ。君は、どんなふうに扱われても僕の意思に関係のないことをしてはいけない」
はっきりと言い切られて身が竦む。そんな行為はおかしいと思う。私が知っている恋人同士の関係というものは、もっと穏やかで、お互いが思いやりを持って接していくものだ。大学の友人や会社の先輩、同僚がそんな恋をしていた。そんな恋に憧れていた。だけど、私たちは光に照らされるような、だれかが羨むような関係にはなれないのだろう。
「でも、君がこっちも触ってほしいってことはわかったよ」
顔を寄せて、右の胸に吸い付かれた。
「んあっ……あぁ……っ」
待ちわびていた刺激が与えられたからか、身体がびくびくと魚のように跳ねる。
シーツを掴んでくねる身体を抑えようとしても、ちゅぱ、ちゅぱといやらしく音を立てて敏感に膨らむ粒を刺激されると耐えきれない。身体の中心が熱くなって、気を紛らわせるように聖惟さんの身体に腰を押しつけた。
「琴穂はどこでそんなおねだりを覚えたの?」
腰を抱き込まれてスカートのホックが外される。
「ごめんなさい……聖惟さん……、ごめん、なさい……」
「怒ってるわけじゃないよ。……それとも、他の男に教えてもらったの?」
すうっと彼が目を細める。そんなはずがない。聖惟さんと結婚すると決まっていたのだから、恋愛には近づかなかった。合コンの誘いも、友達を紹介するよと言ってくれた友人の申し出も断ってきた。
「そんなこと、してません……」
「それならいい。僕にねだるのは可愛いと思う。勝手に触ろうとするのは許さないけど」
さっき自分で触ろうとしたのも、聖惟さんには気に入らなかったのだろう。
話し方が柔らかいから厳しさは感じないけれど、彼の表情はなんの興味も示していないように見えた。きっと、悪手だったのだ。
「もう、しません」
聖惟さんの不興を買わないようにしないと、と唇を引き結ぶ。
「そんなに硬くならなくていいけど、わかってくれたならいいんだ」
ちゅっと額にキスをされ、スカートが脱がされる。さらにストッキングとショーツをまとめて引き下ろされて着ているものがすべてなくなってしまった。
「聖惟さん……あの、恥ずかしい、です……」
「恥ずかしいなら、僕にしがみついていればいい。顔は見えなくなるよ」
彼がジャケットを脱ぐと、手を取って首に掛けるように促される。こんなに近く聖惟さんを感じてしまっていいのだろうか。戸惑いながらも、彼の肩に手を置いた。
聖惟さんがふっと息を吐く。まるで安堵したようだと思ったのは私の気のせいだろう。
「琴穂、できるだけ力を抜いていて」
「……はい……」
ドキドキする。息が無意識に止まってしまう。それに気づいて深呼吸していると、彼の手が身体の上を滑った。腰元からお腹の上を羽で撫でるようになぞり、脚の間に滑り込まされる。内腿を撫でると、左右に大きく脚を割られた。
「っ……、聖惟さん……」
こんなはしたない格好をしていいのだろうか。でも促しているのは聖惟さんだし、大丈夫のような気もする。だけど変なことをしていたら――。
ぐるぐると答えのない堂々巡りに思考が陥ったが、すぐにそれは中断された。彼の手が脚の間を弄り、秘裂を捉える。ぬるりと滑る彼の指が、敏感な肉芽を擦った。
「んあぁ……っ」
びりびりと電流が走るような感覚に首を仰け反らせる。爪先が熱くなるような感じがして、その熱がぞわぞわと這い上がってくる。
「ちゃんと濡れてるね」
聖惟さんが指を動かすたびにくちゅくちゅと水音が立った。粘り気のある液体をかき混ぜるような音が耳についていやらしい気持ちが湧いてくる。
「んっ……、ん、ふ……」
優しく花芯をなぞられて、鈍い感覚が少しずつ快感に変わっていく。
「ここを触られるのは嫌いじゃない?」
「……たぶん……」
曖昧な返答だったが、聖惟さんは「それならよかった」と額にキスを落とした。こんな返事をしたら怒られるんじゃないかと思っていたけれど、そうでもないのだろうか。
「聖惟さん……、私、どうしたらいいですか……?」
「特になにもしなくていいけど……どうしてもなにかしたいなら、僕の服を脱がせて」
いきなりハードルが高い。でも、それ以外にできそうなこともない。意を決して彼のネクタイに手を掛けた。まごつきながらもネクタイを緩めると、聖惟さんが笑みを零す。
「いいね……ドキドキする」
「……聖惟さんもドキドキするんですか……?」
不思議な言葉を聞いた気がして問い返した。
「僕だって人並みに緊張も興奮もするよ」
「そう……なんだ……。聖惟さんも緊張するんだ……」
「いまだって、どこを触れば琴穂が喜んでくれるか、痛くないか考えて少し緊張してる」
聖惟さんを見つめる。ちゃんと気遣ってもらえているのだとわかると、なんだかくすぐったい気持ちになった。
「……もっと、琴穂の可愛い声が聞きたいんだ」
キスをされ、彼の体温に身を委ねる。舌を絡ませ合いながら、そっと聖惟さんの背に腕を回すときつく抱きしめられた。
「聖惟さん。私、大丈夫ですよ」
ふぅっと彼が息を吐く。ややして身体を離すと、聖惟さんは首を横に振った。
「もう少し時間を掛けよう」
そう言って、私が緩めたネクタイを彼が無造作に解き、ボタンを外してシャツを脱ぐ。目の前にある光景を認識するよりも先に、私は彼から目を逸らしてしまった。
聖惟さんが服を着ていない姿なんて、想像したこともない。見るには刺激が強すぎるし、恐れ多いような気もする。でも、やっぱり見てみたいと思ってちらりと目を戻すと、スラックスと下着まで脱いでいたので慌てて両手で顔を隠した。
「聖惟さんごめんなさい見るつもりは全然なかっ――ありましたけど!」
「正直に白状しなくていいし、琴穂にならじっと見られても別に困らないよ」
おずおずと指の隙間から覗くと、聖惟さんがクスクスと笑っている。こんなふうに笑う彼を見るのは初めてのような気がする。
「……聖惟さんって、やっぱり神様の末裔なんですか?」
「地元だとよく言われるけど、そんなわけない。周りが誇張しすぎなんだよ」
私はそう聞いて育ったので、聖惟さんのご先祖が実は神様だと言われても信じられる。
厚みのある胸板も、しっかりと鍛えられて引き締まった腹筋も、緩やかな稜線を描く肩も全部、神々しいと思った。
顔だけでなく身体まで完璧とか……人間じゃないって言われたほうがしっくりくる。
「少しは力が抜けた?」
「……ほんのちょっとだけ」
「うまくやろうとしなくていい。君には、僕の好きなことを僕の手で教えていくから」
頷いて見せると、頭を一度くしゃりと撫でられた。
聖惟さんが身体をずらし、脚の間に身体を滑り込ませる。ぐいとさらに大きく両脚を広げられると、一瞬の躊躇もなく彼は秘部へ口をつけた。
「んっぅ……!」
ねっとりとした感触が秘裂をなぞっていく。ぬちぬちと音を立てながら、鈍い感覚を帯びる花芽をちゅうっと吸われた。
「あ、あっ……」
びくっと足先が跳ね上がる。背筋に甘く痺れるような感覚が走って、じっとしていられない。
「んっ、ふ……、ああっ……」
シーツを掴んで身体をくねらせた。ひどく疼く。熱が下腹部に溜まって、暴れ出したくなる。
「んあぁっ……、聖惟、さん……、あ、あっん……」
「こっちのほうが気持ちよさそうだね。蜜が溢れてくる」
ジュッと愛液を啜られ、耳を塞ぎたくなった。聖惟さんにこんなことをさせていいのだろうかという罪悪感と、普段では近寄ることさえできない彼がこんなにも近くで淫らな行為をしていることへの高揚感が、さらに興奮を誘う。
「聖惟さん……そんなところ舐めちゃ……汚いです……」
「でも琴穂は興奮してるよね。ここ、さっきより膨らんできた」
ちゅるりと花芯を口内に含まれ、しゃぶるように舐められる。唇で扱かれ、舌で転がされて腰が浮き上がった。
「んあぁ……っ、あ……っんぅ……」
お腹がきゅうきゅうと引き攣れるように蠢く。そのたびに感覚が敏感になっていくようで、もっとしてほしいと思う自分が恥ずかしかった。
「琴穂、手を貸して」
手を差し出すときゅっと握られ、そのまま秘所へ誘われる。
「僕に見せつけるように開いておくんだよ」
「え……、そんな、恥ずかし……」
顔まで熱くなったが、聖惟さんはうっとりと目を細めた。
「恥ずかしいともっと興奮するのかな。ここ、とろとろになってるよ」
彼の指がぬかるむ蜜口をなぞる。なんの抵抗もなくぬるぬると滑らされて、頭を左右に振った。
「聖惟さん、手を離したいです」
「だめだよ」
再び顔をつけて、蜜壷に舌が差し込まれる。愛液を掻き出すように抜き差しされ、ジュルッと音を立てて啜られた。
「ふ……っん……あ……」
恥ずかしいのに、どんどん身体が熱くなって興奮してしまう。
肉芽をちゅっ、ちゅっと何度も吸われて腰をくねらせた。
「聖惟さん、あ、んあぁっ……」
「それでいいよ。もっと大胆になってもいい」
腰を掴まれ、固定されるとキスをするように蜜口を舐られる。じゅる、ちゅぱっと下品な音が聞こえるたびに頭がくらくらした。
「ここ、弾けそうだね……」
吐息に混ざる声が甘さを帯びていく。聖惟さんの指が熟れた芽をきゅっと摘まむと強い刺激が全身をビリビリと駆け巡った。
「ああぁ……っ、あ……は、んっ……」
「……可愛いね、琴穂。気持ちいい?」
胸がきゅうっと疼く。聖惟さんに甘く囁かれる日が来るなんて思ってもみなかった。たとえ心からの言葉でなかったとしても、うれしくて仕方ない。
「んっ……、気持ちいい……けど、変じゃ……」
「おかしくないよ。……可愛い」
媚肉を押さえていた手を取られ、指先にキスをされる。聖惟さんの声がどんどん甘さを増していくのは、彼も興奮しているからだろうか。どんな表情をしているのだろう、と目を向けると聖惟さんと目が合った。一度捕まると逃れられないような、吸い込まれそうな引力を纏う視線にドキドキと鼓動がさらに高鳴っていく。
「中でも気持ちよくなろうか」
熱く息を零して、肉芽に吸い付かれる。それと同時に、蜜口から指が押し込まれた。
「っは……、ん、あぁ……あっ、く……っ」
強烈な圧迫感に身体が仰け反る。
ぐちゅぐちゅと中をかき混ぜられ、抗うようにシーツを掴んだ。
「んあぁっ……、は……っ」
「琴穂……」
名前を呼ばれながら花芯を吸い上げられると、膣壁がきゅうっと蠢く。ぬちゅ、ぬちゅと音を立てながら内側を弄られて、強く押された。
「んっぅ……、あ……あぁっ」
目の前がチカチカする。押されて苦しいはずなのに、藻掻き狂いたくなるほどの快感が下腹部から迫ってくる。
「聖惟……さん……あ、ああっ……」
「ここが好きみたいだね……」
ぐりぐりとある一点を指で執拗に擦られた。足先がびくびくと跳ねて力が抜けていく。
「もう少し強くするよ……」
聖惟さんがうっとりとした声を零す。その声の甘さとは裏腹に、蜜口からさらに指をもう一本押し込まれ、ぐちゅぐちゅと中を激しくかき回した。
「っは、ん……っふ……あっ、あっ……」
「琴穂の中がまとわりついてきて……早く入りたい」
彼が覆い被さって、顔の横に手を突いた。端正な顔立ちに滲む情欲の色は、ひどく艶めかしく映る。
「聖惟さん……、あ、んっ……」
「……琴穂、入っていい?」
首筋に顔を埋め、ちゅうっと肌を吸い上げられた。舌を這わされ、胸を揉みしだかれて、欲望を一気にぶつけられているようだ。
「んっ……、聖惟さん……きて」