エリート上司の溺愛は一夜の過ちから ~強がりOLはベッドの上でしか甘えられない~

書籍情報

エリート上司の溺愛は一夜の過ちから ~強がりOLはベッドの上でしか甘えられない~


著者:水戸けい
イラスト:ユカ
発売日:2021年 10月29日
定価:620円+税

アパレルショップ店員のゆかりは、高身長で勝ち気そうな容姿ゆえ、性格も派手で男性経験豊富なキャラだと勘違いされている。
本当は可愛い格好が好きで、奥手な処女なのに。
しかし、波風が立つのが苦手なゆかりは、つい周囲が思うゆかりのキャラを演じてしまうのだった。
あるとき職場の打ち上げで、上司であり意中の津山さんに仕事ぶりを褒められ、舞い上がったテンションのまま「ご褒美に今夜かわいがって欲しい」ととんでもない誘いを口にしてしまうことに。
思わず口走ってしまった発言だったが、津山さんの返事はまさかのOKで!?
「ゆかり……かわいいよ、最高にかわいい」
まとまらない思考のまま、ゆかりは憧れの津山さんに抱かれてしまい――!?

【人物紹介】

井筒ゆかり(いづつ)
アパレルショップ店員。
上司である津山に想いを寄せているが、男慣れしているキャラで通っているため、素直にアピールできずにヤキモキしている。

津山義明(つやま よしあき)
ゆかりの働くアパレルショップのエリアマネージャー。
優しく包容力があり、優秀な上にイケメンのため女性店員達のあこがれの的。
なぜか、ゆかりの大胆な誘いに迷いなく乗ってくれたけど……。

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*取り扱いサイトは、各書店に掲載され次第、更新されます。

 

【試し読み】

 
 ほっぺたをつねったり叩いたりしてみる。
 ちゃんと痛い。
 夢じゃない。
 私、津山さんとラブホテルにいる。
 これって、ええと……つまり、そういうことよね?
 二十三歳で、初体験。経験ありのフリをしていた私が、とうとう本当の経験者になる。
 打ち上げで、あんなにアピールしていた子達じゃなくて、最後にさらっとトンデモ発言をした私が、津山さんと――――。
 顔が熱くなって、息が浅くなる。
 ウソやだ、ちょっと待って!
 どうしよう。
 津山さんてば私に気があったってこと?
 だったらうれしい。
 でも、彼も私の作り上げてきた偽物のうわべを信じて、一夜限りの遊び相手としか思っていなかったら?
 うわぁ……切ない。っていうか、悲しい。
 自業自得とはいえ、誤解なんですって全力で今までのことを洗いざらい告白したい。
 どうしていいかわからなくて、スマホを取り出して検索をする。
 〝初体験 ラブホテル〟
 検索結果のタイトルを見ても、なんの参考にもならなさそう。だけど、じっとしていられなくて、ひたすら画面をスクロールする。
 自分でも無意味としか思えない行動をしていると、扉の開く音がして、バスローブ姿の津山さんが現れた。スーツ姿の時とは違う、男の色香が匂い立つと言えばいいのかな。さわやかな中に、ものすごく男を意識させる雰囲気が漂っていて心音が高くなる。
「おまたせ」
 何か返事をしたいのに、喉が締まって言葉が出ない。緊張で心も体もガッチガチ。
 そもそも、こういう時はなんて返せばいいの?
 細かいやり取りのことなんて、誰も聞かせてくれなかったし、本にも書いていなかった。
 小説とかも読んで、勉強をしておけばよかったかも。
「どうしたの?」
 見とれながら、どういう反応をすれば正解なのか考えていたら、小首をかしげられた。
「っ……な、なんでもないです。私もシャワー、あびてきますねっ」
 あわててベッドから腰を上げると、津山さんが少しはにかんだ。
「うん。行ってらっしゃい」
 照れた様子が、なんだかちょっとかわいくてキュンキュンした。にやけそうになる顔を隠したくて、足早に津山さんとすれ違って脱衣所に入る。
 ラブホテルの浴室って、ガラスの壁でベッドから洗っているところが丸見えってイメージがあったけれど、ここは違う。
 室内も、エッチなグッズとかあるわけじゃなくって、ベッドがやたら大きいだけで、普通のホテルみたいだ。
 壁のところどころがヒョウ柄だったのと、シャンデリアがぶらさがっていたのは、普通じゃないけど。
 映画とかで見る、昭和のラウンジとかキャバクラとか、そんな雰囲気。
 室内の様子を振り返りながら服を脱いでいたら、緊張がぶり返してきた。服を脱ぐ指先が震える。
 どうして私、かわいがってくださいなんて際どい冗談を言ってしまったんだろう。
 なんて後悔しても、もう遅い。本番になってしまっているんだから。
 ここまで来たら、覚悟を決めるしかない。
 初めての相手が大好きな津山さんなんて、最高過ぎる。
 さわやかイケメンの上司と一夜限りのめくるめく瞬間なんて、はちゃめちゃにロマンチックで切なくて、ドラマみたい。
 なんて、自分に言い聞かせながら全裸になって、浴室に入った。
 湯気が室内にこもっているのは、津山さんがシャワーを浴びたから。
 ここで、津山さんが体を洗ったから。
 ふわぁあ……やだ、心臓がギュッとした!
 恥ずかしいけど、なぜか頬がにやけてしまう。
 ほんのりと興奮して、鼻がふくらんでしまった。
 私ってば、もしかして性欲が強い?
 いやいやいやいや。
 大学の友達から、積極的に彼のアレをしゃぶったとか自分から誘ったとか、車の中でヤッたとか、色々と濃厚な話を聞いたし、普通だよね。うん、きっと普通!
 髪を洗って、顔を洗って……すっぴん見せて幻滅されないかな。ブサイクではないけど、化粧で目をかなり大きく見せているから。
 お風呂を出てから、化粧をし直す? いや、化粧道具はベッドの上に置いたカバンの中だ。それに、エッチする前に化粧をするなんて聞いた事がない。
 体は入念に洗った方がいいよね。耳の裏とか、脚の指の間とか……大事な部分もしっかり磨いておかなくちゃ。
 匂いとか、大丈夫かな。みんな、どのくらい念入りに洗っているんだろう。ドラマなんかだと、シャワーも浴びずに衝動的にエッチしちゃうってシーンがけっこうあるけど、気にならないのかな。
 いや、あれは感情がうんと昂っているからで、こういう時とは違うよねぇ。
 あぁ、もう……バクバクが止まらない。
 あんまり長く入っていたら、変だと思われるよね。この辺で体を洗うのを止めないと、擦りすぎで肌が真っ赤になっちゃうし。
 はぁ。
 ときめきと不安に挟まれて、心臓がぺしゃんこになっちゃいそう。
 脱衣所に戻って体を拭いて、ドライヤーで髪を乾かす。洗面台に用意されている化粧水やアメニティが充実しているということは、友達から聞いて知っていた。計画的でなく、突発的にそういう気分になって利用した場合、準備のない人がほとんどだから助かるって。
 敏感肌ではないから、ありがたく使わせてもらうことにする。
 化粧水を肌になじませてから、下着に手を伸ばして考える。
 体を洗ったのに、一日身に着けていたショーツを履いたら、また汚れない?
 バスローブ姿の津山さんが、眼裏に浮かんだ。
 彼は、下着を履いているの?
 しばらく悩んで、ショーツだけ身に着けることにした。いかにもヤル気ですって思われるのもイヤだし、ブラジャーまで着けたら経験がないってバレそうな気がしたから。
 バスローブを羽織って帯を締めて、脱衣所を後にする。
 おまたせって言いたいけれど、喉が異様に乾いていて声が出せない。
 ベッドに座っていた津山さんが立ち上がって、にっこりした。右手を差し出す津山さんは、おとぎ話の王子様みたいだ。夢の中にいるような、ふわふわとしたパステルカラーの気分になって、現実味のない空間に迷い込んだ気持ちでフラフラと近寄る。
 腰に腕を回されて引き寄せられて、頬に手を添えて見下ろされたら、彼の瞳に釘付けになってしまった。
 ああ、なんてかっこいいんだろう。
 ため息がこぼれた唇に、柔らかいものが押し当てられた。
 あ、キスされてる。
 ふわぁっと体が広がった気がした。
 解放感とは少し違う。
 春の訪れを肌で感じて、意味もなくウキウキしてしまう感覚にとても似ている。
 優しく何度も唇をついばまれて、うっとりと目を細める。陽だまりの中で、うとうとしているような幸福感。
 与えられる心地よさに浸っていたら、腰を包む彼の腕に力が込められて、津山さんの胸に体が引き寄せられた。
「かわいい」
 彼のささやきが胸に染みこむ。かわいいなんて形容詞を使われたの、何年ぶりだろう。照れくさくなって肩をすくめると、目じりにキスをされた。
 体がぴったりくっつくと、以外とがっしりしているのがわかった。バスローブに隠された素肌を見たくなる。
 ダンスをしているようにリードされて、ベッドに移動した。そっと優しく押し倒されて、帯の結び目に指をかけられる。
「いい?」
 静かな確認に、無言で首を縦に動かす。さっきまで体中に満ちていた緊張が消え去って、ただ彼と触れ合いたいって望みに変わっていた。
 布のこすれる音がして、腰のあたりが緩くなって、唇を舌先でなぞられた。
 ディープキス、するんだ。
 察して、薄く唇を開いた。彼の舌が私の舌に触れて、ビクッと震えた。
「感じやすいの?」
 ささやかれて、ぼんやりと彼の瞳を見つめる。初めてだから、わからない。余裕の笑みを浮かべたらかっこいいんだろうなとは思うけど、できなかった。
 クスッと笑った津山さんの舌が、私の口の中に大胆に侵入した。上あごをくすぐられて、口の中に溜まった空気が鼻から漏れる。
「ふっ、ふ……ぅ、ふぅ……っ、んっ」
 湧き出た唾液を、飲もうと思ったわけじゃなく自然と呑み込んでしまったら、彼の舌を吸ってしまった。そのとたん、おへその奥から脚の間にかけて甘い痺れがポツッと生まれて、じんわりと温かくなった。
 なんだろう、これ。
 よくわからないけれど、不快じゃない。むしろ心地いいかもしれない。津山さんが与えてくれるものに反応して、私の中にあったのに気がついていなかったものが目覚めていく。
 口の中が津山さんでいっぱいになって、頭の芯がぼんやり溶けて、女丘の下がヒクンと震えた。
「は、ぁ」
 唇が離れて、じっと瞳の奥を覗き込まれた。津山さんの目が艶やかに濡れていて、その奥にギラギラしたものが光っている。産毛が逆立って、津山さんに捕食されたくなった。
「津山さん」
 考えたわけじゃなく、口が勝手に名前を呼んだ。
「うん」
 うなずいた津山さんにバスローブの胸元をはだけられ、あらわになった首筋を吸われた。
「あっ」
 見なくても、キスマークをつけられたのだとわかった。彼の頭に手を乗せて、もう片手でシーツを握る。肩から鎖骨に移動した唇が、乳房まで進んで右の乳頭に到達した。
「は、ぁ……っ」
 乳首をチュクチュク吸われると、愛おしさがあふれるように湧き出した。左の胸先に指が触れて、尖った周囲の色づきをクルクルとなぞられる。くすぐったさと快感が交互に現れて、ムズムズした。
「ふぁ、あっ、あ……ぅふ」
 胸をいじられているのに、なぜか脚の間が甘痒くなって太腿を硬く重ねた。それでも収まらなくて、じっとしていられなくなって腰が揺れる。乱れるバスローブから腕を抜かれて、素肌の腰を撫でられると淡くて甘い痺れを覚えた。
「ぁ、はぁ……っ」
 乳首が腫れそうなくらい、たっぷりと吸ったり舌で弾かれたりして、ジンジンとした快感に包まれる。いくら唇でもてあそばれても足りなくて、少しでも刺激が途切れるともどかしく感じて身をよじった。ぷっくりと硬くなったのが自分でもわかるほど、乳首の存在感が増している。
 ふいに背中を撫でられて、雷に貫かれたような強い衝撃がビリッと走った。
「ひぁあんっ!」
 高い悲鳴を上げて、背中を反らして跳ねると脚が開いた。津山さんの体が太腿の間に入って、グッと体を押し付けられる。
「あっ」
 硬いものが割れ目に当たって、それが何かを認識した瞬間に全身の毛穴から汗が噴き出した。
 津山さんの、興奮したアレだ。
 一気に緊張が駆け巡る。固まっていると胸から顔を上げた津山さんが、子ども相手にするようなしぐさで私の頭を撫でてくれた。
「少し、待ってて」
 柔らかくて、とろけるような声音に緊張をなぐさめられた。
 言葉の意味がわからなくて、視線で質問をする。津山さんはほほえみを浮かべて、額にキスをくれてから体を離した。
 笑みを浮かべたまま、ベッドから離れる彼を見つめる。
 どうしたんだろう? これで終わりのはずは、ないよね。
 もしかして、経験がないってことに気がつかれた? 流されるばっかりで、何か彼にしたほうがよかったのかも。だけど、そんな余裕なんてなかった。それで処女だって感づかれて、やっぱりやめようって思われたとか……だったら、どうしよう。
 目で彼を追った。均整の取れた背中のラインがモデルみたいだ。ドラマの中のワンシーンを見ている気分になって、彼を見つめる。
 カバンから財布を取り出した津山さんは、小銭を手にして部屋の隅にあった小ぶりな金庫サイズの何かにお金を入れた。カタンと軽い音がして、何かを購入したんだとわかった。
 あ、もしかして。
 彼が取り出したのは、黒い箱に銀色の文字が描かれている小箱だった。
 きっとあれ、コンドームだ。
 箱を開けて、中身を取り出した彼を見ていると羞恥が湧いてきて、目を反らした。何かをしている物音を聞きながら、男のアレに装着しているのだと察する。
 離れたのは繋がる準備をするためで、私が処女だってバレて、やっぱりやめようって思われたんじゃないとわかって、ホッとすると同時に緊張がよみがえった。
 いよいよ、処女喪失の瞬間がやってくるのだ。
 彼にいじられた両方の乳首や、押し当てられた割れ目だけじゃなく、背中やわき腹、ふくらはぎや二の腕までが、奇妙なわななきを覚えた。
 近づいてきた気配がおおいかぶさってきて、視線を上げる。
 バスローブを脱いだ津山さんが目の前にいる。おだやかな笑みを浮かべているのに、瞳は肉食獣みたいに鋭くて、雄々しさに心音がどきどきうるさい。きっと彼は全裸だと確信しながら、彼の顔から視線を外せない。彼の全身を確認するのが少し、怖い。
 両手で頬をつつまれて、キスをされた。
 あやすような、甘やかすような優しいキス。舌で唇をなぞられて、歯裏をくすぐられたら緊張がほぐれた。体がふやけて、下腹が熱くなる。ヒクヒクとお尻が震えて、女の印が濡れたのがわかった。
 キスをされたまま、体を撫でられる。肌を滑る指が心地よくて、甘えたくなった。触れられて気持ちがいいって、彼に伝えたい。心の底から感じているって、示したい。もっともっと、津山さんに夢中になって、彼が与えてくれるものを全身で味わいたい。
「っ、あ……っ、津山さん」
 想いのままに津山さんの首に腕を回して、唇を押しつける。自分からも舌を伸ばしてみたら、彼の舌が絡みついた。
「ふ、ぅ……ぅう、ふ……は、ぁあ」
 体中に触れてほしくて、アピールするために体を揺らす。もっともっと、津山さんにかわいがられたい。
 彼の指がショーツにかかった。膝までずらされて、彼が腰を持ち上げる。どうすればいいのか理解して、彼の浮いた腰と私の体の間にできた空間に、膝を折って持ち上げた。膝で止まったショーツが、さらに引き下げられて脚から抜ける。ショーツを外した彼の手が膝に触れて、脚を割られた。
 このまま挿入されるのかなって思ったら、膝にあった手が内腿を這い上がった。指先で割れ目をゆっくり上下になぞられて、くすぐったさに身をよじる。
「ぁ、は……っ、ふ、ぁん」
 うっすらと耳に届く彼の指がたてる下肢の濡れ音が、なぜだかとってもうれしい。きっと好きな人と繋がる準備をしているからだ。
 私が津山さんを求めているって、音を通じて彼に伝わっている。もっともっと伝わってほしくて、彼の指に合わせて腰を揺らした。
 ゆっくりと、津山さんの指が私の中に沈む。入り口の内側をくすぐるように撫でられて、反射的に脚を大きく開いた。指がさらに深く沈んで、泳ぐような動きで内壁をかき乱された。ピチュ、パチュッと響く淡い濡れ音と共に、甘痒い快感に体を開かれる。
「欲しがってくれているんだね?」
 うれしそうに彼に言われて、うなずいた。
 そう。
 私はとっても、津山さんが欲しい。
「ありがとう」
 頬にキスをされて、二本に増えた指で割れ目を広げられた。クチュ、プチュッと濡れ音がさっきよりも大きくなって、自分の奥が空洞になった気分になる。そこを津山さんで埋めてもらいたくて、陰唇がムズムズした。指でまさぐられているよりも、もっと深い場所が津山さんを求めてモジモジしている。
 指がスイッと前方に移動して、二本の指で大きく広げられたかと思うと、自分でも意識していなかった敏感な場所を弾かれた。
「ひぁあうっ!」
 目の奥がチカチカして、頭の芯が痺れた。指先で陰核をピンピンと弾かれるたびに、腰がビクンビクンと跳ねてしまう。
「あはっ、は、ぁ、ああ……あっ、そこっ、あ、ああ」
 気持ちがよすぎて、うっすらと涙の膜が広がった。潤んだ瞳に映る津山さんの笑顔は、劣情いっぱいで怖いくらいに色っぽい。ジュンッと女の部分がたっぷり濡れて、心と体が津山さんを求めてふくらんだ。
「津山さっ……あっ、は、ぁ」
「今は、下の名前で呼んでほしいな……義明って」
 少し乱れた彼の声に、ゾクゾクッと背骨が震えた。おそるおそる、呼んでみる。
「よ……しあき、さん」
「呼び捨てで」
「義明」
 無言で「うん」と首を動かした彼の目じりが、うれしそうにとろけてる。彼につられて唇がほころんで、素直な笑顔になれた。
 普段なら反発するか、しかたがないから呼び捨てにしてあげるというような、生意気な態度を取っていただろう。でも今は、そんな私はいなくなっていた。
 ありのままの私で、接している。
 うれしくなって、はしゃいだ気持ちのまま彼に抱きついてキスを返した。割れ目に隠れていた突起を指の腹で擦られて、興奮に小鼻がふくらんだ。いじられる花芯がキュンキュンときめいて、全身が悦楽で痺れてしまう。体の奥まで艶めいた震えに支配されて、喜びの液がとめどなくあふれ出る。小刻みにこねくり回されて、ビクンビクンと背中が波打つ。
「は、あぁんっ、あっ、ふぁ……ああっ、あん」
 気持ちがいいのに物足りなくて、歯がゆくてしかたがない。もっとして欲しいのに、体の奥の空洞がどんどん大きくなっていく。
「ぁ、ああ、義明……っ」
 欲しいと言えばいいだけなのに、はっきりと言うことができないのはどうしてだろう。
 初めてだから?
 恥ずかしいから?
 彼から先に、求めていると示されたいから?
 考える端から、愛撫のせいで思考がシャボン玉みたいにパチンと弾けて消えてしまう。
「ゆかり」
 ふいに呼び捨てにされて、心臓が大きく跳ねた。津山さんを見つめると、照れくさそうな笑顔をしていた。
 だけど、目だけが獲物を見つめる肉食獣みたいに鋭い。
 いよいよなんだな、と直感した。
 うなずいて、大丈夫だと示す。
 私も、津山さんが欲しい。
 アイコンタクトが伝わったのか、指が内側から離れた。代わりに、指より太くて硬いものが割れ目に押し当てられる。
「入れるよ」
「うん」

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