蜜甘婚 ~極上夫は新妻を甘く淫靡に可愛いがりたい~

書籍情報

蜜甘婚 ~極上夫は新妻を甘く淫靡に可愛いがりたい~


著者:りりす
イラスト:すみ
発売日:2021年 10月29日
定価:630円+税

老舗和菓子店・宵月庵の若女将として店を支えてきた美羽は、家出した兄が帰ってきたことにより、突如若女将という座から降ろされてしまう。
さらに、畳み掛けるように縁談が決まり、まるで美羽を宵月庵から追い出すような出来事の連続に、彼女の心はささくれだっていくだけだった。
しかし、お見合い相手として現れた昔なじみの慧だけは美羽の心に寄り添い涙を見せることを許して――。
「君がいい。一生大切にするよ。宵月庵が返せと言ってきても、もう絶対返さない」
その言葉に慧の手を取る覚悟決めた美羽。
そうして始まった慧との新婚生活は、傷ついた心を癒やすように優しく甘くて――!?


【人物紹介】

月ヶ瀬美羽(つきがせ みう)
老舗和菓子店『宵月庵』の若女将として働いていたが、兄のせいで突然若女将を降ろされてしまい、傷心のまま慧とお見合いをすることになった。
和菓子を作るのも食べるのも好きで、自身で和菓子を考案することもある。

桐谷慧(きりたに けい)
洋菓子メーカーの専務で、美羽とは昔なじみ。
美羽とのお見合いは両親が決めたものだったが、実は前から好意を抱いていた。
洋菓子も和菓子も好き。

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*取り扱いサイトは、各書店に掲載され次第、更新されます。

 

【試し読み】


 無表情で、無愛想。大人になってからの慧のイメージはずっとそんな感じだったのに、結婚してからの彼はとても甘い。恋愛経験のない美羽は、そんな慧にいちいちドキドキさせられてしまう。
 ……いつからこんなに好きになっちゃったのかな、慧さんのこと。
 お見合いのときは、愛のない結婚をするんだと思っていた。それでも、恋をして結ばれた夫婦ではなくても、やさしく尊敬できる彼とはそれなりにいい夫婦になれるのではと。
 でもいざ結婚してみると、慧は妻への愛情を隠すことなく溺愛してきた。
 今まで色恋沙汰に疎かったとはいえ、こんな極上の男性にまっすぐに好意を寄せられ、無関心でいられるほど美羽も鈍感ではない。自然と慧に惹かれるようになるまで、時間はかからなかった。
「あの、なんでずっと見てるんですか」
「かわいいから」
「食べにくいです」
「食べにくそうに食べてるところがかわいい。俺のこと意識してると思うといい気分だ」
「慧さんって時々意地悪ですよね……!」
 夫に熱っぽく見つめられて、もうシュークリームの味はよく分からなかった。
 何とか食べ終え、丁寧に口を拭く。クリームがついていたらまた舐められてしまうから。いや、別に嫌ではなかったけれど。いやいや、嫌ではなかったなんて知られたら恥ずかしいから、絶対にそんなこと言わないけれど。
 すき焼きの下ごしらえもしてしまおうかと思いながら、美羽は片付けのために立ち上がる。でもキッチンに向かうより早く、そのまま夫の腕につかまった。
「……美羽」
 しっかり抱きしめられて、名前を呼ばれる。
 慧の腕に閉じ込められることにも、低い声で名前を呼ばれることにも、もう慣れた。——彼に、欲情されることにも。
 慧が両手で美羽の頬を包み込んだ。彼の指先は思ったより冷たくて、抱きしめられて熱くなった頬に心地いい。
 本当に「腹が空くようなこと」をするんだろうか。美羽はドキドキしながら夫を見上げる。
「持ち帰られたお仕事、いいんですか?」
「あとでする」
「夕食の支度は」
「それもあとだ」
 真剣な表情で美羽を見つめたまま、綺麗な顔が近付いてくる。
 そのまま二人の唇がしっとりと重なった。触れたところから微かな痺れが広がって、身体が震える。
 こういう行為にも慣れてきたけれど、やはり最初は緊張する。
 ましてや、今はまだ日も傾いていない日中だ。こんな時間から求められるのは、初めてのことだった。
「ん、慧さん……」
 抗議するような声は、吐息とともに彼の口づけに飲み込まれる。
 思いのほかやわらかな唇が、美羽の緊張をほぐすようにやさしく触れては離れ、また触れた。身を硬くしてギュッと結んでいた唇が、啄まれるうちにゆるゆるとほどけていく。
 ……キス、気持ちいい。こんなにたくさんキスしてくれるなんて、思ってなかった。
 普段クールな彼は、こういうことにも淡泊なのだろうと思っていたのだ。
 でも予想に反して、慧は毎晩のように妻を求めた。普段の彼からは想像もつかないような、情熱的な眼差しで。
 恥ずかしいけれど、大切に抱いてもらえるのは美羽も嫌ではない。むしろ最近では、そういう行為のたびに慧がどうしようもなく愛しく思えて、困るほどだ。
 やわらかく重ねられるキスに胸がいっぱいになって、ほろりと涙が零れた。その涙をそっと舐め取った慧が、頬に口づける。
「いいな、君の着物姿。久しぶりだ」
「今はあまり着る機会がないですからね」
 着物を着るのはずいぶん久しぶりだった。引っ越しのときに自分の着物も持ってきたが、若女将でなくなった今、日常生活で着ることはほとんどない。
 すぐ近くで夫に見つめられて、美羽は目を伏せた。
 着物姿なんて、今までだって何度も見られている。でも、こんなふうに熱を帯びた眼差しで見られたことはない。意味ありげな手つきで帯を撫でられたことも。
 これからされることを想像して、思わず熱い吐息が漏れる。慧は美羽の反応を確かめるようにゆっくりと身体の線に触れ、唇を重ねた。 
「もっと触りたい。駄目か?」
「だめ、じゃないです……」
 薄く唇を合わせたまま吐息まじりにねだられ、弱々しく首を振った。
 とめどなく繰り返されるキスに、頭がぼんやりして何も考えられない。
 でも、触れたいと思われるのはうれしかった。もっと触れてほしくて、おそるおそる彼の背中に手を回す。
 その途端、ぐっと腰を抱かれて二人の身体が密着した。唇がやさしくこじ開けられ、熱い舌がぬるりと入り込んでくる。
「んぅ……っ」
「逃げないで。もっと舌出して」
「ふっ……ん……んん……っ」
 甘く囁かれて、反射的に引っ込めた舌をそろりと差し出した。
 ぐちゅりといやらしい音を立てて、小さな舌に吸いつかれる。ぬるぬるした舌に舐め回されると、身体の奥が甘く疼いた。
「ん、あ……っ、もうやめ……っ」
「駄目」
「ふ、あ……ッ、んんー……!」
 ただ触れるだけではない、深いキスがあることは結婚前から知っていた。でも実際にしてみると、それは想像以上に淫靡な口づけだ。
 甘く重なった唇の奥で、慧の舌は淫らな愛撫を続ける。舌を吸ったり甘く噛んだりするだけでは許されなくて、厚みのある舌に口の中を隅々まで味わい尽くされた。
 くちゅくちゅとキスの音を立てられて、美羽は呼吸もままならない。最後に唇を強く吸われて離れたときには、もう頭の中までトロトロに蕩けていた。
 立っていられなくなって慧に縋りつくと、抱き上げられてそのまま寝室に運ばれる。
 彼は美羽をキングサイズのベッドに座らせて、自分は床に膝をついた。トロリとした眼差しがこちらを見上げる。
「どうしたらいいんだ? 自分で脱ぐか、それとも脱がせてほしいのか」
 長い指が、美羽の半襟をつーっと撫でた。
 そういえば、着物を着ているときに求められるのも初めてだ。脱がせにくい着物の扱いを、美羽の判断に任せることにしたらしい。
 いや、でも。そんなことを任されても困る。「自分で脱ぐ」も「脱がせてほしい」も、口に出すにはハードルが高い。
「慧さん……」
「ほら、早く。もっとたくさん触りたい」
「ああ……っ、や、それっ……」
 身を伸ばした彼が首筋に吸いついてきた。
 薄い肌への口づけは、唇にされるものと全然違う。彼の吐息も唇も、とても熱い。痕をつけない程度にちゅ、ちゅっと吸われるたび、身体がビクビク震える。
「ひ、ぁっ、慧さん……っ」
「首にキスされるの好きだよな」
「ちが……っ、くすぐったくてっ……」
「ふーん。これもくすぐったい?」
「んぅッ……!」
 熱い舌に首筋を舐められた。ねっとりと蠢く舌が、焦れったいような快感を刻みながら耳まで舐め上げていく。
「あっ、それ、やぁ……っ」
「そんな甘い声を出して嫌がっても、説得力がないんだが」
「んんっ、あ、あっ!」
 耳孔をぐちゅぐちゅと犯しながら、「美羽」と何度も甘く名前を呼んで誘惑される。
「全部見せてくれ。明かりはつけないから」
 やさしい声で囁かれて、目を伏せた。
 たしかに寝室の明かりはついていない。でも外はまだ明るい昼間だ。遮光カーテンを引いていても、室内は夜のように真っ暗にはならない。
「ただ美羽を気持ちよくしたいだけだ。手伝って」
 安心させるように、頬がそっと撫でられた。その眼差しの熱さに、もっと触れられたいと欲が募る。
 自分から脱ぐなんて恥ずかしい。そう思う理性は残っているのに、彼にもっと愛されたいという願いには勝てなかった。
 震える指で、帯締めと帯揚げをほどく。
 和服で過ごすことが多かったので、脱ぎ着には慣れている。それなのに、簡単な結び目をほどくのにひどく時間がかかった。
 ベッドに腰かけたままゆっくり帯をほどいていく美羽を、膝をついた慧が熱っぽく見上げている。いたたまれなくて、美羽はそっと目を逸らした。
「あの、そんなに見られると……脱ぎにくい、です」
「……ごめん。でも、綺麗だ」
 慧が小さく喉を鳴らした。情欲に掠れる声に、美羽も落ち着かない気持ちになってしまう。
 楚々とした和服姿が、結び目をひとつほどくごとに乱されていく——彼に抱かれるために。それを目の前で見せつけられることは、夫をとても興奮させているらしい。
 自らの手で夫に抱かれる準備をしている美羽を、彼は熱に浮かされたような眼差しで見ている。焦らすつもりなんてないのに、震える指はいつものように動かない。ベッドの上に帯が落ち、着物と長襦袢も肩からすべり落ちるまで、ずいぶん時間がかかった。
 ようやく肌襦袢姿になった美羽は、胸元を庇うように腕で隠した。そんなことをしても薄手の生地には肌色が透けているし、羞恥に染まった顔を伏せている様子もいっそう夫を煽っているのだが、美羽は気付かない。
 劣情に染まった表情で、慧が美羽の顎を捉える。「かわいいな」と目を細められて、食べられそうな予感にゾクゾクした。
「そんなふうに隠しても、俺を興奮させるだけなのに」
「んん……っ」
「ほら、舌出して」
「ふ、ぁ……ん……」
 深く口づけて熱い舌でくちゅくちゅと翻弄され、美羽はまた頭がぼんやりしてくる。このキスは駄目だ。すぐに身体の力が抜けてしまう。
 胸元を隠していた腕も、だんだん緩んでいった。その隙を突くように、慧の手が身体のラインを辿り始める。
 肩から腕、そして腰からお腹。ゆっくりと撫でていく手はやさしい。やがて胸の膨らみに辿り着いた手が、形のいい胸をやわやわと揉んだ。
「あ……ん、っふ、ああっ……」
「……ブラつけてないんだな」
「締めつけるの苦手なので……あっ、ん……っ!」
 美羽は薄物を着る夏場以外、着物姿のときは和装用ブラをつけていない。締めつけは少なければ少ないほど楽だし、慣れればブラがないほうが断然快適だ。
 でもこうして触れられると、そのことがひどく恥ずかしい。胸元を守っているのが薄い肌襦袢一枚というのは、ずいぶん心許ない気がしてくる。
 慧は美羽がブラを身につけていないことに一瞬戸惑った様子だったが、すぐにふっと意地悪な笑みを見せた。
「あ……ッ! 慧さん、それっ……ああっ!」
「触りやすくていいな、これ」
 すでにぷっくりと硬くなっていた胸の先が、布越しにすりすりと弄られる。やさしくきゅうっと摘ままれて、美羽は思わず背をしならせた。
「乳首尖ってるの、自分でも分かる?」
「や、分からな……っ」
「ほら、ここ」
「んっ、ああっ……だめぇ……っ!」
 最初はくすぐったいような気がしたそこは、彼の指でやわらかく転がされるうちに強い快感を拾い始めた。
 完全に尖りきった胸の先に、慧が布地の上からふぅっと息を吹きかける。そんな小さな刺激にも、甘く焦れったい快感を得てしまう。
「これ、汚れてもいい?」
 唇が胸に触れそうな距離で、慧が囁く。「これ」は肌襦袢のことだろう。ぼんやりした頭でなぜ汚れるのかと思いながら頷くと、彼はそのまま舌を伸ばした。
 やわらかな舌が、布越しにぬるりと胸の先に触れる。予想していなかった刺激に、美羽の身体が震えた。
「ひ、やぁ……っ! あ、あっ!」
 彼は肌襦袢の上から、ゆっくりと尖りに舌を這わせる。指でも愛撫されたばかりの先端が強く吸われると、じんと痺れるような快感が全身に広がった。
 夫の舌は熱く、ぬるぬると唾液をまぶしながら的確に美羽を追い詰める。気持ちいい。気持ちよくて、背中が震えて腰が浮いてしまう。
「ん、っ……あ、あッ……」
「腰動いてる。気持ちよさそうだな」
「んん……っ、あ、そんなに、舐めたら……っ」
「感じやすいね。もっと気持ちよくなってくれ」
「あっ、ふ、ぁ……っ!」
 やわらかなガーゼの肌襦袢は、胸のあたりだけが唾液で濡れて貼りついている。赤い尖りが透けて見えるのが、ひどく淫らだ。
 慧は見せつけるように、殊更ゆっくりそこを舐め回した。舌先でつついてはやさしく吸われ、美羽は腰を揺らした。
「肌着の上からでも感じるのか。こんなに乳首勃たせて……」
「あんっ、あ、やぁっ……」
 慧が舐めたり触れたりするたび、ぬるぬると濡れた布地が擦れて、すっかり敏感になった尖りを苛む。
 たっぷりと濡らして唾液を塗り込めるように指先で弄られ、美羽は嬌声を上げることしかできない。
「あっ、それ……やめっ……あ、あっ……」
「すっごくコリコリになってるな。こんなに濡れて赤くなって……」
「慧さんが……っ、な、舐めるからっ……」
「うん……?」
「き、気持ちよくなっちゃ……っ、あ、あッ!」
 息を詰めた彼が、いきなりじゅうっと強く吸いついてきた。痛いほど吸われて舐め回され、我を忘れて感じてしまう。
「ああっ! や、あああぁ!」
「は、そんなに乱れて……すぐにでも犯したくなるだろ……!」
 耳元に口づけた彼が、「脱がせていい?」と切羽詰まった声で囁く。
 もう充分恥ずかしいことをされている。でも、明るいところで直接身体を見られるのは本当に恥ずかしい。美羽は慌てて首を振る。
「だ、駄目です……んぅ……っ、んんっ」
「意地悪だな、もっと気持ちよくしたいのに」
「慧さん……っ、や、あッ!」
 彼の指が両胸の先を弄ぶ。やさしく摘ままれて、指先でカリカリと引っ掻かれて。気持ちいいことばかりしてくる長い指に、吐息が乱れる。
 快感が強すぎて怖いほどなのに、身体は素直に甘い刺激を享受した。
 これ以上されたら本当におかしくなりそうだ。美羽は必死にシーツを掴んで、押し寄せてくる愉悦に耐える。
「ん、ん……っ」
「声、我慢してる?」
「ああッ……! あ、ふぁ……っ、ん、やぁっ……」
 また布越しに尖りが吸われた。痛いほど強く吸って、痛みを宥めるようにやさしく舐めて。そうされるたび、お腹の奥がきゅんきゅん疼く。
 彼は誘惑するように、あちこちに口づけを落とした。最初は髪に、そしてこめかみに、ゆっくりとキスが重ねられていく。
 慧の舌が、敏感な首筋を再び舐め上げた。胸の先をクリクリと弄るのと一緒にそれをされると、快感が増幅される。喘ぎ声が止まらない。
「あっ、あぁん! は、ぁっ、あああっ!」
「いやらしい顔」
「んっ、そんなこと……っ」
「かわいいって意味だ。もっと感じて」
「あ……っ、ん、それっ……んんっ」
 少し強めに摘ままれて、身体が疼く。
 首筋を這う舌と吐息が、蕩けてしまいそうに熱い。
 夫が自分の身体に欲情している。そのことが伝わってきて、うれしくて彼の首にそっと腕を回した。苦しそうな息をついた慧が、また胸の先を弄る。
「美羽……本当にかわいいな……」
「ああ……っ、それ、やぁっ……」
「気持ちいいんだろ。そろそろ全部見せてくれ」
 甘く囁かれる誘惑に、もう耐えきれなかった。
 ……恥ずかしい。でも見られたい。もっともっと、深く触れてほしい。
 小さく頷くと、うれしそうに笑った慧が触れるだけのキスをくれた。
「気持ちいいことしかしない。だから、怖がらないで」
「ああっ……!」
 待ちかねたと言わんばかりに、肌襦袢の襟がぐっと押し開かれた。ブラをつけていない胸がふるりと零れる。
 ふっくらとした白い双丘を見つめ、慧が熱い吐息を漏らした。
「ああ、綺麗だ」
「慧さん、恥ずかしい……」
「こら、隠すな」
 胸を隠そうとしても、たくさん愛撫された身体は思うように動かない。両手が頭上でまとめて押さえつけられ、肌を隠すことはできなくなった。
 欲情した眼差しが、美羽の身体を舐めるように見つめている。
 見られないように身じろぎしたけれど、白い膨らみが誘うように揺れるだけで、逆効果だった。
「……っ、そんなに見ないで……」
「無理。俺にいやらしい姿にされてるところ、美羽もちゃんと見て」
 意地悪く囁く慧に、唇を噛んで涙目になった。
 ついさっきまで清楚な和服姿だったのに、今は薄い肌襦袢と裾除けだけの姿にされている。
 しかも純白の無垢な肌襦袢は、胸元だけが大きく開かれている。零れ出た膨らみは淫らに濡らされ、胸の先がつんと赤く尖って存在を主張していた。
「乳首真っ赤。食べられたい?」
「んぅ……っ!」
 胸の先がピンと弾かれる。触られたのは胸なのに、子宮の奥がずぐりと疼いた。
 しっかりと熟れて、男に食べられるのを今か今かと待っている身体。
 そんなものを自分が持ち合わせているなんて、慧と結婚するまでは知らなかった。恥ずかしいのに、快感に目を潤ませる妻を見て、慧はこの上なくうれしそうに笑っている。
「いっぱい気持ちよくなろうな」
「んっ、あ、あ……ッ」
 胸の先がゆっくり舐め上げられる。
 布越しの刺激も気持ちよかったが、直接愛撫されるのはたまらなかった。
 ぬるりとした舌が敏感な尖りをチロチロと舐め回し、時々抉るように弾かれる。やさしく甘噛みされて、美羽はビクッと震えた。
「噛まれるのも好きだよな」
「そんな……っ、ああッ……」
「好きだろ、そんなに腰揺らして」
「あ、は……っ、あぁん!」

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