幼なじみの君と不埒な愛の証を刻みたくて

書籍情報

幼なじみの君と不埒な愛の証を刻みたくて


著者:本郷アキ
イラスト:石田惠美
発売日:2022年 10月28日
定価:630円+税

カフェKOTORIの店員として働く菜摘は、兄の友人で幼馴染の耕平に淡い恋心を抱いていた。
ある日、仕事終わりの菜摘を心配して迎えに来てくれた耕平といつものように会話をしていると、彼から熱い告白をされ……。
「俺はずっと、菜摘が好きだったから、妹だと思ったことはない」
長年の思いを通じ合わせた二人は、そのまま結婚を前提に同棲することになった。
耕平からの甘い愛撫に蕩ける毎夜を過ごす菜摘だったが、初めての菜摘に負担をかけたくないと最後まで繋がろうとしない耕平。
だが、あることがきっかけで、ついに耕平の独占欲が溢れてしまい――!?

【人物紹介】

須和菜摘(すわ なつみ)
カフェKOTORIで働く25歳。
兄の友人で年上の幼馴染である耕平に長年片思いをしている。

五十嵐耕平(いがらし こうへい)
警察庁の生活安全局に勤務する28歳のキャリア官僚。
整った顔立ちをしているため女性にはモテるのだが、本人は菜摘一筋。

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*取り扱いサイトは、各書店に掲載され次第、更新されます。

 

【試し読み】

 寝室はすでに真っ暗だった。
 リビングからの明かりで、耕平がベッドに座っているとわかり菜摘はおずおずと近づいていく。
「耕平?」
 声をかけると、口から思いっきり息を深い吐きだした音が聞こえて、腕を取られる。その手の冷たさが彼の緊張を物語っているようで、心臓がどくんと跳ねた。
「明かり……つけないの?」
 リビングと寝室を繋ぐドアを閉め切ってしまったため、彼の表情はまったく見えない。こういうときに電気をつけるのかつけないのか、菜摘にはそれすらよくわからないが、彼の顔が見えないのはいやだと思った。
「つけて、いいのか?」
「うん……耕平の顔、ちゃんと見たい」
「わかった」
 サイドテーブルに置いたランプが明かりを灯し、ベッドの上がぼんやりとした明るさに包まれる。すると、菜摘の腕を握ったままの耕平が、自分の手に視線を向けて苦笑を漏らした。
「どうしたの?」
「俺……今、かなり緊張してる」
 耕平の手が微かに震えているのは気のせいではないだろう。
「触ってもいいか?」
「うん……あの、脱いだ方がいい?」
「いや、菜摘はなにもしなくていい。俺が、動揺しそうだから」
「は、はい……じゃあ、あの、どうぞ?」
 とりあえず耕平の隣に腰かけ、さぁ脱がしてと両手を広げる。さすがに「どうぞ」はない。菜摘もまた、思っていた以上に緊張しているらしい。
 するとすぐ隣にいる耕平の口からなにやらうめき声のようなものが聞こえた。
「耕平?」
「もう……ほんと、余裕ない」
 掴んでいた腕を離され、パジャマのボタンが上から丁寧に外されていく。
「ようやく、菜摘に触れられる」
 はだけていく胸元をじっと見つめられ、肌が熱く火照っていく。
「あんまり見られると、恥ずかしいよ」
 パジャマの上を脱ぎ、ブラジャーのホックが外された。
 ホックを外すときに手間取っている耕平を見ると、やはり安心してしまう。彼の言うことを信じてはいても、こうやって誰かの服を脱がすことも初めてなのだと感じられる。
「明かり、つけていいって言っただろ」
「い、言ったけど」
 露わになった胸元に触れるのかと思いきや、彼はうっとりとした目で菜摘の胸を直視し続ける。一応、身だしなみは整えているが、胸元ばかりを見つめられるのは落ち着かない。
「乳首、薄いピンク色で……綺麗だ」
 陶酔したような視線が注がれ、触れられてもいないのに肌が汗ばんでいく。これなら早く触ってくれた方がまだマシだ。視姦されているような気分になる。
「触ら、ないの?」
「もう少しだけ見せて、下も」
 パジャマのズボンに手がかけられ、菜摘が少し腰を浮かしたと同時に引きずり下ろされる。菜摘の身を守るものはショーツ一枚であるが、耕平はまだパジャマ姿だ。
 ふと視線を向けると、彼の股間はすでに膨らみ布地を高く押し上げていた。
 耕平が自分の裸に興奮してくれているとわかり、どうしようもないほど嬉しさが込み上げてくる。見られているだけなのに、身体の芯に火が灯ったように熱くなり、不思議と下腹部の奧がじんと疼いた。
「このまま、足、少しだけ開いて」
「え、え?」
 菜摘がうろたえていると、手を引かれシーツの上に座らされる。体育座りのような体勢のまま膝を掴まれ、左右に押し開かれた。
「膝、立ててくれた方が見やすい」
「いつまで見るの!」
「見られるのいやか?」
「いやっていうか……恥ずかしいってわかるでしょ?」
「どうすれば恥ずかしくない?」
 自分に懐いている大型犬に、上目遣いで「だめ?」なんて聞かれたら、落ちない飼い主はいないだろう。菜摘は今、それと同じ心境だった。
 大好きな人に耕平に縋るような視線を向けられて、拒絶などできるはずもない。
「あの、やっぱり明かり消すとか?」
「消したら、見えない」
「だって、見られるのが恥ずかしいんだよ?」
「じゃあ俺も脱ぐから、一緒に恥ずかしくなろう」
 一見、譲歩しているように感じたが、結局〝見たい〟という欲求を通してくる。縋るような目をしておきながら、その奧に宿る光は獰猛な男の欲情を孕んでいた。
 耕平は性急な手つきでパジャマの上下を脱ぎ、穿いていたボクサーパンツも取り払う。鍛えあげられた身体に目を奪われるより前に、下肢へ視線が移ってしまう。耕平は、菜摘の視線の先に気づいたのか、片手で陰茎を掴み軽く揺らす。
「さっき、トイレで一回抜いたんだけど、全然治まらなかった。風呂で菜摘の裸を想像したら、よけいに堪んなくなって……って悪い、引くよな……」
 菜摘は下半身を凝視しつつ、首を左右に振った。耕平が自分をほしがってくれていることに喜びはしても、不快には思わない。
 つい、そこに触れようと手を伸ばすと、慌てたように腕を押さえられた。
「だめだ……頼むから、なにもしないでくれ」
 はしたなかっただろうか。自分がなにをしようとしていたのかを想像し、全身の毛穴から汗が噴きだしそうなほどの羞恥に襲われる。
「ご、ごめん」
 菜摘が手を引くと、ほっとしたように耕平も肩から力を抜いた。そして先ほどの続きとばかりに開いた膝の先を凝視する。
 菜摘は身体をゆっくりと倒し、ベッドに横になる。耕平にすべて任せてしまおうと考えたのだ。菜摘が想像しうるセックスは、だいたい男が主体となり動くものだ。
 互いに初めてなのだからおかしなプレイはしないだろう。となれば、菜摘が身を任せても問題ないはず。
 身体の力を抜き、シーツに身を沈める。すると菜摘の全身、特に胸元や足の間を凝視していた耕平がようやく手を伸ばしてくる。
 冷たい指先で唇に触れられ、薄く口を開くと、指でふにふにと挟まれたり、柔らかい肉を押されたりした。
 ベッドが音を立てて軋み、耕平が覆い被さってくる。顔が近づいてきて、そっと目を閉じると、ちゅっと軽く唇同士が触れてすぐに離された。
 菜摘は手を伸ばして背中に触れようとし、なんとか押し留まる。
(触ったら……だめかな)
 仕方なくシーツを掴んでいると、もう一度唇が重ねられて、今度は先ほどよりも長くキスが続いた。ちゅ、ちゅっと角度を変えながら幾度となく触れられる。
「ん……っ」
 菜摘の口から自分のものとは思えないほどの艶めかしい声が漏れる。
 もっと触れてほしい。激しくしてもいいのに。もどかしさでどうにかなりそうだ。身体の中心がじんと熱く痺れて、無意識に両足を擦りあわせる。
「菜摘……っ」
 すると今度は荒々しく唇が塞がれ、痛いほどに乳房を揉みしだかれた。互いの鼻息がかかり、激しい呼吸が唇の中に呑み込まれていく。
「はっ……ん」
 胸の膨らみをぐいぐいと上下に揺らされ、指先が食い込むほど強く掴まれる。肉を押しつぶされる痛みに眉を寄せてしまう。最初は我慢していたものの痛みは増していくばかりで、ついに耐えきれなくなった。
「こう……へい……っ、ちょっと、痛い」
「悪いっ」
 ばっと手を離した耕平が気まずそうに瞳を揺らす。いやだったわけではないのに、失敗したと顔に書いてあった。
 菜摘は彼の手を取り、もう一度胸元に導く。軽く揺らすと、彼の手の上から自分の手を重ね、軽く掴んでみる。これくらいなら痛くない、そう教えるように。
「痛かったら、また教えてくれるか?」
「うん」
 菜摘が手を外すと、唇が重ねられる。ゆっくりと唇を割り入り込んできた舌が、口腔内をぬるりと滑る。
 どうすれば気持ちいいのか、本能が告げていた。互いの舌が絡まると、唾液が口の中に溢れ、腰がずんと重くなる感覚がする。
「ふっ……ん、ふぁ」
 じゅ、じゅるっと唾液のかき混ぜられる音が響き、耳からも気持ち良さが生まれる。
 同時に、菜摘が教えた程度の強さで乳房が押し上げられて、上下左右に揺らされる。
 軽く揉まれ、手のひらで乳首が擦られると、先ほどとは違いじんと痺れるような不可思議な感覚が芽生えてきた。
「な、んか……じんじん、するっ」
「どこが?」
 そう聞かれて、菜摘は震えそうになる指先で足の間を指さした。
「どういう風にじんじんする?」
「わかんな……っ、けど……触り、たい感じ」
 菜摘は頬を真っ赤に染め、息を乱しながら必死に言葉を紡ぐ。
「どうしたら気持ち良くしてやれるんだろう」
 独り言のような呟きが聞こえる。
「触るよ」
 菜摘の反応を見極めたいのか、指先で乳首を摘ままれたり、軽く引っ張られたりする。
 身体の反応は顕著で、乳首を軽く爪弾かれる度に、腰がびくんと持ち上がる。
 そして、より反応がいい部分を執拗なほど弄られて、押し開いた足の間に触れられる。ショーツの上から撫でられただけで、全身が震えるほどの快感に襲われる。
「あっ、あぁっ」
「少しだけ濡れてるな。擦ると気持ちいい?」
 耕平は覆い被さっていた身体を起こし、片方の手で乳首を弄り、もう片方の手でクロッチを擦る。
 胸も恥部も、彼に触れられると気持ち良くてどうにかなりそうだ。本能のままに腰が揺れて止められない。身体の奥からなにかが溢れたような感覚がして、ショーツがじっとりと湿ってくる。
「気持ち、いっ……そこ、ぐりぐりするの」
「下着脱がすぞ、見たい」
 するするとショーツが下ろされて、足首から引き抜かれる。菜摘は羞恥に苛まれながらも、荒く息をつきながら陶然とした目で彼を見つめた。
 耕平は一挙手一投足を見逃すまいとするように菜摘の下半身を凝視する。天を向いた屹立の先端がてらてらと濡れて光り、彼の興奮を表していた。彼は、菜摘以上に荒々しい呼吸を繰り返しながら、愛液にまみれた陰唇に目を注ぐ。
 散々見られた慣れもあるのか、恥ずかしさは変わらずあるものの、拒絶しようとは思わなかった。
「こんなに、濡れるものなのか」
 耕平は、心を奪われたように足の間を見つめながら呟いた。指の腹で優しく陰唇を撫で、溢れてくる愛液をすくい取る。
 蜜穴を確認するような手つきで陰唇を上下に擦られていると、くちゅ、くちゅっと愛液がかき混ぜられる音が立つ。
「とろとろで、漏らしてるみたいだ」
「も、漏らして、ないっ」
「だってほら、指で擦るだけでくちゅくちゅ言ってるの聞こえるだろ?」
「聞こえる、けどっ、あっ……」
 指を浅い部分に挿れられて、中から愛液をかき出すように動かされる。腰がじんと甘く痺れて、開いた膝が揺れてしまう。
「中も、すごいぬるぬる。痛くないか?」
「へ、いきっ」
 痛みはまったくなかった。だが、指を動かされると、新たな愛液が滲みだし陰唇を伝い流れ落ちていく。その度に得も言われぬ快感が押し寄せてくる。
 入り口付近を軽く擦られているだけなのに、陰道の奥が甘く痺れ、下腹部がきゅんと疼くのだ。
「まずいな……出そうだ……っ」
 なにがと聞く前に、耕平は枕の下に手を入れて慌てた様子でなにかを取りだした。見たことはなくても、四角いパッケージのそれがなにかはわかった。
 耕平はパッケージを破り、はち切れんばかりに膨らんだ屹立に被せる。
 びくびくと震える欲望が避妊具の中で先走りにまみれ、彼はほっとしたかのようにふたたび体勢を整える。
(隠してたの……ゴム、だったんだ)
 そうか、これを見られたくなかったのだと安心すると共に、これから夫婦になるのなら隠さなくてもいいのではという思いもあった。男の矜持のようなものがあるのかもしれないが。
「菜摘……もっとよく、ここを見せて」
 両足がぐいっと左右に押し広げられ、まじまじと見つめられる。すると突然、秘めた部分へ顔を近づけてくるではないか。
 耕平の行為をぼんやりと眺めていた菜摘は、慌てて膝を閉じようとする。が、彼の手で押さえられてしまい叶わない。
「え、待って……や」
「見たい」
 鼻息がそこにかかるほど近くに耕平の顔がある。思わず膣をきゅっと締めると、下肢から興奮した息遣いが聞こえてきた。
「ひくひくしてる。指を挿れてるときも、中が動いてたけど……自分でそうしてるのか?」
 鼻を近づけてすんすんと吸われる。
 足を閉じようともがいても、彼の顔があるため閉じられない。それどころか足で顔を挟んでいるような体勢は、顔から火が出るほど恥ずかしい。
「違う……っ、ね、待って……そこ、匂い嗅ぐのやだ」
「舐めると、たくさん気持ち良くなれるっていうから。それに……菜摘の匂いがして、こうしてるだけで興奮する」
 彼は舌を突きだし、ねっとりと陰唇を舐る。
「ひぁっ!」
 想像だにしていなかった凄まじい快感が下肢から広がり、菜摘は背中を仰け反らせながら悲鳴のような声を上げた。
「あぁっ、あ、だ、だめっ……ん~っ!」
 耕平の髪に指先を絡め、強く掴む。痛いかもしれない、と考える余裕さえなかった。
「さっきよりずっと、気持ち良さそうだ」
 彼の言うとおりだった。指で弄られたときよりもずっと強烈な快感が、後から後から押し寄せてくる。腰から迫り上がってきた淫らな感覚に全身が包まれていくようで、くらくらと目眩までしてきた。
 舌を上下に動かす度にちゅく、ちゅくっと濡れた音が響くと思えば、時折、じゅるっと蜜穴を啜られる音が響く。
「はぁ、はっ……あ、あ」
「菜摘を、達かせてあげられるかわからないけど……こっちは? クリトリス、敏感だって言うよな?」
 ぬめる舌が陰唇をかき分け、薄い恥毛に隠された花芽を弾く。
 次の瞬間、全身の肌が総毛立ち、息が止まるほどの強い快感に襲われた。
「……っ!」
 身体の中からとぷっと大量の愛液が弾け、臀部を伝いシーツを濡らす。漏らしているみたいだと揶揄されたときよりもたくさんの愛液が飛び散り、腰がびくりと跳ね上がった。
「痛い?」
 案じるように声をかけられる。菜摘が言葉も発せずに首を左右に振ると、進めていいと判断したのか、彼は隠れた淫芽を舌の先でぐにぐにと押しつぶす。
「ひ、あ……っ」
 気を失いそうなほどの鋭い感覚が相次いで押し寄せ、痛みはないものの過ぎる快感が苦しい。気持ちいいのかさえよくわからない。菜摘は眉根を寄せて、途切れ途切れに息を吐きだした。
「はぁ……はぁっ……待って」
 とろりと焦点の合っていない目を宙に向けて、荒々しい呼吸を繰り返す。彼の髪を掴んだ手は血管が浮きでるほどに白く強張っている。
 涙が頬を伝う。泣くつもりなどなかったし、悲しいわけでもなかった。ただ強い快感に身体がついていかなかったのだ。
「いやぁ……っ、あ、ん、んっ」
 陰唇を行き来する舌が包皮を捲り、花芽を押しつぶすように動く。自然と腰がびくびくと跳ねてしまい、自分でも止められない。敏感なそこを激しく舐められるのは辛すぎて、菜摘はひたすらいやいやと首を振った。
「だめそう?」
 足の間から顔を上げた耕平が聞いてくる。菜摘は啜り泣くような声で「もう少し、優しくして」とねだった。
 優しく──そう呟いた耕平が舌先で軽く淫芽を転がす。その衝撃が強すぎて、また涙が溢れてくる。
「だめ、なの……っ、それ」
「これだめ? もっと弱く?」
 菜摘は必死に頷きながら、涙の滲んだ目で耕平を見つめる。
 うまくできない自分がもどかしいのか、彼は足の間に顔を埋めたまま舌と指で強弱を判断しながら触れてくる。
「ひ、あ、あっ」
 彼は唇を陰唇に押し当て、突きだした舌で淫芽をちろちろと舐め上げる。
 触れるか触れないかといった程度に舌の先端だけで花芽を舐められると、先ほどとは打って変わってただただ甘い刺激が続け様にやってくる。
「ん……はぁ……気持ち、いい」
 菜摘の声に甘さが混じり始めたことに気づいたのか、耕平がほっと肩から力を抜いた。
「よかった」
 耕平の頭から手を離し、枕をぎゅっと掴む。
 陰核の根元から先端へ上下に舐められると、全身が蕩けてしまいそうなほどの心地良さが生まれる。背中を波打たせながら、感じ入った声を漏らしてしまう。
「あぁ、う……っ、なんか……変に……っなる」
 大量の愛液がじわりじわりと滲みだし、耕平の口元を濡らしていくのがわかっても、自分ではどうすることもできなかった。
 羞恥さえどうでもよくなり、なんだか焦れったいようなもどかしいような感覚が迫ってきて、なにかの限界に追い詰められていく。
「達きそう?」
「わかんない……っけど」
 すると耕平はますます舌の動きを激しくして菜摘を責め立ててくる。そして愛液にまみれた蜜壺に指がそっと差し入れられた。
 頭が陶然とするほどの心地良さが全身を駆け抜ける。
「あ、あぁっ、だめぇっ、そこ」
 襞を刮げるような動きで隘路を擦られ、真っ赤に腫れ上がった芽を舌先で優しく舐められる。
 中と外を同時に愛撫される凄烈な快感に呑み込まれ、なにも考えられない。
「────っ!」
 限界は突然やって来た。
 目の前が真っ白く染まり、声も上げられないまま背中を弓なりにしならせる。腰が激しく震え、ぴしゃりと愛液が弾け飛んだ。

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