極上御曹司からの一途過ぎるエロス包囲網

書籍情報

極上御曹司からの一途過ぎるエロス包囲網


著者:有允ひろみ
イラスト:小島きいち
発売日:2021年 8月27日
定価:620円+税

アパレルメーカーでエリアマネジャーとして飛び回る和香は、思うように結果を出せず、落ち込み気味の日々を送っていた。
そんな気持ちのなか参加した新作発表パーティーで、和香は太一という男性に声をかけられる。
彼は、今度から和香のエリアの営業になるらしく、さらに和香の実家である旅館のお得意様だったという。実家の話で盛り上がる二人は話に花を咲かせ――気がつくと、和香はベッドの上で太一を抱きしめていた。
幸い、一線は超えていないという説明を受け、セーフ……! そう思ったのもつかの間で、彼の口から飛び出したのは、まさかの「俺のものにします」宣言で!?
「和香さん……抱いていいですか?」
そして始まった太一のストレートで猛烈なアプローチは、和香の心にじんわりと染み込んでいって――!?

【人物紹介】

神谷和香(かみや わか)
大手総合アパレルメーカーでエリアマネージャーとしてバリバリ働いている。
が、狙っていたポストをライバルに取られ、落ち込み気味。
過去の恋愛が散々だったので、しばらく恋愛はお休み希望だったが……。

雑賀太一(さいが たいち)和香と同じエリアに配属された営業マン。
大学までラグビーをやっていて、百八十六という高身長に加え、ガッチリとしている。
和香とは初対面だが、とある事情で和香が初恋の相手らしくて……!?
愛したいという願望を募らせてきた。


●電子書籍 購入サイト

*取り扱いサイトは、各書店に掲載され次第、更新されます。

 

【試し読み】

「和香さん、答えてください。仕事仲間としてではなく、一人の男として、俺の事、どう思いますか?」
「ど、どうって……私達、まだ会って少ししか経ってないのに、いきなりそんな事を言われても……」
「それはそうですけど。じゃあ三択にしましょうか。和香さんは、今後俺と――『一、とりあえず、付き合ってみる』『二、もう一度キスをしてから恋人関係になる』『三、このまま俺に口説き落とされてみる』さあ、どれにします?」
 和香の目の前に、雑賀が三本指を立てた。一瞬、そのうちのどれかを選びそうになったが、ハタと気がついて雑賀を睨みつける。
「何それ! ぜんぶ結果は同じじゃないの!」
「ダメですか? この間、キスしても怒らなかったから、少しは俺の事を好きでいてくれると思ってましたけど、俺の勘違いでした? ほら、今だって目がキラキラして瞳孔が開いてますよ」
「ほ、ほんとに?」
 あわてて瞬きをすると、雑賀がおかしそうに笑い声を漏らした。
「や……ひどいっ、嘘ついたのね?」
「本当ですよ。俺は戦略家だけど、嘘だけはつきません。特に、好きな女性には、正々堂々とした攻め方しかしたくありません。……で、どれにします? 俺のおすすめは、二か三です。どっちに決めますか?」
 さらに距離を縮められ、和香はベッドの側面に背中を押し付ける格好になる。
「そ、そんなの決められないわよ! だいたい、なんでそこまで私にこだわるの? きっと、一時の気の迷いだと思うし、もうちょっとすれば、どうかしてたって思うに決まってる――きゃあっ!」
 雑賀が急に和香を横抱きにして腕に抱え上げた。ふわりと身体が持ち上がり、ベッドの上に腰かけた彼の膝の上に着地する。
「ちょっ……何をする――んっ……ん……」
 柔らかに唇を塞がれ、支えられた背中が弓のようにしなる。
 身体に溶け込んでくるような優しいキスに、自然と目蓋が閉じてしまう。全身から力が抜け、胸元がじんわりと火照り始めた。
 甘やかなリップ音が聞こえてくるたびに、息が荒くなり、かろうじて残っている理性が吹き飛びそうになる。
「和香さん」
 呼びかけられ、和香は薄っすらと目を開けて雑賀を見た。深みのあるチョコレート色の瞳に見つめられ、身体全体が痺れてくる。
「和香さん、好きです。俺が和香さんにこだわるのは、単純にあなたが好きだからです。もちろん、一時の気の迷いじゃありませんし、後々どうかしてたなんて思いません。ちょっと強引すぎるとは思いますが、これも考えた末の行動なので」
 喘ぐ唇に雑賀の舌が入り込んできた。舌先で口の中を弄られ、脚の間が瞬時に熱を持ち始める。
「んっ……ん……」
 抱き寄せられる腕の中で、和香は僅かに身を捩ってもがいた。すると、その拍子にバランスが崩れ、雑賀ともどもベッドの上に横倒しになる。
「逃げちゃダメです。せっかく、こうして二人きりでいるんですから。もちろん、無理強いはしませんけど」
 囁くようにそう言われて、ますます抵抗する気力がなくなっていく。
 雑賀の視線が、和香の胸元に移った。服の上からそこをじっと見つめられ、自然と胸の先が硬くなりはじめる。
 触られているわけでもないのに、こんな風に反応を示すなんて……。
 今すぐにでも、彼を押しのけて帰ってくれと言うべきだ。そうとわかっているのに、自分の中の本能が、それを押し留めてくる。
 キスをされるたびに、彼の無精ひげが和香の肌をかすめた。それが、徐々に首筋の方へと下がっていき、喉元にあるくぼみをくすぐってくる。
「ぁっ……」
 思わず出た声が、我ながらエロティックすぎた。
 和香は恥じ入って何かしら弁解しようとしたが、いったい何をどう言えばいいかわからないまま、また声が漏れてしまう。
 雑賀の唇が、ブラウスの首元に触れた。もはや心臓はバクバクだし、身体のあちこちがそれから先を期待して疼いている。
(和香、しっかりして! 自分が何をしているかわかってるの?)
 心の中で自分を叱咤していると、雑賀の指先が和香のブラウスのボタンにかかった。
「ボタン、一段ずれてますよ」
「えっ?」
 急いで首元を見ると、確かにずれている。あわてて着替えたせいで、それに気づかなかったみたいだ。
 今のタイミングで、またしても自分のおっちょこちょいぶりが露呈してしまった。
「直しますか?」
「……うん」 
 和香が頷くと、雑賀が上から順番にボタンを外し始める。
「俺以外の男には、こんな事をさせちゃダメですよ。わかりましたか?」
 そう言うなり再びキスで唇を塞がれ、舌を絡めとられる。
 背筋にぞくぞくするような快感が走り、上体が浮き上がった。ブラウスの前がはだけ、襟が背中までずり下がる。
「それから、俺以外の男の前で酔って眠りこけるのもダメです。当然、俺以外の男とキスしたり、セックスするのもダメです。もし、したくなったら、俺としてください。いいですね?」
 瞳を覗き込まれ、和香はいつの間にか「うん」と言って頷いていた。
「約束ですよ」
 雑賀が、今一度唇に長いキスを落としてきた。
 ひどく理不尽な事を言われているのは、わかっている。それなのに、なぜか雑賀の言葉を撥ねつける気持ちが起こらない。それどころか、彼の言いなりになって、好き放題されたいという気持ちになってしまっている。
 雑賀のキスが、唇から和香の胸元に移った。そこを軽く吸われて、続けざまに声が漏れる。もはや、誤魔化しようがないほど性欲が高まっているし、雑賀への気持ちも抑えきれないほど強くなっていた。
「和香さん……抱いていいですか?」
 思いつめたような顔でそう訊ねられ、図らずも胸がキュンとなった。
 年下の雑賀に言わせてばかりではいけないような気がして、和香は頷いたあと彼の背中に腕を回した。
「私も、そうしてほしいって思ってた」
 和香がそう言うなり、雑賀の顔が嬉しそうにほころんだ。
「じゃあ、〝クマちゃん〟には悪いけど、場所を空けてもらいましょう」
 雑賀が〝クマちゃん〟をベッドから下ろした。
 唇が重なると同時に背中のホックが外れ、あらわになった乳房を大きな掌に包み込まれる。互いの唇を貪るようなキスをし、競うように着ているものをベッドの外に落としていく。
「待って。確か、ここに――」
 和香はベッド近くにある棚に手を伸ばした。そこには、四年前に買った避妊具が入れっぱなしになっているはずだ。
 しかし、和香が避妊具の小箱を取り出すと同時に、雑賀がそれを持った手をベッドの上に押さえつけてきた。
「避妊具なら、俺が持ってます。さっき言ったように、今日は和香さんを落とすつもりでここに来たので。だから、これは没収します」
 雑賀の眉間に、薄っすらと縦皺が浮かんだ。彼は口を一文字に結び、避妊具の小箱を脱ぎ捨てた自分の洋服の上に放り投げた。その顔は、まるで機嫌を損ねた小さな男の子みたいだ。
(え……まさか、やきもちを焼いているの?)
 和香がそう思っていると、雑賀が黒色の避妊具の小袋を取り出した。そして、おもむろに上体を起こすと、和香の目の前で勃起した自分のものにそれを装着する。
 男性の裸体なら、もう何度も目にしてきた。けれど、これほど逞しく見事な身体を見るのははじめてだ。その上、これ見よがしに勃起した屹立は、思わず見惚れてしまうほど完璧なフォルムをしている。
 和香は我知らず瞳を潤ませて、雑賀の裸体に見入り、呆けたように口を半開きにした。
 その唇にキスをされ、左乳房を掌に包み込まれる。たったそれだけで吐息が漏れ、全身の肌が熱く粟立つ。
 口の中を舌で甘く蹂躙され、その間に閉じた膝を割られた。彼の指が和香の濡れた花房の中に入り、そこをゆるゆると撫でさすり始める。
 溢れていた蜜がぐちゅぐちゅと音を立て、花芽が硬く尖った。
 キスが唇から胸の先に移り、蜜窟の入り口を丁寧に指でほぐしてもらう。唇から切なげな声が漏れ、つま先がシーツを掻く。
 胸の先に吸いつかれ、乳暈を思う存分舐め回された。
 和香は我もなく声を上げ、脚を雑賀の腰に絡みつかせる。蜜窟を愛撫する指の数が増え、伝い落ちる蜜が後孔を濡らした。
 雑賀が和香の太ももを腕に抱え込んだ。そのまま強く引き寄せられ、彼の膝立てた脚の上に腰を載せた姿勢になる。
 上向きになった花房が彼の目の前に晒され、蜜にまみれた彼の指が淫らに動くのを目の当たりにした。
「あ……あんっ! ああ……」
 指の腹で花芽を撫でられ、思わず啼き声を上げる。無意識に唇を噛み、片手で自身の乳房を揉みしだいた。
 互いに、もう限界まで性欲が高まっているのがわかる。
 雑賀が蜜窟の中から指を抜き去り、前かがみになって屹立の先を花房に添わせた。硬く括れた切っ先が花芽の上を滑り、秘裂を繰り返し撫でさする。
「びしょ濡れですね」
「そ、そんな事、言わないで」
 和香が唇を尖らせて抗議すると、雑賀が眉尻を下げて微笑みを浮かべる。
「だって、和香さんが、こんなに感じてくれているのが嬉しくって……。どこもかしこも愛おしくて仕方ないです」
「あっ、あ……ああああんっ!」
 和香が見守る中、雑賀の屹立が蜜窟の中に浅く沈んだ。
 硬く閉じていた隘路が、彼のもので押し開かれていくのがわかる。
 恥骨の上が盛り上がり、それがだんだんと臍のほうに移動していく。和香は無意識にそこに手を伸ばし、自分の奥に入っていく雑賀を掌で感じ取った。
「あんっ……あ……ああ……っ!」
 切っ先が最奥に達し、蜜窟の中を彼のものでいっぱいにされた。
 屹立を咥え込んだ中が、喜びに震えるのがわかる。
 唇が重なり、身体を彼の腕の中に包み込まれた。抱きしめられ、和香は恍惚となりながら雑賀と舌を絡め合わせた。
「んっ……ん……」
 蜜窟の中はもとより、口の中まで彼に甘く蹂躙され、身も心も彼で満たされた気分になる。
 和香は雑賀の背中に腕を回し、踵を上げて彼の腰の上で交差させた。挿入が深くなり、切っ先がより深い部分に達した。
 まだ腰を動かされてもいないのに、どうしてこんなにも気持ちがいいのだろう?
 和香は大きく胸を上下させ、荒い息を繰り返した。そうしている間に、蜜窟の中が微かに痙攣して、屹立をきつく締め付け始める。
 だんだんと高まってくる愉悦が、和香の全身の肌にさざ波を起こした。身体の震えが止まらなくなり、内奥にある蕾が花開くような感覚に陥る。
「雑賀くんっ……。どうしよう……すごく、気持ちいいの……」
 和香は思わずそう呟いて、いっそう強く雑賀の身体にしがみついた。
「和香さんっ」
 雑賀の手が和香の腰を掴み、自分のほうにぐっと引き寄せてきた。小さく声を上げたきり呼吸が途切れ、身体の奥が不随意に痙攣する。
 下腹に強い衝撃が走ると同時に、一気に快楽の波に呑み込まれた。
 和香は雑賀の腕の中で昇りつめ、がっくりと脱力する。
 いつの間にか閉じていた目蓋を上げて、ゆっくりと瞬きをすると、額にキスをされた。
「ひと足先にイッちゃいましたね」
 雑賀がにっこりと微笑み、唇を合わせてくる。
「ご、ごめんなさい。私、自分でもどうしたのかって思うくらい……その……あんっ!」
 言葉の途中、和香の中で屹立が容量を増した。中から押し広げられる感触に酔い、和香は再び愉悦の縁に追い込まれる。
「謝る必要なんかないし、挿入しただけでイくなんて可愛すぎます」
 脚を絡ませている彼の腰が、ゆっくりと動き始めた。すぐに速度が速くなり、抱きしめられたまま内奥を繰り返し突かれる。
「あっ……雑賀く……あっ……あああっ!」
 激しい腰の動きについていけず、絡めた脚がずり落ちそうになる。そうなる前に雑賀の両腕に膝の内側をすくわれ、角度を変えた屹立の先が、恥骨の裏側を抉るように掻き始めた。まるで身体が宙に浮いたようになり、目の前がぱあっと明るくなる。
「あっ……あっ! ああああんっ!」
 今までに感じた事のない悦楽を覚えて、和香は身を仰け反らせて嬌声を上げた。
「ま……待って……! またイっちゃいそう……だから――あっ……やぁああんっ!」
「ダメです。……待てませんね」
 きっぱりとそう言われ、さらに中が潤むのを感じた。これほどわかりやすく反応する自分を、心底恥ずかしく思う。少しは年上の余裕を見せたいと思うのに、まったくそうできない。上唇を甘噛みされ、頬がチリチリと焼けるほどの熱を感じた。
 もっと、してほしい。
 そう思う気持ちが、和香の言動を大胆にする。
「雑賀くんっ……もっと、して……」
 出した言葉が我ながら、稚拙すぎる。
 けれど、恥じらう気持ちが、さらに欲望を掻き立て、和香は自ら彼にキスをして舌を絡みつかせた。
「やっと、素直に甘えてくれましたね。いいですよ。もっと感じさせてあげます。和香さんが望むだけ、好きな方法でイかせてあげますから――」
「あんっ! あ、あっ……」
 両方の膝を広げられ、和香の花房の中が雑賀から丸見えになる。
 そこをじっと見つめられ、咄嗟に脚を閉じようとするも、彼の手にあっさりと阻まれてしまった。
「さ……雑賀くん……。見ないでっ」
「どうしてです? こんなに綺麗なのに。ここ、さっきまでは桜色だったけど、今は薔薇色になってますね。本当に綺麗だ」
 雑賀が花芽から蜜窟の入り口に至る場所を指先でなぞった。
 脚を広げられたまま腰と腰が密着し、少しだけ下にずれた彼の恥骨が花芽を軽く押し潰してくる。
「あぁんっ! 雑……賀くんっ……あんっ! あああっ!」
「和香さん、俺の事は〝太一〟って呼び捨てにしてくれていいですよ。そのほうが、呼びやすくないですか?」
 雑賀が和香の耳元でそう囁き、耳朶に舌を這わせてきた。
 背中をすくい上げるように抱き寄せられ、しっかりと身体を固定される。
 ビリビリと痺れるような快感に囚われている間に、屹立が蜜窟の中を深く浅く突き上げてきた。切っ先が少しずつ位置をずらしながら、蜜窟の中を刺激してくる。
 そうして和香が一番感じやすい場所を探り当て、そこを小刻みに突きながらキスをされた。
 目の前にいくつもの閃光が弾け、よどみなく与えられる快楽のせいで、息が途切れがちになる。
「和香さん……好きだ……和香さんっ」
 挿入がより深くなり、聞こえてくる交わりの音がいっそう卑猥な水音に変わる。
 閉じがちになっていた目を開け、和香は太一と見つめ合った。腰の動きが緩くなり、彼が微笑みを浮かべる。
「太一……どうして笑ってるの?」
「しあわせだし、嬉しくて仕方ないからです。和香さんこそ、何でですか?」
 太一に問われ、和香は自分が彼と同じように微笑んでいる事に気づいた。
「私は……あんっ! ああっ……!」
 答えている途中で抽送を速められ、和香はしがみついている彼の背中に爪を食い込ませた。
「もうっ、答えてる途中なのに――」
「くくっ……すみません。つい、可愛い声が聞きたくなっちゃって」
 唇の縁にキスをされ、口角に舌を這わされる。無意識にそちらを向き、太一と唇を合わせた。それは、ごく自然な行動だったし、今の自分達はまるでしあわせな恋人同士みたいだ。
「さあ、もう邪魔はしません。どうぞ、答えて……というか、答えないと抜いてしまいますよ」
 そう言って太一が腰を引こうとする。
「あ、いやっ!」
 和香は咄嗟にそう言って、彼の腰を引き戻した。その直後、自分の言動と突き戻された屹立の感触に、全身を赤く染める。
「いいですね。そうやって俺に甘えてくる和香さん、すごく可愛いですよ」
 太一が呟くと、蜜窟の中で屹立が硬く反りかえった。
「あっ……ああ……」
 和香はそれを感じ取り、恍惚とした表情を浮かべる。その顔を上から見据えられ、中が潤いを増す。
「私も太一と同じ。……いま、すごくしあわせだし、嬉しくて仕方ない気持ちなの」
 だからこそ、これほど身体が熱くなり、とめどなく快楽を感じるのだ。もちろん、それは和香自身が太一を好ましく思い、身体はもとより心まで許している証拠でもある。
「本当に? ああ……嬉しすぎてどうにかなりそうだ――」
 そう言うが早いか、太一が腰の抽送を速めた。
 唇が届く限りの場所に何度となくキスをされ、深さを変えて少しずつ位置をずらしながら中を繰り返し突かれる。仰け反った身体を抱き締められ、乳房の至るところを強く吸われた。
 和香はたちまち昇りつめ、掠れた声を上げて彼の名前を呼んだ。
「た……いち……太一……あっ……ふぁ、ああっ!」
「和香さんっ」
 太一が和香の名前を呼ぶと同時に、蜜窟の最奥で屹立が爆ぜた。そして、多くの精を放ちながら、何度となく脈打って和香の心身を満たしていく。最奥はまるでそれを嚥下するかのように蠢き、子宮は受精の時を今か今かと待ち構えている。
 むろん、避妊具に阻まれ、放たれた精は和香の子宮に届くことはない。
 しかし、和香は、これほど子宮が悦ぶようなセックスをいまだかつて経験した事がなかった。
「和香さん、一度だけじゃ足りません。もう一度、抱いていいですか?」
 そう問われ、和香は夢心地のまま首を縦に振った。そして、内奥に新たな欲望を感じながら、太一の腰にきつく脚を絡みつかせるのだった。

タイトルとURLをコピーしました