失踪した聖女は、ヤンデレ執着王子の狂愛に囚われる

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失踪した聖女は、ヤンデレ執着王子の狂愛に囚われる

著者:南ひかり
イラスト:あらいてるこ
発売日:2025年 10月31日
定価:710円+税

アーディンガルト王国の聖女であるミラは、ある日、目を覚ますと見知らぬ屋敷に閉じ込められていた。
部屋から出ようとする彼女の前に現れたのは、ミラの幼馴染であり王国の第一王子・シリウスでーー?
神殿には既に新しい聖女候補がおり、追放されるところを連れてきたと言うシリウス。
ミラもまた、自身の聖女の力が弱まってきていることを自覚していた……。
それでも、聖女の力を使い切るまで使命を全うしたいと申し出たミラだったが!?
「純潔を奪ってしまえば、完全に聖女の力を失う。そうすれば諦めもつくだろう?」
ただならぬ独占欲を秘めたシリウスの激情に彼女の身体は蕩けさせられてしまう……!!
魔力を失ってもなおミラは聖女の力を取り戻す方法を探し、脱出を試みるのだがーー!?

【人物紹介】

ミラ=アルベルティ
アーディンガルト王国を守護する気高き聖女。
聖女としての使命感を持ち、また行動力もある。
新しい聖女候補が選出されたと言われ、シリウスに軟禁されるのだがーー!?

シリウス=シュヴァルツシルト
アーディンガルト王国第一王子。
表向きは優しく理想的な王子である。
一方、幼馴染であるミラにただならぬ執着を抱いているようで……?

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*取り扱いサイトは、各書店に掲載され次第、更新されます。

【試し読み】

「……残酷だね、ミラは」
「や、めっ……!」
 かすかな抵抗も、シリウスの手のひら一つで制される。肩を押され、シーツの上に押し戻された。
「もう僕の駒鳥なんだから……ね、全部諦めて手放してしまおう?」
「っ……!」
「僕の傍にいることが一番幸せになれるんだ」
 シリウスの言葉が甘く囁かれる。
 優しさのつもりなのだろうが、ミラにとっては地獄のようだった。
 ――怖い……。
 感情を押し殺すように唇を強く噛むと血が滲んだ。だがすぐにシリウスがその唇に舌を這わせて制止する。
「だめだよ。ミラを傷つけてもいいのは僕だけだから」
 再び熱いキスが降り注ぐ。乱暴ではないのに、ひどく支配的で呼吸すらまともにできない。シリウスの舌がミラの口内を隅々まで味わうたび、嫌悪感と未知の熱がせめぎ合った。
「んっ……!」
 奥歯を舐められ、喉の奥に震えが走る。身体の奥にじんわりとした熱が広がり始め、それがどこへ向かうかを本能は知っている。
「こんなの……こんなの、いや……」
 声を震わせながらミラは息を詰めた。
 だがシリウスは、怯えるミラにも容赦しない。
「いい子だから、大人しく言うこと聞こうね」
 いつからだろう、あの頃の――可愛くて弟のようなシリウスが消えてしまったのは。
 気づけばこの空間の主導権はシリウスの手にあり、ただ翻弄されるばかりだった。
「は……ぁっ……!」
 ようやく唇が離れ、酸素を求めるようにミラが大きく息を吸いこむ。
「こんな可愛いミラの姿を見られるなんて……世界で僕ひとりだけだね。それとも他の誰かに見せたりしてないよね?」
 シリウスの声色が低くなる。見えない誰かに嫉妬しているのか、宝石のように美しい瞳がまた深く濁った。
「もしもミラが他の男と身体を重ねて、力を失ったんだとしたら……いくらミラでも許してあげられないかも」
「……だったらどうするの?」
 ただ淡々と、冷たい表情でミラが言い返した。そんなことは神に誓ってありえないが、ここでシリウスの思い通りになるのが嫌だった。だがその強気な態度が仇になり、シリウスの瞳から完全に色が消える。
「ここに閉じ込めて、一生出られないようにする」
 ミラがひゅっと息を呑む。冷たい刃で胸を刺されたような感覚だった。まさかシリウスの口からそんな言葉が出るなんて。
 ミラが怯えていることに気づいたのか、シリウスがにっこりと微笑む。
「でもミラがそんなことしてないのは知ってるよ。僕を試して、嫉妬でもさせたかった?」
「……前向きになったわね。昔とは別人みたい」
「僕だって、いつまでも子どもじゃないよ」
 鎖骨を甘く噛まれ、鈍い痛みが走る。強気なふりをしてもミラの身体はかすかに震えていた。
「あっ……!」
「可愛い……白い肌によく映えるね。ミラが好きな薔薇の花びらみたいだ」
「はぁ……っ、シリウス、お願い、もうやめて……」
 ミラは声を震わせ、必死に懇願する。
 だがシリウスは、慈しむように微笑むだけだった。
「さっきからそればかりだね。何度言われても、そのお願いだけは聞けないな」
 そう囁きながら、シリウスの手がミラのドレスの背に伸びる。見慣れたはずのシルクの布地を、まるで宝物に触れるように優しく撫でた。
「こんなに美しくなったんだね。いや……ミラは昔から綺麗か」
 くすぐったい手つきに、ミラはびくりと肩を震わせた。
 ドレスの背中に指がかかり、そっと肌から滑り落ちる。
「やめて……いやっ!」
 ミラが左右に首を振り、ドレスを押さえようと手を伸ばす。
 だがその手も、シリウスに簡単に捕まえられてしまい、頭上で絡め取られた。
「逃げないで……ミラは僕だけのものなんだよ」
 耳に触れるその声は甘く、蜂蜜のようにとろける響きだった。けれどその奥には、有無を言わせない冷たい支配欲が見え隠れしている。
 ドレスがそっと肌から滑り落ちる。透き通るような白い素肌が空気に晒され、恥ずかしさに頬が熱を持つ。だが自分ではどうすることもできず、ミラの目尻には自然と涙が浮かんだ。
「っ……!」
「美しいよ、ミラ……まるで神が作った彫刻だ」
 誰にも見られたことのない身体だ。もちろん触れられたことさえもない。これからどんな目に遭うのかと、恐怖に震えるミラにシリウスの手が頬に触れる。
「壊したりはしないよ。絶対に……」
 いつもと変わらない、聞きなれた優しい声だった。
 けれど、その言葉とは裏腹に決して止めるつもりはないことも分かっていた。
 ――だめ……もう止められない。
 何を言ってもきっとシリウスは止めてくれないのだろう。ミラが何かを言うたびに、優しく受け入れてくれていた面影はもう存在しない。
 本当に聖女ではなくなってしまうのだ。
 今からシリウスのものにされるのだと、理解させられる。
「お願い、シリウス……もう、これ以上は……!」
 何度同じ言葉を繰り返しても、変わらないことは分かっている。それでもそれ以外の言葉が見つからないのだ。
 ミラの弱々しい声も、涙も、誰にも見せたことのないものだ。それでもシリウスの瞳に迷いは生まれない。
「……大丈夫、僕しか見ていないよ。この先も永久に」
「ひっ、ぁ、あんっ……!」
 無意識に逃げ出そうと腰を捩ると、咎めるようにシリウスの手のひらが胸へと触れる。胸のふくらみを掴んだ手が、撫でるように突起に触れた。
 まだ尖りを持っていないそれを、人差し指の腹でクリクリと撫で回され、ぴりっとした小さな電流が全身を走り抜ける。
「っ……あぁ、んっ……!」
 ミラが咄嗟に唇を噛む。自分の声が気持ち悪くて、こんなのは自分じゃないと思いたかった。
 だが羞恥心を隠そうと抵抗しても、ますますシリウスの目を楽しませるだけだ。
「可愛い声……どんな姿のミラも愛しているよ。だからもっと聞かせて?」
「んっ……やぁ、あぁ……ぁ、あんっ!」
 シリウスの唇が胸へと近づいていく。駄目だと思った時には遅かった。
 ちゅっとシリウスの唇が胸の突起に吸いつき、熱い舌の上で突起を転がす。
 その刺激にたまらずミラの腰が上下に揺れる。口づけとはまた違う感覚に、全身に力が入っていく。
「あぁ……んっ……だめっ、ぁ、あっ!」
 考えようとしても頭がぼうっとして、まともな思考が追いつかない。焦点の合わない視界に、何度瞬きを繰り返しても視界は激しく揺れたままで、まるで高熱に浮かされているような感覚だった。
 目線を下げると、視界にはシリウスの艶やかな金色の髪が揺れていて、見なければよかったと後悔した。
 ――シリウスの唇が、私の胸を舐め……。
 心臓の鼓動が耳まで届きそうで、目を開けられなかった。口を開けば甘い声が漏れるばかりで、とても自分の声とは思えない。耐えるように目を瞑ると、シリウスが激しく突起を吸った。
「そんな強くっ……やだっ……あぁんっ……!」
「ピンク色で可愛いね。果実みたいに熟れて、とても美味しいよ……」
「やだっ……もう何も言わないでっ!」
「照れる姿も可愛いな」
 ミラの戸惑いとは裏腹に、シリウスの表情はどんどん満ち足りていく。
 ぷっくりと立った艶めかしい突起に舌を這わせ、もう片方はきゅっと指先で摘んだ。わざとミラに見せつけるようにゆっくりと。理性を手放すギリギリを見極めて、シリウスはミラを追い詰めていく。
「はぁっ、……あっ、あんっ……」
「舐められるのと指で弄られるの、どっちが好き?」
 ――どっちも好きじゃない。
 そう言いたいのに、口から漏れるのは自分のいやらしい声だけだ。体の熱は高まっていくばかりで、じわじわともどかしい感覚が侵食していく。
「ど、っちも……いやっ……」
「そっか。自分でもまだ分からないんだね。じゃあ分かるまで、両方気持ちよくしてあげようか」
「やっ、ちが……! ひぁ、あんっ!」
 指で遊ばれていた突起を、クリクリと人差し指と親指で摘まれてしまう。ミラは黙ったままシリウスを睨み、目尻に溜まる涙を必死で押し留めた。
 服従などしないと、震える身体で強がるように、わずかな反抗心をにじませる。
「どうしてそんな目をするの? まだ自分の立場が分からないのかな」
 その態度が気に障ったのだろう。シリウスは穏やかな微笑みを浮かべたままだったが、その目に浮かぶ光は冷ややかで、明らかに不機嫌な様子だった。
 空気が一変する。身体が本能的に警鐘を鳴らすように、ミラは息を呑んだ。
 笑顔の奥に潜む威圧感は、言葉よりも重く、逃げ道を塞いでいく。まるで見えない鎖で縛られるような圧迫感。鳥籠の中でもがいていた翼さえ、今は根元から折られてしまいそうだった。
 シリウスは放置していた胸の突起に舌を伸ばして、口に含む。
「はぁ、んっ……!」
 生温かい感触に驚き、漏れてしまいそうになる声を、ぐっと飲み込んだ。その態度が気に食わなかったシリウスは、じわじわと捕食するようにミラを追い詰めていく。
「こんなに感じてるのに……ね。それともミラは誰にでもこんな反応をするのかな」
 シリウスは舌先でコロコロと突起を転がし、甘く歯を立てる。
「少し痛くしようか」
「ぁああっ……!」
 突起を強く噛まれ、耐えていた声が漏れる。その反応にシリウスはにやりと唇の端を吊り上げると、ぷっくりと膨らんだ突起を指でこねくり回す。
「ミラは僕のものだよ。僕だけの……君が何を望んでも、もう全部遅いんだ」
 暗く濁った瞳に、ミラは言葉を失う。
 どうしてこんなにも執着されるのか分からない。幼い頃、弱々しかったシリウスは、ミラの手を握り返すのもやっとだったのに。
 あの記憶は、すべて幻だったのだろうか。
 ――できることなら、出会う前に戻りたい。
 そう思ってしまうことが、どれほど残酷な裏切りなのか分かっているのに、それでも願わずにいられなかった。
「やだっ、シリウスっ……!」
 首筋を這う舌が身体の中心へと下がっていく。これ以上は触れさせてたまるものかと、ミラは指先に全ての力を込めてシリウスの腕を振り解こうとした。
 恐怖に身が竦み、ボロボロと涙が溢れる。だがシリウスはその手を止めなかった。
「ぁ、あ、あっ……んっ……ぁ、ああっ!」
「そのまま素直に感じて。何も怖くないから」
 シリウスの手が下半身へと伸びて肌に触れた。そのまま、つーっと秘部を指先でなぞられ、びくんっとミラの身体が飛び跳ねる。
「だめっ、そこはぁっ……!」
「大丈夫。痛みなんて忘れるくらいに、僕の愛で包んであげるよ」
 小刻みに震えるミラを落ち着かせるように、シリウスは美しく微笑む。
 わずかに垣間見える狂気を隠そうともせずに。
「濡れてるね……嫌がってたけど、そんなに気持ちよかったんだ」
「ちがうっ……!」
「嘘つき。ミラにも見せてあげる」
「あぁん、っ……!」
 いとも簡単に肌着を奪われ、シリウスの指先が秘部に触れた。溢れる蜜を掬いとり、ミラの目の前で指を見せつける。
「見てごらん? びっしょり濡らして……淫らな聖女様だね」
「やぁっ……違う、これはっ……!」
 それが自分の浅ましい証拠だと自覚した途端、羞恥が波のように押し寄せて、思わず目を逸らしたくなる。なのに視線はシリウスから離せない。
「違わないよ。ほら、身体はこんなにも正直だ……ミラって意地悪される方が好きだったんだね。知らなかったな」
 それはこちらの台詞だ。まさかシリウスの口からそんな言葉が出てくるなんて想像したこともなかった。
「ミラも知らない自分に、僕が導いてあげる」
「そんなの望んでないわっ……!」
「うん、でもだめだよ。ちゃんと僕のものが入るように慣らさないと。言っただろ、ミラに痛い思いはさせないって」
 ――何も通じない。シリウスに私の言葉は届かない。
 どんなに訴えても、拒んでも、最初から私の声なんて聞こうとしていない。
 まるでひとりで物語を進めるみたいに、勝手に想いを募らせて、勝手に答えを決めて、閉じ込めようとしてる。
 ――どうして、こんなにも遠いの? あんなに近くにいたはずなのに。
「ひっ……ぁあん、っ……」
 恐怖心とは裏腹に、身体はどこまでも素直だ。淫らな声が止まらず、自分の浅ましさに涙が零れ落ちる。
 シリウスはそんなミラの反応に満足すると、追い打ちをかけるようにクリクリと指の腹で花芯を撫で回す。
「あぁんっ、だめっ……それ、や、だぁっ……!」
「こんなにはしたない蜜をこぼして、説得力がないよ。ほら、すごく濡れてる」
「あぁっ! ぁ、んっ……! だめぇ、そこっ……あぁあっ……!」
「可愛いよ……そのままもっと乱れて。隠そうとしなくていい。君の全てが僕を狂わせるんだ」
「ぁあっ、んっ、はぁっ……、あっ、あぁあんっ……!」
 両手で太ももに触れられると、左右に大きく開かれた。
 誰にも見られたことのない秘部が今、シリウスの目前に晒されている。
「もう……おねがい、やめてっ……シリウスっ……」
 自分でも聞いたことがないような、情けない声色だった。唇が震えて、きゅっと噛みしめる。シリウスはそんなミラの姿にわずかに動揺すると、宥めるように額にキスを落とした。
「怖くないよ。優しくするから……」
 ミラを気遣いながらも、シリウスは決して手を止めようとはしなかった。
 そのままミラを快楽の渦へと引きずりこむように、ミラの秘部に手を伸ばす。

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