悪役令嬢×悪役令息、カラダから始まる純愛事情! ~×××しないと出られない部屋に閉じ込められたので契約結婚します~

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悪役令嬢×悪役令息、カラダから始まる純愛事情! ~×××しないと出られない部屋に閉じ込められたので契約結婚します~

著者:冬島六花
イラスト:鈴ノ助
発売日:2025年 3月28日
定価:620円+税

社交界に「悪役令嬢」としてその名を轟かせるフォート侯爵家長女・ヴィヴィアン。
彼女は「ひ弱な貴族令息との結婚なんてまっぴらごめん」とばかりに気ままな青春を謳歌していたが――。
ある日の仮面舞踏会で、ヴィヴィアンは「悪役令息」と呼ばれている宰相キース・レインと顔を合わせる。
二人は事ある毎に皮肉を言い合う仲であったが、その口調には悪役と噂される者同士、どこか親しみがこもっていた。
仮面舞踏会で二人はダンスを踊ることになるのだが、ヴィヴィアンはキースの姿に胸を高鳴らせて……?
その後、キースの誘いでパーティーから連れ出されたヴィヴィアン。
特別な部屋に案内された二人だったが、そこはなんと「×××しないと出られない部屋」だった!?
「今宵の貴女はすごくきれいだ」
キースと濃密な口づけを交わすのだが……後日、なんとか部屋から脱出した二人に待っていたのは契約結婚の話で――!?

【人物紹介】

ヴィヴィアン・フォート
フォート侯爵家の長女。父は王国騎士団団長。
社交界では「悪役令嬢」としてその名を轟かせている。
機知に富んでいて賢く、やや強情な面もある。友人や家族を大切にしている。
キースとは仮面舞踏会を通して距離が近くなったのだが――?

キース・レイン
レイン公爵家の長男。現在は王国の宰相を務めている。
国民や社交界からは「悪役令息」と呼ばれている。
知的で理性的な性格をしており、責任感が強く率直な物言いをする。
だが、決して冷淡な人間というわけではなく、その率直さは彼なりの愛情表現でもある。

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【試し読み】

(な、なんだか、ドキドキしてしまうわ。だって今夜のキース、格好いいんだもの)
 隣に座る吸血鬼姿のキースをちらりと見て、ヴィヴィは唇を噛む。
 彼は壁に並ぶタイルの規則性が気になるようで、指を折りながら何やら数えていた。紫色の瞳は真剣に何かを考えている様子だ。
(私、キースとなら、いいかも……って、駄目よ、何を考えているのよ!)
 ヴィヴィは頭をぶんぶんと振って、自分の思いつきを否定した。
 ――だが、それから数十分、暗号に関しては何も新しいアイデアが思い浮かばなかったのである。
 部屋中に視線をさまよわせ、考えあぐねる二人。なにせ、回答のチャンスは一度きり。徹底的に考えて、納得のいく結論を出さねばならない。
(この部屋には窓がないわ。なんだか熱気がこもってきて、変な感じ……)
 先ほどキースも上着を脱いで、シャツの袖をまくっていた。ほどよく筋肉のついた彼の腕が見えて、ヴィヴィはドキドキしてしまう。
(待って? 暗号が解けなくても……その、セックスすればいいのよね……?)
 そもそも暗号に答えなどあるのだろうか。この部屋は明らかに、閉じ込めた二人をセックスさせるための造りに見える。
 二人が腰掛けているのはソファだが、この部屋のメインはやはり、豪華な寝台だ。
 この部屋に入ってきたときから寝台の存在は意識させられていたが、時間が経つにつれ、気になって仕方がなかった。
「あ、あのっ……!」
 勇気を振り絞ってヴィヴィは呼びかける。
「どうした? いいアイデアが閃いたのか?」
 パッと花が咲いたように、キースは顔を綻ばせた。端正な顔が、とたんにあどけない少年のようになる。
「ええ、その……あの、私、もし貴男さえ良ければ……」
 言葉をつなぐうちに、ヴィヴィの顔がみるみる赤くなる。
 要するに、暗号解読ではなくセックスをしようという意思表示である。
「ああっ……それは、ええと、その……セッ……」
 言葉を続けようとしたキースの口を、ヴィヴィは慌てて塞いだ。
「お願い、その先は、はっきり言葉にしないで!」
 頬がカァッと熱くなる。ヴィヴィだって、まだまだうら若き乙女なのだ。
「そっ、その……いいのだろうか? 条件を満たしたところで、本当に出られるかどうかも分からない」
 念を押すキースの口調は戸惑いを含んでいた。
 ヴィヴィはコクンと頷くと、自ら寝台に行き、ゆっくりと腰掛ける。
(ああっ、もう、恥ずかしすぎるわ! ……でも、こうするしかないじゃない! それに、私、キースのこと……)
 ヴィヴィは隣に座ったキースの手を取った。
「前から思っていたのよ。その……同じ国王派の貴族として、貴男のことをもっと知りたいって。だから、その……お互いを深く知るには、肌を合わせるのが最適かも……」
 ドキドキしながらキースを見つめる。
 彼もまたヴィヴィと同じようだった。自分の思いに戸惑いながらも、ヴィヴィを受け入れようとしてくれているのだ。
「でも、本当にいいのかい? ……貴女は、後悔しないかい?」
「ええ。……私の辞書に、後悔の文字はないのよ」
 真剣な瞳に見つめられ、ヴィヴィは微笑み頷いた。もう後には戻れない。進むしかない。
(大丈夫。私もキースも、誰もが認める社交界の悪役よ。怖じ気づいてどうするの!)
 キースはヴィヴィの首に腕を回し、口づけをした。軽く唇を触れ合わせるだけの、挨拶のようなキスだ。
「んっ……」
 目を閉じたヴィヴィの口から吐息が漏れる。彼女が感じていることに気をよくしたキースは舌を出し、桃色の唇を割った。
 口腔内に舌を侵入させ、ゆっくりと唾液を吸っていく。
「んっ……あ……!」
 くちゅ、くちゅと、水音が響く。
(ずいぶんと積極的ね。私も負けていられないわ)
 今度はヴィヴィが主導権を握る番だ。上顎へ舌を伸ばす。
 だが、キースにその舌を絡め取られて、強く吸われてしまう。
「ああっ、ぁ、んんっ!」
 突然の刺激に驚き、ヴィヴィが声を上げる。
「ふふ、可愛い声だね」
 キースは不敵な笑みを浮かべると、ふたたびヴィヴィの唇を塞いだ。
「んっ……」
 今度は先ほどよりも深く口づけてくる。
 彼はヴィヴィの後頭部に手をやり、さらに引き寄せるようにして口内を犯した。
 ピチャピチャという淫らな響きが、ヴィヴィの鼓膜に届く。
「ん……ふぁっ」
 激しさに顔を背けようとするが、キースはそれを許さない。彼の大きな手で頭を固定され、身動きが取れなかった。
(なんなのこれ、気持ちいい……!)
 やがてキースの手が背中から脇腹へと降りていき、ドレスの上から胸を揉み始めた。
 柔らかな乳房に指を沈め、円を描くようになぞっていく。
「あ、そこ、だめぇ!」
 反射的に逃れようとする上半身を抱かれて、優しい仕草を続けられる。
 時折胸の突起を掠めるたびに、ヴィヴィの身体はぴくりと跳ねた。
「はっ、あぁ……」
 ようやく解放された唇から、艶めかしい声が漏れる。
 キースはヴィヴィの耳元に唇を寄せた。
「今宵の貴女はすごくきれいだ」
 低い声で囁かれ、背筋が震えた。
 そのまま耳たぶを食まれ、敏感な耳の穴に息を吹きかけられる。
「あっ、んっ……!」
 耳のラインに沿って優しく舌が這う。
(恥ずかしいけれど、気持ちいい)
 彼に愛撫されることが、心地よくてたまらなかった。もっともっと、深い快感が欲しい。
「ねぇ、キース……もっと」
 熱に浮かされたまま、ヴィヴィはキースの手を取り、自分の胸に導く。そして自らドレスのボタンを外すと、胸元をくつろげた。
 現れたのは、ドレスとは正反対の印象を受ける、純白の下着とコルセット。繊細なレースに彩られたそれらも、ヴィヴィは留め金を外していく。
「っ……!」
 キースが息を呑む。露わになった白い乳房に、彼の視線が注がれている。
(ああ……私ったらなんて大胆なことを)
 羞恥で顔が熱くなるが、もう後戻りはできない。
 彼はヴィヴィの手を取って寝台の上に押し倒すと、その上に覆いかぶさってきた。
「ヴィヴィ……本当にいいのかい?」
「ええ……」
 ヴィヴィはキースの首に腕を回した。そして自分から口づけをする。
(もう、後戻りはしないわ!)
 彼の舌が入り、口内を暴れる感覚に酔いしれる。
「ん……、ふ……」
 キースは片手でヴィヴィの乳房を愛撫し、もう片方の手で彼女の身体を抱き寄せた。
 密着する素肌から彼の体温が感じられる。さらに触れ合う部分の全てから興奮が伝わってきて、息ができない。くちゃくちゃになって身体にまとわりつく下着は、もう本来の役目を果たしていなかった。
 二人の身体が、寝台で重なる。
(ああ……)
 深い口づけを交わしながら、彼の指先がゆっくりと身体の輪郭を辿るように動く。身体の中心線をなぞっていき、臍の下あたりまで来たところで、ぴたりと止まる。
「ここに、僕のものを挿(い)れても良いかい?」
 ヴィヴィはコクンと頷いた。キースの指先が、彼女の下腹を撫でる。
「この奥だよ。分かるかな?」
 耳元でそう囁かれて、また蜜口から愛液が滴るのを感じた。早く入れてほしいという欲求が、頭をもたげる。
「ああ……っ、はい」
「まず、ここに僕の分身を挿入する」
 キースは語りかけながら身体の線をなぞっていく。
「どうだい? ゆっくりと出し入れすれば、そのたびにこの花芽が刺激されて気持ちよくなるんだ」
 一つ一つ、想像しただけで、ヴィヴィの身体の奥が疼く。
「ええ……あ……やぁ!」
 突然、花芽を指で突かれて、ヴィヴィは腰を浮かせた。彼の指が愛液を掬い取り、ぬるぬるになった箇所に塗りつける。
「あ……や、そ、それは……っ!」
 硬くなった花芽を指の腹で優しく撫でられると、下肢全体に甘い痺れが広がっていった。
「思い描いてごらん? 僕の分身が、貴女のココを幾度も擦り上げることを……」
「はいっ……あ……ひぁ……んっ」
 ヴィヴィはたまらず両手で口を塞ぐ。
 そんな風にされたらもう何も考えられないし、ひどい喘ぎ声しか出てこないに違いないから。
(悪役の私が、こんなに可愛らしい反応をしてしまうだなんて)
 けれどそんなヴィヴィの態度を見て、キースの指が、今度は明確に、敏感な花芽を狙って触れた。
 愛液を掬い取りながらそこを摘まみ上げ、真珠のような剥き出しになった部分を、指の腹で擦られる。
「あぁっ! ひぁっ……ん!」
 もっとも感じる場所を容赦なくくすぐられて、腰が砕けそうだ。
 キースは手で器用に花芽を弄びながら、もう片方の手でヴィヴィの内腿を撫で回す。
 強い快感に力が抜けてしまうが、彼らの身体が逃げることを許さなかった。
「さあ、もっと可愛い声で鳴いてごらん」
 キースは愛液でぬるついた指の腹を秘裂に這わせ、ゆっくりと動かした。
「や、そ……それ、だめぇ……っ」
 ヴィヴィは唇をふるふると震わせて抗った。
「駄目なのかい? でも、貴女のここは気持ちいい、もっとしてって言っているよ?」
 キースは二本の指で媚肉を押し開き、中指を蜜口に突き立てた。
 人差し指で花芯を愛撫し、中指はくちゅくちゅと音を立てて抜き差しすれば、そのたびに透明な愛液が溢れる。
「あん……っ! ああぁんっ!」
 骨張った人差し指はぐるりと円を描いて膣内をかき混ぜ、彼女の一番感じる部分を探そうと動き回った。
「や、そ、そこぉ……っ!」
 蜜洞にある、一番の性感帯を見つけられてしまう。
 その後は早かった。キースはヴィヴィの弱いところを、集中的に責め始めたのだ。
「ここを僕のモノで、繰り返し突いてあげようか?」
「ああっ……そんなことをされたら、変になってしまうわ」
 たまらず腰をくねらせるが、逞しい男性の腕からは、逃れられるはずもない。
 ピチャピチャといやらしい水音が響き、愛液がどんどん溢れてくる。
 快楽のさざ波が、ヴィヴィを溺れさせようとする。
「どこをどうされるのが一番感じるか、教えてくれないか?」
「やぁあっ! お、奥ぅ……っ……入り口のところもっ……く、くちゅくちゅって、されるのがぁ……ああぁんっ!」
「奥と入り口の両方? 欲張りだね。でもそれなら……両方を、いっぱい弄ってあげるね」
 キースは花芽を人差し指で捏ね回しながら、膣内に埋め込んだ指を曲げ、蜜壺の奥の部分を押し上げた。そうやってヴィヴィの性感帯を、的確に責め立てていく。
「やぁっ! ああぁっ! だめぇええぇ……ッ!」
 ヴィヴィは背中を反らせて甘い声を上げた。彼の巧みな指使いに、すっかり翻弄されている。
 キースは花芽への愛撫と膣内への抽送を繰り返しながら、時折指を曲げて蜜壺の奥の部分を押し上げた。
「あ、……イッちゃううっ! ぁああんっ!」
 ヴィヴィの身体がびくんと跳ね上がる。とうとう達してしまったのだ。
 ゆっくりと、キースは膣口から指を引き抜いた。
 秘裂から透明な液体がとろりと滴り落ちる。
「どうだったかな、お姫様?」
 キースが尋ねると、ヴィヴィはとろんとした顔で頷いた。
「す、すごかったわ……身体が熱くなって……」
 体内にこもった熱は、まだまだくすぶったままだ。
(早く、つながりたい……)
 そんな衝動が、ヴィヴィの胸を突き動かす。
「ふふ……そろそろ僕も限界かな」
 キースは衣服を脱ぎ捨てると、己の剛直を握り込む。彼のものはすでに硬くそそり立ち、脈打っていた。
(お、おおきい……!)
 男性経験のないヴィヴィは、生唾を飲み込んだ。
 キースの剛直は太く立派で、表面には血管が浮き、パンパンに張り詰めている。
「ヴィヴィ……いいかい?」
 優しく囁きながら、切っ先を潤みきった花唇に押し当てた。
「ええ……私は、貴男が欲しいわ!」
 キースに抱きつくと、ヴィヴィは己の感情のままに叫んだ。
 一瞬、驚いた表情を浮かべたキースは、すぐに柔らかい表情になる。
「安心したよ……貴女と僕は今、同じ気持ちのようだ」
 彼はヴィヴィをそっと抱きしめ、首筋に顔を埋めてきた。
 まだ続きができるのだと思うと、たまらなく嬉しい。
 ヴィヴィは視線を上げ、前を向く。
 キースはふたたび、ヴィヴィを抱き、腰を進めてくる。
 嬉しさに舞い上がるヴィヴィだが――。
(これで私たちは一つになれる……って、え……?)

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