
嫌われ婚約者は初恋の騎士に溺愛される ~幼馴染と秘密の一夜を過ごしたのは私です!?~
著者:おうぎまちこ
イラスト:うにいくら
発売日:2025年 3月28日
定価:630円+税
パクレット家の伯爵令嬢デイジーには天使のような幼馴染アシュヴィンがいる。
辺境伯令息である彼と姉弟のように仲良く過ごしていくうちにデイジーはアシュヴィンへの好意を募らせていた。
そんなある日、二人の婚約が発表され、デイジーは想いを告げるもアシュヴィンの態度が冷たくて――?
以来、不仲になってしまったアシュヴィンとデイジー。
さらにアシュヴィンはデイジーの前にほとんど姿を現さなくなってしまい……。
それから十年、結婚が近くなったデイジーは彼の本音を探るべく変装して舞踏会に潜入することを決意!
舞踏会で再会したアシュヴィンと偽名を名乗っているデイジーは一夜を共にすることになって――!?
「こんな時でも強がって、可愛いな」
彼と結ばれた翌朝、なぜかアシュヴィンがデイジーに会いにきた……!?
【人物紹介】
デイジー・パクレット
パクレット家の伯爵令嬢。
明るく快活な性格をしており、行動的で世話焼き。
幼少期以来ほとんど姿を現さない幼馴染の婚約者、アシュヴィンにヤキモキしたデイジーがたてた作戦とは!?
アシュヴィン・フェルト
辺境伯令息で近衛騎士を務めている。デイジーの婚約者。
自身への悪口には面倒で相手をしない反面、デイジーが悪く言われると感情が表に出てくる。
デイジーには何か隠し事をしており、また何やら国王と雰囲気が似ているようで……?
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【試し読み】
彼の顔を見上げる。仮面から覗く瞳があまりにも綺麗でドキドキして落ち着かない。
「ええ……ちゃんと信用させてほしい」
至近距離で囁くと、アシュヴィンも返してきた。
「だったら……どうしたら信用してくれる?」
予想外の切り替えしだった。
改めて問われると、どうしたら良いか分からなくなってしまった。
「そうね、絶対に帰ってきてそばにいる約束、してくれたら……」
「絶対に帰ってきてそばにいる約束、か。例えば? どうしたら良い? 契約書でも書いたら安心なのか?」
「ええっと……」
酔って思考がまとまらない中で考える。
そうして、先ほど以上に真っ赤になりながら返した。
「……キス、とか……」
「……」
しばらくアシュヴィンはだんまりになる。
「約束でキス、か」
指摘されておかしなことを言ってしまったと気づいてしまう。
「おかしなことを言ってしまったわ、ごめ……」
「それにだ」
謝ろうとしたら、アシュヴィンの言葉が重なってきて中断されてしまった。
「それに……?」
彼の腕が私の背に回された。
「たぶんキスしたら、止まらなくなるぞ」
先ほどまでの優しい口調とは打って変わって、どこか艶めかしさを含んだ低い声。
私の心臓がドクンと跳ねる。
何が止まらなくなるのかは分からなかったけれど、アシュヴィンと一緒に一秒でも長く過ごせるのなら何でも良かった。
「……そばにいてくれるんだったら、止まらなくても良いから」
ふと、相手の顔を見上げた瞬間。
「ん」
唇に何かが触れた。
(これは……)
アシュヴィンの唇だ。
「止めるなら今の内だぞ」
だけど、もう一度彼の唇を感じたくて、「嫌だ」とは言わなかった。
すると、アシュヴィンから唇を何度か啄まれる。
「ん……」
触れ合うだけの口づけをしている間に、彼の膝の上に跨る格好となった。
互いに仮面越しだが、久しぶりに正面から相手と視線を交わしている。
劣情を孕んだ眼差しで射抜かれると、ゾクゾクした感覚が駆け抜けていく。
とはいえ、想像以上に大胆な格好になってしまっているが。
「もっと口を開けてくれないか」
「……こう? ふあ……」
アシュヴィンに促されまま唇を開くと、口の中に分厚い舌が滑りこんでくる。
「ふあ……はふ……」
「はあ……」
相手の舌に翻弄されてしまう。
彼の掌が触れるか触れないかぐらいの手つきで、背中から腰にかけて撫で擦ってくる。そのまま手がスカートの裾をたくしあげて侵入すると、太腿から臀部を上下に擦られる。ゾクゾクとした感覚が全身を駆け上がってくる。
「あっ……んんっ……」
その間も彼の舌が口の中を這ってくるものだから、気持ちが良くておかしくなってしまいそうだ。両方からの刺激を感じると、勝手に腰がよがってしまって、下着が湿っぽくなっていく。
両脚の間、硬く隆起した何かを感じる。
「これは……」
「制御が効かなくなるって説明しただろう?」
母を早くに亡くしたせいもあって、性に関しての知識は確かに少ない。けれども、これがアシュヴィンの猛る男根だというのは分かった。
「少しだけ腰を浮かせてほしい」
心なしか相手の頬が朱に染まっているような気がする。
(恥ずかしい?)
子どもの頃の控えめだった彼のことを思い出した。
相手の言うことを聞いて、ちょっとだけ腰を浮かせる。
すると、彼の指先がドロワーズにかかり、ゆっくりと膝まで脱がされていく。
我ながら大胆だが、片膝ずつ脱いでいくと、下半身の肌が外気に晒されることとなった。ひんやりしたが、再び彼の腰の上に跨ると、男根が衣服越しでも分かるぐらい熱くて、そちらに気を引かれてしまう。
「すごく熱い……」
「熱いな……ああ、お前も熱いのか……?」
私が言ったのは、アシュヴィンの男根に関してだったのだが、彼本人は私が熱いと勘違いしたようだ。
彼に跨ったままでちょっと不安定な態勢だったが、彼の逞しい片腕が腰に回される。
器用にもう片方の手で胸板を外され、パフスリーブを解かれると、ブラシエールを身に纏った上半身が、相手の視界に晒される。中に着用していたブラシエールを剥ぎ取られると、ふるりと乳房が露わになった。
そうして、腰から足先にかけてドレスを全て脱がされると、生まれたままの姿になってしまう。
(酔ってなかったら倒れていたかもしれない)
それぐらい熱い視線をアシュヴィンから注がれてしまい、羞恥で全身が林檎のように火照っていく。
「ああ、想像以上に綺麗だ」
「想像?」
マルガリタとは初めて会ったはずなのだが……。
「……わりかしタイトなドレスを着ていたんだなと思ってな」
(そういうことなのね)
短時間だったけれど、男性の想像力というのは逞しいものだ。
(昔のアシュヴィンはあんまり女性に興味がなさそうだったけれど……)
大人になった彼は、どうやら女性に関心があるようだ。
「あ……」
裸のままの私のことを、彼がぎゅうっと抱きしめてきた。
そうして、再び唇を奪われ、何度も食まれる。
なんだか下腹がじんじん疼いてきて、頭の芯がぼうっとなってくる。
(どうしよう……身体が変……)
両脚の間から蜜のようなものが溢れ出している。まるで自分の体ではないようで、アシュヴィンの下衣を濡らしてしまわないか心配になるぐらいだ。
すると、彼が私の身体を抱き上げて、ベッドに横に戻した。
「あの……」
アシュヴィンがベッドサイドに立つ。
もしかしてここで中止になるのだろうか?
「俺も熱くて堪らないんだ」
そういうと、アシュヴィンが騎士団の制服を脱ぎ捨てた。しゅるりと音を立てて、床の上に衣服を落としていく。騎士となるべく鍛えたのだろう、子どもの頃とは違って逞しい筋と均整のとれた体躯が露わになる。
(こんなにがっちり体形になっているなんて……あれ?)
彼が男らしい体形になったことよりも、気になることがあった。
胸がざわざわしてくる。
「肌……傷……」
思わず口に出してしまった。
彼の肌には薄くはなっているものの大きな傷痕があったのだ。
(何この傷? こんな傷、昔のアシュヴィンにはなかったわ!)
この十年間で大きな戦争はなかった。けれども、魔獣が大量発生して多くの使者を出した事件や、国王陛下の演説中の自国民の反乱などは確かにあったように思う。
だが、自分が知る範囲での出来事であり、民衆には知らされていない小さな事件などもたくさんあるはずだ。
(アシュヴィン、何か危険な任務についているの?)
そうとしか思えないほどの傷の多さだ。
「ああ、悪い。これは……」
私は深刻な表情を浮かべてしまっていたのかもしれない。私を見たアシュヴィンが眉根を顰め、申し訳なさそうに告げてくる。
「すまない。こんな醜いものを見せて」
床に落ちて居たシャツを拾い上げて再び袖を通そうとした彼に向かって、私は思わず大声を上げてしまった。
「そんなことない!」
すると、アシュヴィンが目を見開く。
「醜くなんかない! そんなに痛い目に遭って、何があったか分からないけれど、きっと大変な目に遭って、だけど、頑張っているから大きな傷を負ってて……」
何も知らないでアシュヴィンが迎えに来ないことに対して不平不満ばかりを抱きすぎていたかもしれない。
相手が痛かったかもしれないと思うと、勝手に涙が溢れてきた。
「俺のために泣いてくれているのか?」
「あ……」
ベッド脇に跪いたアシュヴィンが私の頬を両手で包み込んできた。
そうして溢れる涙にそっと口づけてくる。
トクンと心臓が跳ね上がった。
「嫌われないで良かった。ありがとう」
仮面越しに熱を孕んだ眼差しで見つめられる。
そうして、再び何度か口づけられた後、彼がまたベッドサイドに立ち、今後は下衣と下着を脱ぎ捨てた。そそり立った男根が露わになり、先走りの雫を零していた。
彼の姿を間近に見て、本当に大人になったのだと実感してくる。
「なあ、本当に止まらなくて良いんだな?」
「……止まらないとどうなるの?」
アシュヴィンの片膝がベッドの上に乗ると、ギシリとベッドが跳ね上がった。
振動を感じると同時に、鼓動がどんどん高鳴っていく。
「本当に何も分かっていないのか? それとも無知なフリして誘ってきているのか?」
アシュヴィンの問いかけに私は答えることができなかった。
(もう大人になった男女がベッドの上で裸になって……)
さすがにどうなるかは分かっていた。
「続きが……知りたいから、止まらないでほしい……」
「そうか。分かった、だったら続けよう」
アシュヴィンが私の体の上に跨ってくると、柔らかな重みを感じた。
口づけられていたら、乳房に少しだけ硬い指が沈み込んできて、驚きと共に羞恥が走る。ゆっくりと乳房を揉み解されれば、勝手に甘ったるい声が漏れ出てきた。
「あっ、やんっ、あっ……」
胸を変形させられながら、乳首の先を硬い指の腹で擦られる。乳首から全身にビリビリ甘い刺激が駆け抜ける。まるで自分の身体じゃないみたいに、先端が赤く尖っていく。下から上に捏ねられると、夢見心地だ。だんだんと息が上がってきて、頬が火照っていくのを感じる。
(こんな女の人を悦ばせる技術をどこで覚えてきたの……?)
衝撃を受けつつも、甘い刺激に抗えそうにない。きゅっと先端を摘ままれると、ビリリと快感が脳髄まで駆けてきた。
「ひゃんっ……んんっ……」
下腹がきゅんきゅん疼いて、両脚の間がぬるぬると潤うのを感じる。
「胸が気持ち良さそうだな、もう真っ赤だ」
アシュヴィンの顔が左胸に接近していく。
(え? え、え、ま、まさか……)
彼の唇が厭らしく開いたかと思うと、私の左乳房の乳首をパクリと食んだ。
「やんっ、あっ、ああっ……」
彼の舌が乳首を舐りはじめた。
「ひあっ、やんっ、あっ」
彼の分厚い舌が突起をチロチロと舐る。少しざらついた感覚と小刻みな舌遣いに翻弄されると喘ぐことしかできなくなってくる。
「やんっ、あっ、は、あっ……う……」
アシュヴィンが今度は私の乳首を吸い始める。舌先に翻弄される。甘く吸われると、背筋にゾクゾクした感覚が走って腰をくねらせてしまった。
ちゅぱっと音を立てて、アシュヴィンの唇が離れた。
「お前が、すごく気持ちが良さそうで良かったよ」
「そんなこと……」
ないとは言い切れなかった。
まだ胸を弄られただけだが、全身が熱くて熱くて仕方がない。
下肢が疼いて我慢できなくて、大腿を擦り合わせて誤魔化すことにする。
まるで自分の身体ではないかのように、両脚の間に愛蜜がトロトロ溢れて止まってくれなかった。
アシュヴィアンが少しだけ体勢を変える。
私の内腿同士の間にアシュヴィンが両手を添えると、両脚をゆっくりと開かれた。
「あっ、ま、待ってっ……」
「制御が利かないって話しただろう? 待たない」
結局、抵抗できずに、彼の眼前で大きく開脚することになってしまった。
彼の視界の下、濡れた秘所が晒されているのだと分かると、恥ずかしすぎて酔いが醒めていくようだ。
「濡れているな」
「恥ずかしいから、そんなに見ないでちょうだい」
アシュヴィンの視線に耐えられずに、そのまま倒れてしまいそうだ。
「こんなに綺麗なのに」
「そんなこと言わないで……ください」
「こんな時でも強がって、可愛いな」
アシュヴィンがくすりと笑んだ。
まさか、そんな感想を述べられるとは思わず、恥ずかしくて気絶しそうだったけれど、なんとか耐えた。
それにしたって……。
(これから、アシュヴィンのあの大きなアレが私に挿入されるのかしら?)
私はゴクリと唾を飲み込んだ。
アシュヴィンの両脚の付け根。そそり立つ男根は、子どもの時に見たそれより明らかに成長してしまっていた。大人になったのだから、それはそうなのだろうが、想像していた男根とは大きさが違った。
(子どもの頃に一緒に遊んだ時に見た雄馬みたいね)
記憶は朧気だが、唐突にそんなことを思ってしまった。
「なあ、念のために確認しておくが、お前は男性経験がないんだろう?」
「え?」
突然質問されて戸惑ってしまう。
「そりゃあ、婚約して……」
そこでハッと正気に返る。
自分が今現在変装していることに気付いた。
(そうだった、私は今マルガリタになっているんだったわ)
だとすれば、アシュヴィンは私の両脚の間を見て、純潔だと気づいたのだろうか?
とりあえず話を合わせるべく、尋ねてみることにした。
「見たら分かるの?」
「俺は医者じゃないから分からない、さすがに俺のものを突っ込めば分かるかもしれないが、挿れる前の確認だ」
ひとまず処女かどうかは隠しても仕方がないだろう。
「もちろん、まだ誰ともこんなことはしたことないわ」
「そうか、そうだろうとは思ったが、すまない、おかしなことを聞いたな」
アシュヴィンは心なしかホッとしているように見えた。
そうして、思いがけないことを告げてくる。
「だったら、ここから、もっとお前は恥ずかしい気持ちになるかもしれない」
「え?」
どういうことかと思っていたら……。
「え? どうしたの? ひゃんっ……」
両脚の間に、アシュヴィンの顔が近づいてくると、なんと秘所に顔を埋めてくるではないか。
「えっ、やだ、やだ、そんなところっ」
「初めてのお前には必要なことなんだ、ほら……」
硬い指の腹が花弁に触れてきて、ゆっくりと開かれるのが分かった。
彼の熱い吐息が私の陰唇に吹きかかってきて、びくりと体が大きく跳ね上がった。
(まさか……)
ピチャリ。
ひときわ敏感な芽の上、ざらついた何かが触れる。
ビクン。
腰から両脚の先にかけてビリビリと快感が駆けた。
「充血して膨れ上がってるな……綺麗だ」
まさか――アシュヴィンの舌がぷっくりと膨れ上がった秘核を舐りはじめた。
ピチャピチャと淫靡な水音が漂う。
「ひゃっ、ああっ、あ……」
こんな誰にも見せないような場所を見られるだけでも恥ずかしかったのに、間近で眺められるばかりか、舌で舐められるなんて……!
衝撃的な出来事の連続で頭がどうにかなりそうだ。
アシュヴィンの舌が陰核を執拗に舐ってくる。それどころか、甘噛みして伸ばされたり、舌でチロチロと緩急をつけて弄られたりして、腰がくだけてしまいそうだった。
「ひあっ、あっ、それ以上されたらっ……もう、私、ダメっ……!」