
魔王様は初恋の王女を獰猛な溺愛欲で堕としたい
著者:さくら茉帆
イラスト:木ノ下きの
発売日:2025年 10月31日
定価:720円+税
ある日、小国エミリアの第二王女カタリーナに隣国の王太子からの縁談が舞い込んでくる。
カタリーナに敵意のある異母姉を除き、周りがお祝いムードの中、カタリーナだけはその縁談に気乗りできずにいた。
十年前、彼女が異母姉に暴力を振るわれそうになったところを助けてくれた男性にカタリーナはずっと恋をしているからだ。
彼女が気分転換に散歩をしていたところ、突如、暗がりから無数の手が伸びてきてどこかへ引きずり込まれてしまう……!?
見知らぬ土地に放り出されたカタリーナが悪魔に襲われそうになった瞬間、とある男性が彼女を助けるのだがーー。
シメオンと名乗った彼は、なんとカタリーナの初恋相手であり、しかも魔王様だった!?
魔界に連れ込まれたらしいカタリーナは、いつまた命を狙われるかわからないと説得され魔界の城で暮らすことに。
「何も心配するな。好きな女を傷つけるような真似はしない」
さらには、十年ぶりに再会した魔王様からとろとろに甘い溺愛を与えられてーー!?
【人物紹介】
カタリーナ・セシリー・エミリア
小国エミリアの第二王女。
おしとやかで大人しそうな見た目ながら、愛する人を守りたいという意思の強さも持ち合わせている。
魔界に迷い込んだところを魔王であるシメオンに助けられて……?
シメオン
魔界を支配する魔王。カタリーナの初恋相手でもある。
誰に対しても分け隔てなく接する一方、特にカタリーナのことを大切に思っている。
カタリーナに近づく悪意に気がついてーー!?
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【試し読み】
美味しい夕食の後は大浴場の広い浴槽で、ゆっくり体を温めて疲れを癒した。
最初、シメオンから「一緒に入ろうか?」と冗談めいた口調で言われた。初恋の相手とはいえ、異性と入浴するのはさすがに抵抗があり、カタリーナは丁重にお断りする。
その時のシメオンは、どことなく残念そうな様子であった。
(もしかして、少し悪いことをしてしまったかしら?)
シメオンの悲しげな表情を思い出して、何だか申し訳ない気分になる。
用意してもらった部屋へ戻ると、カタリーナは天蓋付の広いベッドに身を横たえた。
真新しいシーツやふかふかの毛布が心地良い。優しい香りも漂ってきて、瞬く間に眠りに落ちてしまいそうである。
うとうとしかけたその時、誰かが近づいてくる気配を感じて目を覚ます。
驚いて顔を上げると、ナイトガウンを羽織ったシメオンが立っていた。
大きく開かれた襟元からは胸板が見えて、カタリーナは目のやり場に困ってしまう。
「寝るにはまだ早いよ」
そう告げるシメオンの声や表情は色っぽくて、カタリーナは頬を上気させてドキドキしていた。
それから彼はカタリーナに覆いかぶさり、そっと唇を重ねてくる。
「ん……っ……」
生まれて初めての愛の口づけ。それをシメオンと交わしたことに、カタリーナは喜びから胸を高鳴らせた。
角度を変えて口づけを交わし、互いの舌を絡ませていると、不意にシメオンの手がナイトドレスのリボンに伸びていく。
「ま、待って!」
カタリーナはすかさずその手を制止した。
シメオンの妃になったからには、いずれ肌を合わせることになるのは理解していた。しかし、今夜いきなり抱かれるとは思わなくて、拒絶するような形になってしまった。
どんな反応が返ってくるのかと、カタリーナは恐る恐るシメオンの様子を伺う。
「やっぱり俺が怖くなったか?」
彼は怒るわけでもなく、ばつが悪そうに苦笑いを浮かべていた。
今のカタリーナの行動に傷ついたに違いない。彼女は申し訳なくなってすぐに謝った。
「ごめんなさい、あなたを傷つけるつもりはなかったの……」
「謝ってほしいわけじゃない。俺に抱かれるのが嫌なのか、それを確認したいだけだ」
「嫌なんかじゃないわ。ただ、いきなり抱かれるとは思わなかったから、ちょっと驚いてしまって……」
カタリーナが今の気持ちを正直に打ち明けると、シメオンは気付いたように「確かに急だったかもな……」と反省の言葉を口にする。
「すまない、カタリーナ。この城に来たばかりで、いきなり抱くのは不謹慎だったかもしれない」
そう告げるシメオンの表情には、心から申し訳ないといった気持ちが表れていた。
「嬉しかったんだ。十年間、ずっと俺だけを一途に想っていてくれていたんだと知って。そんな君を誰にも渡したくない」
まるでカタリーナに、フランツ王太子との婚約話が上がっていることを、知っているかのような口ぶりである。
相手は人知を超えた力を持つ魔王だ。人間の世界のことなど、何もかもお見通しなのかもしれない。
「君がどうしても嫌だというなら、今夜は自分の部屋で休むよ」
そう言って離れようとするシメオンだったが、カタリーナはすかさず腕を掴んで引き留めていた。
「私ならもう大丈夫よ。だから、どうかこのまま抱いて」
カタリーナも、もう無垢な子供ではない。閨における男女の行為についても、ある程度の知識を持ち合わせている。
不安はまだ残ってはいるが、ずっと想いを寄せていた相手に抱かれるなら構わない。
カタリーナの決意が本物だと感じ取ったのか、シメオンは再び彼女に覆いかぶさって口づけした。
「んっ……ふぅ……」
最初はついばむようなキスだったが、徐々に深く唇を重ねられる。口内を何度も吸われ舐られて、カタリーナはほろ酔いしたような気分になる。
甘く濃密な口づけを交わしながら、シメオンがリボンを解きにかかった。
今度はその手を拒むことなく、カタリーナはされるがままに受け入れた。
胸の鼓動が少しずつ早くなっていく。これは緊張のせいではなく、初恋の相手に抱かれることへの期待からである。
周囲の期待通りフランツ王太子と結婚しても、こんなときめきは抱かなかったに違いない。
カタリーナが頬を上気させてうっとりしていると、ナイトドレスと下穿きを脱がされ一糸まとわぬ姿になった。
「あの時はまだ小さかった女の子が、本当に美しくなったものだな」
シメオンは感極まった様子で、カタリーナの全身をじっくりと眺める。
相手が初恋の男性でも、やはり裸を見られるのは恥ずかしい。
カタリーナは両腕で胸元を隠そうとするが、そうするよりも先にシメオンが乳房に手を伸ばして揉み始める。
「あ……あぁ……」
生まれて初めて異性に体を触れられ、羞恥心からたちまち顔を真っ赤に染める。しかしその一方で、快楽に似た感覚も込み上げてきて、カタリーナは戸惑うばかりであった。
(私、一体どうなってしまったの?)
胸を揉まれて気持ちいいと思うなど、自分はこんなにもはしたない女だったのだろうか。
動揺するカタリーナをよそに、シメオンは胸の膨らみを捏ね回し続ける。
「あぁあ……」
大切なものを扱うような、優しくて丁寧な愛撫。その手つきもそうだったが、カタリーナの裸を見るシメオンの眼差しにもいやらしさは微塵もなかった。
カタリーナがこれまで会ってきた男性の中には、豊満な乳房をいやらしい目で見つめる者も少なくなかった。そのことに気付いたバーバラからも、「胸で男を誘惑しているふしだらな女」だの「いっそのこと、高級娼婦にでもなれば?」などと嫌味を言われたほど。
そんな経緯もあってから、自身の大きい胸を疎ましく思っていた。それが今、こうしてシメオンに優しく触れられて、その気持ちが少しずつ消えていく。
同時にシメオンの愛が伝わってきて、カタリーナのときめきが増していった。
たわわな実りを揉みしだきながら、シメオンは先端にある小さな蕾にそっと触れる。
「ああん……」
軽く触られた程度だったが、甘い痺れが全身に広がっていき、カタリーナの華奢な体がビクンと跳ねた。
「とてもかわいい声だな」
シメオンは嬉しそうに微笑むと、薄紅色の突起をくいくいと転がし続けた。
「や……っ! あ……ぁあ……」
乳首を指先でくすぐられた瞬間、体の奥から甘い快感が生じてジンと疼く。カタリーナは頬を上気させてあえかな嬌声を漏らした。
指の腹で擦られ転がされて、乳首は少しずつ硬くなって濃く色づいていく。その上、触れられるたびに感度も増していって、カタリーナは小刻みに身震いして快感に喘いだ。
「初めてなのにこんなに感じやすくて、とてもかわいがり甲斐があるよ」
シメオンは嬉しそうに声を弾ませて、乳首を重点的に擦り上げていった。
「あぁあん!」
敏感になった乳頭を弄られ、痺れを伴った快感が体中を駆け抜ける。カタリーナは恥じらいながらも、鼻にかかった甘い声を上げる。
シメオンが更に引っ張って刺激を与えると、乳首は一段と硬く膨らんで濃い紅色に染まっていく。
ピンと尖った乳頭にもそっとキスをすると、彼はそのまま口に含んで優しく舐り始めた。
「あぁっ、いやぁ……っ! 変なこと……しないで……」
胸の先端を吸われるのが恥ずかしくて、カタリーナは喘ぎ交じりの声で訴える。その際、体を捩った弾みで胸の膨らみも揺れ動き、却ってシメオンを誘う形となってしまう。
「嫌と言っている割には、ずいぶん気持ちよさそうに聞こえるが」
シメオンは意地悪くささやくと、ちゅぱちゅぱと執拗に乳頭を吸い立てていく。
「ああぁっ! あぁああん!」
カタリーナは体を震わせながら甘い悲鳴を上げた。
くすぐったさと共に快楽も込み上げてきて、体の芯が更に熱く疼く。初めて味わうこの感覚がとても気持ちよくて、もっとしてほしいと願ってしまいそうになる。
そんなカタリーナの淫欲を感じ取ったのか、シメオンはもう片方の乳首も指先でなぞり始めた。
「あ……っ、はぁ……ああ……」
指と舌で同時に胸の先端を愛撫され、甘い快楽が一段と増していく。ぞくぞくと粟立つような快感に、カタリーナは表情を蕩けさせて喘いだ。
こんなにも気持ちよく感じるのは、シメオンに触れられているからに違いない。
緊迫した状況下での再会から一転。ずっと好きだった彼に求められ、こうして愛でてもらえて早くも幸せを抱き始めていた。
濡れた舌を這わされ指先で転がされて、二つの蕾はますます感じやすくなっていた。刺激されるたびに、痺れるような快感が全身を駆け抜けて、カタリーナはビクビクと身悶えた。
胸だけではない、足の間――特に下腹部の奥が熱を帯びているのがわかる。他にも、秘部が濡れているような感じがして、カタリーナは戸惑うばかりである。
粗相でもしてしまったのだろうかと、途端に恥ずかしくなる。それをシメオンに知られたくなくて、顔を赤くしながらもじもじしていた。
それから唐突に、シメオンの手が腹部から鼠径部にかけてゆっくり這っていく。
「ん……っ!」
太腿を撫でられた瞬間、肌がふつふつと粟立ってカタリーナは喘ぎ交じりの声を漏らす。
男女の行為では、秘花にも触れられることを学んでいたが、いざされるとなると恥ずかしさからためらいが生じた。
カタリーナが足の間を固く閉じていると、シメオンは左右に大きく割り開いて秘められた部分を暴いた。
「いや、駄目……」
誰にも見せたことのない部分を晒されて、今までにないほどの羞恥心を覚える。
「カタリーナはここも綺麗だな」
シメオンはすでに濡れた秘花をじっと眺めて感嘆した。
まるで芸術品を鑑賞するような眼差しで、恥ずかしい部分を見られて逃げ出したい衝動に駆られる。
カタリーナが赤面しているところへ、シメオンの指先が割れ目に沿ってそっとなぞっていった。
「あ……あぁあぁ……」
下肢に強い刺激が生じたかと思うと、恥裂がわなわなと痙攣して蜜が溢れ出る。
「ああ、いや……。何これ……」
淫らな光景をシメオンにしっかり見られ、カタリーナは動揺から頭がおかしくなりそうだった。
「恥じるようなことじゃない。俺に愛撫されて、気持ちよく感じている証拠だ」
シメオンは優しく声をかけながら、ほぐすようにゆっくりと恥裂を撫でていく。
「ン……あぁ……」
肌がふつふつと粟立つと同時に、下半身に甘い痺れが走る。カタリーナは上擦った声で喘ぎながら、小刻みに体を震わせていた。
触れられるうちにだんだんと、くすぐったさと一緒に快感のようなものが込み上げてくる。
(これが、気持ちよく感じているということなの?)
まだ恥ずかしさは残っているものの、初めて味わう官能の深みに溺れつつあった。
しばらく蜜口を撫でていたシメオンは、上端にある小さな花芽にもそっと触れる。
「ああぁッ!」
一撫でされただけで、体中に電流が走ったような快感が広がった。
シメオンは間髪を容れずに、敏感な突起を摘んでクリクリと捏ね回していく。
「あんっ! あぁああっ!」
下肢の中心に強い疼きが生じ、濃厚な蜜がどっと溢れ出る。カタリーナの嬌声は一段と艶を増して、体の震えも大きくなった。
「君のその声、かわいいな。それに、ここもいやらしくヒクつかせて」
そんなカタリーナの反応を楽しむように、シメオンは重点的に雌核を攻め立てる。
「あぁあ! ああぁああ!」
指先で擦られ転がされて、花芽はたちまち充血して赤く膨らんでいく。
鋭敏な部分を刺激されて体の疼きは増し、カタリーナは激しく身悶えながら甲高い嬌声で啼いた。
歓喜に震えるように、肉芽はヒクヒクと脈動していた。淫蜜も止め処なく溢れ、シメオンの指先やベッドシーツをいやらしく濡らしていった。
シメオンは雌核への愛撫を続けながら、蜜口に指を侵入させて中を撹拌する。
「やっ! あぁああっ!」
何の前触れもなく指を挿入され、カタリーナはたまらず悲鳴に似た声を上げた。
「何も心配するな。好きな女を傷つけるような真似はしない」
シメオンはなだめるような、優しい声音で語りかけてくる。
これまで男性に優しくされたことはあっても、こんな風に愛情に満ちた接し方をされたのは初めてかもしれない。
シメオンが心から自分を愛そうとしてくれているのだとわかり、カタリーナは自然と胸を高鳴らせていた。
カタリーナの表情が和らいだところで、シメオンは再び指を動かしていく。
「あ、あぁあ……。あぁあぁあ……」
優しく抜き差しされて、淫襞全体が嬉しそうに収縮する。
背筋が震えるほど快感で心地良くて、カタリーナは嬌声と共に何度も体を仰け反らせた。
蜜壷を優しく撹拌する指の動きと、クチュクチュという淫らな水音が、カタリーナの劣情を一段と掻き立てる。花唇だけでなく全身がたまらなく疼き、体の奥から熱いものが込み上げてくるような感覚が生じる。
「あ……ぁああ……」
官能の蜜は止め処なく溢れ、秘花を一層濡らしていく。カタリーナの嬌声にも艶が増して、体は幾度となく大きく跳ね上がった。
秘められた部分を愛撫されるのが、こんなにも気持ちいいとは思わなかった。最初こそ恥ずかしかったものの、今はこの快感をもっと味わいたいと願っている。
「どうだ、気持ちいいか?」
「ン……気持ちいい……」
シメオンにそっと問いかけられ、カタリーナは上擦った声でそう答えた。
その返答に満足したシメオンは指を二本に増やし、中を広げるように大きく撹拌してくる。
「あっ! ああぁあっ!」

