絶倫ドクターの溺愛エロス ~淫らで素敵な恋の治療~
著者:華藤りえ
イラスト:駒城ミチヲ
発売日:10月30日
定価:620円+税
「仕事馬鹿なマグロ女」という衝撃的な捨て台詞を元カレに浴びせられた明石琴音は、消沈したままバーでやけ酒を呷っていた。
マグロの呪いを解かない限り恋愛なんてできやしない。そんな絶望した気分で呑み続けた琴音は、目を覚ますと、ベッドの上で、取引先のイケメン医師・九乃重律と裸で抱き合っていた!?
元カレにはピクリとも反応しなかったはずが、九乃重には触れられただけで快感を覚えてしまう琴音に、九乃重は呪いは解けたんじゃないかと問う。
しかし、まだ事実かどうか認められないとあがく琴音に、彼はある提案をする。
「二十四時間、ずっと側で教えてやるよ。……別れられない恋の仕方を」
マグロの呪いを解くための、二十四時間付きっきりの治療が始まる――!?
【人物紹介】
明石琴音(あかしことね)
医療機器メーカーで技術営業として働くOL。
四年付き合った彼氏にひどい振られ方をしたため傷心中。
本人曰く「マグロの呪い」にかかっている。
九乃重律(くのえりつ)
琴音の営業先の病院に勤める外科医。
女遊びが激しいという噂があるが、実は琴音に四年も想いを寄せている。
クールな見た目だが、優しく面倒見が良い。
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【試し読み】
「明石琴音さん」
先ほどまで見せていた、プライベートの九乃重とは違う、オフィシャルな――問診する医師としての言葉遣いで、九乃重が名を呼ぶ。
どきりとして顔を跳ね上げると、彼は私情など一切ない真面目な顔で、名前だけが書かれた手元の紙を見つめていた。
「どのように、自慰をされているか。私に教えていただけますか」
抑揚の少ない理知的な口調で尋ねられ、急速に体温と心拍数が上昇する。
「どのようにって……」
「教えていただけないと、私としても手の尽くしようがありません。どうか気楽に。壁に向かっているとでも考え、思いつくままに話されてください」
急かすでもなく、医師という役割に徹し尋ねられるうちに、ここが診察室であるかのように頭が勘違いしだす。
そんな茶番をと笑えればいいが、それを許さない強制力がある。
考えれば、日頃から、患者相手に病気というデリケートな問題を吐露させている、プロ中のプロだ。抗える筈がない。
「胸とか、触って……」
「どういう風に?」
変に煽ったり、卑猥な行為をほのめかしたりせず九乃重が尋ね、口を閉じる。
具体的に言うか、実際にして見せるまでは、この状況が続くとわかる態度に、琴音はもじつきながら膝に置いていた手を引き剥がし、もどかしいほどゆっくりと胸へ当てる。
「ここを……こう、包んで、揺らして」
言葉通りに指を動かし、ぎこちなく乳房を揺さぶる。
布団の中でする時より早く、肌が熱を持ち、毛穴が開いていくような感覚を味わう。
「っ、……ぅ、……ん」
必死になって呼吸を凝らす。でないと、喘ぎ声が漏れてしまいそうだった。
九乃重は相変わらず手元の紙を真っ直ぐに見つめ、ペンを構えたまま動こうとはしない。琴音の方を、ちらりと盗み見さえもしない。
自分だけが興奮し、はしたなく身悶えているようで恥ずかしい。なのに、もっと細密に、彼の冷たい目で身体の隅々まで暴かれたいという、被虐的な気持ちも頭をもたげている。
知られたくないのに知られたい。罪悪感さえ覚えるのに手が止まらない。
乳房を揉み込む指は徐々に勢いを増し、籠もる力も強くなる。
シルクでできたシャツワンピース型のパジャマが、琴音の指の動きに従って肌を滑る。
滑らかで抵抗のない布が、手と素肌の間で逃げ、指の力が肉に伝わりにくいのがもどかしい。
知らず熱い息をこぼし、胸を張り出すような姿勢になっているのにも気づかず、琴音はひたすら指で自分の胸を慰める。
乱暴にしすぎたのか、ブラジャーのフロントホックがばちりと弾け、レースやワイヤーに守られていたたわわな果実が手に落ちる。
「ッ、ふ……!」
シルクの布地越しに伝わる手の感触に驚き、身をびくつかせる。
たまらず逃げようとした身体に、一拍早く九乃重が手を伸ばす。
揃えた二本の指を頸動脈の上に当てながら、九乃重は鞭打つようにして、冷徹な命令を下す。
「脈を取るから、そのまま、続けて」
「っ……、はい」
まともに考えれば、従う理由などないのだが、九乃重の声には不思議と逆らいがたい強さがあった。
肌を赤く染め、喉で喘ぎを殺し、椅子の上でもじもじと尻を揺らしながらも、痴態を曝け出すことへのためらいから、手はなかなか肝心な部分へ移動しない。
緩い、責め苦のような快感のさざ波に、いつまで続ければいいのかと気が遠くなる。
首に当てられていた九乃重の指は、琴音の動きに従い、じわじわと下に移り、吐息がこぼれ気が逸れるのに合わせ、ボタンを巧みに外していく。
服をくつろげていく男の指が、少しだけ素肌をかすめた。
すると、その場所から愉悦がにじみ、もどかしいほどじっくりと腰に響く。
快感と言うには弱く、だけど無視するには強い感覚を紛らわせようと、浅く呼吸を繰り返しても無駄で、疼く場所が広がるばかり。
たまらず、自分の身体を探るようにして、九乃重の指跡を辿るうち、下着の縁まで手が下りていた。
布の感触に驚き身をびくつかせた琴音は、助けを求めるように九乃重を見つめる。
だけど彼の表情は変わらず、真面目で冷淡な医師のもので、琴音の痴態に煽られることなく、そっけなく『続けてください』とまで言ってきた。
琴音は胸を大きく膨らませながら深呼吸し、覚悟を決める。
目を閉じて、えいっと指をショーツの下に潜らせれば、いつもより蒸れ湿った恥毛の陰りに指が触れる。
息を凝らしながら膨らんだ恥丘を手で包み、汗以外のもので濡れ始めた秘部へ指を伸ばす。
くちっ、と小さく濡れ音が聞こえたのは、気のせいだろうか。
なにもかもが恥ずかしくてわからない。頭の中が茹で上がってしまいそうだ。
早く終わらせなければ。そうでないと、ずっとこの恥辱が続く。
逃れたい一心で震える指を大きく動かせば、まるで狙ったように、膨らみ始めた敏感な淫芽に指が当たった。
今までとは比べものにならない、はっきりとした快楽の兆しに、琴音はびくんと身を跳ねさせる。
「あっ」
鋭く尖った悦が股間から心臓まで走り抜け、膨らんだ乳房を揺らす。
すると、パジャマの布地に勃起した尖端が擦れ、たまらない切なさが身を縛る。
「ゃ、あ……」
ぶるぶる震えながら太腿を閉ざしても、ほころびだした秘裂から蜜が漏れるのは止められなかった。
琴音の指もまた、恥ずかしがる理性とは裏腹にじっとしていられず、そのままぐりぐりと淫芯のある場所を捏ね始める。
「んっ、ん、……ふ、ぅ、んんっ」
できるだけ声を出さないよう我慢するが、恥ずかしさは変わらない。
このまま、自分の手でなんとかしてしまいたい気持ちと、九乃重の前で乱れ、無防備な姿を晒すことを忌避したがる理性との間で心が揺れ、どうにも、上手く刺激が拾えない。
たまらず、助けを求めるように九乃重を見ると、彼は息を詰め、ごくりと喉を鳴らしたあとで静かに口を開いた。
「性的絶頂は、得られそうですか」
先ほどより、少しだけ上ずった男の声に、興奮が煽られる。
性的絶頂だなんてお堅い言い方をされているのが、余計卑猥に感じられ、琴音は身震いしながら頭を振る。――こんな緩い愛撫では、自分の手では達けそうにない。
いつしか呼吸が上がり、目は熱く潤み、身体の先という先がピリピリと痺れていた。
「ずる、い……。私だけ、こんな辱めて。興奮させて」
見られている。なにもかも。なのに盛り上がっているのも感じているのも、自分一人だという現実に苛立ち、八つ当たり気味に本音を漏らす。
「そんなわけないだろ、ほら」
突然、医師という聖職の皮を脱ぎ捨てて、九乃重は男の声を出す。
同時に琴音の手を自分の股間に導き、スウェット越しに触れさせた。
「……誰だけが、興奮しているって?」
「ッ、……!」
びくん、びくんと、獰猛な獣のように跳ねるものに驚き、目を剥く琴音を、素早く椅子から自分の膝上に移動させ、九乃重が笑う。
「琴音を抱きたくて、抱きたくて、ずっと、こういう状態なんだけど」
どうしてくれる? とからかい尋ねたのも束の間、九乃重ははだけられた琴音の胸元に顔を寄せ、見せつけるようにして口を開く。
赤く、ぬめった口腔から、唾液に光る舌が現れる。
リビングの照明にてらりと光り、くねり、躍る肉厚の舌は、とてつもなく卑猥で、琴音は呼吸すらままならなくなる。
舌が胸の突起に伸ばされるのを、為す術もなく凝視していると、ついに先と先が触れ合い――濡れた。
「っ、あ、あ! ……あああっ、ん」
含んだが早いか、ぬる、ぬろ、といやらしく回転しながら、九乃重の舌が乳首の側面を舐め回す。
かと思えば、歯を軽く当てて擦り、または、尖端を埋めるようにして抉る。
「ふあぁ、や、……んんっ、それ、やらし、い」
たまらず身を反らし逃れようとするが、背に回した腕一本で琴音を抱き寄せ、九乃重は舌で柔肉を舐め回し、吸い、あちこちに独占欲の紅い花を散らしだす。
その一方で、屹立に当てさせた琴音の手に自分の手を重ね、服の上からではなく直に握らせ、そちらも逃げられなくしてしまう。
熱く、硬く、自分にないものの造形は不思議で、軽く握ると、喜ぶようにびくびくと脈動する。
「俺のも、触って……感じさせて」
乳房を甘噛みしながら、九乃重が低く色っぽい声で囁き、琴音へ流し目を送る。
劣情を隠さない眼差しのセクシーさに、心臓を鷲掴みされていると、早く、と急かすように、重ねた手が屹立の上で揺らされる。
ためらがちに琴音が手を上下させると、九乃重が喜悦混じりの吐息を漏らした。
――感じるだけでなく、感じさせている。九乃重を。
この強く美しい男が、自分の手に触れられただけで感じ、目を細めている。
理解した瞬間、女としての優越感をくすぐられ、琴音は陶酔に身を震わせた。
互いが互いの肩口に顔を埋め、片腕ですがり抱いたまま、相手の性を慰めることに夢中になる。感じながら感じさせることに、精神的な快感を得る。
呼吸が乱れ、肌が汗ばみ、手の中にある竿の血管が、より太く浮き立ち脈動する。
怒張した先端から漏れだした液が、手淫を施す琴音の手をたらたらと濡らす。
その頃には、もう、声を留めることなど念頭になく、琴音は男に食まれ、舐め嬲られるのに従って、甘く切なく喘ぎ啼く。
「ああっ、あ、あ、……あああ、あ!」
九乃重の太腿が、割れた膝の間を縫って秘処に当てられ、嬌声に合わせて淫らな振動を送り込む。
昨晩、嫌になるほど感じた横乳の部分を念入りに舐められ、男の逞しい太腿に、花弁も淫芯も一緒くたに捏ね回され、琴音はたちまち昇り詰める。
「ひあ、あああ、やあああっ……アーッ!」
ばちばちと火花を散らす電流が全身に行き渡り、琴音は愉悦のままに震えた。
ぴんと張り詰めた快感が過ぎ去ると、たちまちに身体が脱力する。
不安定な形で男に太腿にまたがっていた身体が揺らぎ、落ちそうになった琴音は、無我夢中で手を伸ばし、目の前の男にすがりつく。
胸に九乃重の頭を抱き、肩に腕を乗せる形で息を荒らげていると、ふ、と楽しげな笑いを残しながら、九乃重が琴音の下肢へ手をやる。
「んあっ、やっ……まだ、駄目、ぇ」
先を予測し、懇願する琴音にお構いなく、九乃重は太腿による愛撫でよれたショーツを横へ寄せ、蜜を滴らせる秘孔へ指を当てた。
女の肉の柔らかさを味わうように、恥丘を手の平で押し、キスで気をそらしながら、男は人差し指と中指で秘裂を割る。
淫靡な匂いを纏い、滴り落ちる蜜に指を濡らしながら、絶頂の余韻にヒクつく陰唇を爪先でなぞる。
すごい勢いで、ぞくぞくっと背筋が痺れた。
先ほど、己の逞しい太腿で捏ね回した激しさが嘘のように、繊細に、焦れったく、揺れる襞の縁だけを擦られ、やるせない切なさに琴音は身悶え、喘ぐ。
「やっ……っ、あ、は、……ぁあ、あ」
期待で声の音階が上がり、焦らされると哀れっぽくかすれ途切れる。そんなことを何度も繰り返される。
たまらず腰をくねらせても無駄で、九乃重の指先は、入り口や、尖りの包皮をくすぐるだけで、女体に与える刺激を上手く抑制していた。
「それ、だめ……、お願い、やぁ、あっ、……ああ、あ」
「どうして欲しい?」
どうして、なんてわかりきっているのに、わざと言わせようとしているのがズルイ。
きゅっと唇を噛んで相手を睨みつけてみるが、逆に嬉しげに笑まれ、半泣きの顔にキスの雨を降らされただけだ。
「ナカ、を……、んっ、ちゃんと、ッ……いじっ、て」
這う這うの体で要求を伝えれば、イイ子だと耳元で囁かれた。
「ンンッ……、ん、ぅ……ッ!」
長く骨張った指がぐぷりと蜜源に差し込まれる。
滴るほど中に満ちていた淫汁が押し出され、男の手を伝い椅子に落ちるが、もうそんなことに気を使っている余裕などない。
それは九乃重も同じなのか、女体を犯す指をぐるりと大きく回し、具合を確かめるや否や、膣をぐちぐちと掻き乱し始めた。
昨晩、初めて触れたとは思えぬほど速やかに、指先が中にある敏感な場所に当たっている。
含ませた指の数も、最初から二本だったのか、くすぐるように蜜襞を擦り、琴音がびくっと身を竦ませると同時に、大きく内部を割り拓く。
「ああっ、あ、あんッ、ンンっ、ふ、あ」
肉襞を擦り、捏ねられるのに合わせ、男の膝上で震え、感じる。
耳を覆いたくなるほど卑猥な濡れ音が鼓膜を揺らし、九乃重が与える快感に応じて、愛蜜も嬌声も際限なく内部から湧いた。
「ひああっ……ああっ、ンンぅ――!」
ビクビクと太腿を痙攣させながら、身体を弓なりにしつつ達する。それも一度や二度ではない。
淫靡な震えが収まる間もなく、次から次に、絶頂の波が襲いかかる。
自分を保っていられないほどの激しさに、琴音は九乃重の膝の上で身を縮こめ、悦から逃れようとするが、まるで上手くいかない。
どころか、小さくなればなるほど、内部の襞が男の指を喰い締め、余計に感じてしまう。
熱く滾る蜜筒はとっくにドロドロで、もっととねだるように、男の指を咀嚼する。
「い、や……、ん。も、……や、ぁ……とどかな、ッく」
ぐずる赤子のように、拙く頭を左右に振って訴える。
内部をほぐす指の悦も充分に心地いいのだが、それでは埋まらない飢餓感が、琴音の身を苦しめる。
「足りな、い。……これ、どうにか、して、ぇ」
かき抱いた男の頭を、ぐいぐいと乳房の間へ押し込みながら、琴音が必死にもがき、伝えれば、九乃重が優しく背を叩いた。
「腕、緩めて。見えない。……挿れるから」
荒々しい吐息に紛れさせ、籠もった声で伝えられた。
素直に従うと、すぐに、背後でぴりりと包装を破る音がし、いきり勃つものに手早く皮膜がかぶせられる。
昨晩、得られなかったものが、ようやく与えられる。
頭ではなく身体で知った結合に、ぶるっと震え、収縮する内部から押し出された愛蜜が、恥ずかしいぐらい大量に垂れ落ちる。
天を突いて反り返るものが滴る淫液にまみれ、照り光る様が見え、期待に背筋を震わしたのも束の間、慎重に位置を定めながら、剛直が蜜口を圧迫しだす。
傷つけないように、驚かせてしまわないように。
大切に扱われているとわかる動きで、じっくりと屹立が挿入されていく。
「かなり、きつい……」
中程まで埋め込みきった九乃重が、はっ、と息を零しながら、喜悦の色を強め囁く。
「ずいぶん、久し振り……すぎ、っ、んぐっ……あぁっ、うぁん!」
理由を説明しようとする琴音を邪魔するように、半分ほど入っていた剛直が、一気に根元まで含ませられる。
「あああっ、あ……!」
ずぶずぶと蜜襞をこそぎながら侵入してきた欲望が、子宮の入り口に触れた途端、ぱあん、と頭の中で光が弾けたようになり、琴音は身も世もなく悶え、身を反らす。
圧倒的な愉悦が意識を散らし、淫らな痺れに肌がわななく。
恐ろしいほどの快楽に腰が浮きかけるも、許さないという風情で引き寄せられ、更に奥をくじられる。
「ぁ、あ……ああ、あ」
天井へ顔を向け、限界まで喉を反らしながら、琴音は喘ぐ。
心臓が止まりそうなほど、いい。
あまりによすぎて、このまま自分が溶けて消えてしまいそうだ。
九乃重の男根は、達する琴音の中で容赦なく膨らみ、子宮口も襞も圧迫しながら絶頂を上書いていく。
互いの肌が擦れるほど股間を密着させ、逃れられないようがっちりと腰を押さえられては、どうにもやり過ごしようがない。
震え、喘ぎ、気を飛ばしかけながらわなないていると、ぐちっ、と音を立てて九乃重が腰を押し回す。
「んなああ、ああ、やああ、駄目ッ、だ、めぇええ」
子宮を捏ね、抉る男根に耐えかね、叫ぶが、琴音の声を裏切るように、充溢した媚肉が、もっととねだりながら蠕動する。
「……すご、く、熱ッ……。持って、かれそう、だ」
恍惚と呻き、骨がきしむほど琴音をかき抱きながら、九乃重が先端をごりごりと奥処へ押しつける。
充血した内部は、より強欲に男を呑み咥え込もうと蠢き、めくれた襞から覗く陰唇が、柔らかくたっぷりとした雄の陰毛にくすぐられ、疼く。
快楽の余韻に身をわななかせる琴音の腰を掴み直し、九乃重は容赦なく男根を突き入れだした。
腐る直前まで熟した果実を、力一杯、床に叩きつけたような、あられもない音が夜のリビングに響き、それを追うようにして、琴音の嬌声が波打ち重なる。
「んあっ、ん……くあ、ぁ、ひ……いい、あ」
男の膝の上で、快楽に開いた琴音の身体ががくがくと上下しだす。
奥処まで突き入れられる衝撃と、勢いよく抜け、空気とともに攪拌される卑猥さで、頭がおかしくなりそうだ。
膣襞を割り広げ侵入してくるものは、手で触れていた時より随分大きく感じられた。
蕩けきった蜜窟でもきついと感じるほど、九乃重の劣情は膨張しきっていた。
強制的に腰が浮かされ、かと思えば上から押さえつけるようにして呑まされ、熟れた子宮口がぐちぐちと蹂躙される。
そのたびに達し、口元からよだれさえこぼしながら、琴音は必死で九乃重にしがみつく。
硬い胸板で乳嘴をすり潰し、腹筋で淫芽を擦り、全身で快楽を与え、同時に、自らも女の身体から快楽を得ながら、猛る獣のように九乃重が腰を振り立てる。
壊れそうなほど椅子がきしみ、息苦しさに目眩がしたが、それでも、やめてと言えなかった。言える余裕もないほど媚悦に踊らされていた。