
妹の影として生きる不遇の男爵令嬢はコワモテ公爵閣下に溺愛される
著者:沙布らぶ
イラスト:yuiNa
発売日:2025年 6月27日
定価:630円+税
名門魔術学院に通う男爵令嬢シャーリー・バーンフィールドは、妹の影に徹した毎日を過ごしている。
父の愛情はなぜか再婚相手の血の繋がらない妹にばかり向けられているのだが、そんなシャーリーが唯一自由になれる場所が「大図書館」であった。
シャーリーは偶然、「館長」と名乗る人物に趣味の論文を見せてしまったことをきっかけに、二年間、文通を通じて魔術の知識を磨いていた。
そうして時が過ぎ、シャーリーは妹と共に無事に卒業を迎えることになったのだが……。
卒業式のあと、シャーリーに声をかけてきたのは魔術研究の大家であるグレニスタ公爵家の当主ルークで――!?
コワモテの彼は妹ではなく、シャーリーに婚姻の話を持ってきたばかりか、なんと彼の正体は「館長」だった!!
「イきそうか? なら――こうして繋がったまま果ててくれ、っ……」
思いも寄らない告白を受け、甘く激しく抱かれる初めての夜を過ごしたシャーリーだったが……?
【人物紹介】
シャーリー・バーンフィールド
ロッテンフリード王立魔術学院の学生。男爵令嬢。
物静かでしっかり者だが自己肯定感が低い。
卒業式のあと、ルークに婚姻を申し込まれて――!?
ルーク・エヴァンジェット・グレニスタ
魔術研究の大家であるグレニスタ公爵家の当主。
背が高く、体つきもがっしりしており、やや強面。
学生からは怖がられているが、その実真面目で穏やかな性格をしている。
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*取り扱いサイトは、各書店に掲載され次第、更新されます。
【試し読み】
普段は結い上げている豊かな金髪を背に流し、シャーリーはそっと自室のドアを開いた。
すると、先ほどまであった軽食はすべて片付けられており、代わりにルークが寝台に寝そべって論文に目を通している。
「旦那様、奥様のご用意が整いました」
「ん……ご苦労。お前たちは下がっていい――シャーリーはこちらへ」
部屋付きの侍女たちを下がらせたルークは、ぐっと起き上がってこちらに視線を向ける。
よく見ると、先ほどまでしっかりとセットされていた夫の髪は少し乱れ、シャツの胸元も寛げられていた。
礼服を着ていた印象が強いので、やや乱れたその恰好に思わず鼓動が跳ねる。
「……失礼します。その、なにを読まれていたんですか?」
「君が初めて俺に読ませてくれた論文だ。粗削りで、指摘すべき点も山ほどあるが――これを読んだ時は驚いたな。筆跡は若い女性、おそらくは入学して数年が経っているだろうが……この論文を少女が書いたのかと」
「そ、それはっ……!」
初めて書いた論文――うっかり本に挟んで置いてしまったものを『館長』に読まれたのがすべての始まりだったが、彼の指摘する通り、内容は今からしてみれば破り捨てたくなるほどに拙い。
思わず寝台に駆け寄ったシャーリーは、悲鳴じみた声を上げながらルークの手からそれを奪い取ろうとした。
「よよよ、読まないでくださいっ! ていうか、捨ててくださっていいですから……!」
「だが、これがなければ君とは出会えなかっただろう? それを捨てるなどとんでもない」
懐かしむように指先で紙をなぞるルークの仕草に、なにも言えなくなる。
ぐっと口ごもったシャーリーの手を取り、そっと自分が寝転んでいた寝台の上に彼女を座らせたルークは、柔らかな金髪に唇を落としながらその肩を抱いた。
「ぁ、っ……」
「最初は面白い学生がいると思ったが――手紙の内容を見て、君が抑圧されていることを知った。……実のところ、最初は主席を張っている妹の方がこの論文を書いたんだと思っていたんだが」
違った、と耳元で呟くルークの言葉に、体からじわじわと力が抜けていく。
ロッテンフリード魔術学院に通っていた数年間、シャーリーの努力とエミリーへの献身は誰にも知られることがなかった――その中で唯一、ルークだけが気付いてくれたのだ。
「もっと早い段階で会いたかった。だが、君は学問を楽しんでいる――早々に求婚してしまったら、君からその楽しみを奪うことになりかねん」
「だ、だから……卒業まで、待ってくれたんですか?」
「然り。――長かったよ、この二年間は」
抱きしめる腕に力がこもったかと思うと、シャーリーの体は柔らかな寝台の上に投げ出された。
ぼふ、とクッションから空気が抜ける音が聞こえてきたかと思うと、ルークの体が優しく覆いかぶさってくる。
その瞬間、シャーリーの胸の中に、焦燥感のようなものが走り抜けていった。
(少しだけ……触れて、くれたら)
彼に触れたいし、触れられたい。
緊張を覚えながらごくりと喉を鳴らすと、まるで気持ちを見抜かれたかのように唇同士が重なりあった。
「ぁ、んっ……ん、ぅ」
ちゅ、と小さな音が聞こえて、呼吸が閉じ込められる。
インクと薬草のような香りが混ざった彼の匂いを吸い込むと、閉じていた唇が彼の舌先によって抉じ開けられた。
「んむ、っ――ぁ、んんっ」
まるで請うように唇の合わせ目をなぞられ、そこから舌先が侵入してくる。
唾液をまとわせたそれはぬるりとシャーリーの唇を舐め上げたかと思うと、奥の方で縮こまっていた舌を誘うように動き始めた。
「ふぅ、ぅっ……んちゅ、ぅっ」
ねっとりと、少しずつ教え込まれるようなくちづけを繰り返されて、シャーリーの体に甘い震えが走る。今まで知らなかったキスの作法に、目の前がくらくらした。
「っ、は――はぁ、っ……くっ」
ようやく唇同士が離れたのは、少しばかりの息苦しさを覚えた頃だ。
やや濡れた唇同士を唾液の糸が繋いでいる。それが目に入ると、妙に頬が熱くなった。
(今の、キス……力抜け、る……)
はっ、はっ、と浅い呼吸を繰り返すシャーリーは、そこで自分の体に力が入らなくなっていることに気が付いた。
全身がじんわりと汗をかいていて、なんだか気だるい。今まで味わったことのない感覚が不安でルークのことを見上げると、彼はじっと自分のことを見下ろしていた。
常に理知的な光が宿っている瞳に、かすかな欲望の色が見える。
「怖いか?」
――と、まるでシャーリーの心を見透かすように、ルークがそっと尋ねてきた。
……確かに怖い。
男性に覆いかぶさられる経験など今まで一度もないし、そもそもルークの体格はこの国の一般的な男性より一回り以上大きかった。
「す、少し……だけ。でも、その――ルーク様が怖いわけじゃないんです……」
彼自身のことが恐ろしいというわけではなく、組み敷かれるような体勢とこれから起こるであろうことを想像するのが怖い。
たどたどしくそう伝えると、彼はすっと目を伏せ、それからシャーリーが着ていたドレスのリボンをほどき始めた。
「ひ、ぁ」
「それなら、行為自体に恐怖を覚えないように留意しよう。……俺とて無理矢理君を抱きたいわけじゃない――できれば、俺の手で悦くなってほしいと思う」
低く、まっすぐな言葉に射貫かれて声が出なくなる。
わなわなと唇をわななかせるシャーリーは、一度口の中に溜まった唾液を飲み込んだ。
(そう……触れられるのが怖いわけじゃない。ただ――い、痛い……のよね……?)
妹のエミリーは、魔術学院での派手な功績から声をかけてくる男性が多かった。
だが、姉の自分は常に妹の陰に隠れていたこともあって、男性と親しく言葉を交わした経験すらない。
ただ最低限の知識として、初めて男性を受け入れる時、女性の体には相応に負担がかかるということは知っていた。破瓜の痛みは相当なものだと聞いているので、それを考えると背筋がブルッ……と震えてしまう。
「あの……ルーク様」
「どうした?」
「……い、痛いんですよね? えっと、そういうこと……って……」
そんなことも知らないのかと呆れられたらどうしよう――とはいえどうしても痛いのは恐ろしく、シャーリーは羞恥と恐怖で顔を引きつらせながらそう口に出した。
すると、それまで戯れるように新妻のドレスをほどいていたルークがすっと顎に手を当てる。
「――やり方による、と言っておこう。破瓜というのは、要は内臓に傷をつけるようなものだし……無理に押し開けば痛いだろうし、丁寧に触れれば……」
「じゃ、じゃああのっ! 痛いのは……嫌です……」
内臓を傷つけるような痛みなんて、やっぱり耐えられそうもない。
消え入りそうな声で懇願するシャーリーに、ルークはそっと頷いてくれた。
「それならもう少し、君の体に触れてみても? 十分俺を受け入れられるくらい丁寧に触れておかないと、痛みが強くなるかもしれない」
「はい……、さ、触ってください……」
痛いのが嫌でこくこくと頷いた後、シャーリーはハッとして口元を押さえた。
……もしかして、今自分はとんでもないことを言ったんじゃないだろうか。
(自分からこんなこと言って……はしたないって、思われたかな……)
だが、極度の緊張と痛みへの恐怖の両方に耐えるのは難しい。
幻滅されたかと思って夫の方を見ると、自らの着衣を緩めてからそっとシャーリーの頬に触れてくれた。
その表情は至極柔らかく、怒っているわけでも、新妻に愛想を尽かしているわけでもない。
「っう……」
「ゆっくり呼吸をして。……そう、上手だ。服を脱がせて少しずつ触れていくから、あまり体を強張らせないように」
柔らかな口調でそう告げられ、シャーリーは小さく頷いた。
そして彼に言われるがまま深呼吸を繰り返すと、ドレスはするりと解け落ちていく。
「下着も外そう。……うん、綺麗だ」
――と、服を脱がされるごとに感想を口にされるのは些か恥ずかしかったが、その落ち着いた声で緊張が少しずつほぐれていく。
ドレスに次いで下着も丁寧に紐解かれると、それまで戒められていた乳房がふるんっ……と外気に晒される。
「ん、ぅっ……」
形のいい双丘が、ルークの眼前で小さく揺れた。
灰色の視線でじっと白丘を眺めた彼は、乾いた指先でその柔らかな肉へと触れ始める。
「あ、ぁ……んっ」
「声は出していいから、力を抜いて。我慢しようとしなくていい……それと、痛みがあったらすぐ言うように」
「はい、ぁ……あ、っ」
ふに、ふに、と軽く乳房を揉まれ、つい声が出てしまう。
気持ちいい――というより、乾いた指先が肌を掠めるのがくすぐったかった。
見られているのも恥ずかしかったが、絶妙な力加減で肌をくすぐられ、上ずった声が唇からこぼれていく。
「……柔らかいな。これくらいなら痛くないか?」
「――っ、はい……ンぁ、だ――大丈夫で、ぅんっ」
それほど力の込められていない指先は、根元をやんわりと揉み上げてから先端へと移動してきた。
まだ硬さを帯びていない朱蕾をくにくにっと指先で弄られると、先ほどよりも高い声が漏れてしまう。それに、赤く色づき始めたその場所は付け根よりもずっと敏感だった。
「ぅ、あぁっ……ん、ッ……」
「やっぱりこちらの方がいいか。――触れると、少しずつ硬くなってくる」
両方の乳首を、カリカリと爪の先で引っ掻かれる。
徐々にしこり始めた小さな蕾は感覚が鋭敏になり始め、わずかにではあるがくすぐったさよりも快感が勝るようになってきた。
「っふ、ぁ……あ、そこっ……ン、っ」
「ここか? ――これだけで感じられるくらい敏感なら、痛みは少ないかもしれない。もう少し触れてあげるから、存分に感じなさい」
そう言うと、ルークは尖ってきた左乳房の先端にぱくっと吸いついてきた。
指先よりも熱い舌先と咥内の感覚にビクッと肩を震えさせたシャーリーは、思わず艶やかなシーツを蹴ってしまう。
「ひぁあっ……ぁ、ルークさま、っ……! な、舐めちゃ……ぁ、あっ」
カリカリカリ、と右の乳首を指で引っ掻きながら、左の乳首はねっとりと舌先で舐められる。
種類の異なる快感を両胸に与えられ、シャーリーは艶めかしく身もだえた。
細い腰がしなるように浮き、まるで胸を突き出すような動きを繰り返してしまう――なんだか、もっと触れてほしいとねだっているようだ。
「ッん、ぁあ、ぁっ……! 舐めちゃだめ、っ……ン、っ」
悩ましげな声が口からこぼれ落ち、体をくねらせるごとに下腹部が熱くなる。
触れられているのは乳房だけのはずなのに、徐々に足の間が潤み始めてきた。
(なんで――まだ、少しだけしか、っ……)
巧みな舌先が、ピンッと弾くように乳蕾を刺激してくる。
その刺激の直後にもう片方のしこりを指でつねられ、いよいよシャーリーの官能が大きく燃え上がった。
――普通、胸への刺激だけでこんなにも心地好いものなのだろうか。
そんな疑問が頭をよぎったが、じきにそんなことも考えられなくなってしまう。
懇ろに乳首への愛撫を続けてきたルークが、ぢうぅぅっと強く先端を吸い上げてきたのだ。
「ンぁあっ……ぁ、あぁっ……!」
指でつねられるのよりも、なおも甘美な愉悦が腰のあたりで湧き上がる。
触れられているのは胸のはずなのに、先ほどからひっきりなしに子宮が疼くのがわかった。
もっと触れられたい――そんな浅ましい願いが、蛇のように鎌首をもたげてくる。
「ぁ、あっ……んっ」
「――これで少しは、快感を覚えるようになってきたか?」
「ぅ……は、ぁあっ、や――」
ちゅっと音を立てて乳首から口を放したルークが、ザラついた舌で赤く腫れた乳蕾を舐め上げる。それすらも心地好くて、シャーリーは軽く頷きながらあえかな声を上げた。
「も、終わり……ですか……?」
「まさか。これだけじゃない――痛いのが嫌なら、もっと丁寧に慣らさなければ。これは前座も前座だ」
「ひ……」
今のだけでもおかしくなってしまいそうなくらい気持ちよかったのに、これが前座のさらに前座だというのか。
若干の恐怖と、これよりも強い愉悦を教え込まれるのだという期待が、胸の中でせめぎあっていた。
「まだ下半身には一つも触れていなかっただろう? ……次はこちらだ」
こちら、と視線を落としたルークが、するりと太腿を撫でてくる。
触れてくる手はとても熱くて、その熱で腿の内側がかすかに震えた。
やんわりと下着を脱がされるのも抵抗せず、シャーリーは生まれたままの姿を夫の眼前へと晒すことになる。
「っ……」
「――やっぱり綺麗だ。君が俺よりずっと若いことは承知していたが……」
「あ、ぅっ――あんまり見ないで、くださ……」
「残念だが、見ないとなにもできないな」
恥ずかしさのあまり口から飛び出した言葉は、すげなく却下されてしまった。
ルークは一度シャーリーの足に触れると、膝を立てるようにと命令してきた。
言われた通り足を閉じて膝を立てたシャーリーだったが、それではいけないと指摘が入る。
「足は開いて」
「っそ、それは……えっと」
「今からここに触れるんだ。足を閉じられたら触れないし……触れないと慣らすこともできないから、痛いままだぞ」
くす、と小さく微笑んだルークの表情に、胸のあたりがソワソワする。
痛い、と言われると、シャーリーもそれ以上の抵抗はできない。
触れてくれと懇願したのは自分なのだから、ここは彼にすべてを委ねよう――そう決意して、一呼吸置いた後におずおずと足を開く。
「こ、こう……ですか……?」
「もう少し。……そう、それくらいでいい」
それくらい、と言われても、結局M字に足を開く形になってしまった。
まるで見せつけているみたいで恥ずかしかったが、その羞恥もやがて快感が上塗りしていく。
(く、口から心臓出そう……)
胸に触れられたこともあってか、鼓動がどんどん早くなっていく。
だが、ルークの手はもう一度太腿を撫でると、にわかに濡れ始めた中心へと触れてきた。
「ぁ、あっ……」
長い指が、ぬかるんだ蜜穴にくぷりと挿し込まれる。
押し出されるように熱い蜜がこぼれ落ちてきたが、その瞬間にシャーリーはきゅっと眉を寄せた。
「ん、っ……ま、待って……!」
「っ……痛むか?」
先ほどまでの、快感交じりの甘いものとは違う声に、すぐさまルークが手を引っ込める。
長く節の張った彼の指先は、まだ狭いシャーリーの蜜口に迎えられると強い異物感を覚えてしまった。それほど強い痛みではないのだが、恐怖が勝って声を上げてしまったのだ。
「ご、ごめんなさい……こ、怖かったのと、少し痛く、て……」
「いや――性急だったな。君が謝ることじゃない」
むしろこちらが謝る側だ、と頭を下げたルークは、少しの間考え込むように視線を斜め上へと向けた。
「……よし、もう少し足を開いてくれ」
――と、ややしばらく考え込んだ末に彼の唇から出てきたのは、そんな言葉だった。
「え、えぇっ……?」
ただでさえ大きく足を開いて恥ずかしいのに、これ以上となるとさらに羞恥が煽られる。
思わず顔が熱くなったシャーリーだったが、相対するルークは至極真面目そうな表情を浮かべていた。
「まだ指が痛いなら、もう少し柔らかいもので慣らす必要がある。……痛いのは嫌だろう?」
そう言われると、シャーリーはこれ以上異を唱えられない。
恥ずかしさを押し込めて更に足を開くと、彼は一度頷いて身を屈めてきた。
「そのまま、足を閉じないように」
「はい……って、ルーク様!? な、なにを……」
体を屈めたルークが、足の間へと顔を近づけてくる。その行動にシャーリーは悲鳴のような声を上げた。
まさか、これからその場所にキスでもしようというのか。
間違っても栄光あるグレニスタ公爵家の当主にさせていいことではない――一瞬で青ざめたシャーリーはなんとかしてその行動をやめさせようとしたが、ルークはがっしりと彼女の太腿を掴んできた。
「ひぁっ……や、だめっ……」
「大丈夫だ。指が痛くても、舌なら柔らかいから負担が少ない」
どうやら彼は、シャーリーが痛みに怯えていると思ったらしい。
痛いのは確かに嫌だが、ルークにこんなことをさせるのはさすがになにかしらの罰が下りそうだ。
だが、シャーリーの力では当然彼を退けることなどできはしない。
「暴れないでくれ。……傷でもついたら大ごとだ」
蜜口に顔を近づけ、吐息交じりの声でそんなことを言われると、くすぐったくて仕方がなかった。
一度身を強張らせたシャーリーだったが、それに構うことなくルークがちゅ、と淫裂に唇を押し付けてくる。
「くぅっ……」
ちゅ、ちゅ、と、まるでくすぐるようなくちづけが何度も繰り返された。
陰唇の盛り上がりにそっとキスをし、更に割れ目の中へ舌先を挿し込んでくる――彼が言った通り、指よりずっと柔らかいこともあって痛みは感じなかった。
「う、んっ……ん、ぁあ、っ……」
熱い舌先がねっとりと隘路に挿し込まれ、入口付近でくちくちと蠢く感覚はなんとも言えない。
溢れてくる蜜を丁寧に舐られ、浅いところを刺激され続けると、少しずつ先ほど乳首を弄られた時のような熱がせりあがってきた。
「は、ぁっ――あ、ぁんっ」
そうすると、シャーリーの口から溢れる声も徐々に上ずったものへと変わっていく。
最初は違和感が強かったが、微弱な刺激を何度も与えられ、その度にもどかしさが募っていった。
込みあがってくる切なさで下腹部にわずかな力がこもるものの、にゅぷりと舌先が動くとその力も抜けてしまう。
(お腹の奥……熱い……)