黙って俺に抱かれてろ ~俺様ドS社長は秘書を求めて離さない~

書籍情報

黙って俺に抱かれてろ ~俺様ドS社長は秘書を求めて離さない~

著者:清水苺
イラスト:荒居すすぐ
発売日:2025年 6月20日
定価:630円+税

 

斎賀琉夏はスーパーイケメンなドSナルシスト男・鷹藤晃司限定のマゾヒスト(不肖)!
高校生の頃、琉夏の家庭教師として現れた晃司に一目惚れして以来、彼に見合う女になるために必死に努力し続けて数年。
――そして、ついに彼の秘書というポジションまでたどり着くことができた。
晃司の右腕として、たまに妄想を膨らませながらも真面目に仕事をしていたある日、ついに晃司から「ご褒美」を与えてやる、と言われて――!?
「ようやくお前を抱けるんだ。分かったら、さっさと可愛い声で啼け」
ついぞ結ばれたドS社長と(不肖)ドM秘書。
しかし琉夏にはある不安があった……それは彼との関係がはっきりしないことだ。
ドSでプライドの高い彼が「恋人になってくれ」など言ってくれるタイプではないと頭では理解している琉夏なのだが――……?



【人物紹介】

斎賀琉夏(さいが るか)
晃司の秘書で、彼限定のマゾヒスト!な26歳。
まっすぐな性格で、快活な美人なのだが妄想癖があり、晃司のことで暴走しがちなのが玉にキズ。
晃司に見合う女性になるためにはどんな苦労も厭わない。

鷹藤晃司(たかとう こうじ)
ファッション系の通販サイト『SAIKA』の社長。29歳。
眉目秀麗で朗らかな好青年だが、根はドSで俺様。
琉夏への態度は自己中心的なドSそのものだが、彼女のことをかなり一途に愛している。

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【試し読み】
 

「無抵抗な女を裸に剥いて、何が面白いんだ。……俺はな」
 彼は、それがさも当然の真理であるかのように、ハッキリと告げた。
「その場に跪いて、『脱がしてください』と懇願されたら、気分が良ければ剥いてやるよ」
 う~~ん。俺様ナルシスト……! ドS、万歳!
 そんな貴方が大好き。マゾヒスト、斎賀琉夏です!
「脱がしてください!」
 そこで私は、ついに執務室の中心で、羞恥に顔を赤らめることもせず、潔く綺麗な土下座をかました。
「不肖、斎賀琉夏! 貴方に剥かれるため、今日まで頑張ってきました! どうか、この身体をくまなく蹂躙し、愉悦に浸ってください!」
 正々堂々、こすい手は使いません!
 どうか、私を抱いてください!
「……清々しいほど潔い土下座だな」
「はい! この時のため、土下座の練習は欠かさずしてきたつもりです!」
「なんだ、その練習は……」
 晃司さんは完全に呆れ顔だが、そんなことは今、関係ない。
 私はとんでもなく焦っているのだ。
 このまま彼との関係性が平行線を辿り、マンネリ化するのが一番怖い。
 いつも一緒にいる秘書、ではダメなのだ。
 一緒に居るとドキドキする女、にならなければ……!
「そうか。分かった」
「ふぇ?」
 私がおそるおそる顔を上げると、晃司さんはクスッと笑う。
 彼は鞄の中から一枚のカードキーを取り出すと、ゆっくりと立ち上がった私の前に突き出した。
「今まで俺に抱かれるために、頑張ったご褒美だ。仕事が終わったら、ここに来い」
「……!」
 私はそのカードキーに視線を落とす。
 それは、誰もが知る都内一流ホテル、ハリントンホテルのものだった。
 このカードの使用用途は、一つしかない。
「はいっ!」
 心臓が跳ねるように、トクンと大きく喜びを表す。
 とうとう、晃司さんから夜のお誘いがあったのだ。
 彼からそれを受け取る両手は震えている。受け取った後もまるで現実味がなくて、何度も晃司さんとキーに視線を動かし、その存在と渡した意味を確認してしまうほどだ。
 今日は絶対に、残業しない──。
 そんな誓いを胸に、私は丁重にカードキーを鞄の中にしまって、急いでパソコンに向かい合った。

■   ■   ■

 終業時刻を迎えると、彼はすぐに「お疲れ」とだけ言い残して会社を去ってしまう。私は後十分ほど残務があり、慌てて処理を終えるとホテルに向かった。
 当たり前なのかもしれないが、会社の外に晃司さんの姿はない。おそらくタクシーで既にホテルへ向かったのだろう。私はタクシーという高すぎる交通機関は使いたくないので、各駅停車の電車を使って最寄りの駅へ向かった。
 駅からホテルまでは検索したらとても近く、五分もしたら到着する。真っ白な外壁の二十五階建てのホテルは存在感があり、エントランスも大理石仕様で豪華だ。中に入ると眩いシャンデリアの光と赤いカーペットが一面に広がり、高そうな黒革のソファには宿泊客と思われる社会人が座って何か話している。
 私は辺りを見渡し、エレベーターを発見すると、いそいそと向かってボタンを押す。このカードキーは、903号室のものだ。私は九階のボタンを押し、逸る気持ちを抑えてごくんと唾を飲みこんだ。
 チンッ。
 エレベーターのドアが開き、廊下に出る。少し歩いたところに、903号室はあった。
 手汗で湿ったカードキーをハンカチで拭いて、ふぅ、と息を吐く。念のために鞄から鏡を取り出して、口紅がきちんと発色しているか確認した。
 すべての準備が整ってから、私は扉を三回ノックし、カードキーを扉に差し込む。緑のランプが点灯して、おそるおそる扉を開いた。
「お邪魔します……」
 私がドアを開けると、晃司さんは既にお風呂に入ったのか、バスローブ姿だった。
 下着はパンツ以外に着用していないのか、バスローブの隙間からは彼の透き通った白い胸筋が見え隠れしている。
「来たな」
 晃司さんは部屋の奥にある小さなテーブルの上にワインボトルを置いて、一人で晩酌をしていたらしい。その横にある椅子に座ったまま、彼は偉そうに足を組んだ。
「……えっと」
 私は扉を閉めて、晃司さんと向かい合う。彼の座る椅子の横には、クイーンサイズの大きなベッドがあった。
 ベッドは二つじゃない、一つだ。ここで男女が一夜を過ごせば、さすがに何もなかったでは済まされない。
 ドクン──!
 この十年間、この日を夢見て、がむしゃらに頑張ってきた。
 しかし、いざその日を迎えると、なかなか思うように言葉が出てこない。
「お前も飲め」
 晃司さんはそう言って、新しいグラスにワインを注ぐ。
「は、ハハー!」
 何故か戦国時代の武士のような返事をした私は、晃司さんと真向かいの椅子に腰かけて、ワイングラスを手にした。
 濃い紫色をした赤ワインは、よく分からないが高級品なのだろう。酒を飲むのは、実に半年ぶりだ。
 前回飲んだのは、実家に帰省した時のこと。母が「ジュースなんてないわよぉ。チューハイでいい?」と、レモンチューハイを冷蔵庫から出したのだ。
 結果、私はその一杯で意識を失い、いつの間にか朝を迎えていたわけだが──。
 晃司さんが「飲め」と言うのだ。私を無抵抗な状態で酔姦したいという意図だろう。
 少なからず、私はそう受け取った。
「良い飲みっぷりだな」
 ゴクゴクゴク。ごっくん。
 あっという間にグラスを空にした私を見て、晃司さんは小さく笑う。
「それほどでもありません! 私、お酒弱いので!」
「……あ?」
 へへっ。へへへっ。
「いやぁ。ハハッ。もう酔っぱらってきました~。はぁ~い」
 ここはどこ? 私は誰? あれ、目の前には晃司さん?
 もしかして、バスローブの下は裸ですか? それって、下心スケスケですね?
 視界がぐるぐる~。世界がぎゅるぎゅる~。
 そんな私を見て、あ、発情しちゃいました~?
「晃司さ~ん、もうまだるっこしいの、要りませ~ん。と言うより、お預け期間が長すぎで~す。未成年だからって手を出されず、大学生になっても関係変わらないって、もう待たせ過ぎです~。そろそろ、ね? することしましょう?」
 私は椅子から立ち上がり、晃司さんに思い切り抱きつく。
 すりすりと彼の顔に頬を寄せて、そのほっぺを人差し指でつついた。
「寄るな。鬱陶しい!」
「あ~ん。そんなこと言ってぇ、今日はする気満々で先にお風呂に入ったわけですよねぇ? 私のこと、女として見ちゃったってことですよね~?」
 うふふふふ。うふふふふふっ。
「興が冷めた。日を改める」
 私の身体を無理やり引き剥がそうとする晃司さんに、今は負ける気がしない。私は彼の腕を引っ張り椅子から立ち上がらせると、その身体を投げるようにしてベッドに押し倒した。
「いやんっ! もう私、ロックオンしちゃいましたから~! 晃司さんは私のダーリンッ。ねぇ~?」
 晃司さんの上に跨った私は、最早、無敵。
 ふふっ。私は大胆不敵に微笑む。
「……俺を襲うなんて、良い度胸だな」
 しかし、そう口にした晃司さんは、少し余裕がないように見える。
「あ、犯される! って思っちゃいました? 大丈夫れ~す。最初は騎乗位にしますけど、その後は存分に上から乗っかっちゃってください!」
「──誰が、調子にのっていいと言った?」
「ぐえっ!」
 晃司さんは私のジャケットの襟を掴むと、自身の身体はぶつからないよう横に動かし、容赦なく私をベッドに叩きつける。彼は背中を向けた私の上に強引に跨ると、私の両手首を掴んだ。
「む~!」
 彼は両手首を後ろ手に組ませ、左手で押さえつける。空いた右手を使ってバスローブの腰紐を引き抜くと、それで私の両手首をきつく縛り、抵抗できないようにした。
「あ~ん! これ、外れないっ。ねえ、動けない~!」
 私は足をバタバタとさせながら両腕で紐を引っ張るも、頑丈に結ばれているのか、一切緩むことがない。完全に、両腕は後ろ手に縛られてしまった状況だ。
「酔いが醒めるまで、このままでいろ」
「えっ。このまま? ああんっ。私、縛られたまま犯されちゃうの~?」
 私がえへへっ、へへっと冗談をかますと、晃司さんは妙に真剣な表情をして呟く。
「……うるさい奴だな。少しは俺が抱きたくなるような発言はできないのか」
 抱きたくなるような台詞?
 ……ということは、抱いてくれるの? 私のこと。
「……っ」
 そう思っただけで、急に全身が熱くなった。
 彼は今、まさに、私を抱こうとしている。酔いのせいで思考は上手く纏まらないけれど、それはとても甘美な響きで、素直に喜ばしい。
 ずっと、彼の腕に抱かれることを夢見てきた。
 ドS過ぎる彼の要望にも応え、懸命に努力を続けてきた。
 俺に抱かれたければ、それに相応しい女になれ。
 そんな言葉に焚き付けられて、優秀な女になろうとした。
「……私のこと、好き?」
 顔が熱い。これはきっと、酔いだけのせいじゃない。
 瞳も心なしか潤んでいる。ドキドキして、胸の高鳴りが抑えきれない。
 唇をきゅっと噛んで、彼の反応を窺う。晃司さんは私の顔を見て、少しだけ視線を逸らした。それはまるで、彼が恥ずかしがっているようにも見えて……。
「あ~! 今、ちょっと顔が赤くなった~!」
 私がジタバタと足を動かして反応を返すと、晃司さんは私のおでこにデコピンをかます。
「うっ!」
「うるさいな。いきなり濡れた女の顔をするから、戸惑っただけだ」
「とか言って~! 本当は犯したくてたまら──」
「そうだよ。悪いか」
「!」
 晃司さんはあっさりと私の言葉を肯定すると、着用していたスカートのファスナーに手をかけた。
「ようやくお前を抱けるんだ。分かったら、さっさと可愛い声で啼け」
「っ……」
 その一言で、一瞬にして酔いが醒めた。
『ようやく』──。
 それは、『ずっと抱きたかった』と言っているのと同義だ。
 今まで、私を抱きたくても我慢していたのだろうか。もしそうだとしたら、私と同じ気持ちでいてくれたのだとしたら……それはとてつもなく、嬉しい。喜ばしくて堪らない。
「一応聞くが、初めてか?」
 それは、行為が、という話だろう。ここで『ううん』と答えた時の彼の反応を見て楽しみたい気持ちもあるが、もしかしたら激怒するかもしれない。それが怖い私は、素直に本当のことを言った。
「初めてだよ?」
 すると、彼は満足げに笑みを見せる。彼とは出会って十年の月日が流れているが、ここまで熟成し飼いならした甲斐があった、と言わんばかりの表情だ。
 晃司さんは私の身体をごろんと仰向けに転がすと、その上に跨り、じっとこちらを見つめて言う。
「何をするか、理解してるな?」
 いまさら何を言っているのだろう。
 私はもう二十六歳だ。ベッドの上で男女二人が何をするのかくらい、漫画や動画で頭に叩き込んでいる。
「晃司さん。……早く」
 私はもじもじと足を上下に揺らして、晃司さんをねだる。彼のファスナーにかけた手はゆっくりと下に移動し、ピンク色のショーツが垣間見えた。
 あ、失敗した。と、そこで気づく。
 今朝は晃司さんからホテルに誘われると思っておらず、下着の上下を揃えるのを失念してしまった。確か、上は水色のレースブラジャーだったはずだ。
「ま、待って」
 私の下着の上下が揃っていない姿を見たら、晃司さんは幻滅するかもしれない。「お風呂に入る」とでも言って、下着だけでも先に脱いでしまおう。
「待てない。いや、待たない」
 しかし、晃司さんは既に雄としてのスイッチがオンになってしまっている。ここでストップすることは、最早不可能なのだろう。
 晃司さんは緊張した表情を浮かべつつも、この先に見える景色に期待を膨らませているように見える。
「先に、お風呂、入る」
「俺を放置する気か? 良い度胸だな」
「……でも」
 バスローブの腰紐で後ろ手に縛られてしまったこの状況で、私に抵抗する手段は残されていない。晃司さんは私のワイシャツの上から乳房を鷲掴みすると、弧を描くように手を動かす。
「んっ……」
 全身が火照って、思考が上手く纏まらない。晃司さんに身体を触られるのは、思えばこれが初めてだ。目の前に跨る彼は余裕ぶった笑みを見せているものの、バスローブは腰紐がないせいで、彼の裸を隠すことなく露わにしている。学生の頃に見たことがあるが、三十歳近くになって、彼の肉体はより一層、艶を増したように感じられた。引き締まった腹筋は変わらず贅肉一つなく、綺麗に六つに割れている。日焼けをする行為は日頃から避けているのか、肌は変わらず真っ白だ。下半身はグレーのボクサーパンツを穿いているから隠されているが、その雄は既に屹立していて、くっきりと形が浮き彫りになっている。先走りでパンツが円形に濡れているが、彼は気にする素振りを見せなかった。
 処女の私は、一般的な男性のサイズが十三センチという事実だけを頭に叩きこんでいるが、実際に目の前で見たことはないから、いまいちサイズ感が分からない。
 だが、おそらくこの雄は、大きい。
 たとえパンツの下に隠されていても、それだけは分かる。
 その理由は、とてもじゃないが、私の身体の中に挿入るサイズではないと思うからだ。
 ────こんな大きいの、絶対無理!
 正直なところ、私は自分で致す時、膣の中に指を挿れない。晃司さんの身体を妄想しながら、パンツ越しに少し触っただけで気持ち良くなって、それだけで満足してしまうタイプだ。性欲も、もしかしたらそこまで旺盛な方ではないのかもしれない。二十六歳まで処女を大切にとっておけたのも、それが理由の一つだ。
 こんな大きいものが中に挿入されて、痛くないのだろうか? 女性はみんな、こんなものを下半身で受け止めているなんて、つくづく不思議な生態だ。
「晃司さん。……その、えと」
 私が唇をキュッと噛むと、晃司さんはシャツのボタンをすべて外し、私の上半身を露出させる。
 そして、私のブラジャーの色を確認した晃司さんは、私が無意味な抵抗をしていた理由がようやく分かったらしい。
「なんだ。下着を見られたくなかったのか?」
 コクン、と頷く。
「……ごめんなさい。以後、気をつけます」
 これからは、晃司さんに呆れられないよう、女子力を上げなくては……。
 女子力なんて、私から一番程遠い言葉だけど……。
 しかし、晃司さんはクスッと笑って応える。
「許す。俺も少し、待たせ過ぎたな」
 それには、私も完全同意だ。
「そうですよ。ほんと、待たせ過ぎなんです!」
 十年近くお預けプレイをされて、それでも一途に追いかけ続けた。
 自分は飽き性じゃないんだな、という事実だけが、この十年で理解できたことだ。
「ずっと、ずっと……! 私は晃司さんしか見てないのにっ。晃司さんが、私を……!」
 その口を塞ぐように、晃司さんは私の唇を奪った。
 彼とキスをしたのは、高校生の時に疑似恋愛の予告としてされた時以来だ。あの時のキスは事故のようなもので、したのかも曖昧だったが、今回のキスは本物の口づけだった。
 彼の薄い唇は唾液で湿っていて、ワインの渋い味がする。私はどのタイミングで呼吸をすればいいのか分からなくて、完全に無呼吸になってしまった。この状況で、キスの主導権は晃司さんだ。彼は求めるまま、私の唇を貪るように唇を動かす。熱い接吻を繰り返したのち、彼はちゅっと音を立ててその唇を離した。
 そして、私の頭を右手でそっと撫でて言う。
「未成年のお前を抱くのは、大人として間違いだろう?」
 私は即答した。
「私、もう二十六ですよっ」
「そうか? 時が過ぎるのは早いものだな」
「私は、めちゃくちゃ遅かったですけどね!」
「良いじゃないか。今、お前はここに居るんだから」
 その通りと言えば、そうだ。
 彼の側に居る理由が欲しい。
 彼の隣に立つ資格が欲しい。
 学生の頃から恋焦がれた存在は、今、私のことしか眼中にない。
「そうやって……。私がいつまでも、待ってくれると思ってるんだから」
 拗ねたように唇を尖らせると、彼は余裕の笑みを浮かべる。
「違うのか?」
 違わない。そう、本当に、私はいつまで経っても彼の術中だ。
 どうして、こんなにも晃司さんのことが好きなのだろう。
 もはや、この感情を一目惚れと一括りにするのは間違っている。
 確かに、はじめはただの一目惚れだった。けれど、今は──。
「なんだ。もうこんなに濡れてるじゃないか。処女なのは嘘か?」
 彼の右手はいつの間にか、私のショーツまで伸びていた。秘穴から粘り気のある愛液が溢れて、ショーツをじわりと濡らす。その湿った感触に気づいた晃司さんは、私を挑発するよう目を細めた。
「私が他の男とできないこと、分かってるでしょ?」
 晃司さんの為にとっておいた、初めてだ。
 彼とできるなら、破瓜の痛みにだって耐えられる。
 晃司さんがショーツを下ろしたことで、愛液がたらりと糸を引いた。そのことが恥ずかしくて、私は両腿を閉じて秘部を隠してしまう。しかし、晃司さんは強引に私の股を開脚させて陰核に触れるなり、性格に似合わず優しく指の平で擦った。
「痛いか?」
 まだ中に挿入されたわけではないから、痛くはない。
「なんか、ムズムズする」
「意味の分からないことを言うな。大丈夫なんだな?」
「……私が痛いって言ったら、止めるの?」
 すると、彼は少し考えてから言った。
「うーん。止めないな」
 あっさりと答えた彼の返事に、ふふっと小さく笑う。
「じゃあ、晃司さんの好きにして?」

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