悪女は絶倫護衛騎士に毎夜溺愛されています ~クズな皇太子を捨てたら幸せが待っていました~

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悪女は絶倫護衛騎士に毎夜溺愛されています ~クズな皇太子を捨てたら幸せが待っていました~

著者:仙崎ひとみ
イラスト:逆月酒乱
発売日:2025年 5月30日
定価:630円+税

『紅バラのアイシャ』と呼ばれるアイシャ・ルーベンス。
彼女はランウッド皇国屈指の権力と財力を持つルーベンス公爵家のひとり娘で、華やかな容姿、高貴なオーラ、そして皇太子の婚約者という、まさに貴族女性達の憧れの的だ。
そんなアイシャだったが、皇太子に池に落とされ命の危機にさらされたことをきっかけに、婚約破棄を決意!
彼女を守り助けてくれるのはいつだって幼馴染の護衛騎士であるセオドリックだった。
何度催促しても婚約が破棄されないことにモヤモヤしていたある日、参加したパーティで皇太子に媚薬を盛られ襲われてしまったアイシャ。
絶体絶命の瞬間、再びセオドリックが駆けつけてくれたのだが、媚薬に侵されたアイシャは思わず彼に助けを求めてしまい……?
「俺の大事なお嬢様……アイシャの望むままに」
自分を助けるために抱いているに過ぎないはずなのに、セオドリックがアイシャ見つめる眼差しは、あまりにも情熱的で――……。

【人物紹介】

アイシャ・ルーベンス
ルーベンス公爵家のたった一人の愛娘で、皇太子ユリウスの「元」婚約者になる予定!
「紅バラのアイシャ」と呼ばれており、赤い髪に華やかな容姿をしている。
高飛車な言動に見えるが、素直で真っ直ぐな性格。

セオドリック・オルタナ
アイシャの護衛騎士で、没落寸前のオルタナ伯爵家の嫡男。
高身長で端正な容姿で、アイシャを護るために日々鍛えている。
アイシャが皇太子に夢中だったころから、常に彼女を守り慈しんでいる。

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*取り扱いサイトは、各書店に掲載され次第、更新されます。

【試し読み】

「セオ! 助けにきてっ! セオ!」
 必死で叫ぶが、媚薬のせいなのか思ったより声が出なかった。
 だからセオドリックがきてくれるはずはないと思っていたのに。
 ガンッ! と大きな音が扉からしたと思ったら、数秒後バァアンッ! と地響きのような音がして扉が開いた。
「アイシャ!」
 アイシャの姿は散々だった。ドレスの胸もとは破られ、裾はめくり上げられている。
 宝石類はチェーンがちぎれて床に散乱しているし、せっかく結い上げたヘアスタイルも半分以上ほどけていた。
 媚薬のせいで頬は薄紅色に蒸気し、瞳は潤み、口端からは唾液が流れている。
 そんな淫靡な姿のアイシャの上に乗っているユリウスは、上半身が裸でトラウザーズは膝までずり下ろされていた。
 そのうえ醜い陰茎を取り出し、彼女の腹あたりに亀頭をあてていたのだから、セオドリックの怒りに火をつけたのは間違いない。
「アイシャからどけ!」
 こみ上げる怒りを放出しようとしたのか、セオドリックが拳をガンッ! と壁にぶち当てた。
 ピキッと音がして、壁に亀裂が走る。
 ユリウスの顔が真っ青になり、慌ててソファから降りた。
「な、なんだ……この私にそのような不敬を……」
「知るか! ここで殺してしまえば不敬は露呈しないがな!」
「セオ……暴力は……ダメ、ダメよ……」
 アイシャは凶行を及ぼしそうなセオドリックを懸命に引き留めた。
 しかし本人は怒り心頭というていで、アイシャの制止が聞こえたのかどうかわからないようすだ。
 ズカズカと大股で近寄る大柄な男に恐怖を感じたのか、ユリウスは短い悲鳴を上げて部屋のすみに移動した。
 セオドリックはみっともない姿の男を視界に入れることなく、一直線にアイシャのもとへくる。
「アイシャ!」
 セオドリックが急ぎジャケットを脱ぐとアイシャの身体にバサリとかけた。
(セオ……助けにきてくれるのは、やっぱりあなたね……)
 ギュッと彼のジャケットを掴むと、ほのかに森林の爽やかな香りがした。
 セオドリックがギロリと睨みつけると、ユリウスはひどい格好のまま部屋から逃げ出した。
 扉から出たところでドタンッという音がしたので、おそらくトラウザーズが足に引っかかって転んでしまったのだろう。
 女性の小さい悲鳴が聞こえたから、あのみっともない格好を人目に晒したようだ。
 セオドリックが扉を閉めると内鍵をかけた。しかし強引に入ってきたせいか、鍵が壊れてかからない。
 彼がサイドテーブルを腕力で持ち上げ、扉の前にガンッと置く。
 内開きの扉なので、それで開けられることはない。
 そしてふたたびアイシャのもとに近づくと、セオドリックは筋肉質な両腕を伸ばしてアイシャを抱きしめた。
「アイシャ……! 無事か? あんなクズに穢されていないか!?」
「セオ……セオ……」
 感極まったアイシャも彼の身体を抱き返す。手のひらが肩甲骨に触れると、筋肉が盛り上がるのを感じた。
「奴を殺してやろうか? アイシャが望むなら、俺は……」
「大丈夫……未遂……セオ、あなたがきてくれたから……」
「そうか」
 アイシャの後頭部をセオドリックの大きな手のひらが包み、なんども撫でてくる。
 彼の汗とフレグランスの入り交じった香りが、アイシャの官能に火を灯す。
 もとより媚薬のせいで身体が疼いていたので、逞しい胸に抱かれてさらにおかしくなった。
(どうしよう……このままではセオに迷惑をかけてしまう……)
 セオドリックの厚い胸板に手のひらを置き、押し返そうとした。だが彼の身体が屈強すぎて、まったく動かない。
「セオ……わたくし……あのクズ皇太子に……妙なものを飲まされたの……」
「毒か!?」
 アイシャは小さく頭を振った。
「奴を追いかけて、解毒薬を……」
 立ち上がったセオドリックのシャツを急いで掴む。
 潤む瞳、蒸気した頬のアイシャ見て、セオドリックは何を飲まされたか瞬時に悟ったようだ。
 怒りのあまり、セオドリックのこめかみに血管が浮き上がった。
「やはり殴っておけばよかった」
 彼が本気で拳を振るえば、ユリウスの美しい顔がボロボロになってしまうだろう。
 それもいいが、セオドリックが罪に問われるのは嫌だ。
 彼の腕を捕まえ、必死で訴える。
「セオ……そんなことより、早くわたくしを……助けてほしいの……」
「アイシャ……」
 その間もズクンッ! と下腹の奥が疼いた。
「ぁあっ……んん……」
 無意識に鼻にかかった嬌声をあげて、両脚をもじもじとさせてしまう。
(もう……我慢できない……欲しい……アソコの奥を抉るような、何かが……)
 まるで身体中の敏感な場所を、虫が這っているかのような感触を受ける。とくに両脚の奥は疼いて疼いてしかたがなかった。
「セオ……抱いて……」
「アイシャ……」
 セオドリックの男らしい顔を見つめると、両足の奥の割れ目から粘着質な何かが溢れ出た。
 それは下着をびっしょりと濡らし、内股まで垂れ落ちる。
「どうやって屋敷まで戻るか……俺が抱き上げて……」
 アイシャは頭を振った。この状態では一歩も歩けない。衣擦れひとつでもビクビクと身を震わせてしまうのだから。
「ここで……わたくしを抱いて……慰めをちょうだい」
「……アイシャ。それは駄目だ。俺は護衛騎士。守るべきアイシャを穢すことは騎士の本分に反する」
 彼は、アイシャの切実な願いを拒否した。身体の奥から猛烈な欲情が突きあげてきて、意識がおかしくなりそうだ。
「お願い……セオにしか頼めないの。もし断るというのなら……」
 アイシャは潤む瞳でセオドリックを見つめた。
「どこかの誰かに身を委ねなければならなくなるわ。でも最初は……」
 セオドリックがいい――――
 声にならないアイシャの訴えをセオドリックはどう思ったのだろうか。
 突然、華奢な身体が、逞しくて厚みのある胸に抱かれる。
「達すれば少しはマシになるかもしれん。たっぷり愛撫を施すから感じてくれ」
 耳元でささやかれ、背筋にゾクゾクとした痺れが走る。
 熱い吐息を漏らす形のいい唇にそっと塞がれると、アイシャの心臓がドクンと跳ねた。
 クチュ……ヌチュ……と舌を絡め合う口づけを受けていると、彼の右手が二の腕で引っかかっていいたドレスを腰のあたりまでズラした。
 反対側の手はアイシャの背中に添えられ、うなじから肩甲骨までを撫でさする。
「ふ……んん……ふぁ……あ……」
 セオドリックの厚みのある色っぽい唇が、角度を変え、舌の角度を変え、なんどもなんどもアイシャの唇を啄む。
(セオのキス……気持ちいい……)
 チュッ……クチュ……と濡れた音を立てるたび、身体中に震えが走った。
 パサリと音を立ててドレスが足もとまで脱げ落ちたら、コルセットだけの姿になる。
 たわわな乳房が零れると、セオドリックの大きな手のひらがやわやわと揉みしだいた。
「ふっ……ぁあ……んん……」
 アイシャが身悶えると、彼の手の動きがより激しくなる。
「あっ……ふぁ……」
 そして手の動きに連動して、彼の唇と舌も艶めかしく動く。
 セオドリックのヌメった舌がアイシャの舌を捉え捏ね回した。
 肉厚な熱い舌がアイシャの頬の裏や口蓋、歯の根や舌下を暴れ回り、唾液を根こそぎ奪うかのごとく蠢くから、口端から涎がダラダラと流れ落ちる。
 卑猥な動きに、アイシャの身体が身震いするほど感じてしまう。
 彼の甘い唇が少しだけ離れると、舌根から溢れる唾液をジュルジュルと啜り上げた。
「……ぁ……はぁ……んん……ふぁあ……」
 セオドリックが与えてくる口づけが気持ちよすぎて、アイシャは淫蕩に耽る。
(セオの手が触れているところが……気持ちよくて……キスも……)
 盛られた媚薬のせいで、全身が性感帯になってしまったみたいだ。どこに触れられても感じる。
 セオドリックの指が尖った乳首をピンッと弾く。それだけで背筋から痺れが駆け上がった。
「あぁんっ……! それ、いいっ……」
 ビクビクと身体を震わせて快感に酔っていたら、彼の指が感度も乳首を弾いた。
 ゾクゾクとした愉悦が身体中を駆け巡る。
「んんっ……ぁあっ……ふっ……ぁ……」
 そしてふたたび蕩けるようなキスを与えてくる。
 セオドリックの人差し指と親指が、グミのように赤く染まった乳首をムニュグニュと摘まみあげた。
「あっ……あっ……!」
 腰を逸らし、セオドリックに胸を突き出す姿勢で、身体を震わせる。
 すると彼の指がクニクニと擦り潰したり、乳首のまわりで弧を描いたりと激しく動いた。
 男を知らぬ清らかな身体だというのに、そんなふうに愛撫されただけで割れ目の奥から蜜が溢れ出る。
 セオドリックが小さなおとがいを掴むと、クイと上げた。
 キスの続きかと思ったら、アイシャの首筋に顔を埋め、鎖骨を舐め上げてきた。
「ひゃぁんっ!」
 ヌルヌルとデコルテを舐められ、くすぐったさに肩を竦める。
 セオドリックの黒い髪が首元を掠めるだけで、ビクンビクンと身体が跳ねた。
「ぁあ……んんっ……ふあぁん……」
 彼の唇が、指で弄っていないほうの乳房にたどり着く。
 セオドリックは指で乳首を摘まんだり、大きな手のひらで柔肉を揉んだりを繰り返しながら、もう片方の乳首は唇でちゅうちゅうと吸い上げた。
「あっ……! ぁあっ……!」
 嬌声が部屋中に響き渡る。媚薬のせいなのか彼の愛撫が上手なのか、身体の奥芯が疼いて、もう我慢できない。
 狭いソファの上で悶えていると、彼が上体を起こした。
「セオ……?」
 アイシャがセオドリックの瞳をのぞき込むと、情欲の炎が揺らめいていて胸が切なくなる。
 彼がソファから下りると、アイシャの脇下に手を差し入れた。
「え……?」
 ひょいと持ち上げられた拍子に、ほぼ布きれと化したドレスがつま先を通り過ぎて、床にハラリと滑り落ちる。
 その際パンプスも落したので、ショーツとガーターベルトとストッキング、そしてコルセットだけの姿になってしまった。
 セオドリックに抱え上げられたまま、彼の逞しい胸板に乳房を押しつける形になる。
「あ……」
 両脚を開いた状態で彼に抱きついているので、彼の昂ぶった股間が秘所にゴリッとあたった。
(セオの……大きい……!)
 ショーツ越しにアイシャの臀部を撫でながら、彼は隣室のベッドルームに足を踏み入れた。
 ユリウスはなぜか、雰囲気だけは周到に用意したらしい。
 アロマが香る部屋のベッドに下ろされ、柔らかなリネンのシーツが背にあたる。
 アイシャは身体を横に向けて身を縮めると、小さく呟いた。
「ごめんなさい。セオ」
「何を謝るんだ?」
「こんな真似をさせてしまって……」
(あなたとわたくしは幼いころから仲のよい幼なじみ。それなのに媚薬を抜く手伝いだなんて……申しわけなさすぎて泣けてくるわ)
 セオドリックがジャケットを脱ぎ落とすと、シャツのボタンをプチプチと音を立てて外した。
「謝る必要はない。被害者だろ? 悪いのは妙な媚薬を盛った皇太子だ。俺は大事なアイシャを助けているに過ぎない」
(セオがわたくしを助けてくれるのはいつものことだけど……性処理をさせたくないの……)
 彼が勢いよくシャツを脱ぐと、まるで男神の彫刻みたいな裸体が現れる。
「あ……」
 つい感嘆の声を漏らしてしまう。
 その見事な筋肉美に、アイシャはつい魅入ってしまった。
(セオが逞しいのはわかっていたけど……こんなにも鍛えてあげていたの? なんて見事な身体……)
 アイシャは、これほど間近で男性の裸体を見たことがない。
 骨ばった首から肩へのライン、盛り上がった二の腕には筋肉の筋がいくつも浮き上がっている。
 発達した胸筋、脇から腰にかけてのくびれたラインは雄々しさの中にセクシーさもある。
 色っぽい腰骨のその下……トラウザーズの中央が異常なほど膨らんでいた。
(あ、あれが、当たって……)
 強い雄の象徴を見て、アイシャの喉が物欲しそうにゴクリと鳴る。
 出会ったときは少年の面影を残していたのに。いつの間に、こんなにも頼りがいのある大人の男になったのだろう。
(違う……わたくしがユリウス皇太子殿下に熱を上げていて、気がつかなかっただけ……セオはもっと前から逞しかった……)
 彼の手がトラウザーズにかかると、フロントのホックを外し、下穿きと一緒に脱ぎ落とす。
 昂ぶった肉棒が飛び出し、アイシャの喉がヒュッと鳴った。それと同時に股間の奥がズクンズクンと脈打つ。
(あ……どうしよう……ものすごく欲しいわ……)
 媚薬の効果だろうか、どうしようもなくセオドリックの男性器を求めてしまう。
(欲しい……あの剛直なモノで奥をゴリゴリとされたら……)
 性処理を申し訳ないと考えていたのに、彼の裸体を目にして我慢できなくなった。
(わたくし、淫乱になってしまったの……? どうしよう……欲しくてたまらない……ものすごく……)
 彼がベッドに右膝を乗せた。ギシ……と軋む音ですら卑猥に感じる。
「セオ……セオ……早く……」
「わかっている。媚薬のせいで身体が辛いんだろう?」
 アイシャは恥ずかしいながらも、素直にコクリと頷いた。
「だが性急にしたらアイシャの身体が傷つく。できる限り気持ちよくなってもらいたい」
 セオドリックの無骨なはずの大きな手が、アイシャのショーツにかかる。あっという間にスルリと脱がされた。
 次に彼の両手がアイシャの膝頭の上に乗ると、左右に割り開かれる。
「あっ……」
 そこは媚薬とセオドリックの愛撫で、びっしょりと濡れていた。
 柔らかな金色の茂みの奥を覗かれ、恥ずかしくて脚を閉じようとすると、彼の手にぐぐっと力が込もった。
 どうするのかと思ったら、そのまま彼が上体を倒し、下肢へと顔を埋める。
「セオ……待って、そこは……」
 彼の長い指が媚肉に添えられると、クパクパと割り開いた。そのたびに蜜の張りついたヌチャ、ヌチュと粘つく音がする。
 アイシャは恥ずかしさのあまり、全身を震わせた。
 陰部が空気に触れると、秘めた部分がヒヤリとした。フルフルと揺れる媚肉をセオドリックに見られているかと思うと羞恥で頭がいっぱいになる。
 セオドリックが舌を伸ばし、濡れそぼった秘裂をヌルりと舐め上げた。
「ひゃぁんっ……ダメ……そこ、汚れて……」
「アイシャのココならすごくキレイだ。すごく震えている。優しく慰めてやるからもう怯えるな」
 彼はそういうと、ふたたび秘所を舐め出した。舌先をチロチロと器用に動かし、媚肉を淫猥に刺激する。
「あ……んんっ……やぁ……んん……」
 ヌチャヌチャと彼の舌が、敏感な部分をあますところなく舐め回す。
(すごく……感じてしまう……気持ち……いい……)
 セオドリックが舌で媚肉を愛撫しながら、指で蜜口を弄り出す。
 彼の指が膣口に触れると、堪えがたい刺激にアイシャの腰がビクンビクンと跳ねた。
「あぁっ……んんっ……そこは……」
 もっと太くて質量のあるモノを埋めてほしくて、無意識に尻を揺らしてしまう。
 そんなアイシャをセオドリックが満足気な顔で見下ろした。
「気持ちいいのか? もっと舐めてやる」
「ダメ! 気持ちよすぎて……おかしくなっちゃう……!」
 媚薬のせいだとわかっているが、痴態を晒すのは恥ずかしい。
 だがセオドリックが激しく媚肉を舐めまくり、指で膣をジュブジュブと擦り始めるから感じすぎて意識が飛びそうになる。
「ぁああっ……やぁ……も、もう……」
 彼の指が一本から二本に増やされる。
 誰もこじ開けたことのない隘路を、彼の指がヌプヌプと押し拓いていく。
 媚薬の効果は絶大なようだ。痛いはずの行為が、今のアイシャには快感でしかない。
 もしかしたら同時に媚肉を舐められているから、疼痛を感じないのかもしれないが、そこまで考える余裕はアイシャになかった。
「んん……あぁん……ふっ……」
 彼の指の動きが速くなる。グチュグチュと激しい音をたて、蜜がとめどなく溢れる。
 彼が指をズチュと引き抜くとき、ぷっくり膨らんだ肉芽をわざと指でグニュッと押し潰した。
「ひゃぁあんっ……!」
 プシャァと音を立てて膣口から潮が噴き出す。
「あ……ぁあん……」
 身を捩り、四肢を振るわせて、痺れに似た愉悦に酔う。快感が少しだけ弱まったら、全身がくたぁあと弛緩してしまった。
 はぁはぁと息を荒らげ、赤い髪をシーツの上に波打たせて恍惚に浸っていると、セオドリックがアイシャの太ももを舐めていることに気がついた。
「セ、セオ……?」
 噴き出した液体で濡れた内太腿を、セオドリックがきれいに舐めとっている。
「やめて……そんなことしないで……」
「アイシャの蜜は一滴残らず舐めないとな」
 何気なく彼が口にしたその言葉に、アイシャの顔が羞恥でカーッと真っ赤に染まる。
「どうだ? 少しは鎮まったか?」
 アイシャの身体の奥底に潜む欲望は、まだ燻ったままだ。きっかけひとつで、ふたたびムズ痒さが溢れて、淫らに悶えてしまうだろう。
「皇太子殿下が……媚薬は男の精を受けないと鎮まらないと……」

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