愛しの騎士団長様と子作りします!? ~没落侍女ですが、熱烈求愛には堕ちません!~

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愛しの騎士団長様と子作りします!? ~没落侍女ですが、熱烈求愛には堕ちません!~

著者:舞姫美
イラスト:三廼
発売日:2025年 2月28日
定価:630円+税

生家が没落し、今ではエアルドレッド伯爵邸のメイドとして働いているディアナは悩んでいた。
「本当につれないな。こんなに俺が愛してるって伝えているのに」
それは騎士団長でありディアナの主人であるエドガーに熱烈に求められていること!
人買いに売られたところを助けられて以降、エドガーのおおらかで気さくな人柄に触れ、ディアナもまた彼に想いを寄せていた。
それでも、今の自分とでは身分が釣り合わないと、ディアナは本心を押し殺して断り続けているのだが……。
そんなある時、国王からエドガーと子供を作れというとんでもない命を受けてしまって――……!?

【人物紹介】

ディアナ
元は伯爵令嬢だったが、現在は没落しエドガーのメイドとして働いている。
人買いに売られたところを助けられて以来、エドガーに想いを寄せているが、
今の自分とは釣り合わないと彼の告白を断り続けていて――?

エドガー・エアルドレッド
澄んだ水色の瞳を持つ、美しい騎士団長。
2年前からディアナに告白しては振られているが諦めない、一途な性格。
おおらかで誰にでも別け隔てなく接するため、屋敷の使用人たちにも慕われている。

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*取り扱いサイトは、各書店に掲載され次第、更新されます。

【試し読み】

 取っ手は動くが開かない。ぐいぐいと扉を押しても開かない。
 窓も同じだ。ベッドの傍にあった小さめのスツールを運び、カーテンを開け、思い切って窓ガラスに叩きつけてみたりもしたが、無駄だった。
 開かないどころか割れもしない。すべての窓が同じで、ただ疲れただけだった。
 こんな異常な状況を作り出せるのは、人間では無理だ。
「こ、これは……ユリシーズさまの魔法……!?」
「そうなるな」
 エドガーがスツールを片付け、改めてベッドに座らせる。ディアナは乱れた呼吸を整えた。
「私たちをここに閉じ込めて、一体どうするつもりで……」
「子作りさせるつもりなんだろう」
 そうとしか考えられないが、改めてはっきりと言葉にされると非常に恥ずかしい。平常心を装うのもそろそろ限界だ。
「……そ、その……まだユリシーズさまの予言が確かだとは、わかりませんよね……?」
「彼の予言は過去に数度しかないが、そのすべてが正しかった。もし間違っていたとしても拒むことは難しい」
「……そう、ですよね……」
「ディアナ。俺の妻になるのは嫌か」
 ふいに真剣な声で問いかけられ、ディアナは反射的に彼を見返してしまいながら息を呑む。酷薄な印象を受けがちな水色の瞳が、じっとこちらを見つめていた。
 拒めば無理強いはしないと伝わってくる真摯で誠実な瞳だ。だからこそ、答えを間違ってはいけない。
(エドガーさまは明るい未来を進んでいくお方なのだから)
 胸の痛みを堪えて、ディアナは拒絶の言葉を口にしようとする。
 それを見計らったかのように突然扉が開き、フードを被ったユリシーズが姿を現した。
 すぐさまエドガーとともに立ち上がる。部屋から出してもらわなければとエドガーが彼に向かって一歩踏み出すと、ユリシーズが懐から小さな香炉を取り出した。
 そして無言のまま蓋を開ける。細い煙が空間に流れ出し始めた。
 何かを察したのか、エドガーが素早くディアナを胸に抱え込み、煙を吸わないようにさせた。
 だが、煙が広がる速さは凄まじい。あっという間に室内が白煙に満たされる。
「ユリシーズさま! この煙は一体……!!」
「このままでは埒が明きません。さっさと義務を果たしなさい。まったく……不甲斐ない男ですね」
「何を……っ」
 蓋を閉じた香炉を懐に戻し、ユリシーズが部屋を出ていく。このまま見送ったらまた閉じ込められてしまう。
 慌ててエドガーが彼に手を伸ばしたが、急に膝をついた。
「エドガーさま!? 大丈夫ですか!?」
「いや、大丈夫だ。急に、力が抜けて……」
 エドガーもよくわからない状態のようだ。間違いなくこの煙が原因だろう。
 ユリシーズに怒りを覚えながらも、ディアナはひとまず彼をベッドに促す。
 ユリシーズが退室したことで、室内の煙は薄れ始めていた。ディアナはエドガーをベッドに寝かせると枕を使って煙を払う。
 何とか自分たちの周りくらいは煙を感じなくなるまで払って大きく息を吐くと、どくん、と不自然に胸が高鳴り、膝から力が抜けた。
 先ほどのエドガーと同じく、その場に座り込んでしまう。
(……何、これ……?)
「大丈夫か!?」
 ベッドから慌てて降りたエドガーが走り寄り、抱き上げてくれる。
 どうやら彼はもう動けるらしい。安堵しつつ、大丈夫だと伝えようとする。
 だが抱き上げられてすぐ、新たな異変が全身を襲った。灼熱感だ。
(な……に? 熱い……っ)
 あっという間に身体が耐えがたく熱くなる。ディアナはエドガーの胸に縋りついて、荒い呼吸を繰り返した。
 やがて全身を一気に駆け巡る熱は一点に集中した。下腹部の奥――秘められた場所だ。
 熱い疼きが蜜口から奥に広がっていき、ディアナは目を見開く。どうして急に、淫らな気持ちになるのか。
(エドガーさまから離れなければ……っ)
 熱と疼きが、思考を鈍らせる。ともすれば彼に身を擦りつけてしまいそうだ。
「……あ、の……私、大丈夫ですから……っ」
 そのときにはもう、エドガーがベッドの上に降ろしてくれている。温もりが離れて急に寂しくなり、思わず彼の手を掴んでいた。
 エドガーが驚きに軽く目を瞠って見返してくる。
 慌てて離そうとすると、今度は彼から指を絡め合わせるように握られた。
 掌がぴったりと重なり、エドガーの体温が伝わってくる。
 熱い。彼もまた、発熱している。
「ディアナ……体調が良くないのか……!?」
 触れ合ったことで、火照りに気づかれた。だがそれはエドガーも同じだ。
「エドガーさまこそ、お熱が……」
 よく見れば、エドガーの息が荒い。熱く潤んだ瞳の奥に時折見えていた欲情があって、息を呑む。
「俺は、大丈夫だ……」
 言いながらエドガーがゆっくりとベッドに上がり、覆いかぶさってきた。
 熱を測るために額を押し合わされるが、互いに熱いのだから何の意味もない。わかっているのに触れ合うと心地よく、されるがままになってしまう。
「……俺も熱いから、よくわからないな……」
「そう、ですね……私も熱いから……」
 互いを見つめながら意味のない会話を交わしてしまう。
 だが、目を逸らすこともできない。その気も起きなかった。
 ただ、もっと触れ合いたかった。お互いが溶け合うように――その欲望が身体を動かす。
 額を押し合わせたままで、エドガーが頬を撫でてきた。手が大きいから、指先が耳やこめかみに触れ、甘いくすぐったさが気持ちいい。
「なあ、ディアナ。俺と結婚してくれ……」
「……できま、せ……」
 拒絶の言葉はエドガーの唇に吸い取られた。突然唇を奪われて、ディアナは大きく目を見開く。
 戸惑っているうちにエドガーが軽く首を振ってディアナの唇を開かせ、舌を口中に潜り込ませてきた。別の生き物のように彼の舌は動き、歯列をなぞってさらに奥に入り込もうとしてくる。
 熱くぬめった感触に驚いて反射的に口を開くと、すぐさま彼の舌が進み、ディアナの舌に擦りつけてきた。
(これ……気持ち、いい……)
 気づけばディアナも同じように返していた。
 エドガーが一瞬ビクリと身を強張らせたあと、さらに深くくちづけてくる。
「……んぅ……っ!?」
 彼の舌が乱暴に口中を掻き回す。
 舌を搦め捕られて引き出されると、甘噛みされた。刺激的な愛撫にびくびくと震えてしまうが、気持ちがいい。
 自然と滲み出してきた互いの唾液が混じり合い、どちらのものともつかなくなって口端から溢れてしまいそうになる。
 反射的に飲み込むと、不思議と甘く感じられた。エドガーも同じように感じたのか、もっと欲しいと言わんばかりに舌の根まで強く吸われてしまう。
「……ん、んぅ……っ」
「……ディアナ、もっと……もっと、だ……」
「は、い……あ……んん……っ」
 しばし夢中になって舌を絡め合う。
 くちゅくちゅ、と淫らな水音が上がり始め、それすらも不思議と肌がざわつく快感に繋がった。
「……ん……ん……っ」
 息継ぎが上手くできず、苦しい。空気を求めて喘げば、エドガーも苦しそうだ。
「エドガーさ、ま……もう……」
 駄目です、と続けようとしたが、苛立たしげにくちづけで阻まれてしまう。
 彼の胸を押しのけるが上手く力が入らないどころか、縋りつくように彼の上着を握りしめてしまった。
「……は……っ」
 最後まで舌先を触れ合わせながらようやく唇が離れたときには、理性がもうほとんど残っていない。睫が触れ合いそうなほど近くにあるエドガーの瞳は抑えきれない劣情を孕み、底光りしている。
 肉食獣に狙われた小動物のような恐怖を抱くのに、それすらも快感に繋がって下腹部がきゅんっ、と疼いた。
「……ディアナ……俺は少し……いや、だいぶ、おかしくなっている……君が欲しくて堪らない……ひどく、してしまいそうで……」
 エドガーの手が、胸元に触れる。胸の膨らみを撫でようとして、しかしごくりと唾を飲んで止めた。
「駄目、だ……これは……駄目だ……」
 エドガーは喘ぎながら呟き、片手で額を覆う。強く引き結んだ唇に歯を立てると、皮膚を破って血が滲み出した。
 かすかに香る血の匂いにディアナは軽く目を瞠り――だが次には香りに吸い寄せられ、その血を舐め取っていた。
「……いけま、せん……傷、が……」
 エドガーの血は、不思議と甘く感じられた。
 気づけば夢中になってぺろぺろと彼の唇を舐めている。
 身を強張らせてされるがままになっていたエドガーも、やがて蕩けた瞳でこちらを見返しながら、ディアナの舌を舐め返した。
 なんて淫らな触れ合いだろう。頭の隅で嗜め、羞恥し、警告する自分がいるのに、止められない。
「……ディアナ。離れた方が、いい……」
 そう言いながらもエドガーの手は離れず、ディアナの身体を撫で回している。
 ドレス越しではなく首筋や腕など肌に直接触れられると温もりがとても心地よくて、思わずもっと、と強請るような甘い吐息が漏れてしまった。
「エドガーさまこそ、私から離れた方が、いい……です……」
 そう返しながら、ディアナはエドガーの頬に手を伸ばしている。熱を帯びるとても艶めいた瞳に魅入られ、もっと間近で見たいと顔を寄せていた。
 彼の頬に指先が触れると、全身が震えるほどに心地よい。エドガーも心地よさげに息を吐き、我慢できなくなったのかディアナの手を掴んで指を絡めて握りしめる。
 そして口元に引き寄せると手の甲にくちづけた。掌に舌を這わせ、指を一本一本口に含み、唾液で濡れた舌で舐め回す。
「……あ……っ」
 官能的な愛撫に身を縮めて喘ぐ。エドガーが人差し指の先端を甘噛みしたあと、熱い息を吐いた。
「……君の指も……とても美味しいな。唇と舌も甘くて美味しかった。他のところは……どうだ……?」
 エドガーがディアナの首筋に顔を埋め、深く息を吸い込む。耳朶を唇で食み、感じやすい首筋を舌先で舐め味わってきた。
「……美味しい。もっと君を食べたい」
 エドガーの手が背中に回り、ドレスの隠しファスナーの金具を摘まんで一気に引き下ろした。欲望を優先させる荒々しい仕草で、縫い目が嫌な音を立てる。
 そして襟ぐりを掴むと強く押し下げた。
 だがコルセットが砦のように胸の膨らみを隠していることに気づくと、忌々しげに顔を顰める。
「邪魔だ」
 エドガーは背筋に沿って締め上げている紐を無造作に両手で掴むと、ぶちぶちと引きちぎる。一気に胸元が解放感に包まれ、ディアナは大きく息を吐き出した。
 これ以上させては駄目だと思うのに、身体が解放感に包まれることが心地よい。
 素肌を晒せば晒すほど、内にこもる熱が解放されるような気がする。
 エドガーがくちづけながらドレスをもどかしげにはぎ取った。
「……んん……エドガーさま、も……っ」
 くちづけに懸命に答えながら、ディアナもエドガーに手を伸ばし、服を脱がせる。
 だが彼からの愛撫に震えるばかりで、上手く脱がせない。
 上着をようやく脱がせられたが、そのときにはこちらは太腿まで覆う薄い絹の靴下のみというあられもない格好にさせられていた。
 エドガーがディアナの全身を食い入るように見つめる。
 熱い視線に肌が粟立ち、ぴりぴりしてくる。その感覚が羞恥を呼び起し、ディアナは慌てて腕で胸を隠そうとした。
 それよりも早く、エドガーが胸の膨らみを両手で包み込んだ。
「……あ……っ」
 押し上げるように握り込まれた直後、柔らかさを堪能するかの如く、乱暴に揉みしだかれる。そしてすぐさまむしゃぶりつき、片方の乳首に吸いついて舐め転がしてきた。
「……あ……そ、んな……駄目……っ」
 喰らいつくかのような舌と唇の愛撫に、言葉では拒絶しても身体は驚くほど悦んでいる。ディアナはエドガーの頭を抱きしめ、自ら彼に身を摺り寄せていた。
(だって、欲しい)
 今はエドガーが欲しくてたまらない。自分のすべてを彼に奪ってもらいたい。
「……おか、しい……んだ、ディアナ……君が欲しくて、たまらない……」
 エドガーが苦悶と困惑の表情で呟く。
 その手は止まらずディアナの全身を撫で、感じる場所を探しては強く反応を返したところを刺激していた。
「……ん……ここ、気持ちいいのか……可愛い」
 臍の窪みを指で撫でられて喘ぐと、エドガーがすぐさまそこに舌を這わせてくる。尖らせた舌先でくりくりと舐め回され、ディアナは軽く仰け反った。
「……や……そこ、は……むずむず、するから……っ」
 エドガーが舌を離す。愛撫が止まってホッとし、ディアナは困惑しながら続けた。
「私も……おかしい、んです……こんなこと……エドガーさまのためにならないとわかっている、のに……あなたに、もっとして欲しくて……」
「あの……香、だろう、な……」
 エドガーが忌々しげに呟く。ユリシーズが持ってきた香に何か仕込まれていたのだろう。
 エドガーの手が、恥丘をそっと撫でた。びくっ、と大きく震える。
「君のここから……甘酸っぱくていい匂いがする……。なあ、舐めてもいいか?」
「……や……だ、め……ぇ……!!」
 元よりこちらの要望など聞くつもりがなかったのだろう。エドガーは問いかけた直後には柔らかな茂みを指で掻き分けつつ、蜜口に唇を強く押しつけていた。
 生温かい唇が蜜を吸い、濡れた舌が狭い入り口を舐め回して解す。
 自分でもまともに触れたことのない不浄の場所だというのに、エドガーに躊躇いは一切ない。まるで待ち望んでいたものを口にできたかのようにじっくりと味わってくるのだ。
 尖らせた舌先が、花弁に隠されていた花芽を探り当てる。これまでにない痺れるような快感が腰から脳天まで駆け上がり、ディアナはシーツを握りしめて背を反らした。
「あー……っ!!」
 はしたない喘ぎを堪えることなど、とても無理だった。
 腰をせり上げて達してもエドガーは口を離さず、それどころかディアナの両足を肩にかけて膝を閉じられないようにした。
「ここが、女性が一番敏感なところ、か……ここが一番、美味しい……」
 両の人差し指と中指で花弁を押し広げると、唾液をたっぷりと乗せた舌で下から上へと何度も舐めて花芽を剥き出しにする。
 敏感すぎる秘玉を指と舌で愛撫されては堪らない。
「ぷっくり膨らんで……可愛い。舐めるのと、吸うのと……ん……口の中、で、しゃぶるのと……ああ、舌で転がすのと……んん……っ、どれが、いい?」
 口淫の合間に問われるが、まともに答えることなどできなかった。
「ああっ、駄目っ! 吸うの……やあ、ぁん……! しゃぶるのも、駄目! おかし、く、なる、から……!」
 喘ぎながらも訴えるが、エドガーの口淫は止まらない。さらにディアナが感じる場所を探そうとして、愛撫が激しくなる。
「や……っ」
 暴かれた花芽に、エドガーがそっと歯を立てる。押しのけようと彼の頭に触れていた手で少し硬い赤髪を握りしめ、ディアナは達した。
「……っ!!」
 視界がチカチカと明滅するような強烈な快感に襲われ、ディアナは喘ぎ声を発することもできずにびくびくと震える。
(……頭、真っ白に……なる……)
 茫洋とした瞳で快楽の涙を零していると――蜜口から何かが入り込んできた。
 異物感は一瞬だ。つぷり、と入り込んだものが、膣壁を優しく押したり擦ったりしてくる。
「……んぁ……っ! な、何……っ?」
「……ん……痛い、か……?」
 花芽を舌で嬲りながら、エドガーが尋ねてくる。
 反射的に下肢を見やったディアナに、エドガーは見せつけるように足をさらに押し開き、顔の位置を少し変えた。
「……あ……あぁ……そ、んなこと……」
 エドガーの長い中指が蜜壺に押し込まれている。
 花芽をねっとりと舌で舐められながら蜜壺の中を弄られると、信じられないほど気持ちよかった。蜜はとろとろと絶え間なく溢れ続け、エドガーは何の躊躇もなくそれを啜り、味わっていた。
 彼の唾液と蜜で濡れそぼった花芽を空いた方の指で優しく擦り立てられると、また新たな快感が全身を走り抜けて気持ちがいい。
 押しのけようとしていた手は震えて力を失い、エドガーの好きにされてしまう。彼の舌と指と唇で散々蕩かされ、何度も快感の頂点へ押し上げられ、ディアナはしまいには息も絶え絶えとなった。
「……も、う……や……いき、たく……な……っ」
 ディアナは快楽の涙をぽろぽろ零した。
 強烈な愛撫を与えられ続け、絶頂を何度も味わわされているというのに、腹の一番奥はまったく満たされていない。何で満たされなければならないのかを、ディアナは女の本能で悟っている。
(エドガーさまの……)
 だがそれを与えてくれないのならば、いじめられているのと変わらない。欲しいのにくれないなんてなんてひどい人だと、涙目で軽く睨んでしまう。
 するとエドガーが一瞬、身震いした。瞳に宿る獣性がさらに強くなり、呼吸も荒さを増す。
 エドガーはようやく秘所から顔を上げた。
 唇に残る愛蜜を舌なめずりして味わう。舌の動きが卑猥で見ているだけで鼓動が高まった。
 同時に蜜口から新たに熱い雫が滲み出す。わずかに腰を動かしただけで、くちゅん、と水音が上がるほどだ。
「その物欲しげな目……すごく、くる、な……ほら、俺のものもこんなに……昂ってしまった」
 力なく開いたままのディアナの足の間でエドガーが膝立ちになり、腰元を緩めた。
 エドガーはまだ着衣のままで、ほとんど乱れがない。けれど下衣の前を開くと勢いよく男根が現れ、ディアナは息を呑んで目を瞠った。
(……こ、れが……エドガーさま、の……!?)

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