敏腕上司は偽装婚約者の部下を甘く蕩けるほどに愛し尽くす

書籍情報

敏腕上司は偽装婚約者の部下を甘く蕩けるほどに愛し尽くす


著者:櫻井音衣
イラスト:つきのおまめ
発売日:2023年 12月29日
定価:630円+税

自他ともに厳しく過ごす佑月には、一つの楽しみがあった。
それは行きつけのカフェで甘いものを食べること。
だが最近そのカフェに上司である努が通うようになって、佑月の日々は少し変わった。
努はどうやら女性が苦手なようで、そんな彼を守るために恋人を演じるようになったのだ。
だがある日、恋人といっても引かない一人の女性が現れ、ついに努は佑月を『婚約者』だと紹介する。
最初こそ驚いたものの、彼の事情を知った佑月は協力関係を結ぶが――?
「佑月じゃなかったらこんなことしないし、婚約者になってくれなんて絶対に言わない」
共に過ごしていく中で互いを知り、二人は想いを重ね合わせていく――。



【人物紹介】

高岸佑月(たかぎし ゆづき)
大手菓子メーカーの商品企画部の係長をしている、29歳。
すらっとしたモデルのようなスタイルをしているが、それがコンプレックスになっているところも。
真面目な性格で、人に甘えることが苦手なことから「鉄の女」と呼ばれているが……?

桐生努(きりゅう つとむ)
佑月の勤める会社で海外事業部の部長をしている、31歳。
高身長でスカウトされるくらい端正な顔立ちをしている。
性格も優しく穏やかで、女性人気も高い。
とある事情から佑月に婚約者のふりをしてほしいと相談するが――。

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【試し読み】

 ルームウェアの裾から忍び込んだ努の大きな手が素肌をそっと撫でると、私の体はビクンと大きく波打った。ほんの少し触れられただけで体の奥から何かが込み上げてくるような不思議な感覚をおぼえた。胸の膨らみを手のひらで包み込まれ、その先を指で軽く摘ままれると甘い吐息が漏れる。
「可愛いな、佑月」
「かっ……可愛いなんて……! それに……胸、小さいでしょ……?」
「俺はそんなの全然気にならないし、可愛いと思うよ」
 努は私の胸に唇を這わせ、その頂の硬く尖った部分を口に含み舌の先で撫でる。
「あっ……んんっ……」
 これまで出したことのない甲高く甘い声が自分の口から発せられたことが恥ずかしくて、私は慌てて両手で口を覆った。
「声、我慢しないで。もっと聞かせて」
 努の熱い舌がまるで得体のしれない不思議な生物のように、私の乳房をヌメヌメと生温かく這いまわり、強く吸いついてみたり、舌先を尖らせて乳輪をなぞったり、舌の真ん中辺りで乳首を転がしたり、唾液でびちゃびちゃになるまで執拗に弄んだ。私は息を荒くして体を仰け反らせながら甲高い声をあげる。
「可愛いよ、佑月。感じやすい胸も、感じてる顔も声も、全部可愛い」
 今まで胸を弄られただけでこんなに感じたことも、声をあげたこともなかったのに、努の手にかかると私の体は自分でも驚くほど敏感になって、押し寄せる快感の波に翻弄されてしまう。私はこれまで知らなかった強い衝動が体の奥から込み上げてくるのと共に、熱いものが溢れ出して秘部を濡らしていることに気付いた。
 努は私の胸を優しく撫でながらキスをした。舌の先で歯列をなぞって口を開かせ私の舌を捕らえると、お互いの唾液が混ざり合うほど激しく舌を絡める。
 キスをしながら私の肌を撫でていた手がだんだんと下の方へと滑り下りて、うっすらと湿り気を帯びた茂みに到達する。その奥はもう既に濡れそぼっていることを自覚しているので、恥ずかしさと、はしたないと思われたらどうしようという気持ちでうろたえてしまう。
「優しくするから……ここも触ってもいい?」
「……うん……」
 改めて断りを入れられると余計に恥ずかしいような気もしたけれど、それだけ努は私を大切に思い、誠意を示してくれているのだと思うと嬉しかった。
 努は長い指で茂みを掻き分け、私の秘部にそっと触れてゆっくりと擦り上げた。茂みの奥で潤みきった小さな蕾が次第に固く尖り始めると、強弱をつけて指の腹で円を描く。その力加減が絶妙で、あまりの気持ち良さに自然と腰が揺れる。
 もっと触ってほしい。その指でもっと奥まで、もっと激しく。もっと、もっと……。
 そんな気持ちが伝わったのか、努は蜜壷から滴る愛液を指ですくうと、窪みの入り口に塗り付けてゆっくりと探るように奥の方へと指を滑り込ませた。柔らかい粘膜は努の長い指をやすやすと飲み込んでゆく。
「佑月、すごく濡れてるよ。そんなに気持ちいい?」
「んっ……気持ちいい……」
「もっとしていい?」
「うん……して……」
 努が指を動かすたびに私の中が潤いを増して、私の耳にもハッキリと聞こえるくらいに生々しく淫猥な音を立てた。二本の指で奥の方まで掻き回され、湿った舌を尖らせて乳首を転がされると、更に激しい衝動が私の全身を駆け巡る。
「ふっ……あっ、あっ……んんっ」
 努は滴を滴らせて喘ぐ私の膝を割って下腹部に顔を近付け、濡れそぼった秘部に舌を這わせた。私が抵抗できないようにしっかりと膝を抱え込み、熱い舌で花芯を撫で、音を立てて舐めまわす。
 そんなところを舐められるのは初めてだから、あまりの恥ずかしさと気持ち良さで気が遠くなる。意識がどこか遠くへ飛ばされてしまわないように、両手を伸ばして努の背中にしがみついた。
 小さな蕾がぷっくりと膨らみ硬く尖っていくのが自分でもわかる。努はそこを何度も吸ったり舌の先で舐めて転がしたりつついたりしながら、蜜壷の奥を指で探った。努の指の腹が私の中の粘膜を緩急を付けて擦り上げ、奥へ奥へと突き進む。
 私は指では届かないもっと奥から熱い蜜を溢れさせて腰をくねらせる。
「あぁ……んっ……努……」
「好きだよ、佑月」
「私も……好き……」
 私が声を絞り出してそう言うと、努は嬉しそうに笑って私を抱きしめ、優しく唇を重ねた。
「やっと言ってくれた……。めちゃくちゃ嬉しい……」
 そう言って努は再び唇を重ね、舌を絡めた濃厚なキスをした。キスをしながら、密着した下腹部の辺りに硬いものが当たっていることに気付く。
 こんな大きなものがこれから私の中に入るのかと思うとほんの少し怖い気もしたけれど、それよりも今は早く努とひとつになりたい気持ちの方が勝っていて、この先への期待で胸が高鳴る。
 大きく張り詰めたそれに恐る恐る手を触れてみると、努は一瞬肩を震わせて唇を離し、私の額に額をくっつけて、少し照れくさそうに尋ねる。
「そろそろ限界なんだけど……いい?」
 私が小さくうなずくと、努は唇に軽くキスをしてベッドから離れ、部屋の隅に置いてあった鞄の内ポケットを探り小さな包みを手に戻ってきた。そしてその小さな四角い袋を破ってコンパクトに収められた薄いゴムを取り出すと、自身の陰茎の先にあてがう。
「それ……いつも持ち歩いてるの?」
「佑月と一緒に暮らすようになってからだよ。もしいい感じになった時にゴム持ってなくてチャンス逃すのも嫌だけど、佑月を困らせるのはもっと嫌だから」
 努の用意周到さには少し驚いたけれど、勢いに任せて無責任なことをしない誠実さや私に対する思いやりが見られたことはとても嬉しかった。
「最初は念のためと思って用意したけど、やっと使う時が来た」
 努は私の腰を引き寄せ、反り返った自身の昂りをしっとりと濡れた茂みの奥の窪みに押し当てた。
「優しくするつもりだけど……もしつらかったら我慢しないで、すぐに言って」
「うん」
 努の熱くて硬いものが私の中にゆっくりと入って来て、じわじわと粘膜の壁を押し広げ、少しずつその形を変えながら奥の方へと進んで行く。私の体の一番奥の深いところに到達すると、努はひとつ息をついて、ゆっくりと腰を動かし始めた。
 ゆるやかな快感の波が私の体の中に広がり更なる刺激を求める。もどかしくて、もっと欲しくて堪らない。
「大丈夫?」
「大丈夫……。大丈夫だから……」
 もっと激しくしてほしいと口に出すのが恥ずかしくて、どうにかして伝えようと努の目をじっと見つめた。それに気付いたのか、努は少し意地の悪そうな笑みを浮かべる。
「大丈夫だから……どうしてほしいの?」
「……意地悪」
「ごめん。じゃあ……もっと激しくしていい?」
「うん……。もっとして……」
 恥を忍んで答えると、努は両手で私の腰をガッチリと掴み大きく腰を動かし始めた。私のお腹の奥をえぐるように腰を押し付けたり、激しく突き上げたり、前後に速く動かしたり、息をすることさえ忘れてしまいそうなほど激しく腰を打ち付ける。
「あんっ……努……激しい……」
「佑月、気持ちいい?」
「気持ち……いい……」
「俺も。好きだよ、佑月」
 抱きしめ合ってキスをすると、努は体を繋げたままゆっくりと私の体を抱き起こし、太ももの上に座らせて更に激しく腰を打ち付けた。先程までとは違う場所に努の硬いものが当たり、お腹の奥を強く刺激する。
「あっ……ああっ……! んんっ、はあっ……」
「佑月、大丈夫? つらくない?」
「んっ……だい……じょ……あんっ!」
 努は大丈夫かと尋ねながらも腰を動かす速さを緩めないので、私が大丈夫だと最後まで答えることもできず喘ぎ声をあげると、そんな私の恍惚の表情を嬉しそうに見つめ、腰を動かしながら硬く尖った私の胸の頂を口に含んだ。そして口の中で舌を使って乳首を転がしたり、優しく撫でたり、強く吸ったりする。
「ああっ、あっ、んっ、ふあっ……んんっ」
 体の奥と胸を同時に刺激されると訳がわからなくなりそうなほどの快感で体が小刻みに震え、自然と下腹部に力が入る。すると努は小さくうめき声をあげて顔を歪ませた。
「佑月……そんなに絞めたらやばい……」
「んっ……そんなこと……言われても……あっ……」
 努は腰を動かすのをやめ、結合部がしっかりと密着するように私を乗せ直した。
「ねぇ佑月、ちょっと腰を動かせる?」
「腰を……? そんなのやったことないからわからないけど……」
「やってみて。佑月が気持ち良くなるように、俺のここに、これを擦り付けるみたいにして」
 そう言って努は私の秘部の突起を指で触った。それだけでもう背筋に電流のような感覚が走る。
「あっ……」
「ゆっくりでいいから、腰を前後に動かしてみて」
「うん……」
 言われるがままおそるおそる腰を動かしてみると、私の濡れた秘部が全体的に努の下腹部に当たり、努の指や舌で愛でられた時とはまた違った緩やかな刺激の波を感じた。それと同時に努の反り返ったものが私の中の奥深い所を押し広げてゆっくりと突き上げる。
「あ……あっ……何これ……? これでいいの……?」
「うん、いいよ。もっと強く押し付けるようにして動いてみて」
「もっと……?」
 ぎこちない動きではあるけれど努の言う通りに腰を動かすと、私の花芯は努の下腹部に押しつぶされるように強く当たり、私の中はお腹の奥まで努でいっぱいになる。私が動くたびに努は熱い息を吐いて表情を歪めた。そんな努を見ると私まで余計に感じて、もっと私で感じてほしくて、一生懸命体を揺らした。
「努……気持ちいい?」
「うん、気持ちいいよ。それに……ここから見る佑月が最高に色っぽい」
 色っぽいなんて言われ慣れない言葉を言われると恥ずかしくて、咄嗟に両手で胸を隠すと、努はその手を取って自分の首の後ろに回させ、再び露になった胸に口付けた。
「隠さないで。こんなに綺麗で可愛くて色っぽいのに」
「そんなこと……」
「あるよ。でもこれは俺だけが知ってる佑月だから、絶対に他の男には見せたらダメ。わかった?」
「わかった……」
「じゃあ……」
 そう言って努は再びお互いの秘部を繋げたまま体位を変えて私を組み敷き、私の両膝を開いて自分の肩に担ぎ上げるような体勢を取った。私が驚いて大きく目を見開くと、努は私の目を見つめて微笑んだ。
「思いっきり抱くよ」
「えっ!?」
「つらかったら言って」
「わかっ……あんっ」
 私が返事をし終わる前に、努は私の脚をしっかりと掴み腰を打ち付けた。私の体の中を激しく貫くように、これまでよりさらに深いところに努の硬く張り詰めたものが入り込む。こんなに激しくされたら壊れてしまうんじゃないかと思うほど、努は何度も何度も強く腰を打ち付ける。

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