嫌われ魔女の令嬢は一途な婚約者の過激溺愛から逃げ出したい

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嫌われ魔女の令嬢は一途な婚約者の過激溺愛から逃げ出したい

著者:猫屋ちゃき
イラスト:鈴ノ助
発売日:2026年 4月24日
定価:720円+税

シュペール伯爵家の長女であるアリアは屋敷の離れに一人で暮らしている。
十年以上前、魔法が発現されてから彼女は無表情になり、周囲の人間からは距離を置かれているからだ――。
そんなある日、両親を安心させるため、そして美味しいご飯を目的に夜会に参加することとなったアリア。
だが、場違いな感覚は拭えず、アリアは料理を片手に壁際で佇んでいた……。
そんな彼女に話しかけてきたのは伯爵家子息のオーラフ・ツェッテルで、しかもいきなり結婚を申し込まれて――!?
翌日、伯爵家にやってきたオーラフと試しにお付き合いを始めることになるのだが……?
どのように人と接していいのか分からないアリアは戸惑うことばかり。
そして、ピクニックデートの日を迎えた二人。
穏やかに時間が過ぎていく中、毒性の魔植物がアリアを襲い、毒のせいでアリアは発情させられて――!?
「怖がらなくていい。効果が切れるまで、一緒にいよう」
オーラフの優しくも淫靡な指先に、嫌われ魔女のアリアは身も心も翻弄されてしまう――!!

【人物紹介】

アリア・シュペーゲル
伯爵令嬢の魔法使い。
魔法使いは感情をなくすため、基本的には無表情。
参加した夜会でオーラフから求婚されるが――!?

オーラフ・ツェッテル
伯爵家子息の貴公子。
穏やかかつロマンチストな性格で、勤勉。
アリアの婚約者となるが、何やら目的があって近づいてきたようで――?

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【試し読み】

「……下がって」
 反射的に、アリアは立ち上がる。
 周囲を見渡してみると、近くの木の根元から、蔦のようなものが伸びてきていた。
 先端には淡い紫色の花。美しいが、危険だ。
「毒性の魔植物……!」
 アリアが気づいた瞬間、蔦がオーラフに向かって伸びていた。
 考えるより先に、アリアの体が動いた。
 魔力を放ち、蔦を弾く。弾かれた蔦はアリアの魔力に焼かれ、瞬時に燃えカスになる。だが、遅かった。
 腕に、熱い痛みが走る。
 鋸状になった葉が、アリアの腕を斬りつけた。斬られた場所から植物の毒が入ったのがわかり、急いで水魔法で傷口を洗う。
「アリア!」
「……大丈夫。軽い、傷です」
 毒は回り始めていたが、致命的ではない。だが、目眩はしていた。
 森の奥深く、人の出入りが少ない場所であれば、先ほどのような魔植物はよく見かけるのだ。
 だが、冬の間に生き物を求めて森から移動してきていたのだろう。普段はこんな場所に棲息していないから用心していなかったせいで、怪我をさせられてしまった。
(あれは、動物を襲って自身の繁殖を手伝わせる種類の植物か……種子は植えつけられなかったけど、毒がまずいな……)
 ふらついたところをオーラフに支えられ、アリアは内心焦っていた。
 わずかであったとしても、毒の成分は確実にアリアの体を蝕んでいる。オーラフに触れられた場所がやけに敏感で、まるで熱を持つように感じられることから、置かれた状況のまずさがわかった。
「アリア、近くに小屋がある。少し休んではどうかな」
 ふらつくアリアにうろたえつつも、オーラフはすぐに休める場所を見つけてくれた。彼に肩を借りて、どうにかそこまで歩いていく。
 それはどうやら、猟師小屋のようだ。簡素な寝台と道具をしまっておく棚があるだけの、殺風景な室内だった。
 寝台まで移動し、アリアはそこに腰を下ろした。
「魔力で……中和します」
 心配そうにしているオーラフに告げてから、傷口に触れた。
 目を閉じ、体内を巡る異物を追い出す。そうすることで、毒は消えた。
 だが、違和感は残っている。
 体の奥が、熱い。呼吸が、浅くなる。
(やっぱりか……)
 知識としては知っていたことが自分の身に起きて、アリアは静かに焦っていた。
 生き物を襲って体内に種子を植えつけて自らの繁殖を手伝わせる魔植物は、効率を上げるために毒でその生き物を発情させる性質を持つ。
 古くには、その部分の効果だけを利用して媚薬が作られていたこともあると師匠に教わっていたから、人体にこういった影響が出るのも理解はしていたのだ。
 だが、理解しているのと実際に体験するのとでは全く違う。
 未知の感覚に、アリアは怯えていた。
「……大変だ。アリア、苦しい? 何か僕にできることは?」
 心配したオーラフが顔を覗き込んできた。彼の吐息が頬にかかるだけで、アリアは自分の体が震えるのがわかった。
 心とは別の部分で、おかしな衝動に突き動かされそうになっている。
 心臓がドキドキして、呼吸が乱れる。肌が敏感になって、五感も鋭くなって、目の前にいる〝異性〟に過敏に反応しているのがわかる。
「……だめ」
 オーラフが近くにいるのは危険だと感じ、アリアは立ち上がろうとするが、足に力が入らない。
 体の芯が熱を持ち、頭がクラクラしてくるのを感じる。
「離れて……ください」
「どうして……? アリアがこんなに苦しそうにしているのに、放っておくことなんかできないよ」
 どうにか彼と距離を取ろうとするのに、うまくいかなかった。
 仕方がないだろう。彼の目には、アリアはただ魔植物の毒によって体調を崩しているようにしか見えないのだから。
 体調不良の誰かを放っておけるような性質の人ではないのだ。
 それならば、恥を忍んで現在の状況を説明するしかないのだろう。
「……私は今、さっきの魔植物の毒によって……発情、させられています」
 アリアは顔を伏せて、どうにかそう伝えた。
 彼が息を呑むのがわかった。驚いたのだろう。
 驚きの次に彼にどんな感情が浮かぶのか考えて、アリアは恐ろしくなった。
 きっと軽蔑されるに違いない。発情していることも、彼にその事実を言葉にして伝えることも、とても恥ずかしいことなのだから。
「……こ、このままじゃ、わたし……とんでもない姿をあなたに晒してしまう……だから……置いて帰ってください」
 優しい彼が何も言えなくなっているのだと思って、アリアは息も絶え絶えに言った。
 たとえ軽蔑したとしても、彼は自ら進んでアリアを捨て置くことはできないはずだ。だから、置いて帰ってほしいと自分から言う必要があった。
 しかし、彼はやはり優しい。
「アリアは、今とても苦しいんだね。そんな君を置いてはいけないよ。それに、何の問題もないはずだ──僕たち、婚約者なんだから」
「え……」
 彼にそっと触れられ、顔を上げさせられた。
 薄暗い部屋の中、彼の青い瞳が見つめてくる。
「発情させられてるってことはつまり、情欲を満たせば毒の作用から解放されるんだよね?」
「……そう、だけど……だめ」
 彼が何を考えているのかわかって、アリアは逃げようとした。だが、両肩を彼に掴まれているし、体に力が入らなくて無理だった。
 催淫効果に支配されたアリアの体は、目の前の雄と番うことしか考えられなくなっていた。
 期待したみたいに、体がどんどん熱を持つのがわかる。
「アリア、君が苦しんでいるのを知らないふりなんてできないよ。僕は、君が好きだから」
 そう言って彼は、そっとアリアを抱き寄せる。その声が普段の彼のものより熱を持つように聞こえるのは、願望なのか事実なのか。
 力は強くない。拒めば離れられるだろう。
 しかし、アリアは拒めなかった。
「怖がらなくていい。効果が切れるまで、一緒にいよう」
 耳元で囁かれ、心臓が大きく跳ねる。
(どうしよう……どうしよう……抱きしめられただけで、もう気持ちがいい)
 彼の体の大きさ、ぬくもり、匂いに、興奮してきているのを自覚した。
 それだけでなく、大きな腕に抱きしめられて胸が満たされるような安心感を覚えていた。
(男の人にこんなふうに触れられるのなんて初めてで、怖いはずなのに……オーラフの腕の中は、ドキドキするけど安心する。ここにいれば、大丈夫だって気持ちになる)
 自分の中に生まれた確かな感情に、アリアは戸惑っていた。
 だが、その感情にゆったりと向き合っている余裕はない。
「じゃあ、少しずつ準備をしていくからね」
「ん……」
 優しく髪を撫でられたかと思うと、オーラフに口づけられた。
 初めは唇と唇が触れ合うだけの接吻だったのに、やがて歯列をこじ開けるように彼の舌が口内へと入ってきた。
 他人の舌が口内に入ってくるなんて本来気持ちが悪いことのはずなのに、それは甘く心地よかった。
「っ、ふ、ぁんっ……!」
 口づけで体の緊張がほぐれた頃、オーラフの指が脇腹をそっと撫でた。たったそれだけのことで、アリアの口からは甘い声が漏れ、腰が跳ねた。
「……敏感で可愛い。魔植物のせいなのかな。それとも、アリアがもともと敏感なのかな?」
「わ、わかんない……」
 アリアの様子を観察しながら、オーラフは脇腹から太もも、首筋から乳房へ、指や舌を這わせる。
 どこに触れられても、どんなふうに触れられても、アリアの体はそれらをすべて快感として拾った。
 自分で触れても何も感じない場所なのに、彼に触れられると信じられないほど気持ちがよかった。
 これまで聞いたことがないような自分の声が漏れるのを聞きながら、アリアは羞恥と快感に溶かされ、どんどん高ぶらされていく。
「そろそろ、いいかな」
 やがて、オーラフがそう言ってゆっくりとアリアの両脚を開かせた。
 彼の視線はその中心、アリアの秘められた場所に注がれている。
 アリアの恥ずかしい場所を見つめているはずなのに、彼の顔には得も言われぬ幸福そうな笑みが浮かぶ。
「すごい……濡れてる」
「んっ、ゃ……」
 そっと触れられているだけで、湿った音がした。濡れている証拠だ。
 その手の知識が年齢のわりにあまりないアリアでも、そこが濡れるのは受け入れ準備が整ってきた証だというのは知っている。
 男女の営みというのが重要な関心事だという人もいるため、行為がうまくいくようにと薬を依頼されることもある。男性の場合は自身の力強さを、女性の場合は深い潤いを手にしたいという願いを持って薬を求める。
 だから、潤ったということは行為の成就に近づいているのだと、初心なアリアにも理解できた。
 状態としては、もう挿入可能なのだろう。
 魔植物の毒の催淫効果により高ぶらされているアリアは、早く体の奥まで触れられたくてたまらなくなっていた。
「……オーラフ……もぅ……」
「だめだよ。いくら毒のせいで感じやすくなっていたとしても、きちんとほぐさないと」
「んんっ……」
 オーラフの指が、秘裂を割って進んできた。濡れそぼつ肉襞の間を、指一本とはいえ異物が侵入してきたことで、アリアの体は敏感に反応していた。
 感じやすい場所に触れられた気持ちよさと、不慣れな場所に押し入られる異物感が両立している。だが、毒の効果かすぐにそれは快感だけに塗りつぶされ、ゆっくりと指を抜き挿しされる頃には、アリアの腰はねだるように揺れていた。
「……ぁ……だめ……ん……あぁ……っ」
 指が二本に増やされると、淫らな水音は大きくなっていく。
 アリアの中に湧き上がる快感も増していき、頭から爪先までさざ波が広がるように伝わったかと思うと、やがて大きな塊となって、パチンと弾けた。
「……ゃっ、あっ……あぁっ……あぁぁ、んっ……!」
 ひと際甘い声で啼いて、アリアはピンと爪先を伸ばして大きく体を弓なりにした。
 蜜壺に咥え込んだオーラフの指を、切ないほどに食い締める。
 指での愛撫で、達してしまったのだ。
 それは、初めての感覚だった。
 知識では知っていた、〝果てる〟という感覚を、アリアは身をもって知ったのだ。
「上手に果てられたね……どう? 毒の効果は抜けたみたい?」
 頬を染め、肩で息をするアリアを見つめて、オーラフが尋ねてきた。
 アリアが返事をするより先に、まだ指を咥え込んでいる蜜壺がわななく。下腹部が疼いて、ちっとも毒が抜けていないことを知らせてくる。
「……だめ、みたいです……お願い……指じゃ足りなくて……」
 羞恥に顔を真っ赤にしながら、アリアは涙ぐんでいった。毒がそうさせているのだが、あまりにも淫らだ。
 自ら進んで抱いてほしいとねだるなんて、ふしだら極まりない。曲がりなりにも令嬢として育てられたアリアにとっては、それは恥ずかしい行為だった。
「……わかった。喜んでお相手するよ」
 はっきり〝何を〟と言えなかったのに、オーラフは意地悪なことを言わずに頷いてくれた。むしろ彼は、本当に嬉しそうに微笑んでいる。
 彼はトラウザーズの前を寛げると、その下に窮屈そうにしていた自身を取り出す。
 自分の体にはついていない見慣れない部位に、アリアの視線は釘付けになってしまった。
(あんな大きなもの……どうしよう……)
 怖いという気持ちが湧くが、体は期待しているのがわかる。彼のものを見た途端、下腹部の疼きが一層増したのだ。
 早く奥まで欲しい、濡れた蜜壺を激しくかき回してほしい──そんな欲望が脳を焼くようだった。
「じゃあ、挿れるよ」
「はい……ん、んッ……!」
 滴るほどに蜜をこぼす秘裂に、彼の屹立の先端が押し当てられた。少し力を入れただけで、そこは彼を呑み込んでいく。
 指でほぐされているとはいえ、それはこれまで誰にも触れられてこなかった場所だ。
 体を内側から押し広げられるかのような圧迫感に、アリアは怯えていた。
 だが、彼のものはあまりにも気持ちがよかった。
「アリア、ここ、好きなの?」
「ぁ、あぁっ……だめ、そこ……っ」
「腰、揺れてる……かわいい。たくさん擦ってあげる」
「んんっ!」
 ゆっくりと、試すように浅いところを抜き挿しされるだけで、アリアは再び達してしまった。
 一度果てたことで、体の敏感さが加速度的に増していくのがわかる。
「締めつけが、すごいな……ただでさえ狭いのに、こんなに締めつけられたら……っ」
 角度を変え、少しずつ深さを変え、オーラフは探るように腰を振った。アリアへの気遣いが感じられる動きだが、それも少しずつ余裕をなくしていく。
 何度も繰り返し絶頂を迎えるアリアの内側は、オーラフのものを切なく甘く締めつけていた。
 アリアが締めつけると、彼は眉根を寄せて吐息を漏らす。苦しくさせたのかと心配したが、締めつけるたび彼の腰の動きが激しくなることから、彼もまた気持ちがいいのだとわかる。
「そんなに、だめぇ……ゃ、あぁっ……また、……またイッちゃぅっ……!」
 蜜に濡れた肉襞は、快楽にわなないて屹立をきつく締めつけた。吐精をねだるその動きに耐えきれず、だんだんと抜き挿しする彼の動きも激しくなっていく。
「あぁ……アリアッ……君の中は、なんてよすぎるんだ……だめだ……っ」
 激しく抜き挿しを続けていたオーラフだったが、果てが近いことを感じたのだろう。
「アリア、アリアッ……出る、出るよ……っ!」
「あぁぁっ、んっ……!」

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