ただの恋人役ですが、想い続けた年上社長が本気の溺愛で離しません
著者:有允ひろみ
イラスト:小島きいち
発売日:2024年 11月29日
定価:620円+税
血の繋がらない叔父・晴成に長年片思いしている佐久間美羽は、夜な夜な彼と結ばれる妄想で自身を慰めている。
そんな美羽は現在就職活動中で、次の仕事が決まるまでという条件で、晴成と同居生活を送っているのだが――。
前職を上司からのセクハラで辞めた彼女は就活がうまく行っていない原因は、
過去のトラウマにより軽い男性恐怖症になってしまったことにあると考え、名案を思いつく。
それは、晴成に恋人のように触れてもらい、男性への恐怖心を和らげる「恋人ごっこ」というもので……!?
そんな美羽にとって一石二鳥な「恋人ごっこ」だったのだが、
「どうした、ぼおっとして。大丈夫か?」
恋人モードの晴成は、美羽の妄想よりも甘くセクシーだった――!!
【人物紹介】
佐久間美羽(さくま みわ)
就活中の24歳。
明るく前向きな性格をしている反面、気の弱いところがある。
過去の職場でのトラウマが原因で男性に苦手意識を持っているが――。
佐久間晴成(さくま はるなり)
インテリア会社「サクマ・インテリオル」社長の36歳。
真面目で温厚な性格。
美羽の血の繋がらない叔父で、彼女と同居している。
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【試し読み】
晴成が、美羽を抱き寄せたままソファから立ち上がった。
美羽は彼にエスコートされてリビングをあとにして、バスルームに向かう。
緊張と興奮がないまぜになり、歩く足がふわふわする。
急展開に頭がついていかないのは、これで何度目だろう?
顔が燃えるように熱いし、心臓が尋常じゃない速さで脈打っている。自分に落ち着けと言い聞かせるも、効果などあるはずがない。
はじめての事だけに展開が予測できず、美羽は晴成に導かれるままにバスルームに向かい、洗面台の前で立ち止まった。
ベージュを基調としたシックな色合いのそこは、美羽が学生時代に住んでいたワンルームマンションと同じくらい広く、その先にある脱衣所とバスルーム同様大理石でできている。
美羽を抱き寄せていた手を離すと、晴成がTシャツを脱いだ。
鏡越しに逞しい上半身が目に入り、それに視線が釘付けになってしまう。
美羽が形見を見つめたまま微動だにしないのを見て、晴成が小さく笑い声を上げた。
「脱ぐの、手伝おうか?」
そう聞かれて、無意識に頷いてしまった。前言撤回する暇もなくツーピースを脱がされ、ベビードール姿になる。
彼の視線に晒され、全身が熱く火照り出した。生地が薄いから、本来隠れる場所が、丸見えになっている。
「美羽……すごく素敵だよ。それに、とてもエッチだ。せっかくのプレゼントだし、ぜんぶ脱がせる前に少しだけ今の美羽を堪能させてもらおうかな」
晴成の掌が右乳房を下からすくい上げ、軽く揉みしだいてくる。首筋をぺろりと舐められ、早くもまともに立っていられなくなった。
「もうかなり興奮しているみたいだな? ほら……ここがもう硬くなってる」
「ひっ……」
指先で乳嘴を撫でおろされ、思わず仰け反って声を上げる。そうしている間にもう片方の彼の手が美羽のTバックの前に触れた。
「こっちはどうかな? 一緒に見てみようか」
晴成が少しうしろに下がり、美羽の左脚を腕ですくい上げる。
桜色のペディキュアを塗ったつま先が床を離れ、洗面台の上に移動した。
大きく脚を広げるような格好になり、美羽は今までに味わった事のないほど強い羞恥心に囚われて顔を真っ赤にして目を潤ませる。
小さな三角生地の先にあるクロッチ部分は、布の面積が小さすぎて、こちらも全体を隠しきれていない。
「美羽のここ、ふっくらとして可愛いね」
晴成がそこを指でゆっくりと撫で回す。鏡越しに目が合い、にんまりと微笑まれる。
「や、ぁんっ……」
美羽は掠れた悲鳴を上げ、彼にもたれかかりながら身もだえをした。
触らなくても、もうそこが愛液にまみれているのがわかる。濡れているせいで生地が余計透けてしまい、クリトリスが硬く腫れあがっているのが、はっきりとわかった。
「晴成さんっ……。は……はずか……あぁんっ!」
掌で脚の間をゆっくりと撫で上げられ、頭の芯がカッと熱くなった。
晴成に、恥ずかしいところを見られ、触られている。
夢みたいだけれど、夢じゃない。
頭の中で何度となく繰り広げてきた妄想が、今まさに実現しようとしているのだ。
「恥ずかしいのか? だったら、もっと恥ずかしくしてあげようかな」
晴成がTバックの腰ひもを解いた。かろうじて隠れていた秘所があらわになり、いやらしく濡れているそこがはっきりと鏡に映し出される。
「美羽、念のためもう一度聞くけど、ここにあの紫色のいやらしいものを挿れた事はないか?」
彼の舌が美羽の耳のうしろを舐めた。
美羽が激しく震えて腰砕けになっていると、晴成が耳朶を軽く噛んで追い打ちをかけてくる。
「正直に言ってごらん」
晴成の指が秘裂を撫でながら、蛇行する。
自慰とは違い動きが予想できないし、自分でするのと比べ物にならないほど気持ちいい。
何より、晴成にこんな事をされているという事実が、嬉しくてたまらない。
好きな人の愛撫に反応して、蜜窟がひっきりなしにひくついている。
淫らすぎる光景を目の当たりにして、美羽はいっそう目を潤ませて鏡に映る自分達に見入った。
こんな姿を晴成に見られるなんて、恥ずかしすぎる──。
けれど、同時に沸き立つような高揚感に囚われ、彼に痴態を晒している今を楽しんでいる自分に気づいてしまう。
「さっき、嘘をついたらお仕置きをすると言ったけど、正直に言えばもっとお仕置きをしてあげるよ」
耳の下に吸い付かれ、そこを甘噛みされる。
声を上げながら身を捩り、ハアハアと荒い息を吐いた。
「それ……言わないほうが、いいって事でしょう?」
美羽が喘ぎながら訊ねると、晴成がニッと微笑んで首を傾げた。
「どうかな? 美羽にとって、どっちがより魅力的か考えてみればいいんじゃないかな」
「あ、んっ!」
指先で乳嘴を捏ねられ、身体が前に倒れそうになる。
それをそっと腕で抑え込まれて、その拍子にベビードールの前を留めているリボンが解け、両方の乳房があらわになった。
薄桃色の乳暈が小さなパンケーキのように、ふっくらと膨らんでいる。
晴成の視線が、鏡に映る美羽の裸体にねっとりとまとわりつく。彼が、ごくりと唾を飲み込む音が聞こえてきた。
(晴成さんに、ぜんぶ見られちゃってる……)
恥ずかしさの限界を超えてしまったのか、もしくはもともと露出したり見られたりする事に快感を覚える質なのか──。
さっき晴成が言った意味が、今ならはっきりとわかる。
願わくは、晴成にもっと自分の恥ずかしいところを見てもらいたい。
彼にありとあらゆる恥ずかしい事をされて、嬉々としてそれに耐える姿を見てほしいと思う。
きっと晴成は、美羽のそんな気持ちを見透かして、お仕置きというご褒美をくれようとしているに違いなかった。
「本当は、ほんの少しだけ……挿れてるの。嘘……ついてごめんなさい」
いろいろな気持ちが交じり合い、話す声が上ずっている。
恥ずかしくてたまらない。
けれど、そんな自分を晴成が見てくれている事に、この上ない悦びを感じている。
「正直に言えて、えらかったな」
晴成が美羽のこめかみにキスをして、乳房をやわやわと揉み込む。
乳房への刺激と褒められた嬉しさに、美羽の心と身体が悦びに打ち震える。
「ご褒美に、お仕置きをしてあげないと……。だが、まずはよくここを観察してからだ」
晴成の指が花房を左右に押し広げ、秘裂の全貌があらわになる。
自分でも見た事のない光景が鏡の中に映し出され、美羽は目を大きく見開きながらそこに見入った。
「ふむ……綺麗な色だ……。これは、薄紅梅色かな? いや、もっと初々しい感じだから、桃花色のほうがしっくりくるな」
晴成が独り言のようにそう呟き、指先で蜜窟の前庭を優しくトントンと叩いた。
指の腹に愛液がまとわりつき、ぴちゃぴちゃという淫らな音を立てる。
指が秘裂を撫でながら、ゆっくりと蛇行しはじめた。同時に指の腹で花芽をこすられ、敏感なそこが早々に硬くなる。
「ぁ……あっ……。っくぅっ……」
腰が跳ね、床についているほうのつま先が宙に浮いた。
洗面台は奥行きがあり、シンクの手前にも十五センチ程度の余裕がある。
背中を大きく仰け反らせると同時に、両方の足が洗面台の上に乗った。
鏡との距離が縮まり、秘所の細部までわかるほど近くなる。
晴成が美羽の太ももを抱え、双臀を洗面台の縁に乗せた。そうしようと思わないのに、脚を広げ秘所を見せつけるような格好になった。
「ほら、こうすればもっとよく見えるだろう? ……お仕置きとして、ここを少し虐めてあげようかな」
晴成が微笑み、指先でツンと尖る花芽を摘まんだ。
「ひぁっ!」
目の前で火花が散り、身体の中を電流が走り抜ける。
浮き上がりそうになる腰を片手で押さえつけられ、突起した花芽を指の腹でコリコリといたぶられた。
「ぁあんっ! あっ……あ……!」
乳嘴を同じようにされて、快感が脳天を突き抜け、一瞬意識が飛びそうになった。
晴成は指の動きを止めないまま、鏡越しに美羽と目を合わせながら耳朶に舌を絡めてくる。
「美羽がこれほどエッチな子だとは思わなかったよ。ほら、見えるだろう?」
晴成の視線に誘導されて下を見ると、秘裂全体が溢れ出る愛液にまみれている。
彼が花房をさらに左右に押し広げた。前庭の下にある蜜窟の入り口を伝う愛液が、会陰から後孔に向かって伝い下りる。
晴成がそこをじっと見つめ、満足そうに目を細めた。
前だけならまだしも、うしろまで見られてしまうなんて……。
恥ずかしすぎて目をそむけたくなるも、どうしてもそうできない。
これほどの痴態を晴成に見られている──。
呼吸が乱れ、身体のあちこちに欲望の火が点く。
息をするたびに胸が上下して、晴成の指にこすられた乳嘴がいっそう敏感になって疼き始める。
「前とうしろがヒクヒクしてるね。すごく、いやらしいよ」
鏡を見たり指摘されるまでもなく、そこがひっきりなしに蠢いているのがわかった。
滾々と溢れ出る愛液が、後孔を過ぎて洗面台を濡らしている。
もっと弄られたい──。
美羽がそう思っているのがわからないはずがないのに、晴成はわざとのように緩やかな愛撫をし続けている。
美羽は焦れて、無意識に唇を舐めたり噛んだりした。
(これもお仕置きなの?)
そう思うと、焦れったさがワクワクに変わる。
じっとしていられなくなってもじもじと腰や脚を動かしていると、晴成がにんまりと笑って美羽の目尻に唇を寄せた。
「美羽、もっとはずかしくて気持ちいい事をしてあげようか?」
低い声で囁かれ、美羽は即座に頷いて期待を込めた目で彼を見つめた。
晴成に身体の向きを変えられ、洗面台に腰掛けたまま彼と向かい合わせの姿勢になる。
前かがみになった晴成と目の高さが同じになり、彼と正面から見つめあった。
晴成の瞳の奥に、欲望の炎が燃え盛っているように見える。
もしかして、キスをされるかも?
期待で胸が痛いほど高鳴り、唇がぶるぶると震え出した。しまいには歯がカチカチと音を立てはじめ、緊張のせいか瞬きが早くなる。
「どうした?」
晴成が、そう訊ねるなり腰を落とし、美羽の前に跪いた。
肩透かしを食らった──。
そう思ったのもつかの間、軽く開いたままだった脚の間にぢゅっと吸い付かれる。
「あああっ! あっ、あ、あ……!」
凄まじい快楽を感じて、美羽は身体を仰け反らせて叫んだ。
強すぎる愉悦のせいで頭がぼおっとする中、下を向いて自分が今何をされているのかを目の当たりにした。
薄い柔毛の向こうに晴成の顔があり、秘裂を丁寧に舐め上げている。
「は……るなりさ……あっ……ああ……」
美羽の声に反応して、晴成が舌をそこから離さないままで顔を上向けた。彼の目が細くなり、片方の眉尻が吊り上がる。
視線を合わせたまま舌先で花芽を捏ねられ、顎を上向けて身もだえた。強く吸われて、包皮の中に隠れていた花芯が剥き出しになる。
自慰をしている時ですら一度も触れた事がないそこを攻められ、身体全体が快楽のるつぼと化す。これ以上ないと言っていいほど感じさせられ、美羽は固く目を閉じて一気に昇りつめた。
「ああああっ!」
座っていた体勢が崩れ、前のめりになったところを晴成に助けられる。立ち上がった彼の肩に頬を載せ、はあはあと荒い呼吸を繰り返す。
晴成に背中を優しく撫でられ、頬にキスをされた。
そこに唇を寄せたいのに、全身が痺れたようになっていて指一本動かせない。とても気怠くて、とろとろの蜂蜜に身体ごと浸されているみたいだった。
今までで一番強い絶頂を味わい、美羽はその余韻から抜け出せずにいる。
「お仕置きが気に入ったみたいだな」
晴成の声に頷くと、美羽はようやく少し動かせるようになった手を彼の肩に回した。
いつの間にそうなったのか、ベビードールとTバックが洗面台の一角に置かれている。
自分は今、生まれたままの格好で晴成と抱き合っているのだ。
ずっとこうしていたいし、もっと彼にいろいろな事をしてほしい。
それに、自分からもしてあげたい──。
そんな事を思っていると、晴成が美羽の身体を持ち上げて横抱きにしてきた。
「だけど、今日はもうここまでにしておいたほうがよさそうだ」
晴成がそういうなり、洗面所を出て廊下に向かおうとする。
それに気づいた美羽は、慌てて首を横に振った。
「それは、嫌っ……。まだ、終わりたくない」
顔を上げると、ほんの数センチの距離に晴成の顔がある。
美羽はとっさに腕に力を込め、身を乗り出すようにして彼の唇にキスをした。
ついさっきまで、あれほどいやらしい事をしていたにもかかわらず、唇を合わせたとたん胸の中がキラキラとしたときめきでいっぱいになる。
晴成への想いがどうしようもなくこみ上げてきて、居ても立っても居られない気分だ。
半開きだった唇の中に、晴成の舌が入ってくる。
美羽は夢中になってそれに吸い付き、拙いながらも必死になって舌を絡みつかせる。