スーパードSな冷徹上司は××でした!? ~ハジメテなのに極上愛撫で啼かされて~
著者:小日向江麻
イラスト:カトーナオ
発売日:2024年 11月29日
定価:630円+税
大手ビールメーカーで働く瑞原咲良の悩みは、周囲から「いい女」だと勘違いされているせいで、よく恋愛相談をされること。
そんな彼女が気になっている相手は、仕事にストイックすぎるせいで、影で「スーパードS」と呼ばれている小田切係長。
ある日、小田切と2人きりで飲みに行くことになった咲良は、話の流れで彼から経験がない――童貞だと告白され……。
驚く咲良だったが、小田切から経験豊富な咲良に手解きをしてくれないかとお願いされてしまい!?
「……不甲斐ない上司で悪いけど、女性のこと……いろいろ、教えてほしい」
本当は自分も経験なんてほとんどない咲良だが、好きな人からの切実なお願いを断れるはずもなくて……――。
さらには童貞なはずの小田切はとんでもない絶倫だった――!?
【人物紹介】
瑞原咲良(みずはら さくら)
28歳の会社員。
異性の同僚からもよく誘いを受けるほどの高嶺の花的存在だが、本人はそれを鼻にかけることなく親しみやすい性格。
男性経験はほとんどないのだが、なぜか周囲から「いい女」だと勘違いされており……。
小田切俊哉(おだぎり としや)
32歳。咲良の上司。
影では「スーパードS」と呼ばれている。
見た目は冷たそうに見えるが、好きになったらとことん甘やかして溺愛する一面も。
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【試し読み】
「――でも、教えてくれる?」
「いいですよ。目、瞑ってくださいね」
言われるがまま、彼が改めて目を閉じた。さっきから思っていたけれど、近くで見ると係長のまつげは意外に長くてふさふさだ。
彼の肩にそっと片手を乗せると、ぴくん、と震えた気がした。
――もしかして、意識してくれているのかな。だったらうれしい。
もう片方の手を彼の後頭部に回して、優しく引き寄せる。シャワーのあとだから、髪は少ししっとりした感触がした。私は胸を高鳴らせながら、彼の唇に口付ける。
「んっ――」
誰かの唇に触れたのはどれくらいぶりだろうか。
――男の人の唇って、こんなに柔らかいものだっけ?
温かくて心地よくて、私は無意識のうちに唇を何度も触れ合わせた。
「瑞原さん――」
彼にとってはそれがじれったかったようだ。やがて触れ合った唇を割り、厚い舌が入り込んでくる。
「ふぁ、ん、んんぅ……」
舌先を細かく、優しく動かしながら、私の舌に絡める。口のなかでもっとも繊細なその場所が触れ合うと、頭の奥が蕩けていってしまいそうな恍惚が駆け抜ける。
――うそ。係長、キスが上手……!
『絶対テクあると思うんだよね。キスとかすっごい上手そうじゃない?』
いつかの侑里ちゃんの台詞が頭を過った。キスに関しては、彼女の予想通りだったみたいだ。
――いけない、いけない。手解きをするんだから、私がきっちり係長をリードしないと。
「……キス、上手ですね」
このままだとキスだけでどうにかなってしまいそうだ。片手でやんわりと彼の胸を押しながら、唇を離してつぶやく。
「そう?」
「はい。まるで女性を知らない人じゃないみたい」
正直な感想を述べつつ余裕ぶって笑ったのは、そうすれば『慣れてます感』が出ると思ったからだ。翻弄されっぱなしになっているわけにもいかない。
「……触ってください。私の身体、係長の好きなように」
自身のバスローブの合わせ目を示しながら、私はちょっと挑発的に誘ってみた。すると、眼鏡越しの彼の目の色が明らかに変わった。
私をほしいと思い始めてくれている。そんな確証を得ながら、私はわざとらしく「あぁ」となにかを思い出したふりをした。
「――この呼び方じゃ雰囲気出ませんね。今だけ、仕事のことは忘れましょうか」
私の脳裏には、弥々ちゃんから聞いたエピソードが過ぎった。
彼女が旦那さんを意識するようになったきっかけは、ふたりで出かけたとき不意に名前で呼ばれたことだったらしい。それまで苗字にさん付けで呼ばれていたのに、いきなり「弥々ちゃん」と。
呼び方は重要だ。普段他人の目に触れない場所まで晒そうというのに、よそよそしくてはムードも出ない。
係長の下の名前は――俊哉(とし や)さんだ。私はぞくぞくとした心の高ぶりを伴いながら、微笑んで口を開く。
「……俊哉さん。私のことは、咲良って呼んでください」
呼んでしまったあとは、身体がカッと熱くなった。羞恥と、それを上回るときめきが胸を甘苦しくする。
「さく、ら……」
係長――ううん、俊哉さんが私の名前を口にした瞬間、身体に痺れるような衝撃が走った。熱に浮かされたような顔をしているのに、唇からこぼれた声はどこか優しい。
……自分の名前を呼ばれただけなのに、こんなに満たされるなんて。
「俊哉さん、触って」
得も言われぬ興奮に突き動かされ、俊哉さんの手を取った。女の私とは違う、男性のごつごつした大きな手のひらを、少し撓んだバスローブの胸元に導いた。
「っ――……」
バスローブの生地の上から、彼の手のひらが遠慮がちにまさぐってくる。肌触りのいいタオル地を隔てても、手のひらの熱さが伝わってきて、私は吐息のような声をもらした。
――その感触を、直接知りたい。
「ぁっ……!」
再び彼の手を取って、今度は合わせ目の内側に導く。
遮るものがなくなった膨らみを、俊哉さんに優しく捏ねられると――指先の温もりをダイレクトに感じて、それだけで上半身が震えた。
「……柔らかい。それに、肌が指に吸い付いてくるみたいだ」
しっとりと汗をかきはじめているのは、熱いシャワーを浴びたせいではなく、俊哉さんに触れられているからに他ならない。
「見てもいい?」
胸元に視線を落としていた俊哉さんが、私の目を見つめて問うてくる。
うなずくと、彼はバスローブの合わせ目を緩め、大きく広げた。タオル地の間から、ふたつの膨らみが顔を出す。
「……きれいだ」
「あまりじっと見られると……恥ずかしいです」
突き刺さるような視線を感じて、反応に困ってしまった。
……いや、照れていてはだめだ。
『いい女キャラ』はこんなことでは動じないはず。もっと堂々としていなくては。
「すごい……手のひらに収まらない」
そんな自己暗示をかけていると、俊哉さんの呼気が徐々に荒くなっていくのを感じた。片手で片方の膨らみを持ち上げながら撫で回される。
ブラのサイズはアルファベットの五番目で、女友達からは着替えの際に「意外とあるんだね」と言われることが多い。俊哉さんの言う通り、彼の所作によって形を変える膨らみは、大きな手のひらからこぼれている。
「んっ、んぁ……」
俊哉さんの眼差しが、ふたつの膨らみへと熱心に注がれているのがわかる。乾いた指先の、微かなタッチがくすぐったい。
「もう少しだけ、強く揉んでも大丈夫、ですっ……」
「わかった」
身を捩りながら囁くと、俊哉さんの指先に少し力がこもった。皮膚の下の脂肪の弾力を確かめるような手つきで、愛撫を続ける。
「ぁ、ああっ……」
あの小田切係長に胸を愛撫されてる。その事実だけでも身体は高ぶっていく一方なのに、触れる手のひらや指先を通して彼の温もりを感じると、下腹部に切ない感覚が広がっていく。
「あの……ここ、も」
時折手のひらが胸の頂に触れて擦れるのが、たまらなくもどかしい。もっと、ちゃんと触ってほしくて、彼の手をその場所に誘導する。
「どういう風に触るのが気持ちいい?」
私の反応を窺うように、彼が視線とともに問いかけてくる。
「指先で……撫でたり、摘んだりっ……」
私の指示通り、俊哉さんは胸の先を転がすように撫でたり、摘んだりし始めた。
「……だんだん硬くなってきた」
「ぁあんっ!」
直接言葉にされると恥ずかしくて、私は頬が火照るのを感じながら唇をきゅっと結んだ。けれど、ピンと勃ち上がった先は、愛撫を施されれば施されるほど敏感になっていく。与えられる悦びに対して素直に反応し、鼻にかかった声が勝手にこぼれ出る。
「――んん、ぁあっ……そうです、そんな感じでっ……!」
初めてと言う割りには、絶妙な力加減だ。強すぎず弱すぎずの刺激にうっとりとしながらうなずくと、俊哉さんは唇の端を微かに上げて笑った。
「こっちもしていい?」
「ん、んんんっ……はいっ……」
律儀に私の返事を待って、左右の膨らみを同時に捏ね始める。膨らみを中心に寄せてみたり、捏ね回したりしたあと、興奮でほんのりと色づくしこった先端を優しく扱き始める。
「気持ちいい?」
「は、はいっ……ん、は、ぁあっ……!」
淡い快感が弾け、ぞくぞくとした愉悦に背を撓わせる。
……気持ちいい。でも、私も負けてはいられない。
「お返しです」
「っ……?」
私は俊哉さんのバスローブの合わせ目に手をかけて言うと、左右に開いた。想像よりも厚い胸板が露出する。
――スタイルがいいのは知っていたけど、脱ぐと意外と頼もしい体形をしてるんだ。
ドキドキしていることを悟られないうちに、彼の両肩にそっと手をかけ、胸元に顔を埋める。
「お……男の人も、ここをされると気持ちいいんですよ。知ってます?」
私はそう告げると、片手を彼の脇腹の近くに添えながら、逞しく隆起した胸筋の中心にある蕾にキスを落とした。
「っ、く……」
すると、微かにもれる声を噛み殺しながら、俊哉さんが小さく震えた。
実は男性の胸を愛撫するのはこれが初めてだ。webを徘徊してるときに見つけた、「乳首への愛撫は男性もよろこぶ」という情報を思い出し、場当たり的に実行してみた次第だ。彼のリアクションを見るに、その情報は正しかったらしい。
うれしくなった私は、ちゅ、と音を立てながら、何度も唇を押し当てる。そのたびに、俊哉さんは眉を顰め、切なげな吐息をこぼした。
――悦びに耐えてる男の人の顔、すごくセクシーだな。俊哉さんだから余計にそう思うのかもしれない。
もっと気持ちよくしたい。私は舌を出して突起を舐め上げた。
「っ、ぁ……」
すると今度は明確に喘ぎのようなものがこぼれる。それまでよりも強い刺激を感じている証拠だろう。私は舌先を細かく動かしながら、快感を高めていく。
「……っ、ん……どう、ですか?」
両方の蕾を丹念に舐めたあと、視線を上げて彼の様子を窺ってみる。
「……気持ちいい……」
大きな声がもれないようにするためなのだろう。俊哉さんはバスローブの袖の部分を口元に押し当てていた。それくらいに感じてくれていたということか。
「よかった」
愛撫の仕方が合っていたことにも、俊哉さんに気持ちよくなってもらえたことにも。どちらにも安心して、脇腹に添えていた手を自身の膝の上に置こうとした。
「――……」
そのとき、彼の腰のあたりでなにかに引っかかった。視線を下ろすと、バスローブの生地を押し上げて、存在を主張するものが映る。
――これは間違いなく……俊哉さんの、だよね。
「うれしいです。反応してもらえて」
「っ、これは――」
私がふっと笑うと、俊哉さんは苦い顔をして取り繕うとした。
「いいんですよ。その気になってくれてうれしいです」
こんな風に局部に注目されるのも初めてなのだろう。
彼が狼狽する様子はレアだ。これでイニシアチブを取りやすいと安堵したのもあって、私は俊哉さんを安心させるように優しげな口調で囁いた。それから、バスローブ越しに屹立を撫でてみる。
「っ……?」
――って、あれ……? なんだか、私の知ってるそれより全然大きいような……?
「っ、は……」
「すごい……こんなになって」
直接的な刺激に息を詰まらせる俊哉さん。私は生地の上から熱杭を上から下へ、下から上へと何度か撫で擦り、さり気なく親指と中指で輪を作り、サイズを確認する。
……指が回り切らない。
生地の厚みがあることを考えても、それでも大きい。大きすぎる。
こ――こんなに立派なものを持っているなんて聞いてないっ……!
行為自体が久しぶりだって言うのに、私に受け入れられるの?
……いやいや。無理でしょ。自信がない――
「苦しそうですね。ら……楽に、してあげたいなぁ」
ここまで来て急に弱気が顔を出した。私は瞬時に行為を諦め、とにかく俊哉さんを満足させて、休戦する方向にシフトチェンジした。
彼だって欲求が満たされればしばらくは落ち着くはず。今日はイベントでくたくただし、お酒も入っているし、そのまま疲れて眠ってくれれば理想的だ。
そうと決まれば実行に移したい。私は余裕ぶった笑みを貼り付けたまま、俊哉さんのバスローブから覗く脚を見やった。
ほどよく筋肉質でいて筋張った、スラリと長い脚。膝のあたりまでをカバーしている裾を大きく開いた途端、天を衝くようにしっかりと上を向いた怒張が、ぶるん、と露になる。
――やっぱり想定外の大きさだ……。
俊哉さんのそれは全体に赤黒く、先端は興奮の証に濡れ、鈴口に珠を作っている。括れの部分でさえも太ましく、根元に向かってさらに体積を増していく幹の側面には、血管が力強く巡っていた。
私は屹立に手を伸ばすと、まずは手のひらに先走りを纏わせた。それから、先端から根元にかけてをゆっくり撫でながら、優しく扱き始める。
「っあ……直接触られる、とっ……」
決して上手とは言えないだろう愛撫でも、彼には眩いものだったようだ。いつもよりも少しだけ高いトーンで、切なげに訴える。
「自分以外の誰かにされるの、初めてですか?」
私の問いに、俊哉さんは瞳を閉じて感じ入りながらうなずいた。
「そうなんですね。じゃ、いっぱい気持ちよくなってくださいね」
彼に触れたのは私が初めて。それを知ることができて素直にうれしい。
――じゃあ、いつもは『スーパードS』なんて言われている彼の、こんな切羽詰まった表情を見たのは私だけってことだ。
「ぬるぬるしてきましたね。いっぱい擦られて気持ちよくなっちゃいました?」
手のひらには、いつの間にか彼自身が吐き出す期待に満ちた滴りが溢れている。手を動かすたびにくちゅくちゅと淫らな音を立て、絶え間ない愛撫によって怒張がびく、びくと生き物のように跳ねる。
私は手元から顔を上げ、彼の表情を見ながら敢えて羞恥を煽るように訊ねた。
その瞬間、俊哉さんが困ったような、恥ずかしがっているような素振りを見せて軽く奥歯を噛み、視線を逸らした。
愛撫に翻弄されている俊哉さんを、とてもかわいい、と思った。オフィスではそんな感情が湧いたことはないのに。欲望で私の指先や手のひらを汚しながら愉悦に打ち震える彼に、止めどない愛しさがこみ上げてくる。
――もっとよがっている俊哉さんの顔が見たい……!
「っ、あ、だめだ――そんなに撫でたら、っ」
滑りがよくなったのをいいことに、指先を往復させるスピードを速めると、切迫した声音で俊哉さんが私の手を制そうとする。
「だめって、どうなっちゃうんですか?」
それを難なく払いのけると、私はちょっといじわるがしたくなって訊ねた。
「っ……瑞原さんっ……」
「咲良、ですよ、俊哉さん」
いつものくせで呼び方が戻ってしまったことを笑って指摘したあと、私が続けた。
「――教えてくれないとわかりませんよ? こうやって、いっぱい撫でたらどうなっちゃうか……ちゃんと教えてください」
訊ねながらも、愛撫の手は止めない。むしろ、それまでよりも緩急をつけ、彼が果てるのを促している節もある。
言葉で責めるのは有効であると、その手の指南本には記載されていることが多い。『スーパードS』の小田切係長に言葉責めなんて畏れ多いけれど、私が主導権を握っていることを示すには、もっともわかりやすい手段であるように思えた。
それに――純粋に、もっと私の知らない俊哉さんが見たくなった。
「っ、これ以上……されたら、もう……出そうだからっ……」
強い快感のせいか、呼気を荒く訴える俊哉さん。普段とは立場が逆転したかのような状況に興奮を覚えているのは私だけではないようだ。
それに気をよくして、私は屹立を握り込んでさらに激しく追い立てる。
「そうですね。でも……気持ちいいなら、出しちゃいましょうか? っ、ふ……俊哉さんが気持ちよくなるところ、見せてくださいっ……」
手のなかの銃身は暴発寸前だ。先端ばかりでなく幹も膨らみ、硬く張り詰めて解放される瞬間を待ちわびている。
「っ……ぁ!」