仮初めの恋人関係から始まる甘美な溺愛 ~極上御曹司の求愛で身も心も蕩けて~

書籍情報

仮初めの恋人関係から始まる甘美な溺愛 ~極上御曹司の求愛で身も心も蕩けて~


著者:臣桜
イラスト:石田惠美
発売日:2023年 5月26日
定価:630円+税

世界一のシェアを誇るECサイト『Universe foot』の日本支社の社長である海斗は
アメリカ本社の要人を迎えてアウトドア接待のときに彼のお子さんが大きな岩の上でバランスを崩した時、とっさに身代わりになった。
お子さんをしっかり抱きかかえたまま、地面に降り損なってしまい病院に行ってみると見事な骨折、入院コースだった。
都内にある『四つ葉記念病院』で入院することになった海斗は病棟勤務の看護師である紫乃のお世話になり同時に彼女に惹かれるのであった。
「紫乃さん、ほんの少しだけでいいから、話し相手になってくれませんか?」
この出会いをきっかけに、二人はとある場所で再会するのだが――!?

【人物紹介】

三浦紫乃(みうら しの)
病棟勤務で看護師の27歳。
看護師の仕事ではハキハキしっかり、合コンなどで出会った男性に母性や看護師としての自分を求められると
ハッキリ断り「思っていたのと違う」と言われる。けれど本心では誰かに甘えたいと思っている。
海斗には本当の自分を晒して甘えられる。

越智海斗(おち かいと)
ECサイトの日本支社社長。30歳。
仕事面では経営者として活躍しているものの、プライベートではやや抜けたところもあり
好きな人に対して余裕がないところも。包容力があり優しいタイプ。

●電子書籍 購入サイト

*取り扱いサイトは、各書店に掲載され次第、更新されます。

 

【試し読み】

 願望を見透かされて、私はドキッとして手を止めた。
 すぐに返事をできず、「そんな事思っていませんよ」と誤魔化そうとしたけれど、この怪しげな沈黙で私が動揺してしまったのは丸分かりだ。
「え……、えっと……」
 何と返事をしたらいいか分からず、私は言い淀む。
(『はい、したいです』って言ったら、店のルールを破ってくれるの? 本当は最後までしたいけど、怒られないの?)
 心の中ではおしゃべりな私が色んな事を訴えるけれど、リアルの私は不安げに唇を引き結んだままだ。
(それに他の女性客にも、同じように言ってエッチしているの?)
 彼はセラピストなのだから、考えるだけ詮無きことだと思っても、ついつい〝他の利用客〟の存在が頭をかすめる。
「紫乃」
 カイさんは私の手を両手で握り、自分もベッドの上に座って私の目を覗き込んできた。
「シンプルに考えて。俺とセックスしたい? したくない?」
 焦げ茶色の目を細め、彼が微笑む。
 そんな風に尋ねられたら、もう駄目だった。
 私の本音を縛っていた言い訳やルールなど、余計なものがすべて取っ払われてしまう。
 顔を真っ赤にし、私は唇を震わせながら勇気を出し、訴えた。
「……カイさんと……、したい、です……」
「……うん、俺もしたい」
 優しく抱き締められ、耳元で彼の同意を聞く。
 彼が同じ想いを抱いていたと知っただけで、体中が歓喜に満たされた。
「あの……」
 何か言いかけた私の唇に、カイさんが指先をそっと置く。
「今は何も言わないでおこう。あとで落ち着いたら色々話そう」
 そう言った彼の目には、私を求める熱が宿っていた。
 自分が無粋な事を言おうとしていたのに気づき、私は小さく頷く。
 色々、きちんとさせなければいけない事はあったけれど、その前にカイさんによって絶頂に導かれた私の体は、本当の悦びを求めていた。
 彼はまた私の目を見て微笑んでから、顔を傾けキスをしてくる。
 柔らかい唇がフワッと触れ合ったあと押しつけられ、チュッと軽くついばまれた。
 吐息が交じり合ったのもつかの間、カイさんは私の下唇に舌を這わせたあと甘噛みしてくる。
「ん……っ、ふ、……う、ぅ……」
 彼の唇と舌とに翻弄されている間、また胸が揉まれる。
 すでに全身にローションが塗られているので、ぬるつきがあって余計に悦楽を得てしまう。
 軽く撫でられただけで乳首が敏感に反応し、私の下腹に強い心地よさが伝わってくる。
「あ……」
 彼はバスタオルを敷いた上に私を優しく押し倒し、膝の裏に手を添えて脚を広げた。
 今度はアイマスクがない状態なので、「見られている」という意識がさらに強まる。
「大丈夫、怖くないよ」
 彼が囁き、微笑んだ。
 そしてカイさんは再度私の秘部に指を滑らせ、自分を受け入れられるかを確かめた。
「あ……」
 絶頂したてで敏感になっている場所に触れられ、私はうわずった声を漏らす。
 彼の指はふっくらと充血した陰唇を確かめ、指を軽く潜らせて膣内も準備ができているかを確認する。
「大丈夫みたいだね」
 軽く笑み、カイさんは一度ベッドから下りると荷物から避妊具の箱を出した。
 あれは今日のためなのかな? それともプライベート用なんだろうか。
 つい変な事を考えてしまったけれど、ゴムを装着している姿を見るのも珍しくて、ついつい盗み見してしまう。
 そうしているうちに、彼がベッドに戻って閉じていた私の脚を優しく広げた。
「怖かったり、痛かったら言って」
「はい」
 これでやっと処女を卒業できるのだと思うと、嬉しくて堪らない。
 しかも相手は極上のイケメンだ。
 ずっと、〝男性に抱かれて一人前〟という呪いが私を蝕んでいた。
 今の時代、お一人様であっても個人の自由だ。
 むしろ最近ではソロ活が讃美されている。
 今のままの私であっても、世間的には何ら問題はないんだろう。
「その人が幸せなら、他人の生き方に口を挟むものじゃない」と、常識人なら分かっている。
 それでも私は既存の価値観の中で生きている。
 アラサーになり、実家の家族には「恋人はできないのか」と気にされる。
 結婚しろと強制されてはいないけれど、親として子に一般的な幸せを求めているのは確かだ。
 私も結婚したいと思っているし、好きな人との間に子供をもうけ、幸せな家庭を築きたいと思っている。
 だから、その前に〝練習〟をしたい。
 本番で失敗して取り返しがつかなくなる前に、プロにお願いして一通りの経験をしたという事にしてほしい。
 そんな情けない自分に、思わず目に涙が滲んだ。
「怖い? やめようか?」
 私が目を擦ったのを見て、カイさんが気遣わしげに問いかけてくる。
「……いいえ。……あの、ずるいお願いをしていいですか?」
「どうぞ」
 カイさんは変わらない、温厚で優しい笑みを向けてくる。
「……今後、誰かに初体験の事を聞かれたら、元彼がいてその人としたって説明していいですか? 別れたあと写真は処分した事にして、ご迷惑を掛けないようにします」
「構わないよ。役に立てるのなら何よりだ」
 彼は私の見栄を笑わず、快く承諾してくれる。
 その間、胸やお腹を撫でながら、屹立を私の秘唇に滑らせていたので、少しずつその存在に慣れてきた。
「じゃあ……、あの、……お願いします」
 覚悟を決めてお願いすると、カイさんは私の手を取って甲にキスをした。
「優しくするよ」
 お姫様みたいな扱いをされ、私はもう恐怖心を手放していた。
 彼は私を愛しげな目で見たあと、肉竿に手を添えて亀頭を蜜口に押し当てる。
「少し痛むかもしれないけど、我慢しなくていいからね」
「はい」
 最後まで気遣ってくれたあと、彼は静かに息をついてから腰を進めた。
「ん……っ」
 蜜口に密着していたモノが、ゆっくり侵入してくる。
 指よりもずっと太い屹立を含み、私のあそこが目一杯拡がっているのが分かった。
「あ……っ、いた……っ」
 すぐ下腹部に鈍い痛みが訪れる。
 生理痛を重たくしたような感じで、耐えられない訳ではないけれど、痛い。
 息を吐いて眉間に皺を寄せる私を見て、カイさんは「ごめん」と呟いてからキスをしてきた。
 ちゅ、ちゅと優しく唇をついばまれると、その柔らかな感触に少し気が紛れる。
 痛いと言ってしまってから彼は動きを止めてしまったので、私は彼に向かって微笑んでみせた。
「お願いです。最後までして。大丈夫ですから」
「……ん、分かった」
 彼は小さく頷き、口元で「ごめん」と呟いてから少しずつ腰を進めていった。
 小さく腰を前後させ、愛液のぬるつきを利用して奥を目指す。
 痛い。
 ……けど、これでやっと処女を脱する事ができたんだという喜びがあった。
「もう少しで、……奥まで、届くよ」
 カイさんは呼吸を止めては吐き、苦しそうな表情をして私に教えてくれる。
 痛い……はずはないんだけど、つらそうな顔をしていると気になってしまう。
 不安げに彼を見ていたからか、彼が苦笑いした。
「ごめん、紫乃のナカがきつくて気持ちよくて、必死に自分を律していないと、欲望のままに動いてしまいそうなんだ」
 そう言われて、ブワッと赤面してしまった。
 あそこを気持ちいいって言われて、こんなに嬉しく感じるとは思わなかった。
「じゃあ……、好きにして……、いいんですよ?」
 私の体でもっと気持ちよくなってほしい。
 それは、生まれて初めて抱いた女としての悦びだった。
 カイさんは嬉しそうに微笑んだけれど、首を横に振った。
「男の快楽のためなら自分はどうなってもいいなんて、考えたら駄目だよ」
 窘められ、また思いきり赤面してしまう。
 こんな風にどこまでも女性に寄り添ってくれる彼の優しさに、心底感動し喜びを得た。
 彼は浅い呼吸を繰り返し、少しずつ腰を進め、やがて「ぁ……」と色っぽい息をつく。
「奥まで届いたよ。しばらく馴染むまで休憩しよう」
 お腹は相変わらずジンジンと痛んでいたけれど、少しずつ彼の屹立に慣れ始めていた。
 カイさんは私に覆い被さり、頬や額にキスをしたあと、微笑んでから唇にキスをしてきた。
「ん……、ぅ……」
 お腹の中を満たされたままキスをされる事の、何と気持ちいい事か。
 上も下もずっぷりと彼が入り込み、私を支配する。
 微かに腰を動かすとグチュリと淫靡な音がし、耳から興奮した。
 そして舌を絡めるいやらしいキスをし、私は口内で混じった唾液を嚥下する。
 頭の中も、体も、何もかもカイさんで一杯だ。
 ――好き。
 本能でそう思って、「初めてを捧げたから好きになるだなんて、なんて単純なのだろう」と心で自嘲する。
(今日が終われば赤の他人になってしまう。それなのに……)
 儚い関係に切なくなるも、これが自分の選択なのだと言い聞かせた。
 ちゅ……、ちゅ……と小さな音を立て、私はカイさんと何度もキスを交わす。
 私たちからは同じシャンプーの香りがして、とてもむず痒い気持ちになる。
 体にかかる僅かな重みに、素肌一杯に感じる彼の温もり。
 どうしてか分からないけれど、肌を晒し合い繋がっているだけで、泣きたくなるほどの安堵と多幸感を得た。
 「いつまでもこうしていたい」と願ったあと、「叶わない」と心で首を横に振る。
 それが切なくて堪らない。
 彼の唇が離れたあと、私は潤んだ目で言葉にならない想いを訴えた。
 けれど今はカイさんを好きだと思う気持ちは封印して、物分かりのいい客を演じるつもりだ。
 だから彼は、私が抱える想いを分かっていないだろう。
 それでいいと思って切なく笑うと、カイさんも微笑み返してくれた。
 やがて蜜壷が屹立に馴染んだ頃、彼はゆっくりと腰を動かし始めた。
「ん……っ、あ……、ぁ……」
 グチュッグチュッといやらしい水音が立ち始め、嫌でも聴覚から興奮していく。
 疼痛が収まった代わりに、私は次第に気持ちよさを得ていた。
 彼が動くたびに蜜洞が擦られ、ゾクゾクと全身に表現しきれない感覚が駆け抜けていく。
「んぅっ、んー、ぁ、あ……っ」
 体の奥から生じる衝動に、私は嬌声を上げ腰をくねらせる。
 心臓はドキドキと激しく鳴り、呼吸も荒くなって彼の事しか考えられなくなっている。
「紫乃……っ」
 彼も熱でかすれた声を漏らし、強い想いの籠もった目で私を見つめてきた。
 カイさんが腰を動かすたびに淫靡な音が立ち、隘路を太竿が前後して私の内側を擦りたてる。
 奥をトントンと亀頭でつつかれると、ほんの僅かに疼痛が残っているものの、じんわりと全身に悦楽が滲んでいく。
 そして享楽を得る感覚が引き上げられ、私はさらなる嬌声を上げた。
「あぁっ、あ! ……っ、あーっ!」
 あそこが……、熱くて堪らない。
 グチャグチャにとろけて煮えたぎって、勝手に彼の肉棒を包んで吸い上げる。
 脳の一部がジンと痺れたようになり、蜜壷が擦られる感覚にすべてが支配される。
 ――気持ちいい……っ!
 でも、……もうちょっと、あと少し……。
 そう思っていた時、上体を起こしたカイさんが、結合部から指に蜜をすくい取った。
「ぇ……、ぁ、っきゃあっ」
 何をするのかと思った途端、彼は私の淫玉にその指を這わせ、ヌルヌルと撫でてきた。
「ひ……っ、う、あぁ、あ……っ、あぁああ……!」
 分かりやすい快楽を得て、私は足を跳ね上げた。
 かと思えば足に力を入れて腰を浮かせ、その強い淫悦から逃れようとする。
「駄目だよ、紫乃。気持ちよくなって」
 腰を揺らしてヌチャヌチャと私の最奥を突き上げながら、カイさんは私の淫玉を撫で続け絶頂を促した。
「やぁあ……っ、駄目……っ、だめぇ……っ」
 私は両手でカイさんの手首を掴み、必死に抵抗する。
 すると彼は腰を止め、愉悦の籠もった目で私を見てきた。
「やめる?」
 頬を紅潮させ、呼吸を荒げた彼はこの上なく妖艶だ。
 そんな彼に「やめる?」なんて尋ねられるのは拷問だ。
「いやっ、やめたくない……っ」
 必死に顔を横に振って続きを乞うものの、ズンッと子宮口を突き上げられまた淫芽を撫でられて、すぐに後悔と絶頂の涙が零れ出た。
「――――っはぁっ、……あぁ、ああぁあ……っ!」
「く……っ、締まる……っ」
 蜜洞で思いきり彼の肉棒を喰い締め、私は目を見開いて天井を見上げながら、思い切り腰を反らした。
 ビクビクッとお腹の奥が意に反した動きで激しく痙攣し、きつく締まる。
 蜜壷がぎゅうぎゅうと何度も収斂している間、私は頭の中を真っ白にして口端からタラリと涎を零していた。
 すべてが真っ白になって全身が激しく緊張したあと、フ……ッと体が弛緩して大きな波を乗り越えたのを感じる。
「紫乃……っ、ごめん……っ」
 止めていた息を吐いたカイさんは、そのあとさらに腰を叩きつけ始めた。
 今までよりも遠慮のない腰使いでズンズンと最奥を亀頭で打たれ、絶頂したての私はさらなる善がり声を上げてのたうち回る。
「駄目ぇっ、あぁっ、あーっ!」
 蜜壷が勝手に痙攣して止まらない。
 気持ちよさが次から次に襲ってきて、私を逃がしてくれない。
 カイさんは食いしばった歯の間から荒々しい息を漏らし、私の淫玉をさらに捏ねながら深部をズグズグと突き上げてくる。
「……っあぁああ……っ、はぁああ、あ……っ!」
 頭の中が快楽に支配される。
 蜜壷をズボズボと前後する肉棒と、それによりもたらされる享楽、獣のような二人分の呼吸に混じりあう肌の温もり。
 カイさんの汗が私の体に滴り、それだけでも私は鋭敏に悦楽を拾い上げた。
 ――気持ちいい……っ!
「……っ、きもちいい……っ、カイさん……っ」
 大きく脚を開いた格好で、私は彼に両手を差し出した。
「紫乃……っ、俺も気持ちいいよ……っ」
 彼は両手を恋人繋ぎで迎え入れてくれ、そのままズンズンと私を突き上げる。
 それまでは淫玉に触れられなければ絶頂できなかったけれど、一度激しく達したあとは快楽のトリガーを得てしまっていた。
「あぁっ、はぁっ、ぁう、あーっ!」
 硬い亀頭が子宮口に当たるたび、私は目の前で火花が散ったような心地に陥り、何度も甘達きを繰り返す。
「紫乃……っ、あぁ、紫乃……っ」
 カイさんも高まりを迎え、余裕のない声で私の名前を呼びながら、ズコズコと私を犯した。
 激しい抜き差しに、私は小さな孔からピュッピュッと潮を漏らしてしまっていたけれど、気付ける余裕もない。
 彼はバチュバチュと激しい音を立てて私の蜜洞を穿ったあと、低く呻いて胴震いした。
「……っ、ぁ、……紫乃……っ」
 カイさんは私を抱き締め、さらに何度か腰を叩きつける。
 私に体重を掛け身動きが取れないようにして、彼は被膜の中にビュルビュルと白濁を吐きだした。
「はぁ……っ、あ…………」
 膣奥がピクピク蠢いて止まらない。
 荒くなった呼吸を繰り返していると、カイさんが私にキスをしてきた。
 味わうようにたっぷり口づけたあと、……ちゅ、と小さな音を立てて唇を離す。
 上体を起こしたカイさんは、しばし繋がったまま私を見つめていた。
 彼は雄の目をしていて、自分が抱いて征服した私を見て支配感を得ているようだった。
 やがて彼は目を閉じて息をつき、ズルリと屹立を引き抜く。
 今まで私の体を満たしてたモノがなくなり、寂しさを覚える。
(もっと中にいてほしかったな……)
 溜め息をついたあと、私は目を閉じる。
 避妊具を処理したカイさんがベッドに戻り、私の隣に寝転ぶとキスをしてくれた。
「……どうだった?」
 尋ねられ、行為中の熱気が落ち着きつつある私は、再び照れくささを思いだす。
「……最高でした」
「なら、良かった」
 彼は囁いて微笑み、またキスをする。
 二人で向かい合って寝転んだ体勢で、しばらく体を休め、思い出したようにキスをした。
 幸せで堪らない。
 そう思うと同時に、少しずつこのデートの終わりを予感する。

タイトルとURLをコピーしました