異世界転生のち、美貌の神官様との溺あま政略結婚が待っていました

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異世界転生のち、美貌の神官様との溺あま政略結婚が待っていました

著者:猫屋ちゃき
イラスト:あらいてるこ
発売日:2024年 10月18日
定価:620円+税

交通事故に遭ったあと、目の前に女神が現れた主人公。
転生の説明もそこそこに次に目が覚めたとき、彼女は聖女エマとして神官ウルリクとの政略結婚の日の朝を迎えていた――!?
式場でウルリクを見たエマは彼の美貌に息を呑むが、彼はどうやら欠片もエマを好きではない様子で……?
しかし、初めての夜のお勤めはエマの快感をしっかり探し与えてくれるウルリクに乱れさせられてしまう――!!
「……気持ちがいいんだな」
翌朝、エマとしての人生を振り返り、改めて聖女として民のために力を使おうと決意を固めるが――。
澱みの浄化にウルリクから一緒に行くと言われて……?

【人物紹介】

エマ
転生者の聖女。
元の世界では会社員として過ごしていた。
何事にもめげない前向きな性格で、エマとしての人生をしっかり生きようとしている。

ウルリク
神官。エマの政略結婚の相手。
美貌の持ち主で、すべてを諦めているような性格をしている。
エマとは過去に出会っていたことがあるようで――?

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*取り扱いサイトは、各書店に掲載され次第、更新されます。

【試し読み】

「……いいか、よく聞け。これから私とお前は、夫婦の契りを結ぶ。いわゆる初夜だ。それを神殿関係者たちはまどろっこしく〝夜のお勤め〟だなんて言っているわけだ。まあ、神に捧げるための交合だからお勤めで間違いはないんだがな」
 ウルリクは実に面倒くさそうに、だがわかりやすく説明してくれた。
 それを聞いて、「こんな形で願いを叶えてくれなんて言ってないよ!」とエマは内心で悲鳴を上げる。驚きに目を見開き、頬を染めている。
 確かに死の間際、イケメンとエッチしたかったと後悔した。そして、目の前のウルリクは間違いなくイケメンだ。
 しかし、これで「はい、願いが成就しましたね」なんて女神に思われるのも癪だ。
 何より、「素敵な恋愛がしてみたかった」の部分が叶えられていないではないが。
「その反応を見るに、本気で誰にも説明してもらえてなかったんだな。……可哀想だとは思うが、仕事だと思って諦めろ」
「いえ、あの……落ち込んでいるわけでは……」
「心配することはない。この部屋には〝そういう気分を促す〟香が焚かれているし、お前の体に負担はかけないように最大限気を使う」
 ウルリクはそう言って、寝台に来るよう促した。呼ばれて反応しないのは良くないと思い、エマはガチガチに緊張したまま彼のそばに行く。
「耳年増なのも困るが、こうも不慣れな様子ではこちらの罪悪感がすごいな」
 寝台の、少し離れたところに座ると、ウルリクが溜め息まじりに言う。確かに不慣れだから、彼が呆れるのも無理はない。せめてその手の前世の知識があればと思うのだが、処女のまま死んだからお手上げだ。
「私も初めてだが、一応一通りの知識はつけてきた。だから、心配するな」
「はい……」
 ウルリクは不機嫌な顔のまま、エマを寝台に横たえた。
(こんな美形なのに童貞……聖職者だから、当然か……うっ、顔がいい……!)
 すぐ間近で彼の顔を見てしまい、恥ずかしさやら照れやらが入り混じって混乱し、エマは思わず目を閉じた。不機嫌に見えた彼の顔は、もしかしたら緊張しているからかもしれない。
「これから体を解していく。それでお前の体の準備ができたら、交わるから」
「はい」
 目を閉じているから、これから何をされるかわからない。
 しかし、視界を封じたことで残りの感覚が鋭くなったためか、彼が言っていたお香の香りを強く感じた。
 甘いのにどこかスパイシーで、そして艶っぽい香りだ。おそらく、催淫効果が期待できるお香なのだろうと思うと、不思議と体の奥が疼いてくる気がした。
「痛かったら言ってくれ。他人に体を触られるのが不愉快というのは……ひとまず我慢してくれ」
「わかりました」
 断りを入れてから、ウルリクはそっとエマの体に触れてくる。
 初めは頬を、それから首から肩にかけてを、彼の指がなぞっていく。それは愛撫というより輪郭を確かめるみたいな行為で、エマはくすぐったいようなそうでもないような感覚になりながら、じっと耐えていた。静かにしているぶん、自分の心臓がうるさく鳴っているのを感じる。
 だが、彼の指が脇腹に差しかかったとき、体が小さく跳ねてしまった。口からも、「ぴゃっ」というような間抜けな声が出る。
「……痛かった、わけではないな?」
「は、はい」
「それなら、続けよう」
 驚いて目を開けてしまうと、こちらを見つめる彼と視線がぶつかった。これから行為に及ぼうとしているのに、彼の表情はどこまでも冷静だ。
 なるほど、これはかなり義務的に抱かれようとしているなと、エマも心がスンッ……としてくる。「きゃーイケメンと初エッチよ」だなんてはしゃいでいた少し前の自分が恥ずかしくなってしまうほど、ウルリクは冷静だ。
 そもそも聖職者である彼に性欲なんてものはあるのか? という当然の疑問はあるが、彼に触れられていくうちに、エマの体は少しずつ目覚めていく。
 何せ、前世は色恋の何たるかも知らず、その手の願望を抱えたまま死んだうら若き女性なのだ。待ちに待った機会に恵まれれば、期待するというものだろう。
「んっ……あ、ふ……」
 彼の指が脇腹から胸部へと移動すると、気持ちよさはさらに増した。爪先から何かが這い上がってくるような感覚がして、その感覚が移動してくるのに合わせて体中の産毛が逆立つみたいな気がしてくる。
「そうか……乳房が好きなのか」
 無表情だったウルリクの口元にかすかに笑みが浮かび、目の奥にも剣呑な雰囲気が宿るのをエマは見た。エマのいいところを探り当てた彼は、今度は乳房を中心に愛撫を加えていく。
「あっ、ん……」
 やわやわと膨らみを揉みしだかれていたかと思うと、やがて指先は中心部を念入りに愛撫するようになる。中心部にあるのは、蕾のような小さな突起だ。彼に刺激され、ぷっくりと顔を覗かせている。
「服の上からでも、立ち上がってきているのがわかるようになったな」
「んっ、だめぇ……あぁっ」
 ウルリクの指先は、胸の頂を執拗に弄る。摘まれたり、ピンと弾かれたり、クルクルと弄ぶように捏ねられたり。そのたびにエマの体には電気が走るみたいに痺れが起きて、腰を跳ねさせられる。
 初めてなのに、知らない人の指なのに、感じてしまっていた。
 下腹部が、切なく疼いている。未経験でも、体が彼を受け入れる準備を始めていることは理解できた。
「……その反応を見る限り、そろそろ大丈夫なようだな」
「えっ」
 胸への愛撫でエマが高ぶり始めたところで、ウルリクは動きを止めた。そして、おもむろにエマの両脚を大きく開かせる。
「あっ」
「濡れている……ならば、挿入して良いのだろうな」
 日頃人の目に触れさせることはない秘めた場所を彼の眼前に晒されているだけでも恥ずかしいのに、そこに指で触れられてエマは羞恥に震えた。触れられることで、その場所が濡れているのだとわかる。
「えっ、あっ、ちょっと……」
 戸惑うエマをよそに、彼はエマの服を脱がせると、自身も身につけていたものを取り去って裸になった。
 どちらが身につけているものも装飾は施されているものの何だか薄い服だなと思っていたが、おそらく〝夜のお勤め〟のための脱がせやすいものだったのだろう。
 一糸纏わぬ姿となって、ウルリクは大きく脚を開かせたエマの体に覆い被さってきた。ほどよく引き締まった彼の体の中心には、白皙の美貌に似つかわしくない凶悪なものが屹立していた。
「え、まだ……」
「濡れたら挿れろと書物には書かれていた。だから、我慢しろ。すぐ終わる」
 まだ指で解されてもいない場所に、彼の屹立が宛てがわれた。かと思えば、すぐにその先端がぐっと押し込まれ、引き裂かれるような痛みにエマは悲鳴を上げる。
「いっ……やだぁ……痛いよぉ……」
 濡れてはいるものの、当然いきなり大きなものを受け入れられるわけがない。だが、濡れたのだから準備はできていると判断したらしいウルリクは、動きを止めようとしない。
「くっ……こんな狭い場所に、本当に入るのか? 泣くな。私とて、お前にひどいことをしたいわけではないのだ。これも勤めだ」
「ふっ……うぅ……」
 ゆっくりとではあるが、彼の雄々しい屹立はエマの中を進んでくる。潤滑を促すほどの濡れ方ではないため、引き攣れるような痛みを覚えて、自然と涙がポロポロこぼれてきてしまった。
 その涙をそっと指先で拭って、ウルリクは慰めるようにエマの頭を撫でる。
「泣くな。泣かないでくれ……どうしたらいい?」
 彼は一度体を離すと、困った顔でエマに問いかけてきた。そんな顔をするということは、エマを手酷く扱いたいわけではないのだろう。
 おそらく彼も、無知なだけだ。未経験というのだから、仕方がない。
 とはいえエマも経験はなく、おぼろげな知識のみだから、的確に指示を出せるわけではないのだが。
「えっと……このままでは私のここは狭くて大変なので……指で少しずつ、ほぐしてください」
「指で、か」
「はい。あ、いきなり挿れるのではなく、少しずつ……気持ちよくなると、女性のここは潤み始めるので、たっぷり潤んで、指が二本くらい入るようになるまでほぐしていただけたら……」
 言いながら、恥ずかしさのあまりエマの声はどんどん小さくなっていった。
 両脚を大きく開き、自身の秘処を夫になったばかりの男性に晒しながら話しているのだ。恥ずかしくないわけがない。
 だが、このままではとても痛い初体験になってしまう。
 〝お勤め〟は果たさねばならないが、痛いのは嫌だと思い、エマは羞恥に震えながらウルリクにお願いをする。
「いきなり指を挿れるのは痛いし怖いので、ゆっくり周辺をなぞるような感じで……あっ」
 エマの指示を聞くと、彼はすぐに実行に移した。指先を秘裂に沿って、そっと優しく動かす。エマが思わず声を出すと一瞬動きを止めたが、すぐにまた再開する。
「なるほど……こうすると気持ちよくしてやることができるのか」
「あっ、待って……」
「これは、触ってもいいものだな……むしろ、触られるためにあるようだ」
「あぁっ!」
 ウルリクはエマの様子を観察しながら、指を動かしていった。
 最初は周縁をなぞっていた指だったが、すぐに秘裂の上の突起に行き着く。髪と同様に白銀で、ほとんど無毛に近いエマの秘処は、敏感なその花芽を隠せずにいた。
「ここが、女性が快楽を覚えると肥大化するという部位だな……姦淫に耽っている女のものはこれが大きくなっているというが、お前の花芽は小さいな。自分で弄ったことは?」
「あ、ありません……」
「それなら、夫である私がここをこれから大きくしてやろう」
「ひゃっ……あぁっ」
 エマが感じるとわかったからか、ウルリクは執拗に花芽を弄る。くるくると円を描くように指を動かしたり、親指と人差し指で押しつぶすように摘んだり、真剣な顔でどうすれば気持ちよくさせられるのか探るかのように。
 前世でも少しだけ、自分で触れたことがある場所だ。だが、人に触れられるのと自分で触れるのは全く違うもので、エマは未知の感覚に戸惑っていた。
 決して不快ではないのが困ったものだし、彼の手つきがどんどんうまくなっていっているのも気になる。
「ああ、なるほど……こうすれば蜜が溢れてきて、滑りがよくなるのだな。指を挿れてみるか……」
「あぁっ……いっ……」
 しばらく花芽を愛撫しつづけていたウルリクだったが、蜜口から蜜が溢れ始めたのに気づき、それをすくうように指を突き立てた。
 抵抗しながらも、エマの蜜壺はゆっくりと彼の指を呑み込んでいく。
「あっ……やっ……ん……」
「ここ、か?」
「あぁっ!」
 彼の指が第一関節くらいまで呑み込まれたところで、エマは強烈な感覚に腰を跳ねさせた。
 痛かったのではなく、気持ちがよかったのだ。
「なるほど……ここがいいんだな? 他の場所とは触り心地が違うな……」
「や、だめっ……押しちゃ……あぁっ」
「……気持ちがいいんだな」
 その部分がエマの弱いところだとわかったのが嬉しかったのか、ウルリクの涼し気な顔にほのかに笑みが浮かんでいた。そんな顔もするのかと驚いたが、それよりも与えられる快感が強すぎて、エマの情緒は忙しい。
(これが、Gスポットってやつか……やばい……自分ですら触ったことがないから、刺激が強すぎる……)
 なけなしの前世の性知識によって、自分が今どこに触れられているのかは理解した。だが、わかったところでどうしようもない。
 エマは強すぎる気持ちよさに眉根を寄せ、目を潤ませていた。唇を引き結んで耐えようとするのに、声が漏れてしまう。その声は、どう聞いても媚びを含んでいて、もっとしてほしいと言っているみたいだ。
「ウルリクさまっ……だめっ、なにか、きちゃう……!」
 いやいやと、エマは頭を振って意思を伝えた。だが、ウルリクがやめてくれることはない。
 それどころか、指をそっと浅いところで抜き挿ししながら、花芽も刺激してくる。
「そうか、ここも一緒に触ると気持ちよさが増すのだな……どんどん蜜が溢れてきて、締めつけも激しくなる……指を増やして、広げてやるからな」
「だ、だめぇっ! やっ……あぁぁっ……!」
 宣言通り、指を二本に増やされてグッと弱い部分を押し込むように刺激された途端、エマの中で何かが弾けた。気持ちがよくて堪らなくて、彼の指をギュウっ……と締めつけてしまう。
 次の瞬間には、ビリビリとした痺れに似た快感が全身へと広がっていく。
「気をやったのか……すごい締めつけだな。ここに、私のものを挿れるのか」
「え、待って……」
 エマが達したのを見届けて、再び彼が覆い被さってきた。もう待てないというように、屹立が濡れた秘処にあてがわれると、一気に貫かれる。
「んんっ……い……は、ぁ……」
「狭い、な……だが、入った」
「うぅ……」
 彼のもので奥まで貫かれ、その圧迫感にやはり苦しくなった。
 たっぷり濡れてはいるし、指でほぐされもした。だが、それでも彼のものは初心なエマの体には大きかった。
「締めつけが、たまらないな……すぐに搾り取られてしまいそうだ」
 言いながら、ウルリクは確かめるようにそっと腰を動かす。
 痛くて引き裂かれそうではあるものの、エマの体は先ほど快楽を教えこまれたばかりで、早くも気持ちよくなりつつある。

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