御曹司な親友と偽装結婚したはずが、毎日甘美な愛に乱されています

書籍情報

御曹司な親友と偽装結婚したはずが、毎日甘美な愛に乱されています


著者:秋花いずみ
イラスト:つきのおまめ
発売日:2023年 9月29日
定価:630円+税

大手不動産会社の御曹司である翔太と、百貨店で受付嬢として働く陽菜は、学生時代からの親友だった。
そんなある日、翔太から「一年間だけ結婚してほしい」と頼まれて…!?
現実離れした話ではあったが、彼の事情を知った陽菜は助けになりたいと願いを受け入れる。
そうして、二人は親友のまま一年の結婚生活を送ることになった。
翔太と共に過ごす日々は楽しく、終わりを迎えてほしくないと思っていた陽菜だったが、あっという間に一年が経過する。
夫婦としての最後の夜、翔太はゆっくり喋りたいからと陽菜をベッドへと誘い――!?
「嫌じゃなかったら受け入れて」
翔太の優しくも熱い手に弄られ、陽菜は終わらない、甘い快楽に身を震わせる――。

【人物紹介】

澤田 陽菜(さわだ ひな)
百貨店で受付嬢をしている27歳。
さっぱりとした性格をしており、男女問わず友人が多い。
スタイルが良く、華やかな顔立ちをしているが、恋愛経験のない処女。
翔太のことを大切な親友だと思っていたが……!?

菅野 翔太(すがの しょうた)
大手不動産会社の御曹司、27歳。
高身長かつ、甘い顔立ちをしており、女性人気が高い。
立場に甘えることなく、穏やかで誠実な性格。
学生時代から、陽菜には親友以上の想いを抱いている。

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*取り扱いサイトは、各書店に掲載され次第、更新されます。

【試し読み】

「その顔、反則」
「しょ、翔太?」
 いきなり翔太が私に覆い被さり、首に顔を埋める。そして、誰にも触れられたことのない首筋に翔太の唇が優しく当たった。
 ふにゃっとした柔らかい感触……。これが人の唇の感触なんだ。
「あっ、待って、こんなの……」
「嫌?」
 このままだと踏み出したことのない世界に入ってしまいそうで、咄嗟に「待って」と声をかけてしまう。
 私の首から顔を上げた翔太の顔は熱く火照っているようで、息も若干荒くなっていた。
 そんな彼を色っぽい……と思ってしまう。
 だから、戸惑いが生まれ「嫌」なんて言えなかった。
「そ、れは……」
「嫌じゃなかったら受け入れて」
「翔太……」
「陽菜がほしい」
「ひゃっ……」
 今度はしっかりと首筋に唇を押し当てられ、チュッという音が鳴った。その時、強く吸われた感触がしたから、間違いなく赤い印をつけられたのと思う。
「あ、の、えっと、翔、太……」
「陽菜」
 耳元に唇を当てられ、低く囁いた甘い声で名前を呼ばれると、全身がビクンと疼く。
 翔太は嘘つきだ。疼きを解すって言ってくれたのに、解すどころかどんどんとひどくなっている気がする。
 でも、このまま翔太を受け入れてしまいたい……。それを願っている自分もいて、正直驚いている。
「陽菜、陽菜……」
 切なげに私の名前を何度も呼びながら、翔太は耳たぶやこめかみ、目尻や頬へと唇を滑らせて何度もキスを落とす。
 こんなに名前を呼ばれることは初めてで、恥ずかしいけど嬉しい。そんな感情で胸がいっぱいだ。
「陽菜……ここにキスをしてもいい?」
 ここにと言われ指先を当てられた場所は、私の唇だった。翔太は親指で私の唇を半開きにさせ、目を細めて懇願している。
 私は……静かに頷いた。
 それがきっかけとなり、翔太の唇が私の唇としっかり重なる。
「んっ……」
 息ができないくらいしっかりと重なった唇は、隙間なんかないくらい角度を変えて求められ、聞いたことのない甘い声が私の口から洩れた。
 こんな声を聞かれて恥ずかしい。でも、息がうまくできなくて声が出てしまう。
「ふっ……はっ……」
 彼が上唇を食んで唇はようやく離れた。
「……大丈夫か?」
「う……ん」
 うまく呼吸ができなくて息が荒い私は、翔太の問いかけに応えるだけで精いっぱい。翔太も熱い息をはきながら、その手は私のパジャマの上を脱がし始めた。
「あっ、待って……」
 しまった。あとは寝るだけだから、下着はショーツだけしか身に着けていなかったことを思い出し、翔太にストップをかけるけれど、もう遅かった。
 私の露になった両胸を翔太は凝視していて、自分の顔を覆いたくなるほど恥ずかしい思いでいっぱいになる。
「い、いつも寝る時は何も着けないから……」
「ああ、なるほど。悪い、いきなりでちょっとびっくりした。でも……可愛いな」
「えっ」
「特にここ」
 ここと言われた場所は胸の先端らしく、翔太はそこを指先でつんと優しく突く。
「んっ!」
 初めて人に触れられた突先に身体は敏感に反応して、両肩がビクンと上がる。だけど、翔太の手は動きを止めず、胸の突先をこねる様に親指と人差し指ではさみ、刺激を与えてくる。
「はっ……。う、ん……んん……」
 右胸は左右に指で小刻みに擦られ、左胸は翔太の咥内に含まれて柔らかい舌先で上下に転がされている。
 翔太が刺激を与えてくるところから、全身に電流が走っているみたい。
 じっとしていられなくて、快感を逃がそうと足を動かしてしまい、ベッドの掛ふとんを床に落としてしまう。
 それくらい初めて感じる快感に、身体はしっかりと反応していた。
「ね……え……。翔太……」
 ちゅっ、ちゅっと音を鳴らせながら胸の先端を弄り続ける翔太に声をかけるけれど、私の声なんか届かないくらい夢中なのか、翔太は指と舌の動きをやめようとしない。
 身体が熱い……。足先までじんじんする……。
 正気を保っていられないくらいの快感を与えられ、みんなこんな時は何を考えているのだろうって涙を浮かべて快楽を我慢しながら、頭の隅で思っていた。
「陽菜……」
 翔太が私の名前を呼ぶ、ようやく胸から彼の顔が離れた。
「あの、私……」
「うん」
「こ、こういうの初めてで……だから……」
「わかってる。俺も初めてだから、すごく心臓の動きがやばい」
「一緒だな」と言いながら、翔太は照れくさそうに笑った。
 その笑顔を見て、なんだか不思議と安心した私は、少し緊張が解れた気がする。
「もし、痛くて触れられて嫌なところがあれば言ってくれ」
「……わかった」
「お前の嫌がることをしたくないから」
 優しい声色で翔太はそう言うと、私のパジャマの上も下も全て脱がせた。
 ショーツ一枚の姿になり、翔太がパジャマを脱ぐ姿をじっと見て待っている。
 彼もボクサーパンツ一枚の姿になると、その逞しい身体が露わになった。
 その姿は直視できないほどかっこよくて、初めて翔太のことを男としてちゃんと意識した瞬間だ。
「す、すごいね、筋肉……」
「いつ見られてもいいように、鍛えていたから」
「誰に?」
「陽菜に」
 私に覆い被さりながら自信満々に言う翔太を見て、さらに熱が身体を駆け巡る。
 翔太ってば、いつでも私に見せられるように鍛えていたの?
 それって、結婚生活の中で、いつこんな機会が訪れてもいいって考えていたってことかな。
 いや、でも私とは契約結婚のわけで、翔太は私が男に興味がないってわかっていたから、そんなことまで考えていたとは思えない。
 だけど、今の発言は、いつでも私と男女の仲になってもいいというふうにも捉えられる言葉だ。
「陽菜、俺を見て」
 一人でぐるぐると考えていると、翔太に顎を掴まれて強制的に彼の方に向けられる。
 そしてすぐにキスをすると、翔太の手は私の身体中を弄り始めた。
「ああっ!」
 ショーツの中に翔太は手を入れると、指先で茂みの奥にある秘部に直接触れてくる。
 そこはもうしっとりと濡れていて、初めてだというのにこんな状態になっている自分の身体の一部がどうしようもなく恥ずかしい。
 翔太はゆっくりと私の反応を探りながら秘部の周りを撫でてくる。ゆっくりと入り口を広げられ、これから何をされるのか緊張と期待が入り混じった感情が私の胸の中を支配していた。
 そして秘部の中に人差し指を入れられた瞬間、いやらしい水音がして身体がビクンと跳ねる。
「すごい……もう濡れてる」
「は、恥ずかしいからあんまり言わないで」
「これからもっと恥ずかしいことをするのに?」
 言葉で表されて、しっかりと顔が熱くなってしまう。きっと、今顔は真っ赤だろう。
「あっ、で、電気……消して」
 こんなことになるなんて予想をしていなかったから、電気がついていることを今更ながら羞恥心が湧いてくる。
 翔太は電気のリモコンですぐに明かりを消してくれたけれど、橙色の明かりだけは残していた。
「これくらいはいいだろ? 陽菜の顔が見えないのは寂しい」
「う、うん……」
 寂しいと言われ、嬉々とした感情が生まれる。私は真っ暗の中でどんなことが行われているのかわからないのは怖かったから、少しでも明かりがついていることに安堵した。
「陽菜、集中して」
 私の両頬を両手で包み、まっすぐ見下ろされてしまう。
 そこには男の顔をした翔太がいて、欲情した翔太はこんな顔をするんだ……と驚きを隠せない。
 翔太は軽くキスをすると、そのまま私の左耳の方に顔を逸らして、首元に顔を埋めた。
 そして右手は秘部の中を再び弄り始める。
「んっ……」
 茂みをかき分け、秘部の中に入った指は膣壁を優しく上下に擦る。最初はゆっくりとした動きから始まった。
「大丈夫?」
「う……ん……」
「もう少し奥に行くよ」
「はっ……あっ……!」
 翔太の指が奥に進むたび、感じたことのない甘い快感が秘部の奥から身体へと流れていく。
 独特な刺激に自分では出したことのない甲高い声が出て、恥ずかしいのに声が止まらない。
 翔太の指は、指の腹で膣壁を擦り上げながらどんどんと奥に進む。ぐちゅぐちゅと水音を鳴らせながら、その指は私が最も敏感に反応する場所を優しく擦った。
「ああっ!」
「ここがいい? よかった、気持ちいいポイントを見つけた」
 翔太は安堵した顔をした後、私が喘ぐポイントを小刻みに指で擦り続ける。
 そのたびに甘美な電流が身体中に流れ、私はじっとしていられなくて、翔太の腕を思い切り掴んでしまう。
「しょ、た……! あっ、やあ……!」
 とどまることなく愛液が秘部から流れ、私の内ももにまで滴ってくる。
 それくらい、翔太が与えてくれる快楽を感じていることに戸惑いを隠せないけれど、恥ずかしい以上に快感から逃れられない。
「陽菜……指、増やすね」
 翔太は私の耳元で囁くと、人差し指と中指を同時に秘部の中に入れてきた。丁寧に擦りながら中を広げ、私が痛くないようにゆっくりと進んでくる。
「うっ……あっ、ああ……」
「ちゃんと解さないと痛いらしいから、もう少し進むよ」
「ひゃあっ!」
 二本の指を回転させながら中を広げ、私がもっとも気持ちよくなる場所を二本の指で同時に擦り始める。
 一本の時とは比べ物にならない快感に、喘ぎ声はさらに大きくなってしまう。
 少しの圧迫感は苦しいとは感じない。だけど、それ以上されるとおかしくなってしまいそうだということはわかる。
「翔太、も、もう……」
「まだ駄目だ。これくらいじゃまだまだだろ」
 これくらいじゃまだって……それじゃあ、どれくらいになればこの行為は終わるのだろう。
 ずっと二本の指で中を擦られ続け、下半身は甘い疼きで震えている。これ以上のことがまだあるっていうの?
「陽菜、もっと足を開いて」
 言われるがまま足を開くと、翔太は私の秘部の前に顔を移動させる。じっと見られていると思うと、さらに潤いが増した気がした。
「すごい、こんなに濡れてる……。でも、まだだ」
「えっ? やあ!」
 二本の指が抜かれると、ぬるっと柔らかいものが秘部の縁をぐるりと舐め始めた。
 これってもしかして……。
「翔太、し、舌……」
 これは翔太が私の秘部を舐めているんだ。それがわかるとさすがに足を閉じて止めようとしたけれど、彼の手が私の足をしっかりと掴んで動きを止められる。
「んっ……。ふう、んん……!」
 指とはまた違う感覚が秘部の中で起こり、ぬるっとした舌は身体の芯まで痺れるくらいの激しい快感だ。
 膣壁を柔らかい舌で舐められるたび、腰が浮いて悶えてしまう。そんな私の太ももを翔太の手はしっかりと掴んでいて、離さない。
「あっ、も、そこばっかりだめ……!」
 秘部を舐められて舌先で広げられ、舌を奥まで入れるとぐるっとかき混ぜられる。
 そんな激しい動きを繰り返されて、私の意識はもうどうにかなりそうだ。
「しょ、たあ……!」
 か細い声で彼の声を呼び、快感でぶるぶると身体が震える。
 散々、舌で中をかき回された後、翔太は秘部の上にある小さな粒を吸い上げた。
「ひゃあん!」
 その瞬間、私の目の前が真っ白になり、一気に脱力感に襲われる。ぐったりとした私は、掴んでいた翔太の腕から手を離した。
「はぁ……。はぁ……」
 言葉が出ないくらいの衝撃だった。なんなの、これ……。みんないつもこんな経験をしているの?
 ずっと下腹部と秘部の奥がじんじんとしていて、甘い疼きが止まらない。
「翔太の……嘘、つき……。全然、疼きが取れてない……」
 蕩けそうな甘い感覚を感じてしまい、虚ろな目で弱弱しく翔太を睨みつける私。全く迫力のない睨みに翔太は目を見開き、そしてハハッと軽く笑った。
「ごめん、俺もまだまだだな。陽菜を満足させられることはできなかったか」
「そ、そういうことじゃないけど……」
 こんな言い方じゃ、私が不満いっぱいのようだ。翔太から快感をもらって身体は喜んでいたのは事実なのに。
「ちょっと待ってて。次の準備をするから」
 次の準備? 何のことだろうと彼の様子を見ていると、ベッドのサイドテーブルの引き出しから、長方形の箱を取り出し、その中から正方形のビニール袋を出す。
 それはさすがに経験のない私でも知っていた避妊具だった。
「あっ……」
 これから先の展開が頭の中を駆け巡り、身体が一気に熱くなる。支度をしている姿を見られたくないのか、翔太は私に背を向けてしまった。
 私……今から翔太とそういうことをするんだ……。そう実感すると、また緊張が襲ってくる。
「……お待たせ」
「う、うん」
 お互い変な緊張感を持ったまま、顔を見合わせた。その瞬間、二人の目と目が合い、吹き出して笑ってしまう。
「ハハッ、なんか変な感じだな」
「本当……今更なんで緊張してるんだって感じだよね。もう十年の付き合いなのに」
「でもこんなことは初めてだ。俺、こう見えて内心、嬉しくて仕方ないんだけど」
 私はまだ笑っているのに、翔太は喜びを噛みしめているのか、下唇を噛んで熱い瞳を私に向けている。
 そんな瞳に見つめられると否が応でも意識してしまい、笑うことをやめてしまった。
「今すぐ陽菜の中に入りたい……。いい?」
「……うん」
 心臓が爆発するくらい大きく鳴っている。静かな室内だから翔太に聞こえているんじゃないかって心配になるくらいだ。
 でも、今の翔太にそんな余裕はないのかもしれない。
 私の足裏を掴み、広げると露わになった秘部を凝視する。そして自身の腰を押し当て始めた。
「んっ……」
「くっ……」
 ぐぐっと昂った彼自身が私の中に入ってくる。
 さっき、羞恥心からあまりしっかりと見れなかったけれど、初めて見る翔太自身のものは想像以上に大きくてしっかりと反っていたと思う。
 あれが私の中に入ってくるのかと思うと、絶対に痛いと簡単に想像できる。
 そりゃ、みんな初めては痛いって言うよね……とこんな状況なのに、納得してしまった。
「んんん……」
「痛いか? 大丈夫?」
「大丈夫……だから、早く……挿れて……」
 強い圧迫感と張り裂ける痛みを早く終わらせたくて、彼を急かしてしまう。でも、翔太は痛がる私を見て心配になったのか、動きを止めてしまった。
「ごめん、かなり解したと思ったけど、やっぱり痛いよな」
「い、痛いけど……でも、いつまでもこの状態は辛い……」
 私の切羽詰まった顔を見て、覚悟を決めたのか翔太はゆっくりと腰を押し進める動きを再開させた。
 たしかに痛い。苦しいし、辛いし、早く終わったらいいのにと思う。でも、心の中はどうしてこんなにも幸福を感じているのだろう。
 翔太と一つになれることに、身体も心も満たされている自分がいる。そして、なぜか彼のことが今までより一番大切に想える。
「しょう……た……」
 今の私は苦痛の表情を浮かべていることだろう。翔太のどこかにしがみつきたくて手を伸ばす。
 すると、翔太は私の足を掴んでいた手を放し、顔の横に置いてある私の手を強く握ってくれた。
「痛くて我慢できなかったら、俺の手に爪を立てろ」
「そんなことしたら……翔太の手が痛い、よ……」
「それくらい、陽菜の痛みと比べたら大したことない」
 翔太は、切羽詰まった声で優しい言葉をかけてくれる。自分も自由がきかなくて辛いのに、私を思いやってくれる言葉を発してくれて、それがすごく嬉しかった。
 だから、彼の言葉を受け入れて頷く。そして、翔太の腰の動きがさらに強く動き出した。
「んっ……!」
 圧迫感をまた強く感じ、痛みもまだ続く。これ、痛いのって最初だけなのかな。
 痛みを逃がすように翔太の手を強く掴むと、翔太も握り返してくれる。
 そしてスピードを緩めることなく最後まで進むと、翔太は大きく息を吐いた。
「はあ……。これで……全部」
 彼自身が全て私の中に収まったんだ。本当に一つに重なった私達。
 じんじんとまだ痛むけれど、喜びの方が大きい。
「翔太……動いて」
「でも、すぐには痛いだろ」
「ううん、大丈夫。大丈夫だから」
 ずっと私のことを気遣ってくれたのだから、今度は私が彼のことを気遣う番だ。
 きっと、もう痛いことは全部終わった。あとは、翔太が気持ちいいように動いてほしい。
 私の思いが通じたのか、翔太は息を呑んだ後、ゆっくりと腰を動かし始めた。
 ゆっくりと私に負担がかからないように静かに……。腰を出し挿れするのもものすごく気を遣っているという感じだ。
「翔太、もっといいよ」
 彼の手の指に自分の指を絡めて、きゅっと握る。そして笑顔を向けると、翔太は唇を嚙みしめた。
「そんな可愛いことして……。どうなっても知らないぞ」
 囁くようにそう言うと、彼の腰の動きが変わった。
 ゆっくりとした動きは途端に小刻みに動き出し、膜で覆われている彼自身のものがさらに硬く張り詰めた気がする。
 私の秘部の中を穿つように彼自身を押し当て、快感が走る場所を何度も攻めたててきた。
「んあ! ああっん……!」
 少しの痛みと初めて経験する例えようのない快感と、そして男として翔太の力強さを身体全身で感じる。
 もう私の身体は生まれ変わったみたいな気がして、身体全部で翔太を受け止めていた。
「陽菜、陽菜……」
 掠れた低い声で私の名前を呼ぶ翔太は、腰の動きを止めない。浅く突いたと思ったら次は奥深くまで腰を押し込め、最奥を突いてくる。
 そのたびにベッドが軋み、秘部からは絶え間なく水音と肌同士がぶつかる音が聞こえてきて、それが私の疼きをさらに昂らせた。

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