幼なじみとの末永いお付き合いは一途な最愛の証から

書籍情報

幼なじみとの末永いお付き合いは一途な最愛の証から


著者:秋花いずみ
イラスト:カトーナオ
発売日:2023年 2月24日
定価:620円+税

お菓子作りとカフェめぐりが好きで百貨店で洋菓子の販売員をしている琴葉。
高校一年生の頃から同級生であり、同じ水泳部である悠希と
友人関係を経て恋人関係となり、今でも交際が続いていた。
あっという間に月日が経ち、そろそろプロポーズをしてもらえるのではと思っていた琴葉だが
悠希はなかなか結婚に踏み切ってくれず……。
「ずっと好きでした! 付き合ってください!」
顔を真っ赤にして頭を下げて右手を差し出された時のことを、琴葉は昨日のことのように覚えているが
相談相手でもある同僚からマンネリの話を聞いて悠希との関係に不安を覚え――。

【人物紹介】

中條琴葉(なかじょう ことは)
お菓子作りとカフェ巡りが好きで百貨店の洋菓子の販売員をしている28歳。
性格は基本、明るいけれどあまり自分の意見を言えなくて我慢してしまう性格。
好きな人へは尽くしたい。

渡辺悠希(わたなべ ゆうき)
入社した企業で何度も企画を採用されるほど仕事ができる。28歳。
端正な容姿や、人当たりのいい性格で狙ってくる女性社員も多いが
それでも結婚は琴葉以外考えられないほど恋人を大切にしている。

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*取り扱いサイトは、各書店に掲載され次第、更新されます。

 

【試し読み】

 こんな激しいキスはいつぶりだろう……。いや、こんなにも激しいキスは初めてかもしれない。
 そう思わせるキスを終えると私は虚ろな目になり、荒い息を零している唇を悠希に吸われた。
「可愛い」
「も、もう……」
「やべ……理性、保てないかも」
 悠希も興奮しているのか、触れた素肌は熱く汗で湿っている。
 悠希の荒い吐息が胸の中央にかかり、どれだけ我慢しているのかがわかる。
「プールサイドでキスなんて、部活を頑張っていた時からは想像できないね」
「……実は俺、部活中に琴葉にキスできるタイミングをいつもうかがってたんだよな」
「えっ、そうだったの!」
「結局、練習が始まったらそれどころじゃなくなったけど。本当はいつでもキスしたいなあって思ってたんだよね」
 私の胸の中央に顔を置き、ぐりぐりと頬を寄せる悠希はまるで子どもみたい。
 母性本能がくすぐられるな……なんて思っていたら、自然と笑い声が出てきた。
「フフッ。じゃあ、今できたね、念願のキス」
「ああ。願いがかなったよ。それでも、大人になった今はそれ以上のことを求めてるけど」
「あっ……」
 さっきまで子どもみたいだった悠希がいきなり大人の顔つきになり、胸の中央を強めに吸いつくと、赤い印を残した。
 左手でパレオを解くと、右手は私の内太ももを撫で始め、それから彼を囲っている私の両足を広げ、恥ずかしい部分を露わにする。
 いくら水着を着ているといっても、この体勢は恥ずかしい!
「やだ、恥ずかしいよ。悠希」
「いや? 琴葉」
 舌先でビキニ越しの右胸の先端をつつきながら、意地悪な顔をする悠希に、子どものような表情の面影は一切ない。
 今は私を求める雄の顔をしている。
 こんな悠希を見てしまったら私の下腹部も甘く疼き、卑猥な期待をしてしまう……。
「でも……大丈夫? だって、この前……」
 それでも、思い出すのは喧嘩をするきっかけになった、悠希のものが私に反応しなくなった時のことだ。
 あの時はショックで泣き出しそうになった。
 今でもトラウマになりそうなくらい、鮮明に当時のことを思い出すことができる。
 だけど、悠希は申し訳なさそうな顔はしていたけれど、私みたいに不安な表情は全くなかった。
「あの時はごめん。俺、本当に最低だった。反応しなかったことを琴葉のせいにして、マジで情けないよ。でも、今は大丈夫。早く琴葉の中に入りたくて仕方がない」
「えっ、じゃあ……」
「試してみる?」
 悠希がプールの中に入っているからその存在を確認することはできないけれど、彼が言うことが本当なら、私でも反応してくれているってことだ。
 それに早く私の中に入りたくて仕方がないって……。
 直接的な表現はものすごく嬉しい。
 本当に求めてくれるってことがわかるから。
 私は身体が疼き、熱くなるのを感じながら頷く。
「じゃあ、琴葉もプールの中に入ってきて。一緒に気持ちよくなろう」
「うん……!」
 こんなふうに誘われて喜ぶなんて、やる気満々だと思われていると思う。
 だけど、早く一つになりたい気持ちは悠希と一緒だから、素直に肯定できた。
「琴葉、おいで」
 腕を伸ばされ、ゆっくりとプールの中に入ると水しぶきとともに彼の胸の中に飛び込んだ。
 背中に腕を回してキスをせがむと、悠希は優しいキスをくれる。
 そして、私の背中に回っていた手は背中から腰へとなでるように落ちていき、お尻をやわやわと揉み始める。
 くすぐったさに軽く笑うと、悠希も目じりを下げて微笑んだ。
 こんな些細なやり取りに無性に幸せを感じ、彼のたくましい胸板に頬を寄せ、音を鳴らしてキスをした。
「そんなこと、してくれるんだ」
「今までやったことなかった?」
「琴葉、自分からあんまり動くことなかったから」
「あっ、そっか……」
 言われて気づく。そういえば私、いつも悠希から求められるばかりで、自分からあまりしてあげることがなかったなって。
 それなら飽きられても仕方ないのかもしれない。
 だから、ちょっと恥ずかしかったけれど、今までの反省も含めてそっと自分の手を悠希の下腹部に添え、ハーフパンツの水着の中に自分の手を入れる。
「えっ、琴葉?」
「やったことがないから、上手じゃないかもしれないけれど……。痛かったら言って」
 悠希自身がある場所に手を伸ばし、それを掴むように指を曲げる。
 すると、すでに悠希のものはプールの中からでもわかるくらい、硬く反り上がっていた。
 痛くないように手で優しく包みこんで、ゆっくり上下に擦る動きをする。
 すごい……今日の悠希のそれは存在を強く主張するみたいに立派に硬くなっていて、これが私の中に入ってくるのかと思うと、下腹部が甘く疼きだす。
 でも、今は悠希を気持ちよくすることに集中しなくちゃ。
 不慣れな手つきだけど、一生懸命に手を動かしていると、プールの水面はちゃぷちゃぷと揺れていた。
「くっ……」
 大丈夫かな? ちゃんと気持ちいいかな?
 不安になって彼の顔を見上げると、我慢をしている表情をして、苦しそうな声を出している。
「痛い? やっぱり下手かな?」
「いや……全然、いい。むしろ、気持ちよすぎて、我慢できなくなりそうだ」
 掠れた声でその言葉を聞き、ホッと胸を撫でおろす。
 自信を持った私はさっきまでよりずっと積極的になり、悠希の下半身にあるそれを上下に優しく擦り、時々親指で先端や人差し指で裏筋をなぞったりする。
 そのたびに悠希が気持ちよさそうな声を出すから私も嬉しくなり、どんどんと動きを増やしていく。
「ちょ……っと待って。これ以上はだめだ」
 すると、悠希の方からストップがかかり、私の手を自分の手で押さえた。
 動きをなくした私の手は悠希の昂ったそれから離れて、水から上げられる。
「はぁ……。全く、どこでこんな動きを覚えてきたんだよ」
「えっと……こうしたら気持ちいいかなと思って」
「ハハッ。やばいな、こんなことされ続けたら、俺の方が骨抜きになりそう」
 嬉々とした表情で笑うと、私を引き寄せて首筋に顔を埋め、悠希は唇で吸い付く。
 私が甲高い声を出した瞬間に、彼の手でビキニの紐は解かれて両胸が露わになった。
「あっ! もう……」
「ライトに照らされた琴葉の肌、本当に綺麗だな」
 うっとりとした瞳で胸をじっくりと見つめられた後、悠希の腕が私の下半身に回り、お尻から持ち上げられて彼より目線が上になる。
 悠希を見下ろしている体勢になると、右胸の先端が彼の咥内に含まれた。
 水で濡れている肌は吸われるとじゅっという音がして、卑猥な音がさらにいやらしく感じる。
 さらに舌全体を使って先端を舐め回され、その刺激から微弱な電流が身体中に駆け巡る。
 気持ちいい……。
 ライトにしっかりと身体は照らされているから丸見えのはずなのに、恥ずかしい感情よりも気持ちがよくて幸せだという思いの方がはるかに強い。
「はっ……んっ……」
 悠希の舌が右胸の先端を舐め回し、舌先で突かれる行為を繰り返す。
 私は彼の柔らかい髪を掴み、ぎゅっと抱きしめる。
「ゆう……き……」
 名前を呼ぶと、ちらりと彼の視線がこちらに向く。
 彼が唇を強めに結んで胸の先端を挟まれると、一気に強烈な刺激が下腹部に集まる。
「んあっ!」
 目をギュッとつむり、刺激を我慢すると悠希の嬉しそうな声が聞こえてきた。
「琴葉の反応が可愛すぎるよ。外で琴葉のこんな声を聞くなんて初めてだから、興奮する」
「外、とか……プールとか……初めてだし」
「ああ、そうだな。高校生の時に戻ったみたいでいいじゃん?」
 悠希はそう言いながら胸から顔を離して、目線が同じくらいになるように、私を少しだけ降ろした。
 唇がくっつくくらいの距離で会話をしているから、いつでもキスができそう。
 私は彼の形のいい唇を眺めながら、高校時代のことを思い出す。
「でも、私は部活中にそんなふしだらなことをしようなんて考えなかったから」
「そうなのか? 俺はいつも水着姿の琴葉を見て、いやらしいイメージをしないように必死だったな」
「もう、仕方ないなあ」
 十代の高校生らしい発言に、つい笑いが込みあげてくる。
 でも、悠希は私を見て懐かしそうな眼をしていて、優しい微笑を浮かべていた。
「それに俺、琴葉にはかっこいいところを見せようとして、ずっと必死だった。今とは大違いだ」
「悠希は……ずっとかっこいいよ」
 苦々しい顔をしている悠希の顔を、そっと包む。
 鼻先を当てたあと、私から軽くキスをすると、そのまま貪るようなキスが始まった。
 ばしゃっとプールの水が弾けて水しぶきが舞う。
 彼はキスをやめると私をプールサイドにあげて、自分も上がってきた。
「プールの中じゃじれったいな。ベッドに行こう」
「……うん」
 用意していたバスタオルで身体を拭くと、ベッドになだれ込むように横になる私たち。
 悠希はすぐに私に覆いかぶさり、身に着けていた水着のショーツと自身の水着を全て脱がせた。
「琴葉……」
 甘く掠れた声で私の名前を呼び、全身の至るところに悠希はキスをする
 頬や唇、こめかみに首筋、胸のふくらみに舌を這わせると、ウエストラインも唇でなぞり、茂みのある場所へと到達した。
「さっき気持ちよくしてもらったから、今度は俺が頑張る番だ」
「あっ……ジッと見られると恥ずかしい……」
「十年以上も一緒にいるのに、恥ずかしい?」
「うん……だって、好きな人にそんなところを見られたら、何年経っていても恥ずかしいよ」
 自分の口を手の甲で隠し、私を見上げる悠希の視線からは逃げたくて、視線を逸らす。
 すると、悠希は喉を鳴らして笑い、熱いため息をはいた。
「はぁー……俺の彼女、本当昔から可愛すぎる。何度だって言える。琴葉は世界一可愛い」
「も、もう……」
 照れ臭くて拗ねた声を出すけれど、嬉しくてたまらなくて、手の甲で隠した口元はにやけが止まらない。
 悠希は私の反応を見た後、秘部へと顔を埋め、披裂を舌でこじ開けた。
「んっ……」
 ぴくっと身体が跳ね、足が甘い刺激に反応して指先がピンっとなる。
 悠希の舌はさらに秘部の奥へと進んでいき、中で舌をくるくると回して広げていく。
 その動きがたまらなく気持ちよくて、私はベッドのシーツを思い切り握りしめていた。
「あっ、ああ……」
 喘ぎ声も止まらなくて、彼の舌が動き回るたび、声が漏れる。
 愛液でぐっしょりしている秘部は、卑猥な音を出して溢れていた。
「すごく濡れてる。気持ちいい? 琴葉」
 悠希が顔を上げ、私の愛液で濡れた口元を手の甲で拭いていた。
 自分のもので悠希の顔を汚してしまったことに申し訳なさと、羞恥心が複雑にこんがらがって感情が爆発しそうだ。
「う、うん……気持ち、いい……」
 それでもちゃんと伝えられたのは、さっきの悠希の言葉のおかげだ。
 思いは素直に口に出して伝える。
 それで悠希が安心して喜んでくれるのなら、私はもっと嬉しい。
「もっと……一緒に気持ちよくなろ?」
 私の問いの意味に気づてくれた悠希は、体勢を変えて上半身を起こす。
 そして、私の膝裏を持ち、ゆっくりと開いた。
「……挿れるぞ」
「うん……」
 この体勢になると、期待が膨らむ。
 少し前なら、こんなこと考えられなかった。
 適当に前戯をされて、悠希がイきたい時にイき、それで終わりだった。
 だけど、今はそうじゃない。彼も私も一緒に気持ちよくなりたいと思っている。
 この行為が義務的なものではなく、愛を感じる大切な行為なのだとお互いに感じている。
 だから、期待も膨らみ、悠希を受け入れることができるんだ。
「んっ……」
 悠希のお臍あたりまで反りあがった彼自身が、私の中にゆっくりと入ってくる。
 熱くて硬い……。それに避妊具なしでの行為は初めてだから、そのままを感じられた彼自身の熱に、意識が全部そこに集中してる。
「くっ……。気持ちいいな……」
 悠希も気持ちよく感じてくれているのか、苦しいという意味じゃない辛さを顔に表している。必死に理性を保っている感じだ。
「悠希……もっと、奥……」
「わかってる。時間をかけて中に入るから」
 焦るともたないことがわかっているのか、悠希は自分で調整をしながら私の中に入って来た。
 そして彼の全部が私の中に収まると、深く息をはく。
「んっ……これで、全部……」
 私の膝裏を持ちあげながら、悠希は肩で息をしている。
 私もそのまま彼を受け入れ、初めて感じる刺激に腰がふるふると震えていた。
「……琴葉、動くぞ」
「う、うん……」
 悠希はぴったりとくっついていた結合部から自身を少し抜くと、小刻みな動きで出し入れを始めた。
 肌のぶつかり合う音が寝室に響き、愛液がどんどんと溢れ出してお尻まで垂れてくる。
 なんの隔たりもなく交わっている部分がたまらなく気持ちよくて、そんな感情と同時に悠希と本当に身も心も繋がれたのだと実感できる。
 心も身体も今にも蕩けてしまいそう。
「悠希、好き……」
 愛おしさが溢れて、思いを言葉にして伝えた。
「んっ……俺も」
 悠希も言葉で伝えてくれると、彼自身がぐっとさらに硬くなった気がする。
 甘い刺激を与えられた私の中は無意識に彼を締め付けてしまい、悠希は一段と顔を赤くして眉間にしわを寄せた。
「はっ……あんまり締め付けるな……、もたない」
「ごめん、でも悠希のだって……」
「わかってる。 もうそろそろ限界だ。激しく動いてもいいか?」
「うん……」
 私がうなずくと、悠希の動きはすぐに早まり、腰を思い切り打ちつけてきた。
 最奥を穿つように当ててくる彼自身が膣壁を強く擦りあて、強烈な刺激が私を襲う。
「ひゃっ! あん! ああ!」
 ベッドの軋む音が室内に響き、激しさを物語っている。
 屹立した彼自身が抜くぎりぎりのところまで腰を引いたかと思うと、無情なほどに勢いよく最奥まで突いてくる。
 その動きを何度も何度も繰り返されて、私は羞恥心なんか忘れてしまうほど、乱れてしまう。
「だ、めえ……! やっ! イっちゃう!」
「イっていいよ。琴葉のイく顔、見たい」
 ガツンガツンと腰を打ち付け、さらに悠希の親指は秘部のすぐ上にある小さな粒を集中的に擦り始めた。
 すぐに身体は熱くなり、激しい快楽を与えられる。
「そ、れ、だめえ……!」
「そうか? 琴葉の中は喜んでいるみたいに、俺にすごく絡みついてくる。気持ち良すぎて、やばい」
 荒い吐息交じりに、悠希は私の身体の中で起こっていることを説明している。
 私は何かにしがみついていないと激しく乱れてしまいそうで、必死に何かを掴もうと両手を宙に伸ばす。
 悠希は私の両手を掴んで指を絡ませると、私の頭の横に指をつないだまま手を置いた。
「琴葉、最後は一緒に果てよう」
「う、うん……!」
 悠希はひときわ強く最奥を小刻みに突き続け、私は我を忘れるくらい喘ぎ声をあげた。
 内壁を擦られる刺激に意識を持っていかれ、このまま果ててしまいそうになる。
「こと、は……!」
「あああ!」
 悠希が最奥を強く突いた。
 その瞬間、目の前が真っ白になり、まるで閃光が放たれたみたいだと思った。
 そして、下腹部の奥のほうで、彼自身から迸った熱いものがじわりと感じる。
 お互い果てたのだとわかると、視線を合わせ微笑みあった。
「琴葉、愛してる」
 心の奥底から放たれたような、悠希の思いがこもった言葉を聞き、私の目尻から涙が一筋流れた。
「私も……愛してる。悠希、大好き……!」
 繋いだ手をさらに強くぎゅっと握りしめ、私も涙声で彼への思いを口にした。

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