お見合い相手は初恋の極上御曹司 ~初めての快楽で愛し尽くされて~

書籍情報

お見合い相手は初恋の極上御曹司 ~初めての快楽で愛し尽くされて~


著者:冬島六花
イラスト:さばるどろ
発売日:2023年 3月10日
定価:630円+税

私立高校で働く千香は忙しくも充実した毎日を過ごしていた。
ある日、中学の先輩の結婚式に呼ばれ、当時から想いを寄せていた潤と再会を果たす。
より魅力的になった潤にときめく千香だったが、後日、母親からお見合いの話が飛び込んできた。
あまり乗り気ではなかったものの、お見合い相手が潤だと知り、驚く千香。
あの頃から色褪せずに続いていたお互いの気持ちを伝え合い、二人は結婚を前提にお付き合いを始めることになった。
「誰にも見せない、君の姿を見せて」
初めての夜は驚くほど快楽に溢れて、どこまでも愛されるものだった――。
順調な交際を育む二人だったが、千香の様子に潤は何やら勘違いをしているようで……?

【人物紹介】

夏目千香(なつめ ちか)
白樺ヶ丘女子学院の数学科教師で吹奏楽部の副顧問。
仕事に一生懸命に向き合う真っ直ぐな性格をしている。
中学時代、吹奏楽部の先輩で憧れの存在だった潤と再会して……?

九階堂潤(きゅうかいどう じゅん)
九階堂商会の三代目で代表取締役社長。
明るく社交的で、優しい性格をしている。
中学生のときから千香に想いを寄せていて……。

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【試し読み】

 取り返しがつかないと気づいたときには、時すでに遅し。
 飛び起きた千香は、大きなベッドの上にいた。
「えっ、先輩!? ここって……」
「うん。ご想像通り、ホテルです」
(どどど、どうしよう!? ぶっちゃけ、ふわふわしていてここまでの記憶がない……)
 ソファに腰掛け、潤に差し出された外国のミネラルウォーターを飲みながら、千香は動揺していた。
 なんとか落ち着こうと、深呼吸をして辺りを見回す。
 広々としたメインの寝室には、大きなダブルベッドが置かれている。真っ白なシーツが引かれ、枕も大きくふかふかだ。大きな窓からはこの街の夜景が一面に見渡せる。隣には豪華なテーブルとソファ、大型テレビが置かれた大理石の床の部屋があり、ゆったりとくつろげるようになっている。
 内装と眺望から察するに、高層階のスイートルームであろう。
(ここで先輩と私が……いや、まさか、そんな)
 自然と千香の視線はベッドに釘付けだ。
 先ほどまで千香が休んでいたため、シーツがぐしゃぐしゃに乱れている。
 寝顔を潤に見られたかもしれないと思うと、それだけで穴があったら入りたい気持ちだ。
「夏目さん、ベッドが気になる? ごめんね、ツインの部屋は予約がいっぱいだったんだ」
 心配して、潤が覗き込んできた。
(わ、私ってば、そっちばかり気にして、最悪!)
 千香は目の前でブンブンと手を振った。
「いやっ、決してそんなことは……。あ、そうだ、先輩。汗をかいたので、お風呂に入りませんか?」
 苦しまぎれに千香が提案すると、潤はなぜか顔を赤らめた。
「あれ……先輩?」
「それって、夏目さんと俺が、一緒にお風呂に……ってこと?」
「ひあっ!? す、すみません……ひ、一人ずつです」
「そ、そうだよね、俺こそごめん。……部屋で待ってる」
 潤も少し戸惑っているようだ。その証拠に、ミネラルウォーターをグイと喉へ流し込んでいる。
 日頃は完璧に見える彼の、可愛らしい一面を垣間見た気分になった。
「わ、私も、お風呂で頭を冷やしてきます」
「のぼせないように気をつけて、ゆっくりしてきてね」
 潤は穏やかに言った。千香は彼からパッと顔を背けて、浴室へと向かう。
 夜景を楽しむこともできる浴室は窓が大きく、広く開放的な空間だった。
 身体を洗ってバスタブに浸かり、千香は大きく息を吐く。
 ジェットバスのほどよい水流が、火照った身体をほぐしてくれる。
(先輩後輩という関係から再会して、お見合いしてデートして……そしてなぜか今はホテルに……)
 目を閉じて入浴していると、いろいろな思いが駆け巡ってくる。
(私には不釣り合いなくらい……幸せ)
 うっとりと目を閉じて、千香は深呼吸する。
 潤と自分が結婚前提の交際をしているなど、夢みたいな展開である。
(って、ちょっと待って! 私、本当に先輩と二人の夜を過ごすわけ……?)
 まだ現実を信じきれずにいる。
 それでもバスルームの向こうでは、潤が待っているのだ。
 バスタブに浸かって、千香はゆっくり身体を休める。
(今夜はきっと、先輩と、するってことだよね)
 たっぷりの湯で温まると、自然と二人の夜への期待感が高まってきた。
 気分がほぐれたところで、千香はバスルームを出た。
 替えの下着はないから、素肌にガウンタイプの夜着を羽織り、部屋へ戻る。
 ボディソープの薔薇の香りが、ふんわりと肌から立ち上って心地良い。
「お待たせしました。次は九階堂先輩が、ゆっくりしてきてください」
「ありがとうね、夏目さん」
 千香と入れ替わりで潤が入浴したため、千香は部屋で一人になった。
(それにしても、眺めの良い部屋だわ)
 大きな窓に近づいてそっと手を触れ、千香は外を見る。
 よく晴れた秋の夜だった。寝室の窓からは、この街の夜景が一望できた。
 ビルのネオンが瞬き、遠くに見える幹線道路には車のライトが一定の速度で流れていく。
 こうして見ていると、自分が暮らす街を違う角度から見た気がして面白かった。
(こんなにきれいに見えるのね! ……でもここ、やっぱり高い部屋なのかも)
 振り返って部屋を見渡す。家具は見るからに高級品だし、内装も凝っている。
(先輩に、きちんとたしかめないと……)
 千香のために気を遣わせてしまったのかもしれないと思うと、千香は心配になった。
 潤がガウン姿で浴室から出てきたのは、それから二十分ほど後のことだった。
「おつかれさまでした。先輩、お風呂、良かったでしょう?」
「うん、最高だったよ。夏目さんは、景色を見ていたの?」
「はい。夜景がすごくきれいで、感動していました。……先輩、ぶしつけな質問で恐縮ですが、このお部屋、すごく高級じゃないですか?」
「ごめんね、急だったから、この最上階のスイートルームしか空いてなかったんだ」
「ええっ!」
 想像通り、良い部屋だったというわけである。潤にそこまで気を遣わせてしまったことに、千香は胸が締めつけられるような苦しさを覚えた。
「支払いのことなら、夏目さんは気にしなくていいよ。お酒を飲ませすぎた俺が悪いんだし。それにどうせ泊まるなら、特別な部屋の方がいいだろう?」
 キングサイズのベッドに二人は並んだ。
 千香はまだ現実だと信じられない面持ちで、眼鏡を取り脇机に置く。
「酔ったのは先輩のせいじゃありません。全て私が悪いんですっ。お店の雰囲気が良くて、ご飯も美味しくて、楽しさのあまり飲みすぎました……」
「それなら、悪いのは夏目さんじゃなくて素敵すぎるあの店だ! ……気に入ってくれたみたいで嬉しいよ。また、行こう!」
「はい、もし私が、愛想を尽かされていないなら……」
「そんなこと、あるわけがないよ。それじゃ、今日はもう寝ようか?」
 潤はニコリと微笑みかけると、千香の髪にそっと手を触れ、それからくるりと背を向けて眠る体勢になった。
 千香を最大限、気遣ってくれているのだろう。
(えっ、ちょ、ちょっと待って! このまま、今夜は何もないの……?)
 ホテルに二人で宿泊するからには、大人の関係になるものだと想像していたのだ。
(このまま眠るなんて、嫌……!)
 千香は意を決して、潤に背後から抱きついた。
 普段なら決して自分から男性に迫ったりはしない千香だが、この機会を逃すわけにはいかない。なにせ、今夜はロマンティックな恋人たちの夜にもっともふさわしい、最上階のスイートルームに宿泊しているのだ。
 酔いに任せれば、案外なんでもできるものである。
「九階堂先輩!」
 ありったけの勇気を振り絞って、千香は、ぎゅううっ、と潤を抱き締める。
「えっ、夏目さん……?」
「す、好きです! 大好きです……!」
 振り向いた潤は少し、いやかなり、戸惑っているようだった。
「夏目さん、どうしたの? めちゃくちゃ酔っていない?」
 千香の肩に手を置き、心配そうに潤は言った。
「酔ってないです! まっったく、なんにも、酔ってません」
「その言葉が真実なら、強く否定しなくてもいいはずだけど……」
 潤は手の甲を千香の額に当てた。熱がないか、確認してくれているようである。
(たしかに私は酔っている。明らかに、度を超して飲み過ぎた。だけど今夜は、この酔いの力を借りたい……)
 千香にとって、今夜は千載一遇のチャンスだった。だから体当たりで、潤に向かっていこうと決めたのである。
「お願い、先輩。その……だ、抱いてください。このまま寝るのは寂しいので……」
 千香は潤を上目遣いで見ながら、すがりついた。
 今夜、勇気を出さなければ、千香は一生後悔すると思ったのだ。
「やっ、夏目さん。さすがに飲み過ぎだし、抱けないよ」
「それなら、どうしてホテルの部屋を取ってくれたんですか? タクシーに押し込んでくれてもよかったのに」
 ホテルから千香の自宅までは、タクシーで帰宅できる距離である。
「いや、だからそれは……酔っ払っていたから危ないと思って。まぁ、あとは……またとない機会だし、週末の朝くらい、夏目さんとのんびり迎えたいなと思ってさ」
「私と?」
 たしかめるように訊ねると、潤は観念したようだ。
「……ああ、そうだ。正直に白状する。夏目さんと、朝を迎えたかった」
「それなら、お願い!」
「わっ、夏目さん?」
 潤の胸に、千香は顔を埋めた。
 奥手な千香が考え得る、精一杯の潤へのアピールだった。
 案の定、潤の鼓動の高鳴りが、ガウン越しに伝わってくる。
 男らしい、汗の匂いも。
 その全てが、今の千香には愛しかった。
「夏目さん……いいの? 本当に、いいんだよね?」
「はい、お願いします」
 コホン、と一つ咳払いをすると、潤は一旦身体を離して、改めて千香に向き直った。
 それからそっと覆いかぶさり、唇に唇を重ねる。
(キ、キスしてる……!)
 すぐそばに感じる吐息に、千香は目眩を覚える。
 潤は千香の頭を抱き、指先で髪を優しく梳くような仕草をした。
「んんっ……」
 すぐに歯列を割って潤の舌が侵入してきた。
(身体が、蕩けそう)
 まだ唇を合わせただけだというのに、千香は身体が芯から疼き出すのを感じていた。
(大丈夫。九階堂先輩となら、私……)
 潤は千香のお椀型の胸を、そっと掌で包んだ。
「あっ」
 まだほんの少し触れただけだというのに、甘い吐息が漏れる。
「ここ、どう?」
 ゆっくり、柔らかくこねるように揉みしだかれると、くすぐったいような感覚が全身を駆け抜けていく。
「く、くすぐったい」
「じゃあ、ここは?」
 反応を確かめるように、潤は千香の胸の頂を、指でそっと擦った。
「ひぁ、だ、だめ……」
 掠れた声で、千香は喘いだ。
 敏感な部分を大好きな人の指先で弄ばれるなど、以前の千香なら想像できなかった事態である。
「誰にも見せない、君の姿を見せて」
 甘い声で囁きながら、潤は千香の乳首を、ピン、と指で弾く。
「そんなっ……や、っ」
 敏感な部分を責められて、千香としてはたまらなかった。
 リズミカルな愛撫を繰り返され、千香は刺激を与えられるたびに高い声を上げた。
 それが潤の嗜虐心を煽ったのか、愛撫はますます激しくなっていく。
「嫌なのか? ……もう、ここで止めておこうか?」
 からかうように、潤は言った。
「や、っ……止めないで」
「もっとして欲しいってこと?」
「うんっ……ぁあっ」
 恥ずかしそうに、しかし素直に応える千香を見て、潤は微笑んだ。
 そして、乳首を弄る指の動きを、さらに早める。
「ああっ! やっぱりいやっ……だめぇ!」
 両方の乳首を摘まみ上げられ、千香は艶やかな声を上げる。
 その反応を楽しむように、潤はさらに刺激を強くした。
「んふぅっ……だめなのぉ……」
 身体の奥から湧き上がる快感に、千香は思わず身をよじった。
「そう?  本当は、気持ちいいでしょ?」
「ん……きもちぃ……けどぉ」
 快感に耐えながら、途切れがちに答える千香だったが、その顔には戸惑いの色が浮かんでいた。
「可愛いね。こっちは、どうかな?」
 潤は千香の下腹部へと手を伸ばした。ショーツの上から、秘裂をそっと撫でられる。
「濡れてる……直接、触ってもいい?」
「は、はい……」
 返事をするやいなや、潤の手が千香のショーツの中へ侵入してきた。
 花びらをくちゅくちゅと弄られ、その度に淫らな水音が響く。
「すごい音だね。ほらこんなに」
 わざと羞恥を煽るようなことを言いながら、潤は指先を花びらの奥に沈めた。
 指先に絡みつく蜜の感触を確かめつつ、指をゆっくりと出し入れする。
「やっ、言わないでぇ」
 恥ずかしさのあまり、千香は両手で顔を覆った。
 それでも、身体は快楽を求め、千香は無意識のうちに、潤の手に下肢を押しつける。
「どんどん溢れてくるね。こうやって弄られると、そんなに気持ちいいんだ?」
 言葉責めをしながら、潤は千香の花芯に触れた。
 その瞬間、電流のような鋭い感覚が背筋を走る。
「ひぁっ!?」
 思わず腰が浮き上がるほどの強い衝撃だった。
 潤はそのまま、花芯への愛撫を続ける。
「ふぁあ……んっ……そこぉ、だめぇ……!」
 敏感な突起を弄られるたび、強烈な刺激が身体中を駆け巡った。
「ここが夏目さんの、一番感じるところ?」
 逃れようと身体を揺らすが、潤の逞しい腕がそれを許さない。
(なにこれ……こんなの知らない……!)
 生まれて初めて経験する感覚に、千香は戸惑っていた。
 今までに感じたことのない感覚。自分が自分でなくなってしまうような不安感。
 それにもかかわらず、千香の身体は確実に反応を示していた。
「ねぇ、教えて。ここは、どう?」
 潤は親指で、肉芽を軽く押し潰した。
「あっ……そ、それは……そこ、や、やぁっ……」
 快感に翻弄されて、千香は上手く言葉を紡げない。
 潤は人差し指を秘裂の奥へそっと差し込み、親指との間で挟み込むように刺激する。
 くちゅくちゅという卑猥な音が、部屋中に響いた。
(こんなになっちゃって、恥ずかしい)
 いつの間にか太股に愛液が垂れていることに気づき、閉じようとする。
「夏目さん? 俺の手をしっかり脚で挟んで……もしかして、もっと強い刺激が欲しいの?」
 潤は千香の気持ちをお見通しのようだった。
「っ……!」
 図星を突かれて言葉に詰まる。千香の中で、焦燥感が高まっていく。
(九階堂先輩と、一つになりたい)
 口にしたら軽蔑されるだろうか。
 それでも千香は、もう我慢の限界だった。
 とろんとした眼で見つめると、潤にも思いが伝わったようだ。
「挿れてもいい?」
 そっと千香の手を包みながら、気持ちをたしかめる。
「は、はい……もちろん」

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