
魔女ですが、淫らな呪いをかけられた王子のトロトロ溺愛えっちが止まりません!?
著者:桔梗楓
イラスト:Shikiri
発売日:2024年 10月18日
定価:650円+税
貴族間における妬みや嫌がらせの呪いを依頼される魔女として生計を立てているカーシャ・トウラ。
ある夜、彼女は脇道で暴行を受けている男性を見つけ、助けたのだが……。
思っていた以上に怪我をしていた彼を自宅へと連れ帰り、治療を試みることに。
目が覚めた彼は自身を「トリート」と名乗るも、カーシャの名前を聞くと、なぜか怒ったように出ていこうとしてしまう。
それでも、深い傷を負っていたトリートはしぶしぶカーシャの世話になる。
怪我が治るまでの間、一緒の時間を過ごすうちに二人の間にある誤解がとけていく……。
あるとき、トリートの身体に「色欲の呪い」がかけられていることに気づいたカーシャ。
トリートの命が危ないと、二人は口づけを交わすが――?
「俺から逃げるな」
トリートのとめどない愛撫にトロトロに蕩けさせられてしまったカーシャは……!?
【人物紹介】
カーシャ・トラウ
魔女として生計を立てている。
言いたいことははっきり言う性格。困った人を放っておけないお人好しでもある。
ある夜、怪我をしたトリートを助けたのだが……?
トリート
カーシャに助けられた男性。
軍人気質の硬い性格で真面目。とある出来事から魔女を嫌っている。
カーシャの治療により、色欲の呪いがかけられていることが分かり――?
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【試し読み】
「そういうわけだから、トリート。今からやるわよ!」
「は?」
「だから、今すぐ性欲を発散させましょうと言っているの。強制的に引き上げられている性欲をいったん鎮めれば、少なくとも肉体と精神の負荷が落ち着くわ。解呪はそこからよ」
「な!? ま、待て。君は今、自分が何を言っているのかわかっているのか!」
「当たり前でしょう。そうしないと、あなたの命が危ないのよ!」
「いや、ダメだ。こんな下らないことでカーシャが犠牲になるのは間違っている。それに俺も、呪いごときで己の欲望に屈したくはない!」
何せトリートは八年間も耐え続けてきたのだ。精神力ひとつで呪いに抗ってきたゆえに、今更欲に溺れたくないという自負が強いのだろう。
だが、これはそういうプライドの問題ではないのだ。
カーシャは両手でぱちっとトリートの頬を挟む。彼は非常に困惑した表情をしている。
「いいこと。相手が私みたいなしがない庶民で嫌でしょうけど、あなたの状況はまったく楽観視できないの。だから、我慢して」
まるで喧嘩を売るように睨み付けたあと、カーシャは勇気を振り絞ってトリートの唇に口づけた。
「…………っ!?」
トリートは驚いたのか、びくっと体が震えたあと、目を見開いた。
触れるだけの、口づけ。
悲しいかな、男性経験皆無のカーシャは殿方を喜ばせるキスの方法を知らない。
ただ単純に、色気も艶めかしさもなく、唇を合わせるだけの口づけ。
先ほどまでの喧騒が嘘みたいに、部屋は静寂に満ちた。
やがて、カーシャの体が小刻みに震え出す。そして、耐えきれなくなったように「ぷはっ」と唇を離した。
「息止めるの……限界……」
「息を止めていたのか」
「だってキスしてる時って、唇を塞ぐじゃない」
他にどうやればいいのだと、カーシャは不機嫌そうに眉をひそめる。するとトリートは呆れたようなため息をついた。
「鼻呼吸ができるだろう。キスは、こうやるんだ」
まるで、ごく自然に。まるで教師が出来の悪い生徒にものごとを教えるみたいに。
トリートはスッとカーシャの頬に触れ、力強く引き寄せた。
「ん、むうっ」
柔らかく唇が重なる。カッとカーシャの顔に熱が帯びる。
「口を開けろ」
言うか言わずか、トリートは自分の人差し指と中指で無理矢理カーシャの口をこじ開ける。そして、ぬるりと生暖かい舌が滑り込んできた。
「んんーっ!?」
「黙って」
不機嫌そうな口調で窘め、トリートは舌を使ってカーシャの口腔を弄り始める。
奥に縮こまっていた舌を絡め取り、くちくちと音を鳴らせて舐め、歯列や舌の裏をくまなく舌の先端でなぞる。
そしてカーシャの舌をじゅるりと吸い取り、彼の口腔で嬲った。
鼻で息をしろと言われても、こんなにも濃厚なキスをされたら、呼吸することすら難しい。カーシャは短く「は、は」と口で呼吸を繰り返して、トリートの腕を掴んだ。すると彼は深く口づけながら、カーシャの耳の縁を優しく撫でる。
「んんっ、く――っ」
耳がくすぐったくて、カーシャはふるふると体を震わせた。
深い口づけは執拗で。トリートは特に言葉を発することなく、黙々と舌を絡ませる。
「はあ……」
どちらの吐息か。唇が離れるのは同時だった。
カーシャは初めての濃すぎるキスに頭がついていかない。熱に浮かされたようにぼうっとしていたが、逆にトリートはハッと我に返って、額に手を当てる。
「……やっぱり、ダメだ」
「ん、え?」
「こんな行為は、安易にしてはいけない。……それは止めておこう。俺なら大丈夫だ。それよりもカーシャが解呪さえしてしまえば、問題は解決する」
「ま、待って! それがダメだって言ったじゃない。あなたは今、体に爆弾抱えてるも同然なの!」
体を引こうとするトリートを、カーシャは慌てて止めた。
「だいたい、そこまで嫌がらなくてもいいでしょ」
「そうじゃない! ……そうじゃないんだ」
トリートは唇を引き締め、そっと自分の唇に触れる。
「むしろ逆と言おうか。このままだと……止まらなく、なりそうで」
「何がよ。いいこと? ここで我慢したらダメなのよ。私とそういうことするのが嫌なら、私の顔を見なくていいから、とにかくちゃんと性欲を発散して」
カーシャは寝台に座る彼の前で膝立ちになった。そして――。
「失礼!」
バッとトリートの下履きを下にずらす。
「なっ!? ばっ……!」
慌てて下履きを戻そうとするトリート。しかしそれよりも早く、カーシャは彼のものをぐい、と掴んだ。
「……つっ!」
さすがに、トリートも性器を握られてはたまらないらしい。びくっと体を震わせる。
(想像以上に、お、大きい……大丈夫かしら……)
カーシャは、初めて目にする男性器に少し怯える。鍛え抜かれたトリートの体にふさわしいとも言えるそれはすっかり硬く勃ちあがり、先端は天を向いていた。じかに手で触れると熱を持っていて、どくどくと赤黒い筋が脈打っている。
あまりの迫力に、カーシャは怖じ気つきそうになる。しかし慌てて思い直し、心に気合いを入れた。
(は、始めたのは私なんだから。ちゃんとやらないと。大丈夫、やり方は知ってる)
ぐ、と生唾を呑み込んだあと、カーシャははらりと顔に落ちた自分の髪を耳にかけた。そしてもう片方の手で彼のものを優しく掴み、先端をはむ、と頬張る。
「カ、カーシャ……っ!」
まさか口に入れられるとは思わなかったのか、トリートが声を荒らげる。
カーシャは気にせず、先端を口に含んだまま、下でちろちろと割れ目をなぞった。
(少し、しょっぱい。それに、舐めているとぬるっとしたものが出てくる……)
は、は、と口で息をしながら、カーシャは一生懸命彼の肉杭を舐めた。
殿方を喜ばせる方法のひとつに、これを口に含んで舐める、というのがあるのは知っていたが、どれくらい口に入れればいいのかわからない。……というより、口に入りきらない。円を描く先端だけで口の中がいっぱいになる。
(舐めるだけじゃなくて、確か、こう……)
カーシャは知識を総動員させて、握った彼の杭を上下に擦った。力加減がわからなくて、とにかく優しく、傷つけないように、繊細に擦る。
だが、そんなゆるやかな動きは、むしろトリートにとっては生殺しも同然らしい。
唇を嚙み切る勢いで、凶暴な衝動に耐える。
「は、ダメだ。やめるんだ……カーシャ」
彼の鉄の理性がカーシャを窘める。だが、首を横に振って拒否する。
「だ、だいたい。君は……っ、こんな淫らな行為を……なぜ知っているんだ」
はあ、と荒く息を吐きながら、苦しげに尋ねる。
「まさか……俺以外の男にも、こんなことを」
「そ、そんなわけないでしょ!」
カーシャは慌てて顔を上げる。
「こんなの、初めてに決まってるじゃない! これは知識なの。その、精液は……魔力の量を増やす薬の材料になるから、採取方法として知ってたというか……」
説明していると、何だか恥ずかしくなってくる。カーシャはそっぽを向いて、気を取り直したようにもう一度彼の杭を両手で掴んだ。
「なんだ、そうか……」
上から、やけにホッと安堵したような声が聞こえてきた。
「良かった」
何が? と疑問に思ったが、今は押し問答をする時間ではない。
カーシャは再び先端を口に含み、舌でねっとりと舐める。同時にこしこしと彼のものを擦って、射精を促す。
すると、そんなカーシャの両手に、温かくて大きな手がそっと添えられた。
「もう少し、力を入れて構わない。これくらい、だ」
「んっ」
「上下に動かす時は、こう。早すぎても遅すぎても、あまり性感は得られない」
トリートが丁寧に教えてくれる。そうなんだ、と心の中で思いつつ、カーシャは彼の言うとおりに両手を動かし、舌でなぞる。
「ああ。いい。カーシャの舌は……驚くほど柔らかい」
彼に手を添えられながら、上下に両手を動かす。先端からとろりと零れるヌルついた液体は肉杭を淫らに濡らし、手を動かすたびにぬちぬちといやらしい音がする。
「……っ、くっ、あ、もう、出る……っ」
トリートはぎゅうっとカーシャの両手を掴む。すると、彼の先端からびゅるると勢いよく精液が迸った。その射精はとても長くて、勢いも強い。口の中はあっという間に彼の精でいっぱいになって、しかも収めきれないほどの量になる。
とろとろ、と口の端から白い欲が糸を引くように零れていった。
「ん、ん……っ」
口を閉じたカーシャは、これからどうすべきか内心慌てる。
吐き出すのが正解か。それとも飲み込むのが正解なのか。
まごまごと悩んでいたら、息苦しくなってきた。はやく口で呼吸したくて、カーシャは目を瞑ってごくっと飲み込んでしまう。
「お、おい!」
どうやら飲み込むのは不正解だったようだ。
「マズ……喉が……ぴりぴりするわ……」
蕩けた顔で、カーシャは呟いた。初めての口淫にドキドキと胸が高鳴っていた。口は半開きで、唇からとろりと唾液が零れている。
トリートはそんなカーシャをジッと見つめた。
やけに真剣で、やけに無表情。
「――は」
それは笑ったのか。それともため息なのか。トリートは小さな声を出した。そして――。
逞しい彼の腕が、カーシャの体を軽々と持ち上げた。
「えっ……きゃ!」
ばふっと寝台に寝かされる。何だ急にと起き上がろうとして、その動きは阻止された。
「ん……っ」
寝台に体が押しつけられ、力強いトリートの手はしっかりとカーシャの手首を握る。
そして、唇が重なった。
すぐさま彼の舌がカーシャの口腔に入り込み、いやらしい水音を立てながら舌を絡ませ合う。その舌に吸い付いたり、あるいは巻き取ったり。
彼のたくみな舌使いに、カーシャはただただ翻弄される。目を潤ませながら、トリートのされるがまま、舌を貪られた。
「ああ、確かに。マズい」
く、とトリートが喉の奥で笑い、赤い舌をとろりと出した。その仕草はまるで、舌なめずりをする猛獣のよう。
「でも、カーシャの小さな口の中が、俺の精液でいっぱいになっていたと思うと、頭がおかしくなりそうなほど、興奮した」
彼の声は、いつもより低い。怒っているような、昏い喜びを感じているような、少し歪な感情が伝わってくる。
「これが、そうか。口を犯す、ということか」
はあ、とトリートは熱く息を吐いた。
「ト、トリート……?」
何だか様子がおかしい彼に、おずおずと声をかける。トリートはやや雑な仕草で、さらさらと音がしそうなほど綺麗な金色の髪を掻き上げた。
「八年、ずっと耐えていたのに。君はあっけなく俺の理性を壊してしまった。――一度タガが外れたら、もう自制できる気はしない。悪いが好きにやらせてもらう」
「そ、それってどういう……ひゃっ」
するするとカーシャの服は脱がされた。トリートは自分の下履きを煩わしそうに脱ぐと、いつもの彼とは思えないほど粗雑な仕草でぽいっと後ろに投げ捨てる。
互いに裸になると、トリートはカーシャを抱きしめた。
「あ……」
温かい。それに、力強い。……そういえば、こうやって誰かに抱きしめられたのは、生まれて初めてかもしれないと、カーシャは思う。
ゆっくりとトリートが体を起こし、また唇を重ねた。次は軽く、ちゅ、ちゅと唇を啄むようなキスをする。
はあ、と彼の熱い息が顔に当たった。生ぬるい舌が、つつと頬から首筋を伝っていく。
「ん、……っん!」
カーシャの体が思わず反応した。そのぞくぞくした感覚は初めてで、怖いけど、変に気持ちがいい。
トリートは唇にそうしたように、今度は首筋に口づける。音を立てて、軽く何度も吸い付く。
「は……っ」
気付いたら、涙がこぼれそうになっていた。それを、カーシャは懸命に堪える。人は気持ちがいいと、涙が浮かぶものなのだと、今初めて知った。
「びくびくと震える可愛らしい反応は、まるで小動物か愛玩動物だな」
ふ、とトリートが笑う。身を起こし、自分の人差し指と中指をねっとりと舐めた。己の唾液を纏わせ、ぬるりとカーシャの秘所に触れる。
「ん、あっ……!」
かあっと顔が熱くなった。
カーシャは身をよじって彼の指から逃れようとする。だがその行動は猛獣の独占欲を煽るだけだった。逃げられるわけもなく、まるで獅子が獲物を仕留めるように、トリートは彼女の肩を掴んで寝台に縫い付ける。
「俺から逃げるな」
まだ日は昇っているはずなのに、やけに部屋が薄暗い。下から見上げるトリートの顔は、窓から差し込む日の光の影になっていた。
その中で、印象的な翡翠の瞳が仄暗く光っている。
くちゅ、と音を立てて、彼の指が動き出した。秘所の入り口をかきまぜ、中指をぬぷりと挿し込む。
「ふ、ぁ」
初めての感覚にカーシャの体は震えた。彼の愛撫は止まらず、中指は何度も膣内の隘路を擦り、ぐにぐにと指の付け根まで挿れてしまう。
「なんだ。もうこんなに濡れていたのか」
くす、とトリートが妖艶に微笑む。彼のそういう笑みは、初めて見た。
「あ……濡れ……?」
何を言っているのかわからず、カーシャは震えながら首を傾げる。
「わからないのか。……ほら」
トリートは指をもう一本増やし、二本で膣内を抽挿し始めた。すると、下半身からぬちゃぬちゃと、酷く粘り気のある水音が聞こえてくる。
「カーシャのここが、俺の性器を入れたくて仕方ないらしい。だから、こうやって自分で濡らしているんだ。いわゆる、性交の準備だな」
その言葉に、カーシャはカッと頬が赤くなった。
「そ、そんな。私、準備なんて」
「俺の性欲を発散させると息巻いていたじゃないか」
「言、言ったけど!」
カーシャはぷいと横を向く。
(だって、そんな意地悪な言い方しなくてもいいじゃない。私が、こういうのが好きな女みたいに……)
むむっと不満げに眉を寄せる。そんなカーシャの表情が面白いのか、トリートは軽く笑った。
「だが、君は性交は初めてだったな。それなら、もう少し慣らしておこう」
くちゅ、とトリートの指が前後に動いた。ぬちぬちと抽挿させながら、親指で秘芯を弄る。
「あ、あっ!」
それは、だめだ。カーシャはいやいやと首を横に振る。しかしそんなささやかな拒否で目の前の男が止まるわけがない。
トリートは膣内の抽挿をしながら、ゆっくりと前のめりになった。はあ、とカーシャの乳房に熱い息がかかる。
「なんだろう。こんなにも開放的な気分になれたのは、生まれて初めてだな」
ぬろ、と赤い舌が口から零れて、先端でちろりと乳房についた赤い乳首を舐める。
「はっ、あ、ぁん!」
びくんと体が跳ねて、顎がのけぞる。同時に秘所は激しく指を抽挿され、カーシャの体はガクガクと揺さぶられた。
「んっ、く、それ、だめえ!」
「だめ、ではなく。気持ちがいいだろうが」
鼻で笑ったトリートがちゅるりと乳首を吸い、口の中でころころと舌で転がす。
「はっ、は、きもち……い……?」
「さっきカーシャが俺のものを扱いてくれただろう。こういうところを弄られるのは気持ちがいいものだ。ほら」
ぐちぐちと指を抽挿され、親指で秘芯を捏ねられ。
強すぎる感覚は、頭がおかしくなってしまいそうで、怖くなる。
だけど、その感触は決して嫌なものではなく――。
「あ、ン、……きもち……いい……?」
びくびくと体を震わせながら、カーシャは言葉を零す。
トリートは満足げに頷き、再び乳首に吸い付いた。
「ああっ!」
奥の奥まで、彼のごつごつした太い指が入り込み、かりかりと甘く引っ掻くように隘路を弄る。
更に秘芽をぎゅっと親指で押しつぶされ、ぐにぐにと擦られて。
カーシャは否応なく抗えない快感を押しつけられて、何がなんだかわからなくなってしまった。ここがどこで、彼は何者で、どうしてこんなことをしているのか、そんなことも曖昧になっていく。
「あ、ァ……やっぱり、だめ……っ、何か、きそうで……っ!」
ふるふると首を横に振るも、トリートは目を細めて笑い、空いていた片手で乳首をぎゅっとつねる。
カーシャの体が痙攣したようにびるびると震え、やがて大きく跳ねた。
「あぁあああっ!」
何か衝撃のようなものが体の中ではじけて、頭の中がまっしろになる。