エリート旦那様は初心な新妻への淫らな執欲が溢れて仕方がない

書籍情報

エリート旦那様は初心な新妻への淫らな執欲が溢れて仕方がない

著者:大江戸ウメコ
イラスト:つきのおまめ
発売日:2024年 5月31日
定価:620円+税

 

勉強一筋で生きてきた織部千歩は、大学でしつこいサークル勧誘を受けていたところを夕弦に助けられ、初めての恋に落ちた。
それから同じサークルに入ったことでよく話すようになり、いつしか心を通い合わせ、交際がはじまり、そして今日――2人は晴れて夫婦となった。
初心な千歩に合わせて手を出さずにいてくれた彼との新婚初夜を迎え、彼女は覚悟を決めたものの、緊張から怖気づいてしまう。
いつもなら引いてくれる夕弦だが、今日は何だか様子が違っていて……。
「千歩は全然分かってない。俺がどれだけ、君を望んでたか。今さら嫌だって言っても、絶対に聞いてあげないから」
交際を始める前、珍しく酔った彼は千歩に「強い束縛は信用されてないように感じてしまい冷める」とこぼしたことがあった。
しかし、千歩と出会い彼女を愛するようになった夕弦は、彼女を束縛したいと思っている自分に気づいてしまい……。
自らの独占欲を打ち明けた夕弦を受け入れた千歩は、彼の過剰な愛情に心も身体も満たされていき――!?



【人物紹介】

織部千歩(おりべ ちほ)
電子工学部出身の理系女子で、現在はそれを活かし企業の技術部で働いている。
勉強一筋で夕弦と出会うまでは恋愛とは無縁だった。
そのため異性からのアプローチなどは気づかず、警戒心も薄い。

保苅夕弦(ほかり ゆづる)
千歩の大学の先輩で、現在は大手家電メーカーの開発部門に勤務している。
初心な千歩に合わせ結婚するまでは彼女に手を出さないなど、優しくて紳士的。
人の好意に疎い千歩を心配しており、彼女と付き合ってから自分の嫉妬深さに気付いたが、普段は隠している。

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【試し読み】
 

「声、抑えないで。もっと聞きたい」
「だって、あっ、んっ……変な声」
「変じゃないよ、可愛い」
 こんな声が可愛いだなんて、嘘だ。
 なんだが動物の真似をしているみたいだし、それに、出したくて出ている声じゃない。
 私の脳裏に過ったのは、以前大学の飲み会で、酔っぱらった友人のひとりが放った言葉だった。
『彼女の喘ぎ声が、動物みたいで萎える』
 私の前では下ネタを控えてくれている友人たちだけれど、酒が入っていると、ときたまそういう方面の話題がでることもあった。
 酔っぱらった際に、とある男友だちが言っていたのだ。
 エッチの最中の声で、幻滅することがある、と。
 経験したことがない出来事だったし、そのときは聞き流したけれど、今になって身に染みる。
 こんなおかしな声、夕弦さんには聞かせたくない。
「んっ……っ……んん」
 私はぎゅっと唇を引き結んで、声を殺した。
 けれども夕弦さんは、容赦なく私の胸を攻め続ける。
 そのたびに声が漏れそうになって、焦りが生まれる。
 駄目だ、このまま声を抑え続けるのは難しい。
「あっ、んっ……だめっ!」
 私は声を我慢できなくなって、夕弦さんの手を掴んで身体から引きはがしてしまった。
 彼は驚いたように目を丸くしてから、戸惑った様子で眉をハの字にする。
「ごめん、嫌だった?」
「ち、違うの。嫌じゃないんだけど……」
 強く抵抗してしまったことを申し訳なく思いながら、私はベッドから身体を起こす。
 どうしよう。夕弦さんとの行為は続けたいけれど、おかしな声が出てしまうのは嫌だ。
「あの、やっぱりその……明日とかじゃダメかな? 今日は色々疲れちゃったし」
 とにかく問題を先送りにしたくて、私はそんな提案をした。
 夕弦さんには申し訳ないけれど、今までだって散々待たせてきたのだ。
 今さらひと晩伸ばしてもらっても、夕弦さんなら許してくれるだろう。
 浅はかにもそんな提案をすると、夕弦さんの表情が不安げに曇る。
「どうして急に嫌になったの?」
「どうしてって、その……」
 口ごもってから、私は近くに散らばっていたバスローブを抱き寄せて、身体を隠す。
「あんな変な声が出ると思ってなくて。夕弦さんに幻滅されたら嫌で……」
「変じゃないし、可愛いって言ったはずだけど」
「……で、でも」
 夕弦さんの言葉を信じ切れずに俯いてしまう。
「何をそんなに気にしてるの?」
「……前に彼女の行為中の声が変で、幻滅したみたいな話を聞いてことがあって」
 学生時代の飲み会で聞いた話を打ち明けると、夕弦さんの表情が変わった。
 目がすっと細くなって、剣呑な色が灯る。
「それ、誰が言ったの?」
「え?」
「相手、男だよね。俺よりそいつの言葉を信じるの?」
 責めるように言われて、私は慌てて首を振る。
 そんなつもりはない。ただ、夕弦さんに変に思われたら嫌だっただけで……。
 私が口を開くよりも先に、夕弦さんの唇が私の言葉を奪った。
「……っんん」
 強引に唇を割って、彼の舌が口内に入り込む。
 激しい口づけに、すぐ息が苦しくなった。
 呼吸がしたくて軽く身体を押し返すけれど、後頭部に手を回されて、さらに激しく貪られてしまう。
「んっ、む……」
 声を出すことも抵抗することもできないでいると、夕弦さんはキスをしながら、自分のバスローブの紐を解いた。
 そのまま服を脱ぐのかと思ったら、解いた紐を掴んだまま、反対側の手で私の両手を拘束する。
「好きにしていいって、さっき言ったよね。だったら、俺の好きにさせてもらうよ」
「夕弦さん、何を……っ」
 ようやく唇が離れたと思ったら、彼は脱いだバスローブの紐で私の両手を拘束してしまった。
 手が使えない状態にされて、あおむけでベッドに押し倒される。
「千歩は全然分かってない。俺がどれだけ、君を望んでたか。今さら嫌だって言っても、絶対に聞いてあげないから」
「夕弦さん、待って……あんっ!」
 急に雰囲気が変わった夕弦さんに戸惑って、話し合おうと口を開く。
 けれども言葉を発する前に、夕弦さんの唇が私の胸へと吸いついた。
 生暖かい舌で先端を転がされて、またしてもおかしな声が口から漏れる。
「やぁ、待って、あっ、ひゃあ、んっ」
「そうだね。しっかり口を閉じないと、声が漏れちゃうよ?」
 私の胸を舐めながら、夕弦さんが意地悪く笑う。
 私は声を聞かれたくなくて、刺激をやり過ごそうと唇を引き結んだ。
 どうにか声は抑えられたけれど、これでは会話もできない。
「っ……んんぅ……」
 声も出せず、手を動かすこともできない。
 夕弦さんの行動を止める術を奪われて、私はただひたすら彼の行為を受け入れるしかなかった。
 夕弦さんの舌が胸の先を転がすたび、あるいは、指でくりくりと弄ばれるたびに、痺れるような感覚が身体を駆け抜ける。
 自分の意志とは感覚なく、びくびくと身体が震えてしまい、口からはあらぬ声が漏れそうになった。
 慣れない快楽をどうやり過ごしていいのか分からず、かといって、抗おうにも逃げられない。
 唇を引き結んで荒い息を吐く私を、夕弦さんは恍惚とした顔で見下ろした。
「千歩、すごく可愛い。もっと、俺の手で乱れて」
 彼は興奮で顔を赤らめながら、私の下腹部へと手を移動させた。
 指先が臍を通り、さらに下へと移動していく。
「そこは……あっ」
 淡い茂みをかき分けて、夕弦さんの指先が私の中心へと触れた。
 自分で触れることもなく、ましてや誰にも触れられたことのない場所。
 そんな場所を夕弦さんに触られているのだと思うと、とんでもなく恥ずかしい。
「すごく濡れてる。これ、分かる?」
 羞恥で消え入りそうな私に追い打ちをかけるように、夕弦さんは指先で何度もそこをなぞった。
 彼の指が動くたびにくちゅくちゅと水音が鳴って、彼の言葉通り私のそこが愛液でぬかるんでいることを伝えてくる。
 経験がない私でも、女性は気持ち良くなると濡れるのだということくらい知っている。
 つまり、これは私が夕弦さんの行為に興奮している証拠というわけだ。
「夕弦さん、お願いだから、言わないで……あっ」
 羞恥で顔を逸らした私を責めるように、彼はその部分の刺激を始める。
「恥ずかしがる必要なんてないよ。俺たちは夫婦なんだから。千歩の全部を隠すことなく俺に見せて欲しい」
 彼は私の中心から手を引くと、今度は私の両膝を掴んだ。
 そして、あっという間に膝を折り曲げて、私の足を大きく左右に開いてしまう。
「ひゃぁ、まって!」
 恥ずかしい部分を夕弦さんの目前に晒されて、私は咄嗟に足を閉じようとした。
 けれども彼の力は強くて、しかも手を縛られている状態ではろくな抵抗などできやしない。
 私はなすすべもなく、己の全てを彼に曝け出すしかなかった。
「お願い、あまり見ないで……そんな場所、汚いから……」
「汚くなんてないよ。千歩の身体で、汚い場所なんてひとつもない」
 その言葉を証明するように、夕弦さんは私の中心に顔を近づけた。
 何をするのかと驚いていると、こともあろうに、彼はその場所を舌でぺろりと舐めたのだ。
「ひゃっ、やぁあ!」
 まさかそんな場所を舐められるなんて考えてもいなくて、私は逃れようと腰を引く。
 けれども夕弦さんはがっちりと私を抑え込んで、逃がしてはくれなかった。
「ひゃぁ、んんんっ、夕弦さんまって、あんっ」
 悲鳴とも嬌声ともつかぬ声が口から漏れる。
 こんな場所を舐めるなんて駄目だ。
 頭ではそう思うのに、ぬるりとした舌がそこを這うたびに、えもいわれぬ快楽に支配された。
 腰ががくがくと震えて、声を抑えることさえできなくなる。
「あっ、ふあぁ、ああっ、やぁん」
 彼の舌が動くたびに、口からおかしな声が漏れる。
 小さな尖りを舌で押しつぶされると、たまらない刺激が走って、腰ががくがくと震えた。
 自由に手を動かせないもどかしさが、よりいっそう快楽を高めているように感じた。
「やぁ、あ、それ……やっ、ああっ」
 聞かれたくないと思っていたあられもない声をあげ、与えられる快感に翻弄される。
 ただ気持ちがいいとしか考えられない。
「すご……千歩の、舐めても、溢れてくる」
 愛液に濡れた舌をちらつかせながら、夕弦さんは恍惚とした顔で笑う。
 どこか危険で、とびきり綺麗な笑み。
 普段は見せてくれないその顏はとびきり魅力的で、胸がときめいてしまう。
「もっと、俺で感じて。気持ち良くなって」
「あっ、ひゃぁ、んんんっ……」
 夕弦さんは再び私の中心を夢中で舐める。
 まるで私の感じる場所を知っているかのような動きで、私はただ翻弄されることしかできない。
 思考が鈍くなっていって、頭の奥が真っ白に染まる。
 さらに先があるかのように、身体が追い詰められていく。
 快楽に呑み込まれそうな恐怖。
 そこから逃れたくて腰を浮かせるけれど、がっちりと抑え込まれて身体を動かせない。
「やぁ、ダメっ、何かくる、おかしくなっちゃう!」
「いいよ。おかしくなった千歩が見たい」
 首を左右に振っても逃してくれなくて、さらに刺激を送り込まれる。
 圧倒的な快楽に飲み込まれて、尖りを強く押しつぶされた瞬間に弾けた。
「ダメっ、ひっ、~~~っ!」
 痺れるような強い快感に、声にならない悲鳴が漏れる。
 汗がぶわりと噴き出して、身体中が緊張したように縮こまった。
 痙攣を起こしたみたいにがくがくと震えてから、ゆっくりと身体が弛緩する。
 全力疾走したあとみたいな気だるさと共に、じんわりとした快楽の余韻が全身に広がった。
「イっちゃったみたいだね。可愛い」
 ぐったりとベッドに倒れこんだ私を、夕弦さんは楽しげに見下ろす。
 そうか、今のが絶頂というものなのか。
「可愛くなんてないよ。わけ分かんなくなるし、変な声でるし」
 自分が自分でなくなるような感覚は、どこか恐ろしい。
 余裕なんて一ミリもなくて、きっと、変な顔だってしていたはずだ。
「可愛いよ。俺に乱されてるんだなって思ったら、最高に可愛い」
 余裕のない顏を褒められて複雑な気分でいると、またしても彼の指が中心に触れた。
「まだ、さっきので終わりじゃないよ」
 そうだった。彼は私を愛撫していただけで、まだ下着を脱いでもいないのだ。
 今のだけでも十分すごかったのに、続きがあるなんて信じられない。
「ま、待って!」
 このまま先に進めようとする彼を、私は制止した。
「きょ、今日はここまでにしておくとか……」
 そんな言葉が漏れたのは、やっぱり恐怖があったからだ。
 性行為に対する恐怖はもちろんだけど、今の夕弦さんはどこか余裕がないみたいで、なんだが身構えてしまう。
「残念だけど、今日は千歩の言葉は聞かないことにしたんだ」
「んんっ!」
 言葉と共に、ごつごつした彼の指が内側へと潜り込んできた。
 夕弦さんはいつも、私の言葉を優先してくれていた。
 嫌だと言ったことを無理にされたこともない。
 私が結婚まで待って欲しいと言ったら、何年も待ち続けてくれるくらいだったのに。
 どうしてと思ったけれど、彼の指が動き始めて、すぐに疑問を感じている余裕がなくなった。
「千歩は初めてだから、しっかり解しておかないと」
「あっ……ぁん」
 まだ狭い私の内側を解すように、彼はゆっくりと指を動かした。
 軽く抜き差しを繰り返し、かと思えば、隘路を広げるようにかき混ぜる。
 指を入れられてすぐは違和感しか感じなかったが、慣らされていくにつれて、違和感が快楽へと変わっていった。
 先ほどのように強い刺激ではないものの、彼の指が動くたびに、淡い快楽がじわじわと腹の奥へと溜る。
「んっ……ふっ……あっ」
「ちゃんとここでもイけるように、千歩の気持ち良い場所を探さないとね」
 彼は私の反応を探りながら、何度も指を抽挿する。
 その指の腹がある一点に触れたときに、ぞくりと強い感覚が走った。
「あっ!」
「ああ、ここがいいみたいだね」
 彼は私の弱点を見つけると、その場所を重点的に攻め始めた。
 内壁を指の腹でトントンと叩き、かと思えば、指の関節を折り曲げながらぐりぐりと内側を広げる。
「やぁっ、んんっ、そこダメ……」
「気持ちがいいときは、ダメじゃなくて、イイって言うんだよ」
 彼の言う通り、気持ち良くてたまらなくなっている。
 だけど、気持ち良いなんて口にしたら、手を縛られて追い詰められるように高められて、それでも感じてしまっている自分を認めるようで、言えない。
 快楽に耐えながら首を左右に振ると、彼は咎めるように二本目の指を内側へと潜り込ませた。
「言えないってことは、気持ち良くないのかな」
「ひゃあぁ、んんっ」
 解れきった私のそこは、あっさりと二本の指を受け入れる。
 先ほどよりも増えた圧迫感。
 先ほど見つけられた弱い場所をぐりぐりと刺激されると、どうにもたまらなくて、勝手に腰が動いてしまう。
 さらに、内側と同時に親指で芯芽を弄られて、またしても目の前が白く明滅し始める。
 先ほど初めて体験した絶頂。あの感覚が近づいてきているのだと分かった。
「あっ、ふあぁ……それ……ダメぇ」
 とんでもなく気持ち良くて、おかしくなってしまう。
 快楽の頂点に達する期待と不安。
 迫りくる波に呑み込まれそうになったその瞬間、けれども彼はぴたりと指を止めた。
「……あっ」
 期待したものをとりあげられたような消失感。
 どうしてと夕弦さんの顔を見ると、彼はどうしたのと首をかしげる。
「ダメって言ったから止めたんだけど、止めないほうが良かった?」
「それは……あんっ」
 私が躊躇っていると、彼は再び指を動かし始めた。
 おあずけをされた身体は、求めていた刺激を得て、すぐに再び高まってしまう。
 けれども、また頂点に近づく直前に止められてしまった。
「っ……やぁ、やだ……夕弦さん」
「どうしたの?」
 意地悪をしないで欲しいと彼の目を見つめるが、夕弦さんは首をかしげるばかりで、望みを叶えてくれそうにない。
 中途半端に高められて、お腹の奥のあたりが疼いている。
「して欲しいなら、ちゃんと言って」
 夕弦さんが再び指を動かし始めた。
 ぐじゅぐちゅと私の中心をかき混ぜて、けれども、私が高まってくると動きを止める。
 それを繰り返されると、もどかしくてたまらなくなってしまう。
 このまま続ければまたあの達する感覚にたどり着けるのに、夕弦さんは決してそこへは導いてくれないのだ。
 イきたい。このたまらない疼きと、もどかしさから解放されたい。
「夕弦さん……お願い」
「お願いって、何を?」
 ……ちゃんと強請らないと、終わらせてくれないんだ。
 自ら強請るなんて、とても淫らな女になったようで恥ずかしい。
 だけど、このまま焦らされ続けたら、おかしくなってしまいそうだ。
 疼きから早く解放されたくて、私はどうにか言葉を紡いだ。
「お願い。気持ち良いの、やめないで、イかせて欲しい……」
 口にした瞬間、羞恥で顔が熱くなる。
 私の言葉を聞いた夕弦さんは嬉しそうに顔を綻ばせた。
「よく言えたね。じゃあ、いっぱい気持ちよくなろう」
「あっ、ひゃん、ああああっ!」
 ご褒美とばかりに、夕弦さんは激しく私を攻めたてる。
 その刺激を待ち望んでいた身体は、きゅうきゅうと彼の指を締めつけていた。
 荒い息を吐き出しながら、与えられる快楽に震える。
 この心地よさの前では羞恥心も霞んでしまって、あられもない声が抑えられない。
「イクときは、ちゃんとイクって言うんだよ」
「あんんっ、イク……も、イっちゃう、あああっ」
 ここで止められてはたまらないと、私は彼の命ずるままに、恥ずかしい言葉を口にする。
 頭の奥が痺れるような感覚がして、強い快楽が全身に駆け巡った。
 身体がぴりぴりと震えて、頂点が過ぎ去ると心地よい虚脱感がやってくる。
 ぐったりとベッドに倒れこんだ私に、夕弦さんは優しく口づけた。
「千歩、俺だけの愛しい奥さん。愛してるよ」
 甘い言葉に胸の奥が満たされる。
 慣れない快楽の連続と、挙式の疲労が重なって、なんだかとても瞼が重い。
 だめ……眠っちゃ……まだ途中なのに……。
 そう思ったけれど強烈な睡魔に抗いきれず、気がつけば私は心地よい眠りの中へといざなわれていた。

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