歴戦の騎士と純潔姫の夫婦生活は閨教育から!? ~褒賞として授けられた結婚でしたが、独占愛で充たされました~
著者:澤谷弥
イラスト:フミマロ
発売日:2023年 10月27日
定価:630円+税
武勲を立てた騎士であるアーレントは、王に与えられた「望む令嬢と結婚ができる褒美」に困っていた。
結婚願望のない彼は断られる前提で「幻の妖精姫」と言われるほど儚い美しさをもつ侯爵令嬢のユスティネに求婚する。
だがその思惑は外れ、ユスティネはアーレントとの結婚を承諾して――。
実はユスティネは男性が苦手で、触れることもできないとアーレントに伝える。
アーレントも彼女の状況や立場を理解し、徐々に二人は夫婦として心を通わせていく。
そんなある日、騎士は王太子の閨教育を担当するようにと、宰相から言われてしまい……!?
練習のためにと、手に触れ、抱き締めあい、口づけを交わす。
「俺は、あなたを求めてもいいだろうか?」
二人は「閨教育」の手ほどきを身をもって学んでいって――?
【人物紹介】
ユスティネ・カスキネン
可憐ではかなげな姿から「幻の妖精姫」と呼ばれている侯爵令嬢。
とある事情から、触れられないほどに男性が苦手である。
だが、何故かアーレントには触れることができた。
一緒に過ごしていくうちに妻として役に立ちたいと思いはじめて――?
アーレント・カスキネン
魔物討伐において活躍を見せた勇ましい騎士。
部下を庇い大きな怪我をしたことから引退し、現在は指導役として仕えている。
元々結婚願望はなく、国王に押し切られる形で結婚した。
そんなアーレントだったが、同じ時間をともにする中でユスティネに惹かれていき――。
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【試し読み】
昨夜読んでいた教本は、机の上に読んだままの状態で置いてあったはずだ。だが今、机の上は綺麗に片づけられていて、教本がない。
そして、手にしている本を隠そうとしているユスティネの姿を見たらは、彼女が手にしている本がなんとなく予想ができる。
「ユスティネ。すまないが、その本は返してもらえないだろうか」
「あ、あの……え、と……」
ユスティネは顔を真っ赤に染め上げ、小刻みに唇を震わせている。
「それは教科書なんだ。俺はジェニース殿下にそれを教えなければならない」
「あ、はい……」
ジェニースの名前が効いたのか、ユスティネはゆっくりとアーレントの側に寄ってきて、頭を下げ両手を伸ばして教本を差し出してきた。
「勝手に見てしまい、申し訳ありませんでした」
「いや。この部屋にある本を好きに見ていいと言ったのは俺だ」
ユスティネの手に触れないように気を配りながら本を受け取った。だが、彼女はその姿勢のまま顔をあげようとしない。
「ユスティネ。顔をあげなさい。俺は、怒っていないから」
そろりと顔をあげたユスティネであるが、その顔は茹で上がっており、目もどこか潤んでいる。
(なぜ、そんな顔をする……)
はくはくと彼女の唇が震えており、やっとの思いで言葉が紡ぎ出される。
「あ、アーレント様は。他の女性と……そ、そのようなことを、されるのですか?」
ユスティネの言葉の意味が理解できなかった。
「ジェニース殿下に、アーレント様が教えるのですよね。その本の内容を」
「そうだ」
「つまり、アーレント様が、殿下の前で実技をされる……」
アーレントは息を呑んだ。まさか、そこまで読まれているとは思っていなかった。
サロモンから受け取ったものは、教本の他に歴代の教育者の記録簿だ。それに書かれていたのが実技の内容。つまり、教育のために対象者の前で身体の重ね方を実演するという内容であった。
「そ、それは……」
アーレントの頬にも熱がこもる。ずっと悩んでいた原因がこれだった。
「お相手の方は、どなたですか?」
「それは……」
答えることはできない。そもそも決まっていない。
「アーレント様は、わたくしという妻がいるのに、他の女性を抱かれるのですか?」
「違う。それは決してない。あのときも言ったが、俺は女性に対してあまり欲情しない。だから困っている。教本の内容もよく理解できないのだ。女性のことはさっぱりわからない。だからといって、誰に聞いたらいいのかもわからない」
ユスティネは力強く見つめてくる。顔を真っ赤にしているのは、怒りのせいなのか恥ずかしさのせいなのかもわからない。だが、熱のこもった視線をぶつけてくる。
「……わたくしでは、駄目ですか?」
その言葉に、アーレントは眉間に力を込めた。
「わたくしはアーレント様の妻です」
彼女がはっきりと意思表示をする姿に、躊躇いを覚える。だが、彼女の言う通りユスティネはアーレントの妻である。身体を重ねるどころか口づけを交わしたこともないが、書類上は夫婦であり、アーレントにとって最も近い場所にいる女性で、時間を共有している女性である。
ゴクリと喉を鳴らす。
「だが、あなたは男性に触れることができない。それを承知のうえで俺はあなたと結婚をした」
「ですが」
彼女が自身の両手を力強く握りしめた。
「アーレント様には少しだけですが、触れることができました。わたくしもこのままでいいとは思っておりません。いつかは、妻としての役目を果たしたいと、そう思っているのです」
普段はおっとりとしている彼女のどこに、このようなはっきりとした意思が隠されていたのかがわからない。
だが、アーレントも彼女からそう言われて悪い気はしなかった。特に、妻としての役目を果たしたいとはっきりと口にされてしまえば、じわりと腹の底から喜びさえ沸き起こってくる。
アーレントも彼女を真っすぐに見下ろした。心臓が痛いくらいに動いている。
「あなたがそこまで言うのなら……」
アーレントは自分の気持ちを押し殺すように、その言葉を口にする。
「だが、あなたは男性に触れることができない。いきなり妻としての役目を果たすのは無理だろう?」
「そ、それは……」
ユスティネは身体を強張らせた。何が原因となって彼女をそうさせてしまったのか、アーレントは知らない。だが、彼女を怯えさせたいわけでもない。
アーレントはすっと右手を差し出した。
「まずは、俺と握手をするところから始めないか?」
ここは順を追って触れ合うべきだろう。それにアーレント自身も、まだそれほど欲が沸かない。少しずつ触れ合って最終地点に辿りつければいいのだが、今の段階ではそれもわからない。
それでも今は、手を繋ぐところから始めたい。
ユスティネは驚いたのか、アーレントの右手をじっと見つめている。そして見上げて、彼の顔を見る。と思えば、また手元に視線を戻す。
「怖いのか?」
今までの彼女の態度を見れば、男性を怖いと思っているのはわかっているし、怖い思いをさせてまで触れ合いたいとは思っていない。むしろ、彼女に嫌われたくない。
「アーレント様は、怖くありません」
ユスティネはそっとアーレントの右手に触れる。健気な彼女が微笑ましく、ふっと笑いがこぼれた。
「よろしく頼む、奥さん」
握った手にきゅっと力が込められた。
===
「ユスティネ……今日は口づけ以上のことをしてもいいか?」
寝台を軋ませながら膝をつき、ユスティネを見下ろした。目の前にいる彼は、どこか切なそうに、そして苦しそうな表情をしている。
ユスティネの心臓はトクトクと苦しいくらいに動いている。それを抑えつけるかのようにして胸元に手を当てた。
「アーレント様に望まれるのは、恥ずかしいですが……それでも嬉しいです。アーレント様は、わたくしにとっての特別ですから……んっ」
ユスティネがすべてを言い終える前に、唇が塞がれる。
合わせるだけの口づけであるが、触れた途端に全身が粟立ち、もどかしさが集まっていく。ユスティネの身体は不思議なことに、それ以上の行為を期待しているのだ。
一度、彼は身を引いた。
「俺はあなたに嫌われたくないから、あなたが嫌がるようなことはしたくない」
夕焼けのような瞳に見下ろされ、ユスティネは自ら彼の首の後ろに手を回した。
アーレントの妻であると何度も口にしていたのは、自分自身に言い聞かせるためでもあった。その事実が、他の女性との違いであり、ユスティネが感じ取れる優越感でもあったのだ。なによりもアーレントは、ユスティネが触れられる唯一の男性である。
彼女のほうから求めてきたことに彼は驚きつつも、すぐに愉悦の笑みを浮かべる。
アーレントは指で彼女の唇をなぞり、そのまま、頬、顎、首筋、鎖骨と、つつっと触れる場所を変えていく。服の上から女性の象徴の膨らみの先端を刺激されると、淡い切なさが下腹部からじんわりと広がり始めた。
「ん……」
ユスティネからこぼれ落ちる艶やかな声を聞いたアーレントは、ごくりと喉を鳴らす。
「ここに、触れてもいいだろうか?」
彼なりの優しさのつもりなのか、それとも意地悪のつもりなのか。答えを口にすることすらはばかれ、ユスティネはコクリと静かに頷いた。
彼女が身に着けているナイトドレスは、前開きで前身頃を重ねるガウンのような作りになっている。腰にはゆったりとしたリボンがついていて、これが解けるとドレスははだけてしまう。彼の手が伸びてきて、合わせ目から手を忍ばせ乳房に触れた。
「柔らかいな」
彼の言葉はユスティネの心も身体も刺激する。彼の首に回した手をそろりと移動させ、腕を掴んだ。
「嫌か?」
その問いに首を横に振り「恥ずかしいのです」とだけ口にする。
「そうか……あなただけ曝け出すのは不公平だな」
アーレントは着ていたシャツをいきなり脱ぎ捨てる。ユスティネの目の前には、引き締まった厚い胸板が現れた。
だがそれよりも目を奪われたのは、右肩から肘にかけて残っている大きな傷跡だった。皮膚が引き攣れて盛り上がり、不規則な線となって走っている。
ユスティネはおずおずと傷痕に手を伸ばして、その感触を確かめる。
「痛みますか?」
「いや……」
「スミアラ領には、温泉があるのです。湯治といって、怪我の治療に訪れる人も多いのですよ」
傷痕を包み込むようにしながら、優しく撫でる。
「そうか。スミアラ領にも、一度は足を運んでみたいものだな」
アーレントの手がユスティネの手首を捕らえた。
「あなたに触れてもらうと、とても気持ちがよい。俺も、あなたを気持ちよくしたいのだが」
彼の手がナイトドレスの前身頃をがばりと開けると、豊かな胸がまろび出る。
明かりを消さずに寝台に連れてこられたため、ユスティネは自分がどのような状況におかれているのかを、はっきりと目にすることができた。
彼は、ユスティネの胸元に顔を近づけている。
「ひゃっ……」
左胸は彼のごつごつとした大きな手に包まれ、右胸は彼の口の中に含まれた。右胸の先端を中心に、ざらりとした感覚が襲う。
「あ、アーレント……さま……」
ユスティネはおもわず彼の後頭部を捕まえた。
「やっ……ん、んぅ……」
彼は先端を舌でつついたり、唇で挟んでみたりと執拗にユスティネの胸を舐っていた。もう片方の胸は、彼の硬い指で弄られている。そのたびに、下腹部がずんと疼く。
アーレントが顔を離し、濡れた乳首に外気が触れると、ひやりとした。
「もう、こんなに硬くなっている。本当なんだな、感じると硬くなるというのは」
教本に書かれている内容を口にしているのだろう。
「ユスティネ……。どうだ? 気持ちよくはないのか?」
「聞かないで……ください……」
両手で顔を覆う。
「だが、俺はあなたが嫌がることはしたくない」
「アーレント様が思うようにお願いします」
顔を覆ったまま答える。感じている気持ちを口にするのは、はしたないし恥ずかしい。だから、すべてを彼に任せたい。
ユスティネの手首は、アーレントによって自由を奪われた。
「顔を見せてくれ……。あなたがどのように感じているのかを見たい……」
「だから、恥ずかしいのです……。恥ずかしくて……なにも言えません」
「では、嫌ではないのだな」
彼の言葉に頷くと、また熱い吐息がユスティネの素肌に触れる。
「女性は感じると、受け入れる場所を濡らすと読んだ。確かめてもいいか?」
トクトクトクと心臓は高鳴っている。受け入れる場所はなんとなく知っている。
ドレスは腰のリボンを解かれ、下のほうまで押し広げられた。布越しにそっと彼が触れる。
「あっ……」
自然と声が漏れる。
「下着の上からでも、わかる……。本当なんだな」
アーレントの頭は、ユスティネの下腹部へと移動していく。恥ずかしさに耐え切れず、彼の髪の毛を掴んだ。
「なっ……なにをされるのですか?」
「あなたのすべてを見たい……」
「だ、だめです。そこは、まだ……」
「まだ? ということは、もう少しすれば見てもいいのか?」
ユスティネは自分が口にした言葉に焦りを感じた。
「わかった。今はこちらで我慢する」
アーレントの手が再び乳房に触れる。二つの乳房を下側からすくい上げ、真ん中に先端を寄せると、二つを一度に口に含んだ。
「ああっ……それ、ダメ……」
ユスティネが否定しても、アーレントはやめない。彼の頭皮がひきつるくらいに、きつく髪を握りしめる。
心臓がドクドクと音を立てているが、彼にまで聞こえているのではと不安になった。それよりも、愛撫されている胸から広がっていく心地よい気持ちに、迷いを感じ始める。
「あなたは、慎ましいと思っていたが。このようなものを隠し持っていたのだな」
濡れた先端に、彼の息が触れた。
「ユスティネ……。先ほどから、黙ってばかりだが、不快だったのか?」
「ち、違います。アーレント様が、そうやって喋るのが嫌なんです」
握りしめる彼の髪におもわず力を込めてしまうが、ブチブチと髪が抜ける感覚に慌てて力を抜いた。するとアーレントはユスティネの左手を取り、シーツの上で優しく重ねる。
「すまない……。だが俺は、あなたに嫌われたくないから、正直に思ったことを口にするように決めたんだ……」
「アーレント様は、意地悪です」
ユスティネの震える声に、胸のあたりを優しく動いていたアーレントの手が止まる。
「意地悪? 俺は意地悪をしたつもりはないし、あなたが嫌だと思うことはしたくない。やはり、不快なのか? こんなにここを硬くしているのに?」
彼は苛立っているのか、いつもより低い声でささやくと指先で先端を摘まみ上げた。
「あっ……」
ユスティネの身体が跳ねた。
「意地悪なのはあなたのほうでは? 俺の妻だと口にしながら、俺が触れると嫌だと言う。俺はあなたを愛したいだけなのに、いったいどうしろと?」
アーレントの琥珀色の瞳は、はかなげに揺れている。
「明かりを……消してもらえませんか?」
その一言を絞り出すと、彼は顔を綻ばせ「承知した」と口にする。
人々の生活は魔力によって成り立っている。魔力が込められている魔石がランプの明かりの源となる。寝室を照らしていたのも、魔導灯と呼ばれる魔石を用いたランプであった。
寝室の中心に置かれている、アーレントの背丈ほどの魔導灯の光を弱めた。
すべては消さずに、お互いの存在がわかる程度の微かな明かりを残す。
「これでいいか?」
部屋の明かりを調整したアーレントは、再び寝台へとあがった。
「これだけ近づかないと、あなたの顔は見えないな」
ユスティネの鼻に彼の吐息が触れる。
「わたくしを、はしたないと思わないでくださいね」
「ああ、思わない。むしろ、俺の手によって乱れるあなたは、俺しか知らない。そんなあなたを見たら、俺は間違いなく興奮するだろう」
ユスティネの手を握りしめたアーレントは、その手を自らの象徴へと導いた。硬くて熱いものが、彼女の手に触れる。
はっとしてアーレントの顔を見ると、彼は穏やかに笑みを浮かべている。
「いくらでも乱れていい、はしたなくなってもいい。ここには俺とあなたしかいない……」
ユスティネの手を顔の脇のシーツに押しつけた彼は、優しく額に口づけた。
「アーレント様を信じます。あなたの望みのままに」
「あまり煽らないでくれ……」
アーレントは彼女の首元に顔を埋め、匂いを嗅ぐような仕草を見せてから唇を這わせていく。
ユスティネの心臓はどくどくと高鳴り、快楽と羞恥を同時に生み出していた。心許なく、シーツを握りしめる。
「あっ……ん……」
彼の唇が再び胸の先端に到達すると、もどかしさが下腹部を襲う。
「はぁ……」
触れられているのは胸なのに、お腹の奥が熱くなってもぞもぞと太ももを擦り合わせる。だが、それはすぐにアーレントに気づかれてしまう。
胸を弄っていた彼の手が下腹部に伸び、下着の上から秘部をなぞりあげた。
「ひゃっ……」
「明かりは消した。ここに直接触れてもいいだろうか」
「あっ……ん……」
下着の隙間からアーレントの指が入り込み、しっとりと濡れそぼった秘所に触れた。
「あぁっ……」
自身でさえも触れたことのない場所を、彼の指がゆっくりと動いている。
「こんなに濡れていては、下着も汚れてしまうな」
アーレントは下着に手をかけると、ユスティネが抵抗する間もなくするっと脱がせてしまった。
潤んでいる秘所に触れる夜気が一段と冷たく感じた。
アーレントの指がくちゅりくちゅりと淫唇をゆっくりとなぞっている。
彼がそうやって弄ってくれるのは気持ちがよいのだが、次第に切なさともどかしさへ変化していく。
だが、指がある一点をかすめたとき、ユスティネは身体をよじった。
「あぁっ……」
それは物足りなさに手が届くような気がした。
「教本では読んでいたが、やはりそうなのか?」
アーレントは、大きく彼女の足を広げる。
「やぁっ……こんな格好、いやっ……」
「あなたの言うことはきかない。俺が望むとおりにする」
下着を剥ぎ取られたうえに足を大きく開いてしまったら、恥ずかしい部分が露わになってしまう。
「ひゃっ」
足を閉じる前に大きな彼の身体が間に入り込んできた。これでは足は閉じられない。
「ユスティネ。俺を感じてほしい。そうしないと、あなたの身体は俺を受け入れられないだろう」
アーレントはユスティネの膝に触れ、そこに口づけを落とす。そのまま太ももまでを舐め上げ、次第に彼女の秘部へと顔を近づける。彼を受け入れるべき場所の周囲を、アーレントが舌を這わせている。
「あなたの匂いがする。とても熱くて……湿っているな」
恥ずかしい場所で彼が声を発するたびに漏れ出る息が、濡れそぼる秘部を撫でる。
鼓動が大きく跳ねた。はっはっと呼吸をすると、胸がぎゅっと締めつけられる。
彼にいけないことをさせているような背徳感が、ユスティネを襲う。
いやいやと頭を振るが、その想いは彼には届かない。
指で大きく広げられた入り口に、しっとりしたざらつく何かが触れる。そこは今まで誰にも触れられたことのない場所。
「あっ……そ、そのような、場所……」
淫らな水音と、ユスティネの荒い息遣いが響く。
ユスティネの声が届いていないのか、彼の舌は夢中で膣孔を弄っていた。じゅるじゅると厭らしい音が聞こえ、羞恥に包まれる。
彼の舌先が、敏感な突起を舐め上げたとき、ぞくりと背筋に快感が走り抜けた。
「それ……いやぁ……」
懇願するような声で叫んでも、彼の舌は執拗に攻め立てる。